2014/07/18(金) - 09:30
7月9日、フェルトやGT、charge BIKES、BBBなどを多くのブランドを取り扱うライトウェイプロダクツジャパンの2015年モデルの展示会が開催された。主にビギナー向けのクロスバイクやエントリーグレードのロードバイクなど、合わせて50台近くが並んだディーラー向けイベントの様子をレポートする。
「ライフスタイルバイクショー」と銘打ち、都内のビルの1フロアを貸しきって開催されたライトウェイプロダクツジャパン(以下RPJ)の展示会。広々とした会場にはフェルト、GT、charge BIKES、オリジナルブランドのライトウェイの4ブランドからクロスバイクを筆頭にロード、MTB、シングルスピード、ファットバイク、BMXなど約50台近くが並べられた。
加えて、BBBやサーファス、KCNCやガーミンなど豊富な取扱数を誇るパーツ&アクセサリー類も展示。その他、自転車ガールズユニットのちゃりん娘とRPJが共同開発した日焼け止め乳液「サンクチュアリ サンプロテクト」や、着るだけで疲労回復できるというリカバリーウェア「VENEX」などアイデア商品も来場者の目を引いていた。
手頃な価格のエアロロードから24インチのCXバイクまで ますます充実のフェルト
ビギナーから上級レベルのホビーレーサーまで幅広い層から支持を集めるフェルト。今回の展示会ではこの4月に発表された話題のシマノ新型105を搭載したロードバイクが注目を集めていた。その中でも、広報を務める武田純一さんがオススメするのが昨年モデルチェンジを果たしたエアロロード「AR」シリーズのエントリーグレードに当たる「AR5」だ。ビギナーにもその凄みが伝わりやすい翼断面チューブを多用したフレームデザインに新型105を搭載しながら、価格は30万円を下回る。
武田さんはAR5について「トライアスロンにルーツを持つ、フェルトらしいバイクですね。エアロロードとしては手頃ながら、十分にその技術力が体感できる乗り味に仕上がっています」と語る。2014モデルは瞬く間に完売してしまったとのことだが、2015モデルでも人気に火が付きそう。また武田さん曰く、カーボンフォークのグレードアップによって軽量化を果たしたというアルミバイクのF75にも注目してほしいとのこと。
また、フェルトと言えばロードバイクのイメージが非常に強いが、その他のジャンルについても幅広く展開している。今回の展示会に限って言えば、ロードバイクよりも多くのクロスバイクが展示されていたほど。なおクロスバイクについては国内の道路環境にあわせて、フォークをサスペンションタイプからリジットにするなど日本独自の仕様としたモデルもあるそう。加えて、国内にかぎらず世界的に人気が高まりつつあるCXバイクもしっかりとラインナップされ、世界的にも珍しい子供用24インチモデルも国内展開されるというから驚きである。
一方で、これだけラインナップが多いと1台1台の造り込みが気になるところ。しかしながら、実物を手にとれば完成度の高さは一目瞭然。その理由の1つとなっているが、フレームカラーにパーツ類のカラーを合わせている点だ。それもバーテープやサドルと言った大きな部品だけでは無く、ワイヤーキャップやホイールのニップルのカラーも統一するという徹底ぶり。この点について武田さんは以下の様に語ってくれた。
「実は日本からのリクエストと言うわけでは無く、本国が主導してアッセンブルしているのです。さすがは工業立国ドイツと言わざるを得ませんね。そういった細かい気配りはバイクの性能からも感じることができ、どのモデルも乗り味が素直で扱いやすく、ライダーをアシストしてくれる印象があります。フェルトで全日本選手権を勝った土井雪広選手や、シマノレーシングの皆さんも同じ様な感想を持たれていました。私見ではありますが、フェルトのバイクを買って損と思うことはまず無いはずなので、もっと多くのサイクリストに乗って欲しいですね。」
新型グラベルロードGRADE登場 玄人好みなバイクが揃うGT
幅広い層から人気を集めるフェルトの一方で、独特のセンスから生み出される玄人好みなバイクをラインナップするアメリカのGT。この展示会に合わせて同ブランドを傘下に収めるCYCLING SPORTS GROUPからアジア統括セールスマネージャーを務めるアッティー・スラベート氏が来日。来場したショップスタッフや関係者達と交流を深めながら、日本におけるバイクトレンドのリサーチに努めていた。
主力カテゴリーであるMTBや従来から国内展開されてきたクロスバイクに加え、今回の展示会では新型グラベルロードGRADE(グレイド)が展示され、注目を集めていた。この新ジャンルのバイクについてスラベート氏は「とにかく頑丈だから、これ一台あればどこにでも行ける。GRADEはあらゆるニーズに対応してくれるバイクなんだ。まさに、GTのスピリットが体現されたモデルといえるね」と語る。
GTはMTBをルーツするブランドということから、どんなバイクでも強度を求められることが多いのだという。実際にGRADEを製品化にこぎつけるまでに3年もの長きに渡るテストを実施したとのこと。そして、強度を高める上でキーポイントとなったのは、やはりGTのアイデンティティである「トリプルトライアングル」だったそうだ。
シートステーの端をトップチューブまで延長した独自の構造はGRADEのみならず、レーシングモデルから廉価帯のMTBやクロスバイクにも採用されている。しかし、溶接箇所が増加し、製造コスト増にも繋がる要因でもある。しかし、その必要性について「南米にはエントリーグレードのバイクでもレースを楽しんでいるユーザーが多くいる。従って、どのモデルにも高い強度を備える必要がある」とスラベート氏は力説する。
近年のGTといえばBMXの流れを汲む無骨なストリートバイクもリリースしている。そのため、かつて名門ロードチームのロットに供給していた時代を知る人には軟派になってしまったというイメージがあるかもしれない。しかし、これもユーザーの声に耳を傾けた結果であり、スラベート氏曰く「ツールを戦えるバイクよりも、街なかをかっこ良く流せるバイクが欲しいというGTファンの意見を製品開発に取り入れている」のだという。総じて、GTはファンや世界中のユーザーのニーズに基づいたものづくりを行う正統派のブランドであるということがお分かりいただけたのではないだろうか。
様々な用途やライダーのスキルにマッチする幅広いラインナップを持つフェルトと、独特なセンスから生み出される玄人好みなバイクを多く揃えるGT。一見、対照的ではあるものの、良質なバイクをユーザーに届けたいと言う点では共通しており、これから追加で発表されるという新作モデルに注目したいブランドである。なお、今回の展示会で発表されたバイクの詳細は最寄りのRPJ正規販売店で確認することができる。気になる方は早速、店頭に足を運んでみてはいかがだろうか。
text&photo:Yuya.Yamamoto
「ライフスタイルバイクショー」と銘打ち、都内のビルの1フロアを貸しきって開催されたライトウェイプロダクツジャパン(以下RPJ)の展示会。広々とした会場にはフェルト、GT、charge BIKES、オリジナルブランドのライトウェイの4ブランドからクロスバイクを筆頭にロード、MTB、シングルスピード、ファットバイク、BMXなど約50台近くが並べられた。
加えて、BBBやサーファス、KCNCやガーミンなど豊富な取扱数を誇るパーツ&アクセサリー類も展示。その他、自転車ガールズユニットのちゃりん娘とRPJが共同開発した日焼け止め乳液「サンクチュアリ サンプロテクト」や、着るだけで疲労回復できるというリカバリーウェア「VENEX」などアイデア商品も来場者の目を引いていた。
手頃な価格のエアロロードから24インチのCXバイクまで ますます充実のフェルト
ビギナーから上級レベルのホビーレーサーまで幅広い層から支持を集めるフェルト。今回の展示会ではこの4月に発表された話題のシマノ新型105を搭載したロードバイクが注目を集めていた。その中でも、広報を務める武田純一さんがオススメするのが昨年モデルチェンジを果たしたエアロロード「AR」シリーズのエントリーグレードに当たる「AR5」だ。ビギナーにもその凄みが伝わりやすい翼断面チューブを多用したフレームデザインに新型105を搭載しながら、価格は30万円を下回る。
武田さんはAR5について「トライアスロンにルーツを持つ、フェルトらしいバイクですね。エアロロードとしては手頃ながら、十分にその技術力が体感できる乗り味に仕上がっています」と語る。2014モデルは瞬く間に完売してしまったとのことだが、2015モデルでも人気に火が付きそう。また武田さん曰く、カーボンフォークのグレードアップによって軽量化を果たしたというアルミバイクのF75にも注目してほしいとのこと。
また、フェルトと言えばロードバイクのイメージが非常に強いが、その他のジャンルについても幅広く展開している。今回の展示会に限って言えば、ロードバイクよりも多くのクロスバイクが展示されていたほど。なおクロスバイクについては国内の道路環境にあわせて、フォークをサスペンションタイプからリジットにするなど日本独自の仕様としたモデルもあるそう。加えて、国内にかぎらず世界的に人気が高まりつつあるCXバイクもしっかりとラインナップされ、世界的にも珍しい子供用24インチモデルも国内展開されるというから驚きである。
一方で、これだけラインナップが多いと1台1台の造り込みが気になるところ。しかしながら、実物を手にとれば完成度の高さは一目瞭然。その理由の1つとなっているが、フレームカラーにパーツ類のカラーを合わせている点だ。それもバーテープやサドルと言った大きな部品だけでは無く、ワイヤーキャップやホイールのニップルのカラーも統一するという徹底ぶり。この点について武田さんは以下の様に語ってくれた。
「実は日本からのリクエストと言うわけでは無く、本国が主導してアッセンブルしているのです。さすがは工業立国ドイツと言わざるを得ませんね。そういった細かい気配りはバイクの性能からも感じることができ、どのモデルも乗り味が素直で扱いやすく、ライダーをアシストしてくれる印象があります。フェルトで全日本選手権を勝った土井雪広選手や、シマノレーシングの皆さんも同じ様な感想を持たれていました。私見ではありますが、フェルトのバイクを買って損と思うことはまず無いはずなので、もっと多くのサイクリストに乗って欲しいですね。」
新型グラベルロードGRADE登場 玄人好みなバイクが揃うGT
幅広い層から人気を集めるフェルトの一方で、独特のセンスから生み出される玄人好みなバイクをラインナップするアメリカのGT。この展示会に合わせて同ブランドを傘下に収めるCYCLING SPORTS GROUPからアジア統括セールスマネージャーを務めるアッティー・スラベート氏が来日。来場したショップスタッフや関係者達と交流を深めながら、日本におけるバイクトレンドのリサーチに努めていた。
主力カテゴリーであるMTBや従来から国内展開されてきたクロスバイクに加え、今回の展示会では新型グラベルロードGRADE(グレイド)が展示され、注目を集めていた。この新ジャンルのバイクについてスラベート氏は「とにかく頑丈だから、これ一台あればどこにでも行ける。GRADEはあらゆるニーズに対応してくれるバイクなんだ。まさに、GTのスピリットが体現されたモデルといえるね」と語る。
GTはMTBをルーツするブランドということから、どんなバイクでも強度を求められることが多いのだという。実際にGRADEを製品化にこぎつけるまでに3年もの長きに渡るテストを実施したとのこと。そして、強度を高める上でキーポイントとなったのは、やはりGTのアイデンティティである「トリプルトライアングル」だったそうだ。
シートステーの端をトップチューブまで延長した独自の構造はGRADEのみならず、レーシングモデルから廉価帯のMTBやクロスバイクにも採用されている。しかし、溶接箇所が増加し、製造コスト増にも繋がる要因でもある。しかし、その必要性について「南米にはエントリーグレードのバイクでもレースを楽しんでいるユーザーが多くいる。従って、どのモデルにも高い強度を備える必要がある」とスラベート氏は力説する。
近年のGTといえばBMXの流れを汲む無骨なストリートバイクもリリースしている。そのため、かつて名門ロードチームのロットに供給していた時代を知る人には軟派になってしまったというイメージがあるかもしれない。しかし、これもユーザーの声に耳を傾けた結果であり、スラベート氏曰く「ツールを戦えるバイクよりも、街なかをかっこ良く流せるバイクが欲しいというGTファンの意見を製品開発に取り入れている」のだという。総じて、GTはファンや世界中のユーザーのニーズに基づいたものづくりを行う正統派のブランドであるということがお分かりいただけたのではないだろうか。
様々な用途やライダーのスキルにマッチする幅広いラインナップを持つフェルトと、独特なセンスから生み出される玄人好みなバイクを多く揃えるGT。一見、対照的ではあるものの、良質なバイクをユーザーに届けたいと言う点では共通しており、これから追加で発表されるという新作モデルに注目したいブランドである。なお、今回の展示会で発表されたバイクの詳細は最寄りのRPJ正規販売店で確認することができる。気になる方は早速、店頭に足を運んでみてはいかがだろうか。
text&photo:Yuya.Yamamoto
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