2013/08/07(水) - 10:12
昨年より展開されている東日本シクロクロスツアー(JECX)によるサマークロスシリーズが今シーズンも行われ、先ごろ埼玉県吉見総合運動公園で行われた第1戦に引き続き、第2戦が福島県猪苗代町の天神浜を舞台に行われた。
このサマークロスシリーズはエリートとC1以外は従来のAJOCCカテゴリーに縛られることなく、自己申請でエントリーできるシステムとなっている。またエリートクラスとはJECX独自の基準で認定された最上級カテゴリーとなっており、JECX内のグレード分けされたレースによっては賞金大会も実施される。
レースコースはアスファルト区間を利用したスタート後ジープロードを通り、防風林となっている松林のシングルトラックを抜け、再びジープロードに戻り、森の中の小川の横を折返しキャンプ場脇を徐々に深く柔らかくなる砂浜に向う。その後たっぷりと水を含んだ砂浜を通り森を抜けフィニッシュ地点となる。
強制的に自転車を下ろされるセクションはシケインと1メートル程度の土手を登る2箇所。その他に途中小川渡りが用意され、乗るか降りるかの判断を迫られる。前日に設けられたフリー走行では乗って渡ろうとチャレンジして自転車ごと猪苗代湖にダイブした選手が何人かいたようだった。
この日の猪苗代湖の水位が高く最短ラインでも膝下10センチほど深さがあった。凍える寒さの真冬のシクロクロスでは有り得ないセクションだが、サマークロス独自のユニークなコース設定と言えよう。ここ東北でのサマークロスのフィードゾーンでは水の補給以外に山形産のスイカが提供され、苦しいながらもライダーは苦笑いしながらスイカを受け取るシーンも見られる。中には好んでスイカを受け取るライダーも見受けられた。
この日のレースに参加したライダーは50人余り。MTB全日本選手権の開催週となってしまったこともあり、また「夏にシクロクロスなんて」と既成概念に縛られているせいなのか各カテゴリーとも若干寂しい出走数であったが、それぞれのカテゴリーでは熱いレースが展開された。
30分競争となるスポーツクラスでは山梨県から参加の十文字が1周回目よりトップに出て後続を引き離し、最終周回でミスコースでテープに絡まってしまいロスするも前回の吉見ラウンドで4位と表彰台を逃してしまった悔しさを晴らした。
エリート女子とFemmeと混走のマスターズクラスは40分競争。エリート女子とFemmeはそれぞれ1人づつの参加だけだった。序盤次々にトップが入れ替わるが、シングルスピードに乗る坂田(あぶくまサイクリングクラブ)がトップに出るとそのまま追走する伴(臼杵レーシング)を振り切り優勝。
第3レースはエリート男子、C1、エキスパートの混走。エリートクラスで出走する佐復と金井(デラピスタ) は修善寺でのXCO全日本選手権からのハシゴ組。「かなり疲労しています」と佐復は公言していたが、レース1周回目の砂浜にはトップで走ってきた。金井は後輪をパンクさせてしまうも、ピットクルーどころか、交換する機材すらないため柔らかい路面以外はすべてランニング。途中オルガナイザーの裁量でバイク交換を認められるが、残念ながらクリートの種類が違うため交換できずに最後まで走ることになった。
同時出走の40分競争のエキスパートクラスは根本が機材トラブルで途中離脱すると織田(mistral)が佐藤(オンザロード)を交わしトップに出るとそのまま逃げ切り優勝。前節のスポーツクラスでの優勝で中学生ながらエキスパートクラスで走ることを許可されたが、次節はどのクラスを走るのか。
レース全体ではC1の影山(オンザロード)が2周回目よりトップになりエリートクラスの山川(ARAI MURACA)の猛追を振り切って優勝。「去年は砂に苦しめられたが、今年は少し楽しむ余裕があった」とはレース全体を1位でゴールした影山のコメント。かたや影山を捉える事ができなかった山川は「次は絶対に負けません」と悔しさを滲ませた。
JECXサマークロスシリーズの次戦は津軽海峡を渡り北海道・北長沼水郷公園内特設コースで3戦、4戦が7月27日、28日の両日に行われる。サマークロス最終戦は8月10日に菅生サーキットで行われるナイトクリテリウムと同時開催。同じ自転車でタイヤだけを履き換えてナイトクリテリウムを走った後にナイタークロスという選択肢もある。熱く盛り上がる東北エリアのレースイベントから目が離せない
リザルト
エリート男子
1位 山川惇太郎(ARAI MURACA) 59:13
2位 佐復真人 +2:57
3位 金井仁(デラピスタ) -1Lap
カテゴリー1
1位 影山善明(オンザロード) 58:34
2位 佐藤利英(エルドラード) +3:14
3位 三浦孝司(VLAAMS) +6:33
エリート女子
1位 綾野桂子(チバポンズ川口農園)36:29
femme
1位 佐復亜都奈 33:15
エキスパート
1位 織田聖(mistral) 37:37
2位 佐藤英夫(オンザロード) +1:28
3位 柴田航(SHOWA.R.F) +2:05
スポーツ
1位 十文字隆 24:19
2位 三森靖之(おぶくまサイクリングクラブ)+0:36
3位 高橋洋一(B.C KOZO) +1:33
マスターズ
1位 坂田智徳(おぶくまサイクリングクラブ)31:32
2位 伴肇(臼杵レーシング) +0:09
3位 高橋冬樹(cycleclub3UP-ex)+0:14
60分チームエンデューロ(男子チーム)
1位 オンザロード
2位 JECX
3位 TeamLongtail+山田フィルタ
60分チームエンデューロ(男女混合チーム)
1位 仙台ロードマンクラブ
text & photo
S.Oda(Kasukabe Vision FILMz)
このサマークロスシリーズはエリートとC1以外は従来のAJOCCカテゴリーに縛られることなく、自己申請でエントリーできるシステムとなっている。またエリートクラスとはJECX独自の基準で認定された最上級カテゴリーとなっており、JECX内のグレード分けされたレースによっては賞金大会も実施される。
レースコースはアスファルト区間を利用したスタート後ジープロードを通り、防風林となっている松林のシングルトラックを抜け、再びジープロードに戻り、森の中の小川の横を折返しキャンプ場脇を徐々に深く柔らかくなる砂浜に向う。その後たっぷりと水を含んだ砂浜を通り森を抜けフィニッシュ地点となる。
強制的に自転車を下ろされるセクションはシケインと1メートル程度の土手を登る2箇所。その他に途中小川渡りが用意され、乗るか降りるかの判断を迫られる。前日に設けられたフリー走行では乗って渡ろうとチャレンジして自転車ごと猪苗代湖にダイブした選手が何人かいたようだった。
この日の猪苗代湖の水位が高く最短ラインでも膝下10センチほど深さがあった。凍える寒さの真冬のシクロクロスでは有り得ないセクションだが、サマークロス独自のユニークなコース設定と言えよう。ここ東北でのサマークロスのフィードゾーンでは水の補給以外に山形産のスイカが提供され、苦しいながらもライダーは苦笑いしながらスイカを受け取るシーンも見られる。中には好んでスイカを受け取るライダーも見受けられた。
この日のレースに参加したライダーは50人余り。MTB全日本選手権の開催週となってしまったこともあり、また「夏にシクロクロスなんて」と既成概念に縛られているせいなのか各カテゴリーとも若干寂しい出走数であったが、それぞれのカテゴリーでは熱いレースが展開された。
30分競争となるスポーツクラスでは山梨県から参加の十文字が1周回目よりトップに出て後続を引き離し、最終周回でミスコースでテープに絡まってしまいロスするも前回の吉見ラウンドで4位と表彰台を逃してしまった悔しさを晴らした。
エリート女子とFemmeと混走のマスターズクラスは40分競争。エリート女子とFemmeはそれぞれ1人づつの参加だけだった。序盤次々にトップが入れ替わるが、シングルスピードに乗る坂田(あぶくまサイクリングクラブ)がトップに出るとそのまま追走する伴(臼杵レーシング)を振り切り優勝。
第3レースはエリート男子、C1、エキスパートの混走。エリートクラスで出走する佐復と金井(デラピスタ) は修善寺でのXCO全日本選手権からのハシゴ組。「かなり疲労しています」と佐復は公言していたが、レース1周回目の砂浜にはトップで走ってきた。金井は後輪をパンクさせてしまうも、ピットクルーどころか、交換する機材すらないため柔らかい路面以外はすべてランニング。途中オルガナイザーの裁量でバイク交換を認められるが、残念ながらクリートの種類が違うため交換できずに最後まで走ることになった。
同時出走の40分競争のエキスパートクラスは根本が機材トラブルで途中離脱すると織田(mistral)が佐藤(オンザロード)を交わしトップに出るとそのまま逃げ切り優勝。前節のスポーツクラスでの優勝で中学生ながらエキスパートクラスで走ることを許可されたが、次節はどのクラスを走るのか。
レース全体ではC1の影山(オンザロード)が2周回目よりトップになりエリートクラスの山川(ARAI MURACA)の猛追を振り切って優勝。「去年は砂に苦しめられたが、今年は少し楽しむ余裕があった」とはレース全体を1位でゴールした影山のコメント。かたや影山を捉える事ができなかった山川は「次は絶対に負けません」と悔しさを滲ませた。
JECXサマークロスシリーズの次戦は津軽海峡を渡り北海道・北長沼水郷公園内特設コースで3戦、4戦が7月27日、28日の両日に行われる。サマークロス最終戦は8月10日に菅生サーキットで行われるナイトクリテリウムと同時開催。同じ自転車でタイヤだけを履き換えてナイトクリテリウムを走った後にナイタークロスという選択肢もある。熱く盛り上がる東北エリアのレースイベントから目が離せない
リザルト
エリート男子
1位 山川惇太郎(ARAI MURACA) 59:13
2位 佐復真人 +2:57
3位 金井仁(デラピスタ) -1Lap
カテゴリー1
1位 影山善明(オンザロード) 58:34
2位 佐藤利英(エルドラード) +3:14
3位 三浦孝司(VLAAMS) +6:33
エリート女子
1位 綾野桂子(チバポンズ川口農園)36:29
femme
1位 佐復亜都奈 33:15
エキスパート
1位 織田聖(mistral) 37:37
2位 佐藤英夫(オンザロード) +1:28
3位 柴田航(SHOWA.R.F) +2:05
スポーツ
1位 十文字隆 24:19
2位 三森靖之(おぶくまサイクリングクラブ)+0:36
3位 高橋洋一(B.C KOZO) +1:33
マスターズ
1位 坂田智徳(おぶくまサイクリングクラブ)31:32
2位 伴肇(臼杵レーシング) +0:09
3位 高橋冬樹(cycleclub3UP-ex)+0:14
60分チームエンデューロ(男子チーム)
1位 オンザロード
2位 JECX
3位 TeamLongtail+山田フィルタ
60分チームエンデューロ(男女混合チーム)
1位 仙台ロードマンクラブ
text & photo
S.Oda(Kasukabe Vision FILMz)