2013/03/19(火) - 23:11
シリコンを用いた革新的なライトで一躍名を馳せたブランド、knog(ノグ)。東京で開催されたプレゼンテーションセミナーに創業者でCEOのヒューゴ・デヴィッドソン氏が来日。氏に話を聞いた。
製品そのものはもちろんのこと、パッケージのみならず、取扱説明書、広告など目に見えるすべての範囲を徹底的にデザインするknog。その創業者が今回来日したインダストリアルデザイナーのヒューゴ・デヴィッドソン氏だ。
ハウスセキュリティーや当時世界最小のGMS方式の携帯電話のデザインなど、先端電子機器を筆頭に、数々の工業製品デザインを手がける会社”catalyst”を設立したヒューゴ氏は、後にその傘下にknogを立ち上げた。
氏は今回、新製品の発表とブランディング、販売店からのフィードバックを得るため販売店向けのプレゼンテーション・セミナーで講演するために来日した。CW編集部はそんな氏にインタビューを行った。knogのコンセプトとは。これから目指すものとは。
―knogと言えばシリコン製ライトですね。一躍その名が広まって、同じようなデザインの製品が他社から多くリリースされました。エピックな製品、デザイン性、そのインスピレーションはどこから来ているのでしょうか?
それは本当に、いろいろなところから、です。knogには私を含めて8名からなるデザイナーチームがありますが、製品のアイディア自体は会社のいろいろな部門から出されたものです。
それをデザイナーがカタチにしていきます。私達はデザインを行う集団です。シリコン製ライトを開発した頃、私達はシリコンを用いた医療用の製品を手がけていたため、シリコンの扱いには自信と経験がありました。
―私もそのスマートなフォルムが気に入って前後セットを買いましたよ。
ありがとう(笑)。ブラインダーは非常に薄いポリマー樹脂を使い、バッテリーや防水方法に工夫を凝らすなど、 "どうしたら常識を覆す自転車用ライトができるか" を考えた末に生まれた製品です。そういったチャレンジが、私達のイニシャルであり、インスピレーションの源です。常に"普通とは違うこと"へとトライしています。
創業当時、他のブランドの製品は中国で作られたものにロゴを乗せ、売っているだけでした。だから違いを付けるのは極めて簡単だったんです。将来的にもし、他所と同じような物を作るようになってしまった時は、knogを止めて何か別の事をするでしょう。他の誰もが作っていない、予想も付かないようなモノ、新しいトレンドを作ることに挑戦し続けています。
―knogの開発・製品コンセプトを教えて下さい。
knogの製品は、バイクの一部であり、それに乗るサイクリスト自身のパーソナリティを表現できるものとしてデザインされています。例えばブラインダーには様々な種類とカラーがあるのですが、それはつまり、全てのライダーが誰一人として同じではないということ。一つお気に入りを見つけてもらえれば嬉しいですね。
現在ロードバイク用のライトを開発中ですが、その製品のコンセプトは最先端カーボンバイクのコックピットにフィットすること。そんなふうに、全てのライダーひとりひとりの細かいニーズに合う製品を開発しています。
―knogは他のブランドとは一線を画するプロモーション活動を行なっていますね。単なる製品紹介にとどまらず、イメージを大切にしているように思います。それはなぜでしょうか。
ブランドの成功には製品のデザイン性、ベストなプライス、キャッチーなパッケージングに加え、ブランドのストーリー性が必要です。基本的に私達はデザイン会社ですから、様々な表現方法を持っています。その中から商品にベストな方法でPRし、ストーリーをつければ、買う側にとってもわかりやすい。"こんなことができるんだよ" という私達からの提案でもあります。
ひとたびサイクリングに出れば、何かしらのストーリーが生まれます。それこそが私達が製品をつくり上げることにとって大事なこと。だから製品を使ってくれるサイクリストひとりひとりにとても大きな感心を持っています。
―最近ではコンパクトライトから大光量のもの、本当に様々なラインナップが増えましたね。
そう。ラインナップの拡充は年々行なっていて、それは自分たちが実際に使ったり、一般ユーザーの声を吸い上げることで生まれます。常に使う人がハッピーになれること、それが私達が製品に求める価値であり、目標です。そのために同じ製品でも、細かなマイナーチェンジを繰り返すことで、より使い勝手や性能を引き上げています。
knogの製品は極めて革命的で、他ブランドのその製品にも無いオリジナリティあふれるものと自負していますよ。いろいろなライトをごちゃ混ぜにしても、誰の目にもknogの製品はどれ・それ、と言ってもらえるはず。
―日本のマーケットをknogではどう捉えていますか?
日本から学ぶことは本当に多く、だから今私がここにいるのです。日本の販売店やカスタマーは高品質なもの以外認めませんし、ブランドそのものを大切にします。他の国ではノーブランド製品へのニーズが存在しますが、それでは日本で活路を見出すことは不可能です。knogはブランドイメージを大切にしているからこそ、受け入れてもらえたのだと思っています。
日本のサイクリストは熱いパッションを持っていて、他国と比べ、自転車がライフスタイルの多くを占めている割合がより高いように思います。こうして日本で販売店の方と話をすることでフィードバックを得て、更なる製品の質を高めたいと思っています。
―ライトから始まったラインナップを幅広く拡充させた今、knogはどこへ向かうのでしょうか? これからの展望を教えて下さい。
そうですね。私達はまだまだ数えきれないほど多くのアイディアを抱えています。でもそのほとんどはまだ私の頭の中にあって、未完成ですし、これからいろいろと考える必要があるので、まだ何とも言えません。
でも当面の目標は、ライトとロックのワールドベストカンパニーとなること。これからどんどん新製品を発表していきたいと思っているので、楽しみにしていて下さい。
―ありがとうございました。
ありがとう。また日本に来ることを楽しみにしています。
interview&photo:So.Isobe
製品そのものはもちろんのこと、パッケージのみならず、取扱説明書、広告など目に見えるすべての範囲を徹底的にデザインするknog。その創業者が今回来日したインダストリアルデザイナーのヒューゴ・デヴィッドソン氏だ。
ハウスセキュリティーや当時世界最小のGMS方式の携帯電話のデザインなど、先端電子機器を筆頭に、数々の工業製品デザインを手がける会社”catalyst”を設立したヒューゴ氏は、後にその傘下にknogを立ち上げた。
氏は今回、新製品の発表とブランディング、販売店からのフィードバックを得るため販売店向けのプレゼンテーション・セミナーで講演するために来日した。CW編集部はそんな氏にインタビューを行った。knogのコンセプトとは。これから目指すものとは。
―knogと言えばシリコン製ライトですね。一躍その名が広まって、同じようなデザインの製品が他社から多くリリースされました。エピックな製品、デザイン性、そのインスピレーションはどこから来ているのでしょうか?
それは本当に、いろいろなところから、です。knogには私を含めて8名からなるデザイナーチームがありますが、製品のアイディア自体は会社のいろいろな部門から出されたものです。
それをデザイナーがカタチにしていきます。私達はデザインを行う集団です。シリコン製ライトを開発した頃、私達はシリコンを用いた医療用の製品を手がけていたため、シリコンの扱いには自信と経験がありました。
―私もそのスマートなフォルムが気に入って前後セットを買いましたよ。
ありがとう(笑)。ブラインダーは非常に薄いポリマー樹脂を使い、バッテリーや防水方法に工夫を凝らすなど、 "どうしたら常識を覆す自転車用ライトができるか" を考えた末に生まれた製品です。そういったチャレンジが、私達のイニシャルであり、インスピレーションの源です。常に"普通とは違うこと"へとトライしています。
創業当時、他のブランドの製品は中国で作られたものにロゴを乗せ、売っているだけでした。だから違いを付けるのは極めて簡単だったんです。将来的にもし、他所と同じような物を作るようになってしまった時は、knogを止めて何か別の事をするでしょう。他の誰もが作っていない、予想も付かないようなモノ、新しいトレンドを作ることに挑戦し続けています。
―knogの開発・製品コンセプトを教えて下さい。
knogの製品は、バイクの一部であり、それに乗るサイクリスト自身のパーソナリティを表現できるものとしてデザインされています。例えばブラインダーには様々な種類とカラーがあるのですが、それはつまり、全てのライダーが誰一人として同じではないということ。一つお気に入りを見つけてもらえれば嬉しいですね。
現在ロードバイク用のライトを開発中ですが、その製品のコンセプトは最先端カーボンバイクのコックピットにフィットすること。そんなふうに、全てのライダーひとりひとりの細かいニーズに合う製品を開発しています。
―knogは他のブランドとは一線を画するプロモーション活動を行なっていますね。単なる製品紹介にとどまらず、イメージを大切にしているように思います。それはなぜでしょうか。
ブランドの成功には製品のデザイン性、ベストなプライス、キャッチーなパッケージングに加え、ブランドのストーリー性が必要です。基本的に私達はデザイン会社ですから、様々な表現方法を持っています。その中から商品にベストな方法でPRし、ストーリーをつければ、買う側にとってもわかりやすい。"こんなことができるんだよ" という私達からの提案でもあります。
ひとたびサイクリングに出れば、何かしらのストーリーが生まれます。それこそが私達が製品をつくり上げることにとって大事なこと。だから製品を使ってくれるサイクリストひとりひとりにとても大きな感心を持っています。
―最近ではコンパクトライトから大光量のもの、本当に様々なラインナップが増えましたね。
そう。ラインナップの拡充は年々行なっていて、それは自分たちが実際に使ったり、一般ユーザーの声を吸い上げることで生まれます。常に使う人がハッピーになれること、それが私達が製品に求める価値であり、目標です。そのために同じ製品でも、細かなマイナーチェンジを繰り返すことで、より使い勝手や性能を引き上げています。
knogの製品は極めて革命的で、他ブランドのその製品にも無いオリジナリティあふれるものと自負していますよ。いろいろなライトをごちゃ混ぜにしても、誰の目にもknogの製品はどれ・それ、と言ってもらえるはず。
―日本のマーケットをknogではどう捉えていますか?
日本から学ぶことは本当に多く、だから今私がここにいるのです。日本の販売店やカスタマーは高品質なもの以外認めませんし、ブランドそのものを大切にします。他の国ではノーブランド製品へのニーズが存在しますが、それでは日本で活路を見出すことは不可能です。knogはブランドイメージを大切にしているからこそ、受け入れてもらえたのだと思っています。
日本のサイクリストは熱いパッションを持っていて、他国と比べ、自転車がライフスタイルの多くを占めている割合がより高いように思います。こうして日本で販売店の方と話をすることでフィードバックを得て、更なる製品の質を高めたいと思っています。
―ライトから始まったラインナップを幅広く拡充させた今、knogはどこへ向かうのでしょうか? これからの展望を教えて下さい。
そうですね。私達はまだまだ数えきれないほど多くのアイディアを抱えています。でもそのほとんどはまだ私の頭の中にあって、未完成ですし、これからいろいろと考える必要があるので、まだ何とも言えません。
でも当面の目標は、ライトとロックのワールドベストカンパニーとなること。これからどんどん新製品を発表していきたいと思っているので、楽しみにしていて下さい。
―ありがとうございました。
ありがとう。また日本に来ることを楽しみにしています。
interview&photo:So.Isobe
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