2009/06/15(月) - 09:43
Jサイクルツアー第3戦、つがいけ個人TTが6月14日(日)、長野県小谷村で行われ狩野智也(シマノレーシング)が総合優勝した。昨年から数えて三度目の長沼隆行(UTSUNOMIYA BLITZEN)との山岳王頂上決戦は、1本目コースレコードを出した狩野にみたび軍配が上がった。対する長沼は2本目トップタイムの意地を見せた。
1本目の予選は3組のマスドスタート方式、2本目は上位者による個人TTで、その合計タイムで競う方式のつがいけ。その1本目第1組のトップでゴールした狩野が48分22秒というコースレコードを出した。毎年トップのタイムは50分台がほとんどのこのレース。今までの記録は1998年ステファン・ブリーの48分39秒。これを11年ぶりに塗り替える大記録で、狩野はライバル達に先制攻撃を仕掛けた。
予選は17.1km、標高差1200mで最初の2kmほどは10%ほどで、いったん平坦になりその後は7、8%の勾配が続くコース。このレースのみ実業団登録男子はTR・BR-1・ERの全クラスを無作為に3組に分けて予選を走る。そして3組全員のタイム上位100人が2本目の決勝を走れる。その決勝は、予選コースの途中からスタートする11.7km、標高差875mで、各選手30秒間隔、上位は1分間隔でスタートする。この2本の合計タイムで総合順位が出される。なお、今年の100位のタイムは58分18秒。ここ数年の平均レベルだ。
昨年は最上位だったBR-1が全員1組目でスタートする方式だったため、上位者同士のガチンコ勝負が見られた。今年は一昨年までの方式に戻ったため、組み分けによるメンバーの差がどう影響するかも注目となった。事前予想では狩野らが入る1組目が有利と見られた。
1組目は狩野と別府匠(愛三工業レーシングチーム)がペースを上げて2km地点で早々に5人へ絞る。ほか秋山尚徳(Team DARK BLUE)、森本誠(ベルダ)、伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)だ。伊丹はやがて集団に戻り、いっぽう先頭は5kmを過ぎて狩野の独走態勢となる。その後ろは秋山と森本、さらに別府と続く。狩野はハイペースを維持して異次元の速さでゴール、見事にコースレコードを樹立した。2位以下のタイムは、反対に序盤のオーバーペースがたたってあまり伸びなかった。
2組目は長沼隆行(UTSUNOMIYA BLITZEN)、野寺秀徳(シマノレーシング)がペースを作り長沼先頭でゴール。野寺の後に斉藤亮(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)らが続いた。3組目は才田直人(エルドラード)、鎌田圭介(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)、鵜沢祐也(セオレーシング-TR)の3人がラスト1kmまでともに走るがゴールでは鎌田が先着。
決勝は午後スタート。100番目タイムの選手からスタート。3番目スタートの綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)がいきなりハイスピードで先頭で上る。決勝だけのタイムはなんと6位。
やはり注目はラスト10人ほど。そのなかでも長沼はスムーズな走りでほかとは違う速さで上る。結果、その長沼が唯一34分台のトップタイム。2位タイムは30秒差で鵜沢が続いた。
総合では狩野がダントツの1位。昨年に続いてつがいけを制した。2位も昨年と同じ長沼。ただし今回は予選が違う組だったため、できれば同じ組でそのバトルを見てみたかったところだ。3位にはここ1、2年でヒルクライムトップレベルに位置する鵜沢が入った。また、昨年後半から頭角を現した自転車経験一年に満たない才田が5位に入った。ほか、秋山、森本らヒルクライム上位常連が続いた。
狩野と長沼の走りは王者決戦にふさわしい堂々たるもので、いっぽう鵜沢と才田は、これからが楽しみな走りと結果を見せた。
結果
総合成績 カッコ内は1本目、2本目の順位とタイム
1位 狩野智也(シマノレーシング)1時間23分49秒2(①48分22秒8、③35分26秒4)
2位 長沼隆行(UTSUNOMIYA BLITZEN)+1分40秒1(④50分34秒4、①34分54秒9)
3位 鵜沢祐也(セオレーシング-TR)+1分55秒8(③50分19秒9、②35分25秒1)
4位 鎌田圭介(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+2分38秒3(②50分16秒9、⑤36分10秒6)
5位 才田直人(エルドラード)+2分47秒1(⑤50分40秒4、④35分55秒9)
6位 野寺秀徳(シマノレーシング)+3分43秒7(⑥50分45秒9、⑦36分47秒0)
7位 秋山尚徳(Team DARK BLUE)+4分16秒7(⑦51分04秒3、⑪37分01秒6)
8位 森本誠(ベルダ)+4分23秒1(⑧51分10秒4、⑫37分01秒9)
9位 小嶋洋介(Team DARK BLUE)+4分52秒1(⑨51分40秒3、⑩37分01秒0)
10位 小野口健太(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)+4分56秒0(⑩51分47秒1、⑨36分58秒1)
11位 斉藤亮(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)+4分56秒5(⑪51分53秒2、⑧36分52秒5)
12位 ザック・レイノルズ(BMC-ASSOS)+5分59秒6(⑬52分11秒0、⑮37分37秒8)
13位 平林昌樹(Comrade Giant)+6分00秒4(⑯52分33秒2、⑭36分52秒5)
14位 若松達人(たかだフレンドレーシング)+6分05秒2(⑭52分16秒3、⑯37分38秒1)
15位 鈴木譲(シマノレーシング)+7分10秒7(29位53分48秒9、⑬37分11秒0)
16位 アラン・キャメロン(TEAM YOU CAN八王子)+7分12秒4(⑫51分54秒5、32位39分07秒1)
17位 鈴木真理(シマノレーシング)+7分19秒1(⑰52分44秒0、⑲38分24秒3)
18位 屋部佳伸(チバポンズかわぐち農園F&E)+7分35秒1(⑱52分46秒4、22位38分37秒9)
19位 栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+7分35秒6(23位53分14秒5、⑰38分10秒3)
20位 佐々木優也(TREK MARCOPOLO CYCLINGTEAM TR)+7分49秒8(20位53分05秒9、21位38分33秒1)
Jサイクルツアーリーダー 鈴木真理(シマノレーシング)
1本目の予選は3組のマスドスタート方式、2本目は上位者による個人TTで、その合計タイムで競う方式のつがいけ。その1本目第1組のトップでゴールした狩野が48分22秒というコースレコードを出した。毎年トップのタイムは50分台がほとんどのこのレース。今までの記録は1998年ステファン・ブリーの48分39秒。これを11年ぶりに塗り替える大記録で、狩野はライバル達に先制攻撃を仕掛けた。
予選は17.1km、標高差1200mで最初の2kmほどは10%ほどで、いったん平坦になりその後は7、8%の勾配が続くコース。このレースのみ実業団登録男子はTR・BR-1・ERの全クラスを無作為に3組に分けて予選を走る。そして3組全員のタイム上位100人が2本目の決勝を走れる。その決勝は、予選コースの途中からスタートする11.7km、標高差875mで、各選手30秒間隔、上位は1分間隔でスタートする。この2本の合計タイムで総合順位が出される。なお、今年の100位のタイムは58分18秒。ここ数年の平均レベルだ。
昨年は最上位だったBR-1が全員1組目でスタートする方式だったため、上位者同士のガチンコ勝負が見られた。今年は一昨年までの方式に戻ったため、組み分けによるメンバーの差がどう影響するかも注目となった。事前予想では狩野らが入る1組目が有利と見られた。
1組目は狩野と別府匠(愛三工業レーシングチーム)がペースを上げて2km地点で早々に5人へ絞る。ほか秋山尚徳(Team DARK BLUE)、森本誠(ベルダ)、伊丹健治(チームブリヂストン・アンカー)だ。伊丹はやがて集団に戻り、いっぽう先頭は5kmを過ぎて狩野の独走態勢となる。その後ろは秋山と森本、さらに別府と続く。狩野はハイペースを維持して異次元の速さでゴール、見事にコースレコードを樹立した。2位以下のタイムは、反対に序盤のオーバーペースがたたってあまり伸びなかった。
2組目は長沼隆行(UTSUNOMIYA BLITZEN)、野寺秀徳(シマノレーシング)がペースを作り長沼先頭でゴール。野寺の後に斉藤亮(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)らが続いた。3組目は才田直人(エルドラード)、鎌田圭介(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)、鵜沢祐也(セオレーシング-TR)の3人がラスト1kmまでともに走るがゴールでは鎌田が先着。
決勝は午後スタート。100番目タイムの選手からスタート。3番目スタートの綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)がいきなりハイスピードで先頭で上る。決勝だけのタイムはなんと6位。
やはり注目はラスト10人ほど。そのなかでも長沼はスムーズな走りでほかとは違う速さで上る。結果、その長沼が唯一34分台のトップタイム。2位タイムは30秒差で鵜沢が続いた。
総合では狩野がダントツの1位。昨年に続いてつがいけを制した。2位も昨年と同じ長沼。ただし今回は予選が違う組だったため、できれば同じ組でそのバトルを見てみたかったところだ。3位にはここ1、2年でヒルクライムトップレベルに位置する鵜沢が入った。また、昨年後半から頭角を現した自転車経験一年に満たない才田が5位に入った。ほか、秋山、森本らヒルクライム上位常連が続いた。
狩野と長沼の走りは王者決戦にふさわしい堂々たるもので、いっぽう鵜沢と才田は、これからが楽しみな走りと結果を見せた。
結果
総合成績 カッコ内は1本目、2本目の順位とタイム
1位 狩野智也(シマノレーシング)1時間23分49秒2(①48分22秒8、③35分26秒4)
2位 長沼隆行(UTSUNOMIYA BLITZEN)+1分40秒1(④50分34秒4、①34分54秒9)
3位 鵜沢祐也(セオレーシング-TR)+1分55秒8(③50分19秒9、②35分25秒1)
4位 鎌田圭介(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+2分38秒3(②50分16秒9、⑤36分10秒6)
5位 才田直人(エルドラード)+2分47秒1(⑤50分40秒4、④35分55秒9)
6位 野寺秀徳(シマノレーシング)+3分43秒7(⑥50分45秒9、⑦36分47秒0)
7位 秋山尚徳(Team DARK BLUE)+4分16秒7(⑦51分04秒3、⑪37分01秒6)
8位 森本誠(ベルダ)+4分23秒1(⑧51分10秒4、⑫37分01秒9)
9位 小嶋洋介(Team DARK BLUE)+4分52秒1(⑨51分40秒3、⑩37分01秒0)
10位 小野口健太(なるしまフレンドレーシングチーム八王子)+4分56秒0(⑩51分47秒1、⑨36分58秒1)
11位 斉藤亮(MASSA-FOCUS-OUTDOORPRODUCTS)+4分56秒5(⑪51分53秒2、⑧36分52秒5)
12位 ザック・レイノルズ(BMC-ASSOS)+5分59秒6(⑬52分11秒0、⑮37分37秒8)
13位 平林昌樹(Comrade Giant)+6分00秒4(⑯52分33秒2、⑭36分52秒5)
14位 若松達人(たかだフレンドレーシング)+6分05秒2(⑭52分16秒3、⑯37分38秒1)
15位 鈴木譲(シマノレーシング)+7分10秒7(29位53分48秒9、⑬37分11秒0)
16位 アラン・キャメロン(TEAM YOU CAN八王子)+7分12秒4(⑫51分54秒5、32位39分07秒1)
17位 鈴木真理(シマノレーシング)+7分19秒1(⑰52分44秒0、⑲38分24秒3)
18位 屋部佳伸(チバポンズかわぐち農園F&E)+7分35秒1(⑱52分46秒4、22位38分37秒9)
19位 栂尾大知(パールイズミ・スミタ・ラバネロ)+7分35秒6(23位53分14秒5、⑰38分10秒3)
20位 佐々木優也(TREK MARCOPOLO CYCLINGTEAM TR)+7分49秒8(20位53分05秒9、21位38分33秒1)
Jサイクルツアーリーダー 鈴木真理(シマノレーシング)
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