今シーズンのJシリーズXCOの戦いは、斉藤亮(MIYATA-MERIDA)と山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)の二人の接戦とも言える。秋の富士見大会は大胆とも言える戦術で、単独でゴールしての斉藤の勝利となった。

男子エリート優勝 斉藤亮(MIYATA-MERIDA)男子エリート優勝 斉藤亮(MIYATA-MERIDA) photo:Akihiro.NAKAO

男子エリートスタート男子エリートスタート photo:Akihiro.NAKAO9月17日な行われたJシリーズXCO第5戦は長野県富士見町の富士見パノラマリゾートで行われ、前戦から2ヶ月のインターバル期間をおいての後半戦スタートとなった。

コースは従来と異なり、終盤のゲレンデ下の登りはカットされ、変わりにスキルアップエリアのイージーコースを逆走して登り、男子エリートのみダウンヒルA"コースのロックセクションの区間を通る。ハイスピードな展開が予想される約4kmのコースを、男子エリートは7周回となった。


斉藤 亮の渾身の力走

男子エリートには海外から平野星矢(ブリヂストン・アンカー)が帰国しての参加となり、辻浦圭一がサポートする。
斉藤は乗るバイクを29erではなく26インチホイールのバイクでの参戦。シーズン途中で29から26にバイクを変えるのは、軽量で取り回しのいい利点を追求したようだ。

富士見はアクセスがいいのもあって、メリダを扱うミヤタの自転車部門の社員たちと、キャノンディールのオーナーズクラブ「C.O.G」の二つの応援団が、フラッグを立てての応援合戦も目を引いた。

トラブル続きでペースの上がらない山本和弘(キャノンデールレーシングチーム)トラブル続きでペースの上がらない山本和弘(キャノンデールレーシングチーム) photo:Akihiro.NAKAO久々に国内を走る平野星矢(ブリヂストン・アンカー)久々に国内を走る平野星矢(ブリヂストン・アンカー) photo:Akihiro.NAKAO


朝から小雨がぱらつくものの、大雨にはならず12:45分にスタート。
スタート直後は山本がペダルのキャッチに失敗して遅れ、中盤にいた井本京吾(MIYATA-MERIDA)が落車に巻き込まれてバイクに大きなダメージを受けるアクシデントが発生。

小野寺健(TEAM SPECIALIZED)小野寺健(TEAM SPECIALIZED) photo:Akihiro.NAKAO前日王滝120km完走後の参戦の松本駿(TREK)前日王滝120km完走後の参戦の松本駿(TREK) photo:Akihiro.NAKAO


斉藤は先頭を常にキープをし続け、一周目を完了。後続は平野や小野寺健(TEAM SPECIALIZED)、中原義貴(Team MX/STORCK)、合田正之(サイクルクラブ3UP)らが続く。2周目には山本が挽回して2番手に。新設のロックセクションは各選手やはり手こずるようで、セクションへの急な登りからロックセクションの下りへとうまく繋げるのが難しい。

渾身のアタックを続ける斉藤亮(MIYATA-MERIDA)渾身のアタックを続ける斉藤亮(MIYATA-MERIDA) photo:Akihiro.NAKAOメリダ応援団の旗が斉藤亮(MIYATA-MERIDA)を祝福メリダ応援団の旗が斉藤亮(MIYATA-MERIDA)を祝福 photo:Akihiro.NAKAO


その中でも斉藤のライディングは、26のメリットとDHレースまで出たトレーニングの成果で他のエリート選手とは違う気迫の走りでクリアしていく。山本はダウンヒル区間でバランスを崩してサドルをぶつけて前下がりにしてしまい、パワーが出せないまま苦しい展開となった。
そのまま斉藤がポジションをキープして、2位の山本を3分離しての快勝となった。
3位に平野、4位の小野寺の後には、前日のSDA王滝120kmを完走しての参加となった松本駿(TREK)が5位。観客から暖かなエールが送られた。

XCO男子エリート表彰XCO男子エリート表彰 photo:Akihiro.NAKAO



斉藤亮のコメント
「29から26に変えてバイクも軽く踏み出しも良く、先行逃げ切りも意識していました。後続とは差があそこまで開くとは思ってませんでしたが、結果的に自分の持ち味の走りはできたかな、と思います。
この夏下りも練習しましたし、野沢のダウンヒルも出場しました。苦手な部分も克服できたので、走りの表現はできたと思います。後2戦に勝ってシリーズチャンピオンを取りにいきます」

女子

女子は片山梨絵(SPECIALIZED)が出走せずにコースサイドで応援。またスペシャライズド台湾のワン・リン・シャンが参加した。

女子エリート優勝中込由香里(team SY-Nak)女子エリート優勝中込由香里(team SY-Nak) photo:Akihiro.NAKAO

MTBレース2戦目の與那嶺惠理(チーム・フォルツァ!)は、スタート直後の落車でステムを曲げてしまいフィードゾーンでそれを直して大きく出遅れたものの、挽回して田近郁美(GOD HILL)との接戦に競り勝ち、2位となった。
そして中込由香里(team SY-Nak)が逃げ切って勝利した。

序盤の落車で大きく遅れた與那嶺惠理(チーム・フォルツァ!)序盤の落車で大きく遅れた與那嶺惠理(チーム・フォルツァ!) photo:Akihiro.NAKAOスペシャライズド台湾のワン・リン・シャン(TEAM SPECIALIZED)スペシャライズド台湾のワン・リン・シャン(TEAM SPECIALIZED) photo:Akihiro.NAKAO


エキスパートは竹内遼(Team ProRide)が大きくリードしての勝利となり、中学生のユースの壁は今期も健在となっている。

次戦は新コースとなる石川県の白山一里野となる。

Jシリーズ2012XCO#5結果
男子エリート
1位 斉藤亮(MIYATA-MERIDA) 1:41:08.06
2位 山本和弘(キャノンデールレーシングチーム) +3:17.29
3位 平野星矢(ブリヂストン・アンカー) +5:23.45
4位 小野寺健(TEAM SPECIALIZED)+5:31.81
5位 松本駿(TREK) +7:01.32
6位 門田基志(TEAM GIANT)+9:56.24
7位 合田正之(サイクルクラブ3UP) +10:53.66
8位 中原義貴(Team MX/STORCK) +11:23.59
9位 大江 良憲(TEAM轍屋) +11:56.68
10位 佐藤誠示            +13:14.39

XCO女子エリート表彰XCO女子エリート表彰 photo:Akihiro.NAKAOXCO女子スポーツ表彰XCO女子スポーツ表彰 photo:Akihiro.NAKAO


女子エリート
1位 中込由香里(team SY-Nak)1:08:47.40
2位 與那嶺惠理(チーム・フォルツァ!)+1:20.72
3位 田近郁美(GOD HILL)+1:51.98
4位 ワン・リン・シャン(TEAM SPECIALIZED)6:25.71
5位 相野田 静香(club GROW)7:22.31

エキスパート
1位 竹内 遼(Team ProRide)1:15:32.24
2位 村田隆(快レーシング)+2:23.62
3位 山田将輝(Limited846)+2:38.29

XCOエキスパート表彰XCOエキスパート表彰 photo:Akihiro.NAKAOXCO男子スポーツ表彰XCO男子スポーツ表彰 photo:Akihiro.NAKAO


男子スポーツ
1位 西山靖晃(焼鳥山鳥R)30:10.62
2位 中江川 純( myx)+0:00.85
3位 霜山龍二+0:33.27

女子スポーツ
1位 中村千鶴(Team UKYO)35:50.84
2位 中島崚歩(CLUB SY-Nak)+3:02.45
3 位 長島知子( LEMOND'Sファミリー)+6:01.43



text&photo:Akihiro.NAKAO