2009/06/10(水) - 12:00
ドーフィネ・リベレ(UCIプロツアー)第3ステージは5名の逃げ切りが決まり、トラック競技出身のニキ・テルプストラ(オランダ、ミルラム)がスプリントを制して優勝。同時にリーダージャージを獲得した。
ドーフィネ地域を南下する第3ステージは、4つの4級山岳が設定されたトゥルニュからサンテティエンヌまでの182kmで行なわれた。最後の4級山岳はサンテティエンヌのゴール28km手前で登場する。完璧なピュアスプリンター向きではないものの、この日が実質的に今大会最後の集団スプリントのチャンス。スプリンターチームが勝利を狙ってくると思われた。
この日は平均スピード50km/h近いハイスピードな幕開け。34km地点で5名が飛び出すと、メイン集団はようやく落ち着きを取り戻した。
逃げに乗った5名のうち、ユーリ・トロフィモフ(ロシア、Bboxブイグテレコム)とリュドヴィク・テュルパン(フランス、アージェードゥーゼル)は過去のステージ優勝経験者。イニーゴ・ランダルーチェ(スペイン、エウスカルテル)に至っては2005年大会の総合優勝者だ。
この3名に若手のニキ・テルプストラ(オランダ、ミルラム)とレミ・ポリオル(フランス、コフィディス)を加えた逃げグループは、レース折り返しの95km地点で最大6分のリードを得る。全ての4級山岳を先頭通過したポリオルが一躍山岳賞トップに立った。
やがて集団コントロールは、リーダーチームのサイレンス・ロットから集団スプリント狙いのBMCレーシングとフランセーズデジューに移行。これらスプリンターチームの集団牽引により、タイム差はラスト25km地点で2分30秒まで縮まり、ラスト15km地点で2分に。
しかし最後まで集団のスピードは上がりきらなかった。クイックステップやケースデパーニュのペースアップも完遂せず、最後は先頭5名による勝負に持ち込まれ、スプリント力に秀でたテルプストラが勝利。カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)を含むメイン集団は結局1分32秒遅れてゴールしたため、総合成績で41秒遅れだったテルプストラが同時にリーダージャージまで手にした。
「これまで何度も何度もアタックした。逃げ切りを成功させたのは今日が初めて。ホッとしたと同時にとても嬉しい。これはキャリア最大の勝利だ」。テルプストラはレース後のインタビューでそう語っている。
「プロ3年目でようやく手にしたプロツアーレース初勝利。逃げの後半はリーダージャージ狙いで、ステージ優勝は考えてなかった。春のクラシックレースで自信を得て、モチヴェーション高くこのドーフィネに挑んでいたんだ」。
テルプストラはステージレースやワンディクラシックで果敢に逃げを打つスタイルで、これまで幾度となく逃げに乗った。昨年のツール・ド・フランスでも逃げ、第13ステージで敢闘賞を獲得。今シーズンはアムステル・ゴールドレースで新城幸也と逃げに乗り、最後まで単独で逃げ続ける脚を見せた。
2007年に現ミルラムに加入したテルプストラの原点はトラック競技にある。個人追い抜きやマディソン、スクラッチではナショナルチャンピオンに輝いており、2005年のトラック世界選手権の団体追い抜きでは銀メダルを獲得。トラックで磨いた独走力やスプリント力が武器だが、同時に山岳もそつなくこなす。2007年のドイツツアーでは山岳賞を獲得している。
目下、テルプストラの目標は翌日の個人タイムトライアルでリーダージャージを守ること。「昨年のツール・ド・フランスの個人タイムトライアルでは21位だった。モンヴァントゥーやイゾアールで闘えるほど山岳に強くないので総合優勝は狙えないけど、明日はこのリーダージャージを守りたい」。テルプストラは最終走者としてリーダージャージを着て42kmの“時間との闘い”に挑む。
選手コメントはレース公式サイトより。
ドーフィネ・リベレ2009第3ステージ結果
1位 ニキ・テルプストラ(オランダ、ミルラム)4h32'34"
2位 リュドヴィク・テュルパン(フランス、アージェードゥーゼル)
3位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、Bboxブイグテレコム)
4位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス)
5位 イニーゴ・ランダルーチェ(スペイン、エウスカルテル)
6位 ニコライ・トルソーフ(ロシア、カチューシャ)+1'32"
7位 ムリロ・フィッシャー(ブラジル、リクイガス)
8位 マルコ・バンディエラ(イタリア、ランプレ)
9位 マルクス・ツベルグ(スイス、BMCレーシング)
10位 クリスティアン・クネース(ドイツ、チームミルラム)
29位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)
個人総合成績
1位 ニキ・テルプストラ(オランダ、ミルラム)10h23'45"
2位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス)+26"
3位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、Bboxブイグテレコム)+27"
4位 リュドヴィク・テュルパン(フランス、アージェードゥーゼル)+38"
5位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)+1'01"
6位 イニーゴ・ランダルーチェ(スペイン、エウスカルテル)+1'04"
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)+1'09"
8位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)+1'24"
9位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)+1'35"
10位 クリスティアン・クネース(ドイツ、ミルラム)
58位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+2'06"
ポイント賞
ニキ・テルプストラ(オランダ、ミルラム)
山岳賞
レミ・ポリオル(フランス、コフィディス)
チーム総合成績
ミルラム
ドーフィネ地域を南下する第3ステージは、4つの4級山岳が設定されたトゥルニュからサンテティエンヌまでの182kmで行なわれた。最後の4級山岳はサンテティエンヌのゴール28km手前で登場する。完璧なピュアスプリンター向きではないものの、この日が実質的に今大会最後の集団スプリントのチャンス。スプリンターチームが勝利を狙ってくると思われた。
この日は平均スピード50km/h近いハイスピードな幕開け。34km地点で5名が飛び出すと、メイン集団はようやく落ち着きを取り戻した。
逃げに乗った5名のうち、ユーリ・トロフィモフ(ロシア、Bboxブイグテレコム)とリュドヴィク・テュルパン(フランス、アージェードゥーゼル)は過去のステージ優勝経験者。イニーゴ・ランダルーチェ(スペイン、エウスカルテル)に至っては2005年大会の総合優勝者だ。
この3名に若手のニキ・テルプストラ(オランダ、ミルラム)とレミ・ポリオル(フランス、コフィディス)を加えた逃げグループは、レース折り返しの95km地点で最大6分のリードを得る。全ての4級山岳を先頭通過したポリオルが一躍山岳賞トップに立った。
やがて集団コントロールは、リーダーチームのサイレンス・ロットから集団スプリント狙いのBMCレーシングとフランセーズデジューに移行。これらスプリンターチームの集団牽引により、タイム差はラスト25km地点で2分30秒まで縮まり、ラスト15km地点で2分に。
しかし最後まで集団のスピードは上がりきらなかった。クイックステップやケースデパーニュのペースアップも完遂せず、最後は先頭5名による勝負に持ち込まれ、スプリント力に秀でたテルプストラが勝利。カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)を含むメイン集団は結局1分32秒遅れてゴールしたため、総合成績で41秒遅れだったテルプストラが同時にリーダージャージまで手にした。
「これまで何度も何度もアタックした。逃げ切りを成功させたのは今日が初めて。ホッとしたと同時にとても嬉しい。これはキャリア最大の勝利だ」。テルプストラはレース後のインタビューでそう語っている。
「プロ3年目でようやく手にしたプロツアーレース初勝利。逃げの後半はリーダージャージ狙いで、ステージ優勝は考えてなかった。春のクラシックレースで自信を得て、モチヴェーション高くこのドーフィネに挑んでいたんだ」。
テルプストラはステージレースやワンディクラシックで果敢に逃げを打つスタイルで、これまで幾度となく逃げに乗った。昨年のツール・ド・フランスでも逃げ、第13ステージで敢闘賞を獲得。今シーズンはアムステル・ゴールドレースで新城幸也と逃げに乗り、最後まで単独で逃げ続ける脚を見せた。
2007年に現ミルラムに加入したテルプストラの原点はトラック競技にある。個人追い抜きやマディソン、スクラッチではナショナルチャンピオンに輝いており、2005年のトラック世界選手権の団体追い抜きでは銀メダルを獲得。トラックで磨いた独走力やスプリント力が武器だが、同時に山岳もそつなくこなす。2007年のドイツツアーでは山岳賞を獲得している。
目下、テルプストラの目標は翌日の個人タイムトライアルでリーダージャージを守ること。「昨年のツール・ド・フランスの個人タイムトライアルでは21位だった。モンヴァントゥーやイゾアールで闘えるほど山岳に強くないので総合優勝は狙えないけど、明日はこのリーダージャージを守りたい」。テルプストラは最終走者としてリーダージャージを着て42kmの“時間との闘い”に挑む。
選手コメントはレース公式サイトより。
ドーフィネ・リベレ2009第3ステージ結果
1位 ニキ・テルプストラ(オランダ、ミルラム)4h32'34"
2位 リュドヴィク・テュルパン(フランス、アージェードゥーゼル)
3位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、Bboxブイグテレコム)
4位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス)
5位 イニーゴ・ランダルーチェ(スペイン、エウスカルテル)
6位 ニコライ・トルソーフ(ロシア、カチューシャ)+1'32"
7位 ムリロ・フィッシャー(ブラジル、リクイガス)
8位 マルコ・バンディエラ(イタリア、ランプレ)
9位 マルクス・ツベルグ(スイス、BMCレーシング)
10位 クリスティアン・クネース(ドイツ、チームミルラム)
29位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)
個人総合成績
1位 ニキ・テルプストラ(オランダ、ミルラム)10h23'45"
2位 レミ・ポリオル(フランス、コフィディス)+26"
3位 ユーリ・トロフィモフ(ロシア、Bboxブイグテレコム)+27"
4位 リュドヴィク・テュルパン(フランス、アージェードゥーゼル)+38"
5位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)+1'01"
6位 イニーゴ・ランダルーチェ(スペイン、エウスカルテル)+1'04"
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)+1'09"
8位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、ケースデパーニュ)+1'24"
9位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)+1'35"
10位 クリスティアン・クネース(ドイツ、ミルラム)
58位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+2'06"
ポイント賞
ニキ・テルプストラ(オランダ、ミルラム)
山岳賞
レミ・ポリオル(フランス、コフィディス)
チーム総合成績
ミルラム
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