2012/08/11(土) - 10:38
エネコ・ツアー(UCIワールドツアー)も後半戦に差し掛かり、スプリンターにとって最後のチャンスとなった第5ステージ。ラスト300mからロングスプリントに持ち込んだジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)が、写真判定の末に勝利。キャリア最高の勝利を手にした。
第5ステージはオランダのホーヘルハイデからベルギーのアールテルまで185km南下する。選手たちが通過する地域は、入り江や河川が入り組む低地ばかり。ヘント近郊にゴールするこの第5ステージが、ピュアスプリンターたちにとっては実質的に最後の活躍の場である。
この平坦コースで逃げたのはデミトリ・ムラフエフ(カザフスタン、アスタナ)、ローレンス・デヴリーゼ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)、セフ・デウィルデ(ベルギー、アクセントジョブス)の3人。しかしタイム差は5分を上限として縮小し、ラスト25km地点で早くも吸収される。
ゴール22km手前の第3スプリントポイントでは、ボーナスタイムを狙うオリカ・グリーンエッジが動いたが、ヘルト・ステーグマン(ベルギー)をはじめとするオメガファーマ・クイックステップがこれを阻止。トム・ボーネン(ベルギー)が暫定総合リーダーを維持したまま、集団スプリントに持ち込まれた。
道幅が変化し続けるコースとテクニカルコーナーによって集団は縦に伸び、どのチームも決定的なリードアウトトレインを組めないままゴールに向かう。混雑する集団前方からラスト300mで抜け出したのはニッツォーロ。これをユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ベリソル)が追撃した。
先頭を駆けるニッツォーロと、追い上げるルーランズ。両者ほぼ同時にゴールラインを駆け抜け、勝利を確信したルーランズが片手を挙げる。しかし写真判定の結果、ニッツォーロの勝利が確定した。
「ゴールラインを駆け抜けたとき、ルーランズが勝ったと思った。不愉快な気分でバスに向かっているときに、自分が勝ったことを告げられたんだ。もちろん嬉しかったし、報われた気分になった。今日はかなり早めに仕掛けたので、後続に追いつかれないかヒヤヒヤしながらスプリントしたよ」。23歳のニッツォーロはウィニングスプリントを振り返る。
ニッツォーロは昨年レオパード・トレックでプロデビュー。ベンナーティに続くイタリアンスプリンターとして期待を集め、今年ツール・ド・ワロニーでステージ優勝&総合優勝している。「今はスプリンターだけど、いずれはもっと違うタイプのレースもこなせるように成長したい。ミラノ出身なので、ミラノ〜サンレモで勝つことを夢見ている。目標はロンド・ファン・フラーンデレンやパリ〜ルーベなどのクラシックレースで勝つこと。その意味でボーネンは理想像なんだ」。
ボーネンはステージ5位でボーナスタイム獲得ならず。1秒差でイェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)、2秒差でシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)が続く展開に変化は無し。30秒以内に41名がひしめく混戦状態。総合争いは翌日の17.4km個人タイムトライアルと、最終日の「ミュール」で決する。
レース内容や選手コメントはレース公式サイトより。
エネコ・ツアー2012第5ステージ結果
1位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) 4h10'20"
2位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ベリソル)
3位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
4位 アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット)
5位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
7位 アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム)
8位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
9位 アイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
32位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)
個人総合成績
1位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 19h36'26"
2位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ) +01"
3位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +02"
4位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) +03"
6位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +04"
7位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) +05"
9位 イェンス・モーリス(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
10位 セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ、オリカ・グリーンエッジ) +06"
115位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +4'40"
ポイント賞
ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
第5ステージはオランダのホーヘルハイデからベルギーのアールテルまで185km南下する。選手たちが通過する地域は、入り江や河川が入り組む低地ばかり。ヘント近郊にゴールするこの第5ステージが、ピュアスプリンターたちにとっては実質的に最後の活躍の場である。
この平坦コースで逃げたのはデミトリ・ムラフエフ(カザフスタン、アスタナ)、ローレンス・デヴリーゼ(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)、セフ・デウィルデ(ベルギー、アクセントジョブス)の3人。しかしタイム差は5分を上限として縮小し、ラスト25km地点で早くも吸収される。
ゴール22km手前の第3スプリントポイントでは、ボーナスタイムを狙うオリカ・グリーンエッジが動いたが、ヘルト・ステーグマン(ベルギー)をはじめとするオメガファーマ・クイックステップがこれを阻止。トム・ボーネン(ベルギー)が暫定総合リーダーを維持したまま、集団スプリントに持ち込まれた。
道幅が変化し続けるコースとテクニカルコーナーによって集団は縦に伸び、どのチームも決定的なリードアウトトレインを組めないままゴールに向かう。混雑する集団前方からラスト300mで抜け出したのはニッツォーロ。これをユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ベリソル)が追撃した。
先頭を駆けるニッツォーロと、追い上げるルーランズ。両者ほぼ同時にゴールラインを駆け抜け、勝利を確信したルーランズが片手を挙げる。しかし写真判定の結果、ニッツォーロの勝利が確定した。
「ゴールラインを駆け抜けたとき、ルーランズが勝ったと思った。不愉快な気分でバスに向かっているときに、自分が勝ったことを告げられたんだ。もちろん嬉しかったし、報われた気分になった。今日はかなり早めに仕掛けたので、後続に追いつかれないかヒヤヒヤしながらスプリントしたよ」。23歳のニッツォーロはウィニングスプリントを振り返る。
ニッツォーロは昨年レオパード・トレックでプロデビュー。ベンナーティに続くイタリアンスプリンターとして期待を集め、今年ツール・ド・ワロニーでステージ優勝&総合優勝している。「今はスプリンターだけど、いずれはもっと違うタイプのレースもこなせるように成長したい。ミラノ出身なので、ミラノ〜サンレモで勝つことを夢見ている。目標はロンド・ファン・フラーンデレンやパリ〜ルーベなどのクラシックレースで勝つこと。その意味でボーネンは理想像なんだ」。
ボーネンはステージ5位でボーナスタイム獲得ならず。1秒差でイェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ)、2秒差でシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)が続く展開に変化は無し。30秒以内に41名がひしめく混戦状態。総合争いは翌日の17.4km個人タイムトライアルと、最終日の「ミュール」で決する。
レース内容や選手コメントはレース公式サイトより。
エネコ・ツアー2012第5ステージ結果
1位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) 4h10'20"
2位 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、ロット・ベリソル)
3位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
4位 アルノー・デマール(フランス、FDJ・ビッグマット)
5位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
6位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
7位 アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム)
8位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
9位 アイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)
10位 ミカエル・ファンスタイエン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)
32位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ)
個人総合成績
1位 トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) 19h36'26"
2位 イェンス・ケウケレール(ベルギー、オリカ・グリーンエッジ) +01"
3位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +02"
4位 ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ) +03"
6位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +04"
7位 ヘルト・ステーグマン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)
8位 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン) +05"
9位 イェンス・モーリス(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)
10位 セバスティアン・ラングヴェルト(オランダ、オリカ・グリーンエッジ) +06"
115位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +4'40"
ポイント賞
ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、レディオシャック・ニッサン)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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