2012/07/16(月) - 15:57
ツール・ド・ポローニュの最終日前日の第6ステージ。レースは大会最大の山場を迎えた。1級山岳を合計10回通過するこの難関山岳ステージで、ライバルたちを振り切ったがモレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)優勝。ボーナスタイムによりイエロージャージを取り戻した。
第6ステージはブコビナを発着する38.4kmの周回コースで行なわれる。2つの1級山岳を含むこの山岳周回コースを5周し、標高941mにゴールする191.8km。一日の獲得標高差は4400mオーバーで、しかも最大勾配が21.5%に達する激坂区間も有る。正真正銘の最難関クイーンステージだ。
山岳賞ジャージを着るダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、オリカ・グリーンエッジ)はレース序盤に動いたが、逃げに乗ることは出来ず。
この日逃げたのはロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)、イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)、トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ラボバンク)、バルトス・フザルスキー(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)、トマシュ・マルチンスキー(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)という強力な5名。
タイム差は4分を推移。逃げグループはマルチンスキーを先頭に1級山岳を越えていく。合計8つの1級山岳を先頭通過したマルチンスキーが一躍山岳賞トップに立つ。メイン集団はオメガファーマ・クイックステップとチームスカイが徹底的にコントロールした。
最終周回に入って逃げグループとのタイム差が1分を切ると、メイン集団からセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)がアタック。それまで逃げていた選手をごぼう抜きにしたエナオモントーヤが最後の1級山岳を先頭通過する。
エナオモントーヤは一旦メイン集団に引き戻され、精鋭たちがゴールに向かう最後の登りに突入。ここから再びエナオモントーヤがアタック。独走に持ち込んだエナオモントーヤが最終ストレートに姿を現した。
しかしその後方から総合2位のモゼールと総合1位ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)の2人が迫る。登りでクヴィアトコウスキーを振り切ったモゼールが、先行するエナオモントーヤをラスト50mでパス。驚きの表情を浮かべながら、モゼールが両手を広げた。
第1ステージに続く2勝目を飾り、ボーナスタイムを獲得したモゼールが、第4ステージで失ったイエロージャージを取り戻すことに成功した。「非常に厳しいステージだった。でも自分の脚質にぴったりなコースだったんだ。最後の1級山岳で脚が少し攣ったけど、何とかリカバリーしてゴール勝負に挑んだ」。再び総合首位に立ったモゼールはそう語る。
同タイムでゴールしたクヴィアトコウスキーが5秒差の総合2位。積極性を見せたエナオモントーヤが16秒差の総合3位につける。「とにかくパーフェクトな一日だ。ステージ2勝目も嬉しいけど、それよりもイエロージャージを取り戻したことが嬉しい。唯一悔いているのは、クヴィアトコウスキーを引き離せなかったこと。彼との5秒差は大きいようで小さい。明日のボーナスタイムでまだ逆転する可能性は残っている」。総合優勝に王手をかけたモゼールは、気を抜かずに最終ステージに挑む。
レース展開や選手コメントはストリーミング&レース公式サイトより。
ツール・ド・ポローニュ2012第6ステージ結果
1位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 5h16'32"
2位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +03"
5位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・ISD)
6位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
7位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +07"
8位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)
9位 ヨン・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
10位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン)
78位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +15'23"
161位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク) +29'37"
個人総合成績
1位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 27h25'17"
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +05"
3位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ) +16"
4位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ) +25"
5位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン) +28"
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +29"
7位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン)
8位 ヨン・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
9位 アレクサンドル・ジェニエ(フランス、アルゴス・シマノ)
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)
95位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +30'16"
165位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク) +1h15'59"
山岳賞
トマシュ・マルチンスキー(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)
ポイント賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla, tourdepologne.pl
第6ステージはブコビナを発着する38.4kmの周回コースで行なわれる。2つの1級山岳を含むこの山岳周回コースを5周し、標高941mにゴールする191.8km。一日の獲得標高差は4400mオーバーで、しかも最大勾配が21.5%に達する激坂区間も有る。正真正銘の最難関クイーンステージだ。
山岳賞ジャージを着るダニエル・テクレハイマノ(エリトリア、オリカ・グリーンエッジ)はレース序盤に動いたが、逃げに乗ることは出来ず。
この日逃げたのはロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)、イアン・スタナード(イギリス、チームスカイ)、トムイェルテ・スラグテル(オランダ、ラボバンク)、バルトス・フザルスキー(ポーランド、ポーランドナショナルチーム)、トマシュ・マルチンスキー(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)という強力な5名。
タイム差は4分を推移。逃げグループはマルチンスキーを先頭に1級山岳を越えていく。合計8つの1級山岳を先頭通過したマルチンスキーが一躍山岳賞トップに立つ。メイン集団はオメガファーマ・クイックステップとチームスカイが徹底的にコントロールした。
最終周回に入って逃げグループとのタイム差が1分を切ると、メイン集団からセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)がアタック。それまで逃げていた選手をごぼう抜きにしたエナオモントーヤが最後の1級山岳を先頭通過する。
エナオモントーヤは一旦メイン集団に引き戻され、精鋭たちがゴールに向かう最後の登りに突入。ここから再びエナオモントーヤがアタック。独走に持ち込んだエナオモントーヤが最終ストレートに姿を現した。
しかしその後方から総合2位のモゼールと総合1位ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)の2人が迫る。登りでクヴィアトコウスキーを振り切ったモゼールが、先行するエナオモントーヤをラスト50mでパス。驚きの表情を浮かべながら、モゼールが両手を広げた。
第1ステージに続く2勝目を飾り、ボーナスタイムを獲得したモゼールが、第4ステージで失ったイエロージャージを取り戻すことに成功した。「非常に厳しいステージだった。でも自分の脚質にぴったりなコースだったんだ。最後の1級山岳で脚が少し攣ったけど、何とかリカバリーしてゴール勝負に挑んだ」。再び総合首位に立ったモゼールはそう語る。
同タイムでゴールしたクヴィアトコウスキーが5秒差の総合2位。積極性を見せたエナオモントーヤが16秒差の総合3位につける。「とにかくパーフェクトな一日だ。ステージ2勝目も嬉しいけど、それよりもイエロージャージを取り戻したことが嬉しい。唯一悔いているのは、クヴィアトコウスキーを引き離せなかったこと。彼との5秒差は大きいようで小さい。明日のボーナスタイムでまだ逆転する可能性は残っている」。総合優勝に王手をかけたモゼールは、気を抜かずに最終ステージに挑む。
レース展開や選手コメントはストリーミング&レース公式サイトより。
ツール・ド・ポローニュ2012第6ステージ結果
1位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 5h16'32"
2位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ)
3位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
4位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +03"
5位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・ISD)
6位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ)
7位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +07"
8位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン)
9位 ヨン・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
10位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン)
78位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +15'23"
161位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク) +29'37"
個人総合成績
1位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 27h25'17"
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +05"
3位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、チームスカイ) +16"
4位 アレクサンドル・コロブネフ(ロシア、カチューシャ) +25"
5位 リーナス・ゲルデマン(ドイツ、レディオシャック・ニッサン) +28"
6位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル) +29"
7位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック・ニッサン)
8位 ヨン・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
9位 アレクサンドル・ジェニエ(フランス、アルゴス・シマノ)
10位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)
95位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +30'16"
165位 宮澤崇史(日本、サクソバンク・ティンコフバンク) +1h15'59"
山岳賞
トマシュ・マルチンスキー(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)
ポイント賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
チーム総合成績
チームスカイ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla, tourdepologne.pl
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