2012/06/04(月) - 12:15
「言葉が無いよ。ここ数年テレビの中の存在だったウィギンズやマルティンのような選手に勝てるとは思っていなかった」。クリテリウム・ドゥ・ドーフィネの開幕プロローグでトップタイムを出したルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)はそう語った。
6分38秒のトップタイムで優勝したルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Cor Vosツール・ド・フランス前哨戦ドーフィネが、6月3日、アルプスの麓の街グルノーブルでスタートした。
プロローグ(短距離個人タイムトライアル)のコースは、180度ターンを含む平坦な5.7km。前半にスタートしたオーストラリアチャンピオンのダーブリッジは、6分38秒のトップタイムをマークし、後続の走りを待った。
「今日はトップ5に入ればいいと思っていた。天候にも味方されたと思うけど、こればかりは時の運」と話すダーブリッジ。中盤スタートの選手たちは雨に降られたが、後半の有力どころの出走時には路面はドライに。
ディフェンディングチャンピオンのブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)は1秒届かずステージ2位。51.557km/hという平均スピードで駆け抜けたダーブリッジのタイムを破る選手は、最後まで現れなかった。
今年グリーンエッジでプロ入りし、4月のシルキュイ・ド・ラ・サルト(UCI2.1)で総合優勝を飾った21歳が、UCIワールドツアーレース初勝利。しかも好調のトップ選手を退ける走りを見せ、リーダージャージまで手にした。
マイヨジョーヌに袖を通したルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) photo:Cor Vos「長い時間ずっと後続の選手たちのゴールを待ち続けるのは心休まるものじゃない。でもその対価として、ドーフィネのイエロージャージが手に入った。ファンタスティックだ。今日という日を狙っていたし、ハードな練習が報われた。一日だけでもイエロージャージをキープ出来れば素晴らしいけど、もともと総合狙いではない。大会の目標は2つ。今日のプロローグと、木曜日の個人タイムトライアル。これまでの人生の中で一番長いタイムトライアルになるよ」。
世界チャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)は6秒差の8位。総合候補の中では、ウィギンズの他、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)が好タイムを出している。ニーバリは10秒差、ファンデンブロックは11秒差、メンショフは14秒差、ブライコヴィッチは15秒差、ヴィノクロフは19秒差。アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)は29秒差と出遅れた。
日本から唯一参戦している土井雪広(アルゴス・シマノ)は38秒遅れ。「ラスト1kmまで良いペースで走れていたものの、体重の軽さから最後の向かい風区間で苦しんだ」。ステージ152位で初日を終えている。
全日本チャンピオンジャージを着て翌日からのロードステージを走る土井は「ドーフィネはツールに向けて調子のピークに持ってきている選手しか出ていない。つまりここは世界トップの中のトップレベル。そんなトップ選手と実際に長い登りで勝負するのは無理。短い登りのステージや逃げを狙いたい」と語った。
1秒差のステージ2位に入ったブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) photo:Cor Vos
5秒差のステージ5位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Cor Vos
6秒差のステージ9位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) photo:Cor Vos
13秒差のステージ38位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) photo:Cor Vos
17秒差のステージ51位 トマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー) photo:Cor Vos
29秒差のステージ102位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン) photo:Cor Vos
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2012プロローグ結果
1位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 6'38"
2位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +01"
3位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +03"
4位 カルロス・バレード(スペイン、ラボバンク) +03"
5位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) +05"
6位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +05"
7位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク) +05"
8位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +06"
9位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +06"
10位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +07"
152位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +38"
個人総合成績
1位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 6'38"
2位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +01"
3位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +03"
4位 カルロス・バレード(スペイン、ラボバンク) +03"
5位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) +05"
6位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +05"
7位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク) +05"
8位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +06"
9位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +06"
10位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +07"
152位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +38"
ポイント賞
ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
新人賞
ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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プロローグ(短距離個人タイムトライアル)のコースは、180度ターンを含む平坦な5.7km。前半にスタートしたオーストラリアチャンピオンのダーブリッジは、6分38秒のトップタイムをマークし、後続の走りを待った。
「今日はトップ5に入ればいいと思っていた。天候にも味方されたと思うけど、こればかりは時の運」と話すダーブリッジ。中盤スタートの選手たちは雨に降られたが、後半の有力どころの出走時には路面はドライに。
ディフェンディングチャンピオンのブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)は1秒届かずステージ2位。51.557km/hという平均スピードで駆け抜けたダーブリッジのタイムを破る選手は、最後まで現れなかった。
今年グリーンエッジでプロ入りし、4月のシルキュイ・ド・ラ・サルト(UCI2.1)で総合優勝を飾った21歳が、UCIワールドツアーレース初勝利。しかも好調のトップ選手を退ける走りを見せ、リーダージャージまで手にした。
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世界チャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)は6秒差の8位。総合候補の中では、ウィギンズの他、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)が好タイムを出している。ニーバリは10秒差、ファンデンブロックは11秒差、メンショフは14秒差、ブライコヴィッチは15秒差、ヴィノクロフは19秒差。アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・ニッサン)は29秒差と出遅れた。
日本から唯一参戦している土井雪広(アルゴス・シマノ)は38秒遅れ。「ラスト1kmまで良いペースで走れていたものの、体重の軽さから最後の向かい風区間で苦しんだ」。ステージ152位で初日を終えている。
全日本チャンピオンジャージを着て翌日からのロードステージを走る土井は「ドーフィネはツールに向けて調子のピークに持ってきている選手しか出ていない。つまりここは世界トップの中のトップレベル。そんなトップ選手と実際に長い登りで勝負するのは無理。短い登りのステージや逃げを狙いたい」と語った。
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クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2012プロローグ結果
1位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 6'38"
2位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +01"
3位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +03"
4位 カルロス・バレード(スペイン、ラボバンク) +03"
5位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) +05"
6位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +05"
7位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク) +05"
8位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +06"
9位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +06"
10位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +07"
152位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +38"
個人総合成績
1位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 6'38"
2位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +01"
3位 アンドレー・グリブコ(ウクライナ、アスタナ) +03"
4位 カルロス・バレード(スペイン、ラボバンク) +03"
5位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ) +05"
6位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +05"
7位 ポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク) +05"
8位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ) +06"
9位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +06"
10位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +07"
152位 土井雪広(日本、アルゴス・シマノ) +38"
ポイント賞
ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
新人賞
ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
チーム総合成績
オリカ・グリーンエッジ
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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