2012年4月7日、ブエルタ・アル・パイスバスコ(UCIワールドツアー)最終個人タイムトライアルが行なわれ、28分48秒のトップタイムを記録したサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)が総合優勝に輝いた。

雨の中、トップタイムを叩き出したサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)雨の中、トップタイムを叩き出したサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) photo:www.vueltapaisvasco.diariovasco.comパイスバスコの最終日はお決まりの個人タイムトライアル。前日のゴール地点オニャティを発着する18.9kmのコースはアップダウンの連続で、雨が更にその難易度を上げる。単純にTTスペシャリスト向きのコースとは言えない。

この難コースで、総合2位のサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)がトップタイムを叩き出した。最終的に、バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)が6秒差の2位、そして世界チャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)は7秒差の3位。

世界チャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)は7秒差のステージ3位世界チャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)は7秒差のステージ3位 photo:www.vueltapaisvasco.diariovasco.com「今日のコースは危険だった、全ての選手に平等に。かなりリスクを負って走ったよ」。サンチェスはウィニングライドをそう振り返る。

クイーンステージに続くステージ2勝目を飾ったサンチェス。最終走者のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は苦手な個人タイムトライアルで6位と健闘したが、総合リードを守りきることが出来ず。バスクチームのキャプテンであるサンチェスが、初のパイスバスコ総合優勝を果たした。

リーダージャージを着るホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は健闘のステージ6位リーダージャージを着るホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は健闘のステージ6位 photo:www.vueltapaisvasco.diariovasco.com「ツールで総合3位に入り、山岳賞ジャージを着てツールの表彰台に登り、北京オリンピックで金メダルを獲得し、そしてこのパイスバスコで勝った。34歳になった今、こうして子どもの頃の夢を少しずつ果たしている」。サンチェスは同じUCIワールドツアーレースのボルタ・ア・カタルーニャでステージ1勝&総合2位。順調にコンディションを上げている。

最後まで総合争いを繰り広げたサンチェスとロドリゲスの2人は、1週間後に始まるアルデンヌ・クラシックでも注目の存在だ。サンチェスは2006年フレーシュ・ワロンヌ2位、2011年同3位。ロドリゲスは2009年リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ2位、2010年フレーシュ・ワロンヌ2位、2011年同2位、2011年アムステル・ゴールドレース2位。今年こそ念願のクラシックのタイトル獲得を目指す。

レース内容ならびに選手コメントはレース公式サイトより。

シャンパンを開けるサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)シャンパンを開けるサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) photo:www.vueltapaisvasco.diariovasco.comブエルタ・アル・パイスバスコ総合表彰台ブエルタ・アル・パイスバスコ総合表彰台 photo:www.vueltapaisvasco.diariovasco.com


ブエルタ・アル・パイスバスコ2012第6ステージ
1位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)           28'48"
2位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)                  +06"
3位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)       +07"
4位 マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム)           +15"
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)              +16"
6位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)              +21"
7位 スタフ・クレメント(オランダ、ラボバンク)                +22"
8位 トラヴィス・マイヤー(オーストラリア、グリーンエッジ)          +24"
9位 モレーノ・モゼール(イタリア、リクイガス・キャノンデール)        +28"
10位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル)       +31"

個人総合成績
1位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)          20h58'15"
2位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)              +12"
3位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)                  +42"
4位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)              +47"
5位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)       +54"
6位 ラーシュペッテル・ノルダーグ(ノルウェー、チームスカイ)        +1'03"
7位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル)       +1'07"
8位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)           +1'19"
9位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・ニッサン)    +1'27"
10位 サイモン・スピラック(スロベニア、カチューシャ)            +1'29"

山岳賞
マッズ・クリステンセン(デンマーク、チームサクソバンク)

スプリント賞
マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム)

ポイント賞
サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)

チーム総合成績
カチューシャ

text:Kei Tsuji
photo:www.vueltapaisvasco.diariovasco.com

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