テレグラフ紙(イギリス)が25日に伝えたところによれば、刑務所に収監されている受刑者が自転車でフランス各地を巡る「囚人版ツール・ド・フランス」が、来月開催されることになった。

パリ、シャンゼリゼ通りを走るツール・ド・フランスの集団(写真はプロレースのもの)パリ、シャンゼリゼ通りを走るツール・ド・フランスの集団(写真はプロレースのもの) photo:Makoto.AYANOニュース発信元はナント(フランス)発のロイター通信。刑務所に収監されている受刑者が自転車でフランス各地を巡る「囚人版ツール・ド・フランス」が6月に開催されることを、刑務所関係者が25日発表したという。

記事によれば、参加するのは196人の受刑者たち。出場選手たちは監視つきで一団となって移動することになっており、スプリントで集団を引き離すことは認められないという。警備員や刑務所のスポーツインストラクター計124人も同行する。

西ナントの刑務所から参加するひとり、受刑者ダニエルさん(48歳・性は不明)は「これは逃避のチャンス。刑務所の現実から開放されるための」「もし行いが良ければ早く釈放されるかもしれない。願わくば...」などと話しているという。

刑務所の責任者シルビー・マリオンさんは、「このイベントはチームワークや努力などの価値観をはぐくむこと、社会復帰へ足がかりになることを目的としており、順位はつけない。このトレーニングによってゴールを目指すことの大切さを理解し、新しい人生へのスタートを切って欲しい」などと話している。

受刑者らは6月4日に北部の都市リールを出発し、刑務所のある17の街を巡りながら、ゴールのパリまで1400マイル(約2300km)の走破を目指す。宿泊先はホテルだ。

またウェブサイトOuest-France.frの記事には練習に励む囚人たちの姿の写真もある。

edit&photo:綾野 真

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