2012/03/12(月) - 10:39
フランス・ニースとモナコ公国のちょうど間に、コートダジュールの定番観光地エズがある。パリ〜ニース最終ステージは、そんなエズを見下ろすエズ峠までの山岳個人タイムトライアル。新城幸也(ユーロップカー)は最終的に総合45位でレースを終えた。
コートダジュール、地中海を望む標高500mほどの崖の上に「鷲の巣村」と呼ばれるエズはある。ニースから訪れる観光地としては定番中の定番だ。
ここのところパリ〜ニースは、ニースに至る山岳ステージで決着が付けられるのが定番だった。その最終ステージの最後に設定されているのが、1級山岳エズ峠。エズの村から更に内陸に入った場所にある。今年はそのエズ峠までの山岳個人タイムトライアルが久々に登場した。
海沿いのニースから標高501mのエズ峠まで、登りっぱなしのタイムトライアル。スタート直後から勾配が7%を超えるため、各選手スタート前にローラー台で念入りにアップする。
「実はチームのバンに(カンパニョーロの)ボーラ80が10セットあるんですよ。明日はそれを使うかもしれない」と前夜に話していたユキヤは、コースの試走から帰ってくるなりメカニックにお願いし、ロープロフィールのハイペロンに交換した。「登りばっかりなので迷わずハイペロンにします(笑)」
スタート前に「全開で走るけど、総合では順位を下げるだけ。タイムアウトにならないように気をつけないといけない」と話していたユキヤだったが、終わってみればトップから3分43秒遅れのステージ103位。最終的に順位を下げることなく、総合45位でレースを終えた。山岳賞は5位。
1週間のステージレースを「初日と最終日がタイムトライアルなので、レースは実質6ステージ。あっという間でした」と振り返る。
「今年はツール・ド・ランカウイに出場せず、ヨーロッパでシーズンインしました。昨年出場した大きなステージレースと言えば、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネとツール・ド・ロマンディぐらいだったので、シーズン序盤から出たいレースに出場出来たことは嬉しい」。
初出場のパリ〜ニースで目標とするステージ優勝は叶わなかったが、その挑戦から得たものは大きいようだ。「転ばなかったし、天気もよかったし、逃げて出来る限りのことはやったし、厳しいステージでも登りで遅れないよう我慢することも出来たし、感触は良かった。まだ(コンディションを)上げて行けそうな感じで、良いシーズンを送れそうな手応えがあります。この先のレースが楽しみです!」
「来週はしっかり休みます。再来週はフランスのワンデーレースが続いて、3月23日のE3プライスフラーンデレンと3月25日のヘント〜ウェベルヘムに出場。そしてアムステル・ゴールドレースとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ。もう気持ちはヘント〜ウェベルヘムやアルデンヌ・クラシックに向けて切り替わっています」。ユキヤはレース後すぐにニースのコートダジュール空港に向かい、夕方のフライトでフランスの自宅に戻った。
秒差の総合争いは、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)が文句無しのステージ優勝を飾って決着をつけた(中継バイクが目の前で並走してしまったため、ウィギンズの写真を撮りそこねるという大失態を冒しました、すいません)。
レース後の会見で、流暢なフランス語でウィギンズが喜びを語る。「今日の走りはパーフェクトだった。プレッシャーは五輪のトラックレースと比較にならないほど感じていなかったし、自分の能力に自信をもっていた」。イギリス人によるパリ〜ニース総合優勝は、トム・シンプソンに続く史上2例目。
「パリ〜ニースにはもちろん敬意を払っているが、自分の中では次のステップに繋がる布石。7月に向けて、更に進化しなければならない。クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ、そしてパリ〜ニースを制した今、残るタイトルは1つだけだ」。ウィギンズの気持ちは完全にツール・ド・フランスに向いている。
1週間にわたって繰り広げられたミニ・ツール・ド・フランスはこれにて終了。翌日のティレーノ〜アドリアティコ第6ステージに合流するため、今から750km移動します。急いで出発するために乱雑な文章&構成になってしまったことをお許し下さい。
text&photo:Kei Tsuji in Nice, France
コートダジュール、地中海を望む標高500mほどの崖の上に「鷲の巣村」と呼ばれるエズはある。ニースから訪れる観光地としては定番中の定番だ。
ここのところパリ〜ニースは、ニースに至る山岳ステージで決着が付けられるのが定番だった。その最終ステージの最後に設定されているのが、1級山岳エズ峠。エズの村から更に内陸に入った場所にある。今年はそのエズ峠までの山岳個人タイムトライアルが久々に登場した。
海沿いのニースから標高501mのエズ峠まで、登りっぱなしのタイムトライアル。スタート直後から勾配が7%を超えるため、各選手スタート前にローラー台で念入りにアップする。
「実はチームのバンに(カンパニョーロの)ボーラ80が10セットあるんですよ。明日はそれを使うかもしれない」と前夜に話していたユキヤは、コースの試走から帰ってくるなりメカニックにお願いし、ロープロフィールのハイペロンに交換した。「登りばっかりなので迷わずハイペロンにします(笑)」
スタート前に「全開で走るけど、総合では順位を下げるだけ。タイムアウトにならないように気をつけないといけない」と話していたユキヤだったが、終わってみればトップから3分43秒遅れのステージ103位。最終的に順位を下げることなく、総合45位でレースを終えた。山岳賞は5位。
1週間のステージレースを「初日と最終日がタイムトライアルなので、レースは実質6ステージ。あっという間でした」と振り返る。
「今年はツール・ド・ランカウイに出場せず、ヨーロッパでシーズンインしました。昨年出場した大きなステージレースと言えば、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネとツール・ド・ロマンディぐらいだったので、シーズン序盤から出たいレースに出場出来たことは嬉しい」。
初出場のパリ〜ニースで目標とするステージ優勝は叶わなかったが、その挑戦から得たものは大きいようだ。「転ばなかったし、天気もよかったし、逃げて出来る限りのことはやったし、厳しいステージでも登りで遅れないよう我慢することも出来たし、感触は良かった。まだ(コンディションを)上げて行けそうな感じで、良いシーズンを送れそうな手応えがあります。この先のレースが楽しみです!」
「来週はしっかり休みます。再来週はフランスのワンデーレースが続いて、3月23日のE3プライスフラーンデレンと3月25日のヘント〜ウェベルヘムに出場。そしてアムステル・ゴールドレースとリエージュ〜バストーニュ〜リエージュ。もう気持ちはヘント〜ウェベルヘムやアルデンヌ・クラシックに向けて切り替わっています」。ユキヤはレース後すぐにニースのコートダジュール空港に向かい、夕方のフライトでフランスの自宅に戻った。
秒差の総合争いは、ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)が文句無しのステージ優勝を飾って決着をつけた(中継バイクが目の前で並走してしまったため、ウィギンズの写真を撮りそこねるという大失態を冒しました、すいません)。
レース後の会見で、流暢なフランス語でウィギンズが喜びを語る。「今日の走りはパーフェクトだった。プレッシャーは五輪のトラックレースと比較にならないほど感じていなかったし、自分の能力に自信をもっていた」。イギリス人によるパリ〜ニース総合優勝は、トム・シンプソンに続く史上2例目。
「パリ〜ニースにはもちろん敬意を払っているが、自分の中では次のステップに繋がる布石。7月に向けて、更に進化しなければならない。クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ、そしてパリ〜ニースを制した今、残るタイトルは1つだけだ」。ウィギンズの気持ちは完全にツール・ド・フランスに向いている。
1週間にわたって繰り広げられたミニ・ツール・ド・フランスはこれにて終了。翌日のティレーノ〜アドリアティコ第6ステージに合流するため、今から750km移動します。急いで出発するために乱雑な文章&構成になってしまったことをお許し下さい。
text&photo:Kei Tsuji in Nice, France
フォトギャラリー
Amazon.co.jp