2012年2月11日から12日までの2日間、イタリアで第62回ジロ・デッラ・プロヴィンチャ・ディ・レッジョカラブリア(UCI2.1)が開催され、第2ステージで中根英登(チームNIPPO)がエスケープ。ゴールスプリントで連勝を飾ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が総合優勝に輝いた。

日本人選手4名をメンバーに選んだチームNIPPO日本人選手4名をメンバーに選んだチームNIPPO photo:Sonoko Tanakaレースは2ステージとも集団スプリントに持ち込まれ、ヴィヴィアーニが連勝した。文句無しの総合優勝に輝いたヴィヴィアーニは、シーズン序盤から好調で、ツール・ド・サンルイスステージ優勝GPコスタ・デッリ・エトルスキ連覇という成績を残す。今大会のステージ2勝と総合優勝でシーズン5勝目。勝利数ではトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)を上回っており、現在シーズン最多勝を誇っている。

第1ステージ カラブリア州の海岸線を行く第1ステージ カラブリア州の海岸線を行く photo:Sonoko Tanakaレース後に「また一つ勝利を積み上げることができた。コンディションは良く、しかもチームも素晴らしい」とツイートしたヴィヴィアーニは、2月17日から19日までロンドンのオリンピックヴェロドロームで開催されるトラック・ワールドカップに出場。8月のロンドンオリンピックではトラック・オムニアムで金メダルを狙う。

また、今大会にはチームNIPPOから内間康平、小森亮平、中根英登、榊原健一の4名が出場。第2ステージで中根が逃げに乗り、エーススプリンターのマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)がステージ3位&総合4位に入った。

第2ステージ 2連勝を飾ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)第2ステージ 2連勝を飾ったエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) photo:Sonoko Tanaka中京大学に通いながら、長期の休みを利用してチームNIPPOのメンバーとして走る中根。結果的に第2ステージはDNFに終わったが、トップチームと同じ土俵で闘い、そして逃げに乗る経験は、ヨーロッパで走ってこそ得ることができるもの。レースの感想を以下のように語っている。

中根英登コメント
「最初の逃げに乗ること、また有力チームの動きに警戒することがチームの最初のオーダーでした。スタート直後のアタック合戦で、前にいたファルネーゼの選手からアタックしそうな雰囲気を感じ、彼の後ろをキープしました。すると、やはり彼がアタックをかけ、自分はすかさず付いていき、5人の逃げが決まりました。5人で先頭をローテーションして回しましたが、他の選手は補給食を食べていたり、チームカーに下がったりと、順番をパスすることがあった。自分はそういうことができず、フルでローテーションに入り、体力を使ってしまいました。

その結果、逃げは150km地点で吸収されましたが、自分はその手前110km地点あたりで先頭から離れてしまいました。逃げが捕まるまで先頭に残りたかったです。経験や体力のなさがハッキリと出てしまったと思っています。しかし、自分にとっては、出場だけでも夢のような大きな大会で逃げに乗れたことは、今後の自信に繋がる経験になりました。次は必ず逃げ切りたいと思います」。

第1ステージ スタート前の榊原健一や中根英登(チームNIPPO)第1ステージ スタート前の榊原健一や中根英登(チームNIPPO) photo:Sonoko Tanaka第2ステージ 逃げる中根英登(チームNIPPO)ら5名第2ステージ 逃げる中根英登(チームNIPPO)ら5名 photo:Sonoko Tanaka


第1ステージ結果
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 3h45'50"
2位 ダニエーレ・コッリ(イタリア、チームタイプ1)
3位 エリア・ファヴィッリ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)
4位 マルコ・フラッポルティ(イタリア、チームイデア)
5位 ダヴィデ・チモライ(イタリア、ランプレ・ISD)
88位 中根英登(日本、チームNIPPO)                 +5'39"
92位 榊原健一(日本、チームNIPPO)
93位 内間康平(日本、チームNIPPO)
114位 小森亮平(日本、チームNIPPO)                 +8'08"

第2ステージ結果
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) 4h45'58"
2位 ダニエーレ・コッリ(イタリア、チームタイプ1)
3位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、チームNIPPO)
4位 ロベルト・チェザーロ(イタリア、メリディアナカメン)
5位 ジャンルーカ・マッジョーレ(イタリア、ウテンシルノルドネイムド)
32位 内間康平(日本、チームNIPPO)                   +10"
86位 榊原健一(日本、チームNIPPO)                 +12'35"
95位 小森亮平(日本、チームNIPPO)
DNF 中根英登(日本、チームNIPPO)

個人総合優勝
エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)

text:Kei Tsuji
photo&interview:Sonoko Tanaka