2012年2月4日、イタリアのシーズン初戦として長年親しまれているGPコスタ・デッリ・エトルスキ(UCI1.1)が開催。チームNIPPOから小森、中根、榊原、内間の4名が出場した169kmのレースで、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が連覇を達成した。

厚着をしてスタートしていく選手たち厚着をしてスタートしていく選手たち photo:Riccardo ScanferlaGPコスタ・デッリ・エトルスキ、通称「ドノラティコ」は今年で17回目の開催。イタリアにおけるシーズン開幕戦として定着しており、過去にはアレッサンドロ・ペタッキ(イタリア)が5度優勝に輝いている。

今年はUCIプロチームであるリクイガス・キャノンデールやランプレ・ISD、アージェードゥーゼルの他、国内外のUCIプロコンチネンタル/コンチネンタルチームが出場。路面凍結の影響で、コースは194kmから169kmに短縮された。

ゴールスプリントを制したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)ゴールスプリントを制したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) photo:Riccardo Scanferlaレースは集団スプリントに持ち込まれ、ヴィヴィアーニが大会連覇を達成した。ヴィヴィアーニは今シーズン早くも2勝目。次世代スプリンターとして着実にその存在感を増している。

チームNIPPOからは、チーム2年目の小森亮平と内間康平の他、昨年チームユーラシアに所属していた中根英登と榊原健一が出場。レース公式結果によると、中根は58位、小森は72位。内間と榊原は完走したものの順位はついていない。チームメイトのマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)が5位に入っている。

以下は日本人選手4名のレース後コメント。

スタート前にチーム紹介を受けるチームNIPPOスタート前にチーム紹介を受けるチームNIPPO photo:Riccardo Scanferla集団内で走る小森亮平(日本、チームNIPPO)集団内で走る小森亮平(日本、チームNIPPO) photo:Riccardo Scanferla

58位 中根英登
テレビや雑誌で見るような選手と同じ立場にいることが最初は信じられませんでした。楽しみな気持ちと不安な気持ちが入り交じって、スタートを迎えましたが、レースが始まってからは恐怖心などなく集中して走れました。監督からは「前のほうで走れればいいから」と言われていました。やるからにはやってやろうと思い、逃げに乗るべくアタックに混ざりましたが、タイミングなどが合わず、逃げることはできませんでした。遠征期間の1ヶ月は、チームのために走りたいと思いますが、まずは走りきることが目標です。

72位 小森亮平
シーズン初のレースで、オフトレーニングの成果があるのかなど不安な気持ちもありましたが、集団がペースアップしたときなどに、うまく対応できたので、シーズン開幕レースとしては良かったと思っています。去年はシーズン中盤でコンディションができあがっていても、アタフタしてしまう場面がありましたが、今回は開幕戦ながら冷静に対応できました。このオフでは、自分に足りないものは出力だと思い、インターバルなどをたくさん取り入れ、ハイパワーを出せるようにトレーニングしてきました。今回のレースでやってきたことは間違いではなかったと確認ができ、いい感触を掴んでいます。

内間康平
ブエルタチリを走っている分、コンディションは良く、ほかの選手がキツそうに走っている場面でも余裕をもって走ることができていました。しかし、終盤で前に上がることができず、脚を使う前にレースが終わってしまいました。狭い道が続き、幅の広い直線で一気にスピードアップするという展開で、うまく前に出ることができませんでした。チームは10人の枠に対して7人で出走していたので、アシストとして必要とされていましたが、うまく機能できなかったことを悔しく思います。ただ去年の同じ時期と比べ、4〜5kgほど絞れ、環境の変化やこれまでの練習で、強くなってきている実感があります。これからのレースで、とくに上りでは、チームに貢献できると思います。

榊原健一
UCIプロチームやビッグチームばかりで、最初はただただビックリしていました。サインをしたあとに壇上でチームが紹介されることすら初めての経験で、本当に驚くことばかりでした。終盤まで集団のペースは遅かったので、正直スピードアップしないでほしいと思っていましたが、集団の真ん中を走っていました。残り30kmをすぎてハイペースになったとき、脚が足りなくて残り1周で集団から離されてしまいました。ゴールしてからは脚がぜんぶ攣るくらい出し切っていました。いまは生活することなども含めて、すべてに必死な状態ですが、イタリア遠征で精神的にも強くなって帰りたいと思っています。

GPコスタ・デッリ・エトルスキ2012結果
1位 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)    4h25'00"
2位 サーシャ・モードロ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)
3位 フィリッポ・バッジョ(イタリア、ウテンシルノルド・ネイムド)
4位 ジョルジョ・ブランビッラ(イタリア、レオパードトレック・コンチネンタル)
5位 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、チームNIPPO)
6位 マルコ・フラッポルティ(イタリア、チームイデア)
7位 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アージェードゥーゼル)
8位 クリスティアン・ロバシー(ハンガリー)
9位 ダニーロ・ナポリターノ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)
10位 エンリーコ・ロッシ(イタリア、メリディアナカメン)
58位 中根英登(日本、チームNIPPO)
72位 小森亮平(日本、チームNIPPO)

text:Kei Tsuji
interview:Sonoko Tanaka
photo:Riccardo Scanferla