2012/02/05(日) - 09:03
2月5日から10日までの6日間、中東カタールで第11回ツアー・オブ・カタール(UCI2.HC)が開催される。風吹きすさぶ砂漠を舞台にした平坦バトルに、世界チャンピオンのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)を始めとしたトップスプリンターが集結。日本からは別府史之(グリーンエッジ)の他、チームブリヂストン・アンカーが参戦する。
首都ドーハに拠点を置き、カタール半島を縦横無尽に走るツアー・オブ・カタール。国土の大部分は真っ平らな砂漠であり、その荒涼とした大地を貫く直線的な平坦路がレースの舞台となる。
今年は大会2日目にチームタイムトライアルを開催。それ以外のステージはコースプロフィールの必要が無いほどのフラットコース。砂漠を吹き抜ける風が直接的にプロトンを襲うため、いわば「風との闘い」となる。
コースの進路変更に伴う風向きの変化でプロトンが破壊されるのが通例。風によって絞り込まれた集団によるスプリント争い、ならびに総合争いが繰り広げられる。これほどまで「風」が鍵を握るレースは他に類を見ない。
ツアー・オブ・カタール2012ステージリスト
2月5日(日)第1ステージ バルザン塔〜ドーハゴルフクラブ 142.5km
2月6日(月)第2ステージ ルサイル〜ルサイル 11.3km(チームTT)
2月7日(火)第3ステージ デュカン〜アルガラファ・スタジアム 146.5km
2月8日(水)第4ステージ アルザヒーラ〜マディナ・アルシャマル 144km
2月9日(木)第5ステージ キャメルレーストラック〜アルコール・コルニッシュ 160km
2月10日(金)第6ステージ シーラインビーチリゾート〜ドーハ・コルニッシュ 120km
ツール・ド・フランスと同じASO(アモリー・スポール・オルガニザシオン)が主催するレースだけに、スタートラインには豪華な顔ぶれが揃う。出場する16チームのうち、世界トップカテゴリーであるUCIプロチーム(ファーストディビジョン)はなんと11チーム。必然的にハイレベルな闘いとなる。
残りの5チームは、UCIプロコンチネンタルチーム(セカンドディビジョン)のプロジェクト1T4i(オランダ)、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア(イタリア)、チャンピオンシステム(中国)、そしてUCIコンチネンタルチーム(サードディビジョン)のRTSレーシングチーム(台湾)、チームブリヂストン・アンカー(日本)だ。
過去にステージ通算18勝、3度の総合優勝を飾っている「砂漠の王者」トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)は、すでにアルゼンチンのツール・ド・サンルイスで今シーズン1勝目を飾っており、クラシックシーズンに向けて上々の滑り出し。
ボーネンは、サンルイスでステージ2勝を飾ったフランチェスコ・キッキ(イタリア)と再びタッグを組む。キッキも昨年のカタールでステージ2勝を飾るなど相性が良い。ボーネン&キッキの好調コンビを擁するチームは大会制覇を狙ってくるだろう。
シーズン序盤の調整不足と体調不良が囁かれているものの、アルカンシェル&チームスカイでシーズンデビューを飾る世界チャンピオンのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)にも注目したい。カヴは2009年のカタールでステージ2勝。相棒ベルンハルト・アイゼル(オーストリア)を従えての出場だ。
昨年大会の覇者マーク・レンショー(オーストラリア)は、「風のレース」を心得ているオランダのラボバンクから出場。昨年まで「世界最高峰のリードアウト」と謳われた男は、エーススプリンターとして元チームメイトのカヴに立ち向かう。
BMCレーシングチームが誇るトル・フースホフト(ノルウェー)とフィリップ・ジルベール(ベルギー)の新生タッグも見逃せない。同チームからは、スプリント力のあるテイラー・フィニー(アメリカ)も出場。チームTTでリードを広げる走りに期待したい。
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)は、トップチームに復帰したトーマス・デッケル(オランダ)らとともにスタートラインに立つ。その他、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1T4i)、デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)らがスプリントを繰り広げるはず。
新生グリーンエッジからはロビー・マキュアン(オーストラリア)の他、全日本チャンピオンの別府史之が出場する。白基調のナショナルチャンピオンジャージを着るフミがカタールでシーズンインを迎える。
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)やペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)など、スプリンター以外にもビッグネームが揃う。1月のツアー・ダウンアンダーで劇的なステージ優勝を飾ったウィリアム・クラーク(オーストラリア)はチャンピオンシステムからの出場だ。
そして今回、日本のUCIコンチネンタルチームであるチームブリヂストン・アンカーが出場権を得た。メンバーは日本人4名、フランス人3名、ベルギー人1名という構成。井上和郎、清水都貴、西薗良太、吉田隼人が、世界トップライダーが揃う「風のレース」に挑む。
text:Kei Tsuji
首都ドーハに拠点を置き、カタール半島を縦横無尽に走るツアー・オブ・カタール。国土の大部分は真っ平らな砂漠であり、その荒涼とした大地を貫く直線的な平坦路がレースの舞台となる。
今年は大会2日目にチームタイムトライアルを開催。それ以外のステージはコースプロフィールの必要が無いほどのフラットコース。砂漠を吹き抜ける風が直接的にプロトンを襲うため、いわば「風との闘い」となる。
コースの進路変更に伴う風向きの変化でプロトンが破壊されるのが通例。風によって絞り込まれた集団によるスプリント争い、ならびに総合争いが繰り広げられる。これほどまで「風」が鍵を握るレースは他に類を見ない。
ツアー・オブ・カタール2012ステージリスト
2月5日(日)第1ステージ バルザン塔〜ドーハゴルフクラブ 142.5km
2月6日(月)第2ステージ ルサイル〜ルサイル 11.3km(チームTT)
2月7日(火)第3ステージ デュカン〜アルガラファ・スタジアム 146.5km
2月8日(水)第4ステージ アルザヒーラ〜マディナ・アルシャマル 144km
2月9日(木)第5ステージ キャメルレーストラック〜アルコール・コルニッシュ 160km
2月10日(金)第6ステージ シーラインビーチリゾート〜ドーハ・コルニッシュ 120km
ツール・ド・フランスと同じASO(アモリー・スポール・オルガニザシオン)が主催するレースだけに、スタートラインには豪華な顔ぶれが揃う。出場する16チームのうち、世界トップカテゴリーであるUCIプロチーム(ファーストディビジョン)はなんと11チーム。必然的にハイレベルな闘いとなる。
残りの5チームは、UCIプロコンチネンタルチーム(セカンドディビジョン)のプロジェクト1T4i(オランダ)、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア(イタリア)、チャンピオンシステム(中国)、そしてUCIコンチネンタルチーム(サードディビジョン)のRTSレーシングチーム(台湾)、チームブリヂストン・アンカー(日本)だ。
過去にステージ通算18勝、3度の総合優勝を飾っている「砂漠の王者」トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)は、すでにアルゼンチンのツール・ド・サンルイスで今シーズン1勝目を飾っており、クラシックシーズンに向けて上々の滑り出し。
ボーネンは、サンルイスでステージ2勝を飾ったフランチェスコ・キッキ(イタリア)と再びタッグを組む。キッキも昨年のカタールでステージ2勝を飾るなど相性が良い。ボーネン&キッキの好調コンビを擁するチームは大会制覇を狙ってくるだろう。
シーズン序盤の調整不足と体調不良が囁かれているものの、アルカンシェル&チームスカイでシーズンデビューを飾る世界チャンピオンのマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームスカイ)にも注目したい。カヴは2009年のカタールでステージ2勝。相棒ベルンハルト・アイゼル(オーストリア)を従えての出場だ。
昨年大会の覇者マーク・レンショー(オーストラリア)は、「風のレース」を心得ているオランダのラボバンクから出場。昨年まで「世界最高峰のリードアウト」と謳われた男は、エーススプリンターとして元チームメイトのカヴに立ち向かう。
BMCレーシングチームが誇るトル・フースホフト(ノルウェー)とフィリップ・ジルベール(ベルギー)の新生タッグも見逃せない。同チームからは、スプリント力のあるテイラー・フィニー(アメリカ)も出場。チームTTでリードを広げる走りに期待したい。
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・バラクーダ)は、トップチームに復帰したトーマス・デッケル(オランダ)らとともにスタートラインに立つ。その他、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、プロジェクト1T4i)、デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)、アンドレア・グアルディーニ(イタリア、ファルネーゼヴィーニ・セッレイタリア)らがスプリントを繰り広げるはず。
新生グリーンエッジからはロビー・マキュアン(オーストラリア)の他、全日本チャンピオンの別府史之が出場する。白基調のナショナルチャンピオンジャージを着るフミがカタールでシーズンインを迎える。
ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・ニッサン)やペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)など、スプリンター以外にもビッグネームが揃う。1月のツアー・ダウンアンダーで劇的なステージ優勝を飾ったウィリアム・クラーク(オーストラリア)はチャンピオンシステムからの出場だ。
そして今回、日本のUCIコンチネンタルチームであるチームブリヂストン・アンカーが出場権を得た。メンバーは日本人4名、フランス人3名、ベルギー人1名という構成。井上和郎、清水都貴、西薗良太、吉田隼人が、世界トップライダーが揃う「風のレース」に挑む。
text:Kei Tsuji
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