2012年1月27日、ツール・ド・サンルイス(UCI2.1)第5ステージが1級山岳にゴールする160.6kmで行なわれ、アルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)が再び登坂力で他を圧倒。ステージ3位のリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)が総合首位を守った。

クリスティーナウォッチズのミカエル・ラスムッセン(デンマーク)、アンジェロ・フルラン(イタリア)、ステファン・シューマッハー(ドイツ)クリスティーナウォッチズのミカエル・ラスムッセン(デンマーク)、アンジェロ・フルラン(イタリア)、ステファン・シューマッハー(ドイツ) photo:Cor Vosツール・ド・サンルイスのクイーンステージとも言える第5ステージは、1級山岳ミラドール・デル・ソルにゴールする。標高1450mの「太陽の展望台」に向かう登りは、コンスタントに勾配が10%を超える急峻なもの。最大勾配15.5%の登りでコンタドールが再び動いた。

レースはリーダージャージ擁するオメガファーマ・クイックステップが支配した。横風が吹き付ける中、最大13分までリードを広げた逃げをメイン集団はラスト13km地点でキャッチする。

登りでアタックするアルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)登りでアタックするアルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク) photo:Cor Vos1級山岳ミラドール・デル・ソルに入るとチームサクソバンクによるペースアップが始まり、ゴールまで5kmを切るとコンタドールがアタック。これにはライプハイマーとダニエル・ディアス(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)だけが反応する。

一方、総合2位のステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナウォッチズ)や、総合3位ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)はコンタドールのペースアップにより脱落した。

先頭で1級山岳ミラドール・デル・ソルを登るリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)とアルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)先頭で1級山岳ミラドール・デル・ソルを登るリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)とアルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク) photo:Cor Vos最後はコンタドール、ライプハイマー、ディアスの勝負に持ち込まれ、ゴール前でライバルを引き離したコンタドールが優勝。コンタドールは2連続頂上ゴール制覇によりシューマッハーとニーバリを抜いて総合2位にジャンプアップ。しかしタイムロスを5秒に収めたライプハイマーがリーダージャージを守った。

急勾配の登りに合わせて36x28Tというローギアを選択し、今シーズン2勝目を飾ったコンタドール。「この早い時期にこれだけ走れていることに満足している」と、目標とするツール・ド・フランスまでまだ半年を残した1月の勝利を喜ぶ。

ガッツポーズでゴールするアルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)ガッツポーズでゴールするアルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク) photo:Cor Vos「今日はステージ優勝を果たしたいと願っていたんだ。前半から横風でナーバスな展開で、しかも最後の登りは非常に険しかった。チームがフルスロットルで集団のペースを上げて、ラスト4kmを切ってからアタックしたけど、結果的にリーヴァイ(ライプハイマー)とのタイム差は開かなかった」。

「レース前半は風が強くて、チームメイトに助けられた」と振り返るのは、リーダージャージを守ったライプハイマー。「最後の登りは長さが7kmでしかも急勾配。コンタドールがアタックしたときは総合成績のことを考えて走った。今日のレースにはとても満足している」。

ツール・ド・サンルイスは残り2日。第6ステージは前半に1級山岳が設定されているものの、ゴール前は比較的なコースレイアウト。オメガファーマ・クイックステップはライプハイマーの総合死守のため、そしてキッキ&ボーネンのスプリント勝負のため、レース前半から集団をコントロールするだろう。

レース内容と選手コメントはレース公式サイト(www.tour-sanluis.com.ar)ならびにオメガファーマ・クイックステップ公式サイトより。


ツール・ド・サンルイス2012第5ステージ結果
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)        4h19'59"
2位 ダニエル・ディアス(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)        +02"
3位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)  +05"
4位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)            +25"
5位 マルコス・ガルシア(スペイン、カハルーラル)                +44"
6位 ステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナウォッチズ)
7位 マグノ・ナザレー(ブラジル、ファンビク)                  +51"
8位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)     +56"
9位 アドリアン・パロマレス(スペイン、アンダルシア)              +58"
10位 ミゲール・ルビアーノチャベス(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)   +1'02"

個人総合成績
1位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファーマ・クイックステップ)17h27'52"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)           +46"
3位 ダニエル・ディアス(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)        +1'31"
4位 ステファン・シューマッハー(ドイツ、クリスティーナウォッチズ)       +1'36"
5位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)     +1'50"
6位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトリ)            +2'13"
7位 マグノ・ナザレー(ブラジル、ファンビク)                  +2'39"
8位 ルイス・マンシーリャ(チリ、チリチーム)                  +3'24"
9位 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)   +3'44"
10位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター)              +4'43"

山岳賞
アルベルト・コンタドール(スペイン、チームサクソバンク)

スプリント賞
エマヌエル・ゲバラ(アルゼンチン、サンルイス・ソモストドス)

チーム総合成績
アンドローニ・ジョカトリ

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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