2009/05/21(木) - 02:28
ドロミテとアルプスの山岳を終え、リグーリア海に達したジロ・デ・イタリア。折り返しの第11ステージはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)の2勝目で締めくくられた、が、コースに入れずゴールを見逃してしまった!
暑い暑いトリノをスタート
王者(ベッティーニ)が行く photo:Kei Tsuji第11ステージのスタート地点はトリノ。2006年に冬季オリンピックが開催され、荒川静香選手がフィギュアスケートで金メダルを獲得した地だ。アルプスに近くて冬のイメージが強いが、この日は(おそらく)気温30度オーバー。汗は垂れ流しだった。
早めに出走サインにやってくる選手は大抵決まっている。代表選手はアミーカチップスからジロ直前にディキジョヴァンニに移籍したレオナルド・ベルタニョッリ(イタリア)。
選手たちの登場にカメラが一斉に向く photo:Kei Tsuji他にもアラン・デーヴィス(オーストラリア、クイックステップ)やトマ・ヴォクレール(フランス、Bboxブイグテレコム)が「出走サイン選手権」では上位に絡んでくる。チーム総合成績ではディキジョヴァンニがトップだろう。
逆にランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)の出走サインはいつも時間ギリギリ。自分はレース中盤に撮影するためレーススタート15分前に出発することが多く、アームストロング様を見るチャンスは少ない。
今日もレースは序盤からハイスピード
15km地点、通行止めで足止めを食らった運転手も観戦 photo:Kei Tsuji道から外れてしまっても、ジロのコースはすぐに分かる。特徴は黒々としたアスファルト。ジロの通過に際して舗装しなおしたもので、ギュッと押せば肉汁が出そうなほど見た目はジュージーだ。
「やっぱり滑らかな路面は快適だ」と思っていると、突然デコボコの荒れ荒れになったりする。街中は特に注意が必要で、レース中で「交通規制されているから」と調子に乗ってハイスピードで走っていると、横断歩道に盛られた起伏で愛車500(フィアット・チンクエチェント)がルパン三世並みに飛ぶ。
75km地点、昨年のTOJ覇者キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン)を含むグループが30秒のリード photo:Kei Tsuji今年のジロはなかなか逃げが決まらず、前半から50km/h近いハイペースで駆け出すことが多い。1回でも多く撮影するため裏道や高速道を駆使して先回りするのだが、ラジオツールが「Velocita sempre sostenuta(ハイスピードのまま)」を告げる時はいつも大変だ。
500のノンターボエンジン(1240cc・69馬力)をかき鳴らし、大声で言えないようなスピードで走っても、かなり時間に余裕を持たないと先回りするのはムツカシイ。今日も高速道の出口が封鎖されていたりと撮影ポイント探しに手間取ってしまった。
ゴール写真を逃す大失態
ラスト15mで撮影、小さく写っているのはタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン) photo:Kei Tsujiレース中盤での撮影を終えてゴール地点アレンツァーノに急ぐ。高速道は広大なロンバルディア平原を通り過ぎ、山岳地帯を進む。幾つものトンネルを抜けると、一気に高速道は下降を始めた。目の前に広がるのはリグーリア海だ。
プレスルームからゴール地点まで500mあることを予め地図でチェックしていたので、選手たちがラスト30kmアーチを通過したことを確認して早めにプレスルームを出た。「←ARRIVO(ゴール)」というサインにしたがってゴールに向かうが、行けども行けどもそこはフェンスで塞がれていた。
やがて「ラスト10km!」のアナウンスを聞いて事態の深刻さを感じ始める。現地のカメラマンと「こっちはダメ!あっちは?」と情報を交換しながら汗だくになって走り回ったが入り口が見つからない。「さあ!ラスト2km!」と聞こえた時点でゴールライン行きを諦め、ラスト15m地点で観客に紛れてカメラを伸ばした。
カヴェンディッシュ今シーズン10勝目
質問攻めにふてくされた様子のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア) photo:Kei Tsujiミラノ〜サンレモで通過するアレンツァーノ。そのサンレモで、初出場ながら優勝を手にしたのはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)だ。ジロ序盤ステージでペタッキにコテンパンにされていたカヴは、ミラノステージに次ぐ2勝目をこのアレンツァーノで挙げた。
今年のジロでの五大スプリンターは誰かとの質問に「自分、ペタッキ、ファラー、デーヴィス、そしてチームメイトのボアッソン」と答えるカヴ。ジロでは昨年の2勝と合わせて4勝目。今シーズン早くも10勝の大台に乗せた。
明日は総合成績に大きな影響を与えること必至のチンクエテッレ個人タイムトライアル。長い上りとテクニカルな下り有りのコースは距離60kmオーバーだ。軽量性とコーナリングの良さを考慮してTTバイクは使用せず、ノーマルバイクに短いDHバーをつけて挑むチームが多い様子。こちらは食料を買い込んで中盤の上りに陣取る予定です。
暑い暑いトリノをスタート
![王者(ベッティーニ)が行く](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2009/05/20/giro20091103.jpg)
早めに出走サインにやってくる選手は大抵決まっている。代表選手はアミーカチップスからジロ直前にディキジョヴァンニに移籍したレオナルド・ベルタニョッリ(イタリア)。
![選手たちの登場にカメラが一斉に向く](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2009/05/20/giro20091105.jpg)
逆にランス・アームストロング(アメリカ、アスタナ)の出走サインはいつも時間ギリギリ。自分はレース中盤に撮影するためレーススタート15分前に出発することが多く、アームストロング様を見るチャンスは少ない。
今日もレースは序盤からハイスピード
![15km地点、通行止めで足止めを食らった運転手も観戦](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2009/05/20/giro20091116.jpg)
「やっぱり滑らかな路面は快適だ」と思っていると、突然デコボコの荒れ荒れになったりする。街中は特に注意が必要で、レース中で「交通規制されているから」と調子に乗ってハイスピードで走っていると、横断歩道に盛られた起伏で愛車500(フィアット・チンクエチェント)がルパン三世並みに飛ぶ。
![75km地点、昨年のTOJ覇者キャメロン・マイヤー(オーストラリア、ガーミン)を含むグループが30秒のリード](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2009/05/20/giro20091117.jpg)
500のノンターボエンジン(1240cc・69馬力)をかき鳴らし、大声で言えないようなスピードで走っても、かなり時間に余裕を持たないと先回りするのはムツカシイ。今日も高速道の出口が封鎖されていたりと撮影ポイント探しに手間取ってしまった。
ゴール写真を逃す大失態
![ラスト15mで撮影、小さく写っているのはタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2009/05/21/giro200911b01.jpg)
プレスルームからゴール地点まで500mあることを予め地図でチェックしていたので、選手たちがラスト30kmアーチを通過したことを確認して早めにプレスルームを出た。「←ARRIVO(ゴール)」というサインにしたがってゴールに向かうが、行けども行けどもそこはフェンスで塞がれていた。
やがて「ラスト10km!」のアナウンスを聞いて事態の深刻さを感じ始める。現地のカメラマンと「こっちはダメ!あっちは?」と情報を交換しながら汗だくになって走り回ったが入り口が見つからない。「さあ!ラスト2km!」と聞こえた時点でゴールライン行きを諦め、ラスト15m地点で観客に紛れてカメラを伸ばした。
カヴェンディッシュ今シーズン10勝目
![質問攻めにふてくされた様子のマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、チームコロンビア)](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2009/05/21/giro200911b03.jpg)
今年のジロでの五大スプリンターは誰かとの質問に「自分、ペタッキ、ファラー、デーヴィス、そしてチームメイトのボアッソン」と答えるカヴ。ジロでは昨年の2勝と合わせて4勝目。今シーズン早くも10勝の大台に乗せた。
明日は総合成績に大きな影響を与えること必至のチンクエテッレ個人タイムトライアル。長い上りとテクニカルな下り有りのコースは距離60kmオーバーだ。軽量性とコーナリングの良さを考慮してTTバイクは使用せず、ノーマルバイクに短いDHバーをつけて挑むチームが多い様子。こちらは食料を買い込んで中盤の上りに陣取る予定です。
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