2011/10/31(月) - 13:42
2011年10月30日、シクロクロス北陸第3戦が富山県黒部市のグリーンパークおおしまで開催。UCIシクロクロス世界選手権日本代表メンバーのセレクションシリーズ第1戦にあたるC1は、辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー)が接戦の末、辛勝した。
ベルギー・コクサイデで2012年1月29日に開催されるシクロクロス世界選手権に向け、日本を代表するシクロクロスレーサーたちが本格始動した。
同大会の日本代表メンバーの選考に関わるのが、10月〜11月にかけて合計3戦で行なわれるナショナルセレクションシリーズ。第1戦は10月30日のシクロクロス北陸第3戦・黒部、第2戦は11月20日の関西シクロクロス第3戦・マイアミ、第3戦は信州シクロクロス第4戦・野辺山。いずれも賞金レースだ。
日本ナショナルチームは12月11日の全日本選手権の優勝者を中心に編成されるが、シリーズの総合ランキング上位選手も代表メンバー候補に挙がる。いわばこの黒部を皮切りに2011〜2012年シーズンが始動する。全日本チャンピオンの辻浦圭一を始め、C1上位常連レーサーが黒部に集った。
舞台は日本海に面したキャンプ場「グリーンパークおおしま」。テクニカルな松林セクションとスピードの上がる舗装路、そしてタイヤが深く沈む砂セクションが組み合わされる。気温は20度前後。時折小雨の降るコンディションのなか行なわれた。
C1は全日本チャンピオンの辻浦圭一が開始早々レースをリードする。食らいつくのは小坂正則(スワコレーシングチーム)、丸山厚(MASSA-FOCUS-SUPER B)、小坂光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン)の3名。レース中盤に先頭は辻浦圭一と小坂正則の2人となる。
昨年シクロクロス全日本選手権で9連覇を達成した辻浦圭一と、今年12月で48歳となるベテランの小坂正則。長く日本のシクロクロス界をリードするこの2人が、先頭で一進一退の攻防を繰り広げる。
やがてゴールまで2周を残した深い砂のコーナーで小坂正則がミス。その一瞬の隙を突いて辻浦圭一が前に出る。辻浦圭一はそのまま前を向いて踏み続け、15秒ほどのリードを築いて最終周回へ。苦しい表情を浮かべながらハイペースを刻み、最終的に小坂正則を28秒引き離してゴールした。3位には昨年日本代表として世界選手権に出場した丸山厚が入った。
「辛いレースでした。粘り強く走って、小坂さんの砂浜区間のミスでチャンスが生まれた」と辻浦圭一は接戦を振り返る。
「先週までマレーシアでMTBレースに出場して、日本に帰って来たばかり。寒暖の差が大きいからか、ずっと内蔵の調子が良くなかった」。苦しみながらの今シーズン初勝利。特に後半は苦しみの表情が目立った。
今シーズンは山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)や山本和弘(キャノンデール)ら、MTBクロスカントリーの選手のシクロクロス参戦に注目が集まる。そのことについて全日本チャンピオンは「オフシーズンのトレーニングとして、これまでシクロクロスに打ち込んで来た。自分としては『(彼らは)今さら気付いたか!』という感じ。でもシクロクロス界のレベルアップに繋がるし、歓迎している」と語る。
期待されるのは全日本選手権10連覇。「昨年までは、毎週末開催されるシクロクロスレースのスケジュールに合わせてプランを組んでいた。でも今年はトレーニングにも重点をおいて、自分のペースで調整していきたい。だから来週末は(信州や関西、GPミストラルが開催されるものの)レースに出場しない。全日本に向けて、しっかりとしたプランができている」。辻浦圭一は今年も全日本終了後に渡欧する。ベルギーに拠点を置き、シクロクロス世界選手権に備える予定だ。
CL1は全日本選手権6連覇の豊岡英子(パナソニック・レディース)が圧勝。C2は、近年MTBクロスカントリーのエキスパートクラスで活躍し、今年ロードレース全日本選手権U17で優勝した横山航太(快レーシング)が独走勝利。横山航太はオープン参加のため、2番手でゴールした今井智昭(ONE on ONE)が優勝に輝いた。
レースの模様はフォトギャラリーにて!
シクロクロス北陸2011-2012第3戦黒部結果
C1(8周回)
1位 辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー) 55'41"
2位 小坂正則(スワコレーシングチーム) +28"
3位 丸山厚(MASSA-FOCUS-SUPER B) +1'07"
4位 小坂光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン) +1'48"
5位 池本真也(和光機器・AUTHOR) +2'24"
6位 合田正之(サイクルクラブ3UP) +2'25"
7位 濱由嵩(BRIDLER) +3'52"
8位 澤田雄一(サイクルマインド) +5'58"
9位 國吉正紀(BRIDLER) +6'17"
10位 飯塚隆文(スワコレーシングチーム) +6'18"
CL1(5周回)
1位 豊岡英子(パナソニック・レディース) 42'19"
2位 中道のぞみ(Salata bianca kobe) +5'17"
3位 山口博子(パワーキック) +5'28"
C2(5周回)
OPN 横山航太(快レーシング) 33'00"
1位 今井智昭(ONE on ONE) +3'28"
2位 山田憲司(スワコレーシングチーム) +5'24"
3位 ビンセント・フラナガン(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)+5'38"
4位 小俣雄風太(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB) +5'43"
CL2(4周回)
1位 清水朱実(bridler moon)
2位 矢野麻利(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)
C3(4周回)
1位 市古斉史(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)
2位 富田道夫(シロクマカフェレーシング)
3位 千貫伸行(W.P.KYOTO)
4位 宮田昌俊(ラブニールあづみの)
5位 横江裕一(チームシャカリキ)
text&photo:Kei Tsuji
ベルギー・コクサイデで2012年1月29日に開催されるシクロクロス世界選手権に向け、日本を代表するシクロクロスレーサーたちが本格始動した。
同大会の日本代表メンバーの選考に関わるのが、10月〜11月にかけて合計3戦で行なわれるナショナルセレクションシリーズ。第1戦は10月30日のシクロクロス北陸第3戦・黒部、第2戦は11月20日の関西シクロクロス第3戦・マイアミ、第3戦は信州シクロクロス第4戦・野辺山。いずれも賞金レースだ。
日本ナショナルチームは12月11日の全日本選手権の優勝者を中心に編成されるが、シリーズの総合ランキング上位選手も代表メンバー候補に挙がる。いわばこの黒部を皮切りに2011〜2012年シーズンが始動する。全日本チャンピオンの辻浦圭一を始め、C1上位常連レーサーが黒部に集った。
舞台は日本海に面したキャンプ場「グリーンパークおおしま」。テクニカルな松林セクションとスピードの上がる舗装路、そしてタイヤが深く沈む砂セクションが組み合わされる。気温は20度前後。時折小雨の降るコンディションのなか行なわれた。
C1は全日本チャンピオンの辻浦圭一が開始早々レースをリードする。食らいつくのは小坂正則(スワコレーシングチーム)、丸山厚(MASSA-FOCUS-SUPER B)、小坂光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン)の3名。レース中盤に先頭は辻浦圭一と小坂正則の2人となる。
昨年シクロクロス全日本選手権で9連覇を達成した辻浦圭一と、今年12月で48歳となるベテランの小坂正則。長く日本のシクロクロス界をリードするこの2人が、先頭で一進一退の攻防を繰り広げる。
やがてゴールまで2周を残した深い砂のコーナーで小坂正則がミス。その一瞬の隙を突いて辻浦圭一が前に出る。辻浦圭一はそのまま前を向いて踏み続け、15秒ほどのリードを築いて最終周回へ。苦しい表情を浮かべながらハイペースを刻み、最終的に小坂正則を28秒引き離してゴールした。3位には昨年日本代表として世界選手権に出場した丸山厚が入った。
「辛いレースでした。粘り強く走って、小坂さんの砂浜区間のミスでチャンスが生まれた」と辻浦圭一は接戦を振り返る。
「先週までマレーシアでMTBレースに出場して、日本に帰って来たばかり。寒暖の差が大きいからか、ずっと内蔵の調子が良くなかった」。苦しみながらの今シーズン初勝利。特に後半は苦しみの表情が目立った。
今シーズンは山本幸平(チームブリヂストン・アンカー)や山本和弘(キャノンデール)ら、MTBクロスカントリーの選手のシクロクロス参戦に注目が集まる。そのことについて全日本チャンピオンは「オフシーズンのトレーニングとして、これまでシクロクロスに打ち込んで来た。自分としては『(彼らは)今さら気付いたか!』という感じ。でもシクロクロス界のレベルアップに繋がるし、歓迎している」と語る。
期待されるのは全日本選手権10連覇。「昨年までは、毎週末開催されるシクロクロスレースのスケジュールに合わせてプランを組んでいた。でも今年はトレーニングにも重点をおいて、自分のペースで調整していきたい。だから来週末は(信州や関西、GPミストラルが開催されるものの)レースに出場しない。全日本に向けて、しっかりとしたプランができている」。辻浦圭一は今年も全日本終了後に渡欧する。ベルギーに拠点を置き、シクロクロス世界選手権に備える予定だ。
CL1は全日本選手権6連覇の豊岡英子(パナソニック・レディース)が圧勝。C2は、近年MTBクロスカントリーのエキスパートクラスで活躍し、今年ロードレース全日本選手権U17で優勝した横山航太(快レーシング)が独走勝利。横山航太はオープン参加のため、2番手でゴールした今井智昭(ONE on ONE)が優勝に輝いた。
レースの模様はフォトギャラリーにて!
シクロクロス北陸2011-2012第3戦黒部結果
C1(8周回)
1位 辻浦圭一(チームブリヂストン・アンカー) 55'41"
2位 小坂正則(スワコレーシングチーム) +28"
3位 丸山厚(MASSA-FOCUS-SUPER B) +1'07"
4位 小坂光(TeamZenko/宇都宮ブリッツェン) +1'48"
5位 池本真也(和光機器・AUTHOR) +2'24"
6位 合田正之(サイクルクラブ3UP) +2'25"
7位 濱由嵩(BRIDLER) +3'52"
8位 澤田雄一(サイクルマインド) +5'58"
9位 國吉正紀(BRIDLER) +6'17"
10位 飯塚隆文(スワコレーシングチーム) +6'18"
CL1(5周回)
1位 豊岡英子(パナソニック・レディース) 42'19"
2位 中道のぞみ(Salata bianca kobe) +5'17"
3位 山口博子(パワーキック) +5'28"
C2(5周回)
OPN 横山航太(快レーシング) 33'00"
1位 今井智昭(ONE on ONE) +3'28"
2位 山田憲司(スワコレーシングチーム) +5'24"
3位 ビンセント・フラナガン(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)+5'38"
4位 小俣雄風太(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB) +5'43"
CL2(4周回)
1位 清水朱実(bridler moon)
2位 矢野麻利(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)
C3(4周回)
1位 市古斉史(八ヶ岳CYCLOCROSS CLUB)
2位 富田道夫(シロクマカフェレーシング)
3位 千貫伸行(W.P.KYOTO)
4位 宮田昌俊(ラブニールあづみの)
5位 横江裕一(チームシャカリキ)
text&photo:Kei Tsuji
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