2011年10月12日から16日までの5日間、オーストラリア・ヴィクトリア州にてジェイコ・ヘラルドサンツアー(UCI2.1)が開催された。レースには宇都宮ブリッツェンのメンバー5名の他、土井雪広(スキル・シマノ)が出場。土井はチームメイトのステージ2勝をアシストするとともに、第4ステージの頂上ゴールで6位に入った。

オーストラリア南部の乾燥した大地を進むオーストラリア南部の乾燥した大地を進む photo:Veeral Patel1952年に初開催され、今年で開催59回目を迎えるジェイコ・ヘラルドサンツアー。オーストラリア南部のヴィクトリア州メルボルン近郊で開催される5日間のステージレースで、アメリカのキャンピングトレーラーメーカーであるジェイコ社と地元ヴィクトリア州のヘラルドサン新聞がスポンサーにつく。

第3ステージのゴールスプリントを制したマルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ)第3ステージのゴールスプリントを制したマルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ) photo:Veeral Patel今年はUCIプロチームのサクソバンク・サンガード、オメガファーマ・ロット、カチューシャ、ガーミン・サーヴェロが出場。UCIのクラス1レースとしては異例の豪華さ。

そしてUCIプロコンチネンタルチームスキル・シマノからは土井雪広が出場。UCIコンチネンタルチームの宇都宮ブリッツェンはこのジェイコ・ヘラルドサンツアーで海外デビューを果たした。

第4ステージの頂上ゴールで6位に入った土井雪広(日本、スキル・シマノ)第4ステージの頂上ゴールで6位に入った土井雪広(日本、スキル・シマノ) photo:Veeral Patelレースは第1ステージで10分差をつけた15人の逃げが決まり、その中から第4ステージの頂上ゴールでリードを広げたネイサン・ハース(オーストラリア、ジェネシス・ウェルスアドヴァイザーズ)が総合優勝に輝いた。

ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)やヨナス・ヨルゲンセン(デンマーク、サクソバンク・サンガード)と言ったトップ選手を退けたハースは22歳。UCIコンチネンタルチームながら、ジェネシス・ウェルスアドヴァイザーズはチーム総合成績トップに輝いている。

ハースを総合優勝に導いたジェネシス・ウェルスアドヴァイザーズはジャパンカップ参戦予定ハースを総合優勝に導いたジェネシス・ウェルスアドヴァイザーズはジャパンカップ参戦予定 photo:Veeral Patelハースは「まさか叶うとは思っていなかった夢が叶った。チームメイトたちと特別な何かを成し遂げたんだ。この結果で(世界トップカテゴリーの)ワールドツアーに近づいた気分だけど、急いでビッグチームに入りたいという思いはない。自分たちの走りを誇りに思う」とコメント。ハースを始め、今回の出場メンバーの多くはジャパンカップに参戦予定だ。

土井雪広はチームのアシストとして走り、マルセル・キッテル(ドイツ)の第3・第5ステージのスプリント勝利をお膳立てした。アシストの任務を解かれた第4ステージの頂上ゴールでは、トップから26秒遅れの6位に入っている。

土井雪広は第4ステージ後のツイートで「ラスト3キロ8%の登りゴールで、ジャパンカップに向け良いシュミレーションが出来た」と綴っている。総合13位でレースを終え、ブエルタ・ア・エスパーニャ後の調子の良さを印象づけた。

宇都宮ブリッツェンは柿沼章、廣瀬佳正、辻善光、初山翔、若杉厚仁の5名で海外初レースを迎えた。しかしジャパンカップでの現役引退を表明している柿沼章は発熱により、若杉厚仁は膝の痛みにより初日リタイア。残る3名は風が吹くハイレベルなレースに苦しんだが、第3ステージのゴールスプリントで辻善光が7位に。23歳の若い初山翔が総合33位でレースを終えている。

選手コメントやレース展開はレース公式サイトより。その他の写真はフォトギャラリーにて。


第3ステージのスタート前にリラックスする辻善光(日本、宇都宮ブリッツェン)第3ステージのスタート前にリラックスする辻善光(日本、宇都宮ブリッツェン) photo:Veeral Patelステージ2勝を飾ったマルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ)ステージ2勝を飾ったマルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ) photo:Veeral Patel


ジェイコ・ヘラルドサンツアー2011結果
10月12日 第1ステージ ウィットルシー〜バララット 170.4km
1位 リース・ポロック(オーストラリア、ドラパック・ポルシェ)         4h09'23"
45位 辻善光(日本、宇都宮ブリッツェン)                    +10'24"
53位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
84位 初山翔(日本、宇都宮ブリッツェン)
86位 廣瀬佳正(日本、宇都宮ブリッツェン)
DNF 柿沼章(日本、宇都宮ブリッツェン)
DNF 若杉厚仁(日本、宇都宮ブリッツェン)

10月13日 第2ステージ バララット〜ジーロング 140.6km
1位 ラインハルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、MTNキュベカ)    3h24'34"
15位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
47位 廣瀬佳正(日本、宇都宮ブリッツェン)
55位 辻善光(日本、宇都宮ブリッツェン)                      +17"
95位 初山翔(日本、宇都宮ブリッツェン)                    +1'15"

10月14日 第3ステージ ジーロング〜ドライズデール 172.6km
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ)               4h16'16"
7位 辻善光(日本、宇都宮ブリッツェン)
41位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
45位 初山翔(日本、宇都宮ブリッツェン)
54位 廣瀬佳正(日本、宇都宮ブリッツェン)

10月15日 第4ステージ ソレント〜アーサーズ・シート 131.6km
1位 エゴール・シリン(ロシア、カチューシャ)                 3h20'54"
6位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                        +26"
33位 初山翔(日本、宇都宮ブリッツェン)                     +1'24"
69位 廣瀬佳正(日本、宇都宮ブリッツェン)                   +10'30"
81位 辻善光(日本、宇都宮ブリッツェン)                    +11'18"

10月16日 第5ステージ メルボルン〜メルボルン 61.5km
1位 マルセル・キッテル(ドイツ、スキル・シマノ)               1h28'19"
28位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                       +07"
36位 初山翔(日本、宇都宮ブリッツェン)                      +11"
61位 辻善光(日本、宇都宮ブリッツェン)                     +1'20"
FAD 廣瀬佳正(日本、宇都宮ブリッツェン)

個人総合成績
1位 ネイサン・ハース(オーストラリア、ジェネシス・ウェルスアドヴァイザーズ)16h39'39"
2位 ジャック・ボブリッジ(オーストラリア、ガーミン・サーヴェロ)         +17"
3位 ヨナス・ヨルゲンセン(デンマーク、サクソバンク・サンガード)         +26"
4位 ラインハルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、MTNキュベカ)
5位 イェンス・デブシェル(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
13位 土井雪広(日本、スキル・シマノ)                     +10'44"
33位 初山翔(日本、宇都宮ブリッツェン)                    +13'01"
63位 辻善光(日本、宇都宮ブリッツェン)                    +23'06"

text:Kei Tsuji
photo:Veeral Patel