2011/10/15(土) - 05:14
国内初の室内250m板張り走行路を有する競技場として10月1日にオープンした伊豆ベロドローム(静岡県伊豆市)にて、第14回全日本自転車競技選手権トラック及び2011全日本オムニアム選手権が、10月14日に開幕した。
国内初の250m板張り走路を持つ屋内競技場 伊豆ベロドローム (c)Haruo. Fukushima
16日までの3日間で男子10種目、女子9種目、さらにパラサイクリング・エキシビジョンの2種目が行われる。初日の競技では、数々の日本新記録と共に、男女それぞれ3種目ずつのチャンピオンが決定した。
女子チームスプリント
女子チームスプリントは2名のチームで、2周の走行タイムで競われる。石井寛子(スーパーKアスリートラボ)と前田佳代乃(鹿屋体育大)ペアの強化Aチームと、中川諒子(日本競輪学校)と渡辺ゆかり(日本競輪学校)ペアの強化Bチームが出場。ともに日本新記録をたたき出した結果、強化Aチームに軍配が上がった。
大会には女子競輪開催に向けて日本競輪学校で訓練を積む選手たちも応援に訪れた (c)Haruo. Fukushima
女子チームスプリント優勝の強化A 石井寛子(スーパーKアスリートラボ)と前田佳代乃(鹿屋体育大学) (c)Haruo. Fukushima
優勝 強化A:石井寛子(スーパーKアスリートラボ)、前田佳代乃(鹿屋体育大)
タイム 35.640(日本新記録)50.51km/h
2位 強化B:中川諒子(日本競輪学校)、渡辺ゆかり(日本競輪学校)
タイム 36.180(日本新記録)49.75km/h
男子スクラッチ(15km)
スクラッチはトラック競技で行われるロードレースとも言える。男子は15kmを走りゴール順位を競う。レースは終盤までほぼ一団で進み、残り4周で緑川竣一(中央大)がアタックして集団をリード。これを高橋翔太(日本大学)が追い上げて緑川をかわし、そのまま逃げ切りで優勝した。
男子スクラッチ優勝の高橋翔太(岐阜:日本大) (c)Haruo. Fukushima
男子スクラッチを走る選手たち (c)Haruo. Fukushima
優勝 高橋翔太(日本大学) 20:20.41
女子3kmチームパシュート(団体追抜き)
女子のチームパシュートには強化チームとして加瀬加奈子(日本競輪学校)、上野みなみ(鹿屋体育大)、田畑真紀(JPCA・ダイチ)、千葉チームとして中村妃智、田中まい、小島蓉子(3名とも日本体育大)が出走。強化チームは途中でやや体制を崩しながらも、これまでの日本記録を10秒以上更新する好タイムでゴールした。
女子3kmチームパシュート優勝の強化A 加瀬加奈子(日本競輪学校)、上野みなみ(鹿屋体育大)、田畑真紀(JPCA・ダイチ) (c)Haruo. Fukushima
優勝 強化A:加瀬加奈子(日本競輪学校)、上野みなみ(鹿屋体育大)、田畑真紀(JPCA・ダイチ)
タイム 3:37.116(日本新記録)49.74km/h
男子チームスプリント優勝の強化A(JPCA) 渡邉一成、新田祐大、中川誠一郎 (c)Haruo. Fukushima男子チームスプリント
男子チームスプリントは3名でチームを編成し、2チームがホームストレッチとバックストレッチのセンターラインから同時スタートし3周する。1周を完了するごとに先頭を走行していた選手が離脱し、第3走者がセンターラインを通過したタイムで競う。
この競技ではJPCA強化Aチームの渡邉一成、新田祐大、中川誠一郎が45.012で優勝した。レース後のインタビューで"タイムはまだまだ磨いていける"(渡邉)、"この伊豆ベロドロームで、日本に練習環境に整ったのがうれしい、自分をアピールしていきたい"(新田)、"前の二人が強いから頑張る、自分はスタートを強化したい"(中川)と、この先に控えているワールドカップに向けて、それぞれ抱負を語った。
男子チームスプリント優勝の強化A(JPCA) 渡邉一成、新田祐大、中川誠一郎 (c)Haruo. Fukushima
優勝 強化A(JPCA):渡邉一成、新田祐大、中川誠一郎
タイム 45.012 57.39km/h
女子500mタイムトライアル
女子500mタイムトライアルには、古川麻美(日本体育大)、白井美早子(日本競輪学校)、田丸京(法政大)、小島蓉子(日本体育大)、前田佳代乃(鹿屋体育大)の5名がエントリー。最終出走の前田佳代乃が、他の選手を3秒以上も上回る大会新記録で優勝した。
女子500mタイムトライアル優勝の前田佳代乃(鹿屋体育大) (c)Haruo. Fukushima
女子500mタイムトライアル2位の小島蓉子(日本体育大) (c)Haruo. Fukushima
女子500mタイムトライアル3位の白井美早子(日本競輪学校) (c)Haruo. Fukushima
優勝 前田佳代乃(鹿屋体育大)タイム 35.344(大会新記録)50.93km/h
女子ポイントレース
女子ポイントレースは20kmを走り、10周毎の通過順位に応じて与えられるポイントの合計で争われる。(1位5ポイント、2位3ポイント、3位2ポイント、4位1ポイント)レースは2回目のポイント争いを終えてから、井上玲美(スーパーKアスリートラボ)が集団を抜け出して3回から6回までのポイント争いを独走体制でトップ通過してポイントを大きく稼いだ。
レースの約半分を独走して優勝した井上玲美(スーパーKアスリートラボ) (c)Haruo. Fukushima
女子ポイントレースのゴールは木村亜美(鹿屋体育大)が井上玲美(スーパーKアスリートラボ)をかわす (c)Haruo. Fukushima
優勝 井上玲美(スーパーKアスリートラボ) 31ポイント
2位 木村亜美(鹿屋体育大学) 25ポイント
3位 吉川美穂(サイクルベースあさひ) 21ポイント
4位 中村妃智(日本体育大学) 11ポイント
男子4kmチームパシュート(団体追抜き)
男子4kmチームパシュートは4名1チーム、2チームがホームストレッチ及びバックストレッチから同時スタートし、3番目の選手のゴールタイムで争う。決勝には予選を通過した岐阜チームと学連チーム(鹿屋体育大)が進出し、岐阜チームが優勝した。ともに大会新記録となる好タイムを叩き出した。
男子4kmチームパシュート優勝の岐阜チーム (c)Haruo. Fukushima
男子4kmチームパシュート2位の学連チーム(鹿屋体育大) (c)Haruo. Fukushima
男子4kmチームパシュートの表彰式 (c)Haruo. Fukushima優勝 岐阜 矢野智哉(朝日大)、橋本英也(岐南工高)、中村隼大(岐南工高)、高橋翔太(日本大)
タイム 4:19.112(大会新記録) 55.57km/h
2位 学連(鹿屋体育大)高宮正嗣、野口正則、山本元喜、長瀬幸治
タイム 4:21.357 55.10km/h
男子オムニアム(複合競技)
オムニアムは一人の競技者が複数の競技を走り、各種目の順位の合計が一番少ない選手が勝者となる。ロンドンオリンピックでのオムニアムは2日間で6種目を走るが、今大会もこれに準じており初日は①フライングラップ、②ポイントレース、③エリミネイションが行われた。スプリント力と持久力が共に求められるこの種目には大学生4名と、愛三工業レーシングから盛一大と西谷泰治がエントリーした。
男子オムニアム ポイントレースを走る選手たち (c)Haruo. Fukushima
オムニアムⅠ-フライングラップ
フライングラップは3周回で最後の200mのタイムを計測する。
1位 盛一大(愛三工業レーシング) 13.699 65.70km/h
2位 西谷泰治(愛三工業レーシング)13.829 65.08km/h
3位 長瀬幸治(鹿屋体育大) 14.144 63.63km/h
オムニアムⅡ-ポイントレース(30km)
男子オムニアムのポイントレースは30kmを走り、10周回ごと、合計12回の先頭通過順位によって与えられるポイントで争われる。
レースは盛一大が毎回ポイントを確実に稼いでリード、これを日本大の窪木一茂が追う展開となり、10回目のポイントで窪木が盛に並ぶ。11回目のポイントは盛が2位通過でプラス3ポイントに対して、窪木は4位通過のプラス1ポイント。最終ポイント争いは窪木がトップでプラス5ポイント、盛は2位通過のプラス3ポイントで、ともに57ポイントとなったが、着順により窪木が1位となった。またこの結果オムニアムの総合は1位が盛、2位が西谷の愛三工業レーシング勢が占め、これを3位の窪木が追う展開となった。
男子オムニアム ポイントレース2位の盛一大(愛三工業レーシング) (c)Haruo. Fukushima
男子オムニアム ポイントレース 1位の窪木一茂(日本大) (c)Haruo. Fukushima
オムニアムⅢ-エリミネイション
エリミネイションは2周回ごとにフィニッシュラインを最後尾で通過した選手がエリミネイト(除外)され、最後に残った2名のうち先頭でフィニッシュラインを通過した選手が勝者となる。このレースでも残り3名の段階で盛、西谷の愛三工業レーシング勢と日本大の窪木一茂となり、まず盛がエリミネイト、ゴールは西谷と窪木の一騎打ちとなったが、最終周回のバックストレッチで西谷が窪木を大きく引き離して1位でゴールした。
オムニアム エリミネイションのスタートを待つ選手たち (c)Haruo. Fukushima
エリミネイションでも愛三工業レーシング勢と窪木一茂(日本大)の争いになった (c)Haruo. Fukushima
1位 西谷泰治(愛三工業レーシング)
2位 窪木一茂(日本大)
3位 盛一大(愛三工業レーシング)
男子オムニアム初日の総合順位
1位 盛一大(愛三工業レーシング)6点
2位 西谷泰治(愛三工業レーシング)6点
3位 窪木一茂(日本大) 7点
4位 長瀬幸治(鹿屋体育大)13点
5位 雨宮正樹(日本大) 18点
同点はタイム種目の合計タイムで順位が決定する。
男子オムニアムの残り3種目は大会2日目の15日に行われる。
text&photo:Haruo.Fukushima
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16日までの3日間で男子10種目、女子9種目、さらにパラサイクリング・エキシビジョンの2種目が行われる。初日の競技では、数々の日本新記録と共に、男女それぞれ3種目ずつのチャンピオンが決定した。
女子チームスプリント
女子チームスプリントは2名のチームで、2周の走行タイムで競われる。石井寛子(スーパーKアスリートラボ)と前田佳代乃(鹿屋体育大)ペアの強化Aチームと、中川諒子(日本競輪学校)と渡辺ゆかり(日本競輪学校)ペアの強化Bチームが出場。ともに日本新記録をたたき出した結果、強化Aチームに軍配が上がった。
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優勝 強化A:石井寛子(スーパーKアスリートラボ)、前田佳代乃(鹿屋体育大)
タイム 35.640(日本新記録)50.51km/h
2位 強化B:中川諒子(日本競輪学校)、渡辺ゆかり(日本競輪学校)
タイム 36.180(日本新記録)49.75km/h
男子スクラッチ(15km)
スクラッチはトラック競技で行われるロードレースとも言える。男子は15kmを走りゴール順位を競う。レースは終盤までほぼ一団で進み、残り4周で緑川竣一(中央大)がアタックして集団をリード。これを高橋翔太(日本大学)が追い上げて緑川をかわし、そのまま逃げ切りで優勝した。
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優勝 高橋翔太(日本大学) 20:20.41
女子3kmチームパシュート(団体追抜き)
女子のチームパシュートには強化チームとして加瀬加奈子(日本競輪学校)、上野みなみ(鹿屋体育大)、田畑真紀(JPCA・ダイチ)、千葉チームとして中村妃智、田中まい、小島蓉子(3名とも日本体育大)が出走。強化チームは途中でやや体制を崩しながらも、これまでの日本記録を10秒以上更新する好タイムでゴールした。
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優勝 強化A:加瀬加奈子(日本競輪学校)、上野みなみ(鹿屋体育大)、田畑真紀(JPCA・ダイチ)
タイム 3:37.116(日本新記録)49.74km/h
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男子チームスプリントは3名でチームを編成し、2チームがホームストレッチとバックストレッチのセンターラインから同時スタートし3周する。1周を完了するごとに先頭を走行していた選手が離脱し、第3走者がセンターラインを通過したタイムで競う。
この競技ではJPCA強化Aチームの渡邉一成、新田祐大、中川誠一郎が45.012で優勝した。レース後のインタビューで"タイムはまだまだ磨いていける"(渡邉)、"この伊豆ベロドロームで、日本に練習環境に整ったのがうれしい、自分をアピールしていきたい"(新田)、"前の二人が強いから頑張る、自分はスタートを強化したい"(中川)と、この先に控えているワールドカップに向けて、それぞれ抱負を語った。
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優勝 強化A(JPCA):渡邉一成、新田祐大、中川誠一郎
タイム 45.012 57.39km/h
女子500mタイムトライアル
女子500mタイムトライアルには、古川麻美(日本体育大)、白井美早子(日本競輪学校)、田丸京(法政大)、小島蓉子(日本体育大)、前田佳代乃(鹿屋体育大)の5名がエントリー。最終出走の前田佳代乃が、他の選手を3秒以上も上回る大会新記録で優勝した。
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女子ポイントレース
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優勝 井上玲美(スーパーKアスリートラボ) 31ポイント
2位 木村亜美(鹿屋体育大学) 25ポイント
3位 吉川美穂(サイクルベースあさひ) 21ポイント
4位 中村妃智(日本体育大学) 11ポイント
男子4kmチームパシュート(団体追抜き)
男子4kmチームパシュートは4名1チーム、2チームがホームストレッチ及びバックストレッチから同時スタートし、3番目の選手のゴールタイムで争う。決勝には予選を通過した岐阜チームと学連チーム(鹿屋体育大)が進出し、岐阜チームが優勝した。ともに大会新記録となる好タイムを叩き出した。
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タイム 4:19.112(大会新記録) 55.57km/h
2位 学連(鹿屋体育大)高宮正嗣、野口正則、山本元喜、長瀬幸治
タイム 4:21.357 55.10km/h
男子オムニアム(複合競技)
オムニアムは一人の競技者が複数の競技を走り、各種目の順位の合計が一番少ない選手が勝者となる。ロンドンオリンピックでのオムニアムは2日間で6種目を走るが、今大会もこれに準じており初日は①フライングラップ、②ポイントレース、③エリミネイションが行われた。スプリント力と持久力が共に求められるこの種目には大学生4名と、愛三工業レーシングから盛一大と西谷泰治がエントリーした。
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オムニアムⅠ-フライングラップ
フライングラップは3周回で最後の200mのタイムを計測する。
1位 盛一大(愛三工業レーシング) 13.699 65.70km/h
2位 西谷泰治(愛三工業レーシング)13.829 65.08km/h
3位 長瀬幸治(鹿屋体育大) 14.144 63.63km/h
オムニアムⅡ-ポイントレース(30km)
男子オムニアムのポイントレースは30kmを走り、10周回ごと、合計12回の先頭通過順位によって与えられるポイントで争われる。
レースは盛一大が毎回ポイントを確実に稼いでリード、これを日本大の窪木一茂が追う展開となり、10回目のポイントで窪木が盛に並ぶ。11回目のポイントは盛が2位通過でプラス3ポイントに対して、窪木は4位通過のプラス1ポイント。最終ポイント争いは窪木がトップでプラス5ポイント、盛は2位通過のプラス3ポイントで、ともに57ポイントとなったが、着順により窪木が1位となった。またこの結果オムニアムの総合は1位が盛、2位が西谷の愛三工業レーシング勢が占め、これを3位の窪木が追う展開となった。
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オムニアムⅢ-エリミネイション
エリミネイションは2周回ごとにフィニッシュラインを最後尾で通過した選手がエリミネイト(除外)され、最後に残った2名のうち先頭でフィニッシュラインを通過した選手が勝者となる。このレースでも残り3名の段階で盛、西谷の愛三工業レーシング勢と日本大の窪木一茂となり、まず盛がエリミネイト、ゴールは西谷と窪木の一騎打ちとなったが、最終周回のバックストレッチで西谷が窪木を大きく引き離して1位でゴールした。
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1位 西谷泰治(愛三工業レーシング)
2位 窪木一茂(日本大)
3位 盛一大(愛三工業レーシング)
男子オムニアム初日の総合順位
1位 盛一大(愛三工業レーシング)6点
2位 西谷泰治(愛三工業レーシング)6点
3位 窪木一茂(日本大) 7点
4位 長瀬幸治(鹿屋体育大)13点
5位 雨宮正樹(日本大) 18点
同点はタイム種目の合計タイムで順位が決定する。
男子オムニアムの残り3種目は大会2日目の15日に行われる。
text&photo:Haruo.Fukushima
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