10月5日から9日までの5日間、アジア初のUCIワールドツアーレース、第1回ツアー・オブ・北京が中国において開催される。ツール・ド・フランスの主催者ASOがバックアップする同大会には、18のUCIプロチームが出場。TT世界チャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード)らが総合優勝を狙って出場する。

ツアー・オブ・北京2011コース全体図ツアー・オブ・北京2011コース全体図 image:www.tourofbeijing.net2008年に開催された北京五輪の成功をもとに、UCIと北京市政府がパートナーシップを組み、2011年に初開催されるツアー・オブ・北京。天安門広場、鳥の巣スタジアム、頤和園(いわえん)、万里の長城、十三陵ダムなど、北京の観光名所をトップチームが駆け抜ける。

UCIが進める自転車競技のグローバリゼーションの一環として開催されるツアー・オブ・北京は、北京五輪のメインスタジアムである鳥の巣スタジアムで開幕する。初日は11.3kmの個人タイムトライアル。ここでついたタイム差が総合争いに大きく影響する。

残り4ステージも北京近郊で開催。最も難易度が高いのは、合計4つのカテゴリー山岳が設定された第3ステージ。後半にかけて標高700mクラスの1級山岳が2つ登場する。その他のステージはスプリンターによる勝負に持ち込まれる可能性が高い。

出場するのは18のUCIプロチーム。一時は出場ボイコットを表明するチームも登場したが、最終的に全チーム出場で話はまとまった。

TT世界チャンピオンに輝いたトニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード)TT世界チャンピオンに輝いたトニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード) photo:Kei Tsuji総合優勝候補に挙げられるのは、タイムトライアルと山岳をこなすオールラウンダー。先日のロード世界選手権でカンチェラーラらを敗ってTT世界チャンピオンに輝いたトニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード)は優勝候補の一角だ。マルティンはこの北京でアルカンシェルデビューを果たす。初日からレースをリードするはずだ。

ブエルタ・ア・エスパーニャ総合2位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)ブエルタ・ア・エスパーニャ総合2位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ) photo:Kei Tsujiブエルタ・ア・エスパーニャでブレイクし、総合2位に入ったクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)も注目。一躍世界トップオールラウンダーの仲間入りを果たしたフルームは、チームスカイと契約を3年更新した。イギリスTTチャンピオンのアレックス・ダウセット(イギリス、チームスカイ)は、初日の個人TTで上位に絡んでくるはず。

ツールでステージ1勝し、山岳賞を獲得したサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)ツールでステージ1勝し、山岳賞を獲得したサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) photo:Cor Vos北京五輪ロードレース金メダリストのサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)は、3年ぶりに北京に降り立つ。ツール・ド・フランスで山岳賞を獲得したサンチェス。中国でもう一つのタイトル獲得なるか。

総合狙いの選手としては、2010年ツール総合5位のユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)を始め、ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック)やニコラス・ロッシュ(アイルランド、アージェードゥーゼル)らが有力。

今年ステージレーサーとして復活したダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・ISD)も出場する。短距離タイムトライアルを得意とするラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)は第1ステージの優勝候補だ。

平坦ステージでは、ブエルタでステージ優勝を飾ったフアンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク・サンガード)や、パリ〜ブリュッセル優勝のデニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)、元トラックスターのテオ・ボス(オランダ、ラボバンク)、ロバート・ワグナー(ドイツ、レオパード・トレック)らが有力か。

2009年のTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)でステージ2勝し、トラック世界選手権のマディソンで2度、オムニアムで1度世界チャンピオンに輝いている21歳のリー・ハワード(オーストラリア、HTC・ハイロード)も出場する。


ツアー・オブ・北京2011レース日程
10月5日(水)第1ステージ
Bird’s Nest – Water Cube 11.3km(個人TT)

10月6日(木)第2ステージ
Bird’s Nest to Men Tou Gou 133.5km

10月7日(金)第3ステージ
Men Tau Gou to Yong Ning Town 162km

10月8日(土)第4ステージ
Yanquin Gui Chuan Square to Shunyi Olympic Rowing 189.5km

10月9日(日)第5ステージ
Tian An Men Square to Bird’s Nest Olympic Stadium 118km


text:Kei Tsuji

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