2009/05/17(日) - 12:11
マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)やリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)が逃げる波乱の展開となったジロ・デ・イタリア第8ステージは、ゴール手前15km、集団が再び1つになったときに絶好のタイミングで集団から抜け出したカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア)がそのまま逃げ切って勝利を飾った。
ジロ・デ・イタリア第8ステージは、ジロ・ディ・ロンバルディアでお馴染みのコモ湖近くをスタートして、山岳地帯を抜けてロンバルディア平野の北端ベルガモにゴールする209km。ゴールのベルガモは街全体が小高い丘になっていて、旧市街に至る上り坂は石畳の急坂だ。
同じくベルガモにゴールした2007年のジロ・デ・イタリア第14ステージの覇者、ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が虎視眈々と狙ってくるものと予想されていた。
序盤からアタックと吸収が繰り返され、ようやく逃げが決まったのは33km地点のダリオ・カタルド(イタリア、クイックステップ)とダビ・ロペスガルシア(スペイン、ケースデパーニュ)のアタックだった。
その後、ここにカルロスホセ・オチョア(ベネズエラ、ディキジョヴァンニ)、ヨハン・チョップ(スイス、Bboxブイグテレコム)、セルジュ・パウエルス(ベルギー、サーヴェロ・テストチーム)、イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、サイレンス・ロット)、エフゲニー・ペトロフ(ロシア、カチューシャ)の5名が加わり、さらにはエドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、シャコベオ・ガリシア)、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)、エクトール・ゴンザレス(スペイン、フジ・セルヴェット)の3名が加わって10名の逃げのグループが形成された。
10名はメイン集団に対し、最大4分弱のリードを得た。しかし、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)でステージ優勝を狙うランプレが集団のペースを上げ、タイム差は急速に詰まりはじめた。
そしてガッロ峠(標高763m)への上りで集団からいくつかのアタックがあった。パオロ・ティラロンゴ(イタリア、ランプレ)、クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ)、マルクス・フォーテン(ドイツ、ミルラム)のアタックを機に、集団が活性化。
ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)、フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)、クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ)、ダビ・アローヨ(スペイン、ケースデパーニュ)、マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)らが集団から抜け出し、上りでバラバラになった逃げの数名に合流。
さらに、リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)、エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア)、カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア)が追いつき、ペッリツォッティを先頭にペースを上げる。
淘汰された先頭グループは、個人総合3位のマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)、4位のリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)、8位のクリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ)、9位のフランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)、10位のダビ・アローヨ(スペイン、ケースデパーニュ)という個人総合トップ10の選手に加え、ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)、エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア)の8名。豪華な面々の逃げとなった。
個人総合上位の選手たちにこのまま逃げられてはたまらない。
後続のメイン集団では、逃げに選手を送り込めなかったLPRブレークス、サーヴェロ・テストチームがペースを上げる。
一時は1分近くのリードを得た先頭グループだったが、残り18kmで集団に吸収。レースは振り出しに戻った。
集団先頭に安堵の空気が流れたそのとき、残り15kmのアーチをくぐったところで集団からカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア)がアタック。
一気にペースを上げて、残り5km地点で40秒ほどにまでリードを広げた。
後続集団ではヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、アスタナ)がアタック。ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)がこれをつぶす。ディルーカやバッソといった個人総合上位の選手を中心にペースを上げるが、コーナーの多い市街地にタイム差は思ったようには詰まらない。
逃げたシウトソウはベルガモ近郊に住んでいたことがある。コースを知り尽くしたシウトソウの走りが功を奏した。シウトソウは後続に21秒の差をつけ、右手で胸を叩き、左手で幾度かガッツポーズを見せてゴール。
後続集団での2位争いは、前日の第7ステージでステージ優勝を飾ったエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア)がダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)に競り勝った。しかし、3位に入ったディルーカは、ゴールの着順におけるボーナスタイム8秒を得て、ステージ4位のマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)以下に対して個人総合のタイム差を広げる形となった。
個人総合上位の選手の逃げを許し、非常事態を迎えたディルーカ擁するLPRブレークスだったが、結果として無難にまとめるどころか8秒のアドバンテージを得たことは評価に値するだろう。
チームコロンビアは、前日のステージ優勝に続き、このステージでもワンツーフィニッシュ。コロンビアの勢いはとどまることを知らない。さらに第9ステージのミラノショーではマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が今大会初のステージ優勝を狙うこととなるだろう。
この日、コムーネ・ディ・サンピエトロの山岳ポイント通過後に、下りでペドロ・オリッリョ(スペイン、ラボバンク)が落車して崖から転落するという事故があった。オリッリョはヘリコプターで救出され、病院に搬送。命には別状はないものの、脊椎損傷と肺破裂の重症を負った。この事態を受け、第8ステージでは表彰台でのシャンパンファイトが行われなかった。
オリッリョの早期の回復を祈るとともに、今後のステージでこれ以上の大きな事故が起こらないことを心から願う。
ジロ・デ・イタリア第9ステージは、例年はジロの終着地として登場するミラノでの周回コースだ。まっ平らなこのコース。ここぞとばかりスプリンターが狙ってくることだろう。
ジロ・デ・イタリア2009第8ステージ結果
1位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア) 5h04'34"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア) +21"
3位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス) +0"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +0"
5位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス) +0"
6位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ) +0"
7位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ) +0"
8位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、ケースデパーニュ) +0"
9位 マルツィオ・ブルセギン(イタリア、ランプレ) +0"
10位トーマス・ローレッガー(オーストリア、ミルラム) +0"
個人総合成績
1位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス) 33h13'35"
2位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア) +13"
3位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +44"
4位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ) +51"
5位 デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク) +58"
6位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) +1'14"
7位 カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) +1'24"
8位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ) +1'25"
9位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス) +1'35"
10位 ダビ・アローヨ(スペイン、ケースデパーニュ) +1'49"
ポイント賞 マリアチクラミーノ
ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)
山岳賞 マリアヴェルデ
ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)
新人賞 マリアビアンカ
トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)
チーム総合成績
チームコロンビア
ジロ・デ・イタリア第8ステージは、ジロ・ディ・ロンバルディアでお馴染みのコモ湖近くをスタートして、山岳地帯を抜けてロンバルディア平野の北端ベルガモにゴールする209km。ゴールのベルガモは街全体が小高い丘になっていて、旧市街に至る上り坂は石畳の急坂だ。
同じくベルガモにゴールした2007年のジロ・デ・イタリア第14ステージの覇者、ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)が虎視眈々と狙ってくるものと予想されていた。
序盤からアタックと吸収が繰り返され、ようやく逃げが決まったのは33km地点のダリオ・カタルド(イタリア、クイックステップ)とダビ・ロペスガルシア(スペイン、ケースデパーニュ)のアタックだった。
その後、ここにカルロスホセ・オチョア(ベネズエラ、ディキジョヴァンニ)、ヨハン・チョップ(スイス、Bboxブイグテレコム)、セルジュ・パウエルス(ベルギー、サーヴェロ・テストチーム)、イェーレ・ファネンデルト(ベルギー、サイレンス・ロット)、エフゲニー・ペトロフ(ロシア、カチューシャ)の5名が加わり、さらにはエドゥアルト・ヴォルガノフ(ロシア、シャコベオ・ガリシア)、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、ISD)、エクトール・ゴンザレス(スペイン、フジ・セルヴェット)の3名が加わって10名の逃げのグループが形成された。
10名はメイン集団に対し、最大4分弱のリードを得た。しかし、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)でステージ優勝を狙うランプレが集団のペースを上げ、タイム差は急速に詰まりはじめた。
そしてガッロ峠(標高763m)への上りで集団からいくつかのアタックがあった。パオロ・ティラロンゴ(イタリア、ランプレ)、クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ)、マルクス・フォーテン(ドイツ、ミルラム)のアタックを機に、集団が活性化。
ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)、フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)、クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ)、ダビ・アローヨ(スペイン、ケースデパーニュ)、マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)らが集団から抜け出し、上りでバラバラになった逃げの数名に合流。
さらに、リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)、エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア)、カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア)が追いつき、ペッリツォッティを先頭にペースを上げる。
淘汰された先頭グループは、個人総合3位のマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)、4位のリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ)、8位のクリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ)、9位のフランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス)、10位のダビ・アローヨ(スペイン、ケースデパーニュ)という個人総合トップ10の選手に加え、ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)、エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア)の8名。豪華な面々の逃げとなった。
個人総合上位の選手たちにこのまま逃げられてはたまらない。
後続のメイン集団では、逃げに選手を送り込めなかったLPRブレークス、サーヴェロ・テストチームがペースを上げる。
一時は1分近くのリードを得た先頭グループだったが、残り18kmで集団に吸収。レースは振り出しに戻った。
集団先頭に安堵の空気が流れたそのとき、残り15kmのアーチをくぐったところで集団からカンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア)がアタック。
一気にペースを上げて、残り5km地点で40秒ほどにまでリードを広げた。
後続集団ではヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、アスタナ)がアタック。ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)がこれをつぶす。ディルーカやバッソといった個人総合上位の選手を中心にペースを上げるが、コーナーの多い市街地にタイム差は思ったようには詰まらない。
逃げたシウトソウはベルガモ近郊に住んでいたことがある。コースを知り尽くしたシウトソウの走りが功を奏した。シウトソウは後続に21秒の差をつけ、右手で胸を叩き、左手で幾度かガッツポーズを見せてゴール。
後続集団での2位争いは、前日の第7ステージでステージ優勝を飾ったエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア)がダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)に競り勝った。しかし、3位に入ったディルーカは、ゴールの着順におけるボーナスタイム8秒を得て、ステージ4位のマイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア)以下に対して個人総合のタイム差を広げる形となった。
個人総合上位の選手の逃げを許し、非常事態を迎えたディルーカ擁するLPRブレークスだったが、結果として無難にまとめるどころか8秒のアドバンテージを得たことは評価に値するだろう。
チームコロンビアは、前日のステージ優勝に続き、このステージでもワンツーフィニッシュ。コロンビアの勢いはとどまることを知らない。さらに第9ステージのミラノショーではマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が今大会初のステージ優勝を狙うこととなるだろう。
この日、コムーネ・ディ・サンピエトロの山岳ポイント通過後に、下りでペドロ・オリッリョ(スペイン、ラボバンク)が落車して崖から転落するという事故があった。オリッリョはヘリコプターで救出され、病院に搬送。命には別状はないものの、脊椎損傷と肺破裂の重症を負った。この事態を受け、第8ステージでは表彰台でのシャンパンファイトが行われなかった。
オリッリョの早期の回復を祈るとともに、今後のステージでこれ以上の大きな事故が起こらないことを心から願う。
ジロ・デ・イタリア第9ステージは、例年はジロの終着地として登場するミラノでの周回コースだ。まっ平らなこのコース。ここぞとばかりスプリンターが狙ってくることだろう。
ジロ・デ・イタリア2009第8ステージ結果
1位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、チームコロンビア) 5h04'34"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームコロンビア) +21"
3位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス) +0"
4位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +0"
5位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス) +0"
6位 ステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ) +0"
7位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ) +0"
8位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、ケースデパーニュ) +0"
9位 マルツィオ・ブルセギン(イタリア、ランプレ) +0"
10位トーマス・ローレッガー(オーストリア、ミルラム) +0"
個人総合成績
1位 ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス) 33h13'35"
2位 トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア) +13"
3位 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チームコロンビア) +44"
4位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、アスタナ) +51"
5位 デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク) +58"
6位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス) +1'14"
7位 カルロス・サストレ(スペイン、サーヴェロ・テストチーム) +1'24"
8位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、アスタナ) +1'25"
9位 フランコ・ペッリツォッティ(イタリア、リクイガス) +1'35"
10位 ダビ・アローヨ(スペイン、ケースデパーニュ) +1'49"
ポイント賞 マリアチクラミーノ
ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)
山岳賞 マリアヴェルデ
ダニーロ・ディルーカ(イタリア、LPRブレークス)
新人賞 マリアビアンカ
トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームコロンビア)
チーム総合成績
チームコロンビア
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