2011/09/12(月) - 17:08
3週間にわたるブエルタ・ア・エスパーニャ2011の最後を締めくくる第21ステージ。マドリードの周回コースのゴールはサガンが制し、通算3勝をあげた。総合優勝と複合賞はコーボ、山岳賞はモンクティエ、ポイント賞はスプリントで逆転したモレマが手にした。
総合優勝・複合賞のファンホセ・コーボ(スペイン、ジェオックス・TMC)
ブエルタを通して調子が悪かった日は?
——シエラネバダの登りではずいぶん苦しんだ。脚が残っていなかった。リズムもつかめなかったけど、幸運なことに、向かい風のおかげで登りのレースにはならなかった。あの日は自分がブエルタ最終日に総合優勝するなんて、想像もしなかった。その後はまったく問題なかった。でも(出身地の)カンタブリア州での2つのステージ(第17、18ステージ)と、バスク国での2つのステージ(第19、20ステージ)は、見た目よりも難しかった。
——この優勝はサプライズ?
8月はじめのツアー・オブ・ブルゴス以来、調子がいいのはわかっていた。それから2週間たって、さらに調子が上がったんだ。だけど、ブエルタに来たのは、カルロス・サストレとデニス・メンショフをアシストするためだった。3週間たって、こうしてブエルタ・ア・エスパーニャでの総合優勝のことを話してるなんて、信じられない!
——アングリルで総合1位になった。プレッシャーに耐えられないだろうという意見も多かったが、どうやって克服した?
18ヵ月ものあいだ、うつ状態で苦しんでいた。一番の治療はブエルタになんのプレッシャーもない状態で参戦して、ベストを尽くすことだった。アングリルの頂上でマイヨロホを手に入れ、総合1位であることを味わった。もちろんストレスは感じたよ。
——この勝利の価値は? 単なるワンチャンスなのか? それともビッグレースでの勝者としてキャリアがスタートするのか?
これが将来に続く最初のステップになればいいと思う。僕はこれまでもレースでの優勝経験はあった。そして、好調ならグランツールでも優勝できるとわかった。今回のブエルタは、僕にとって外国でのビッグレースで戦っていく刺激になる。
ステージ優勝したピーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
——今日を含めてブエルタ3勝の気分は?
すばらしい一日だった。前の方で走っていて、ベンナーティの後ろに付いていた。でも、少し身動きできなくなったので、踏むのをやめないといけなくなった。だから後ろの方からスプリントをしなくちゃいけなくて、大変だった。でも、僕はずっとフレッシュな状態だったんだ。チームのみんながレース中ずっと、風から僕を守ってくれたんだ。そよ風すら感じなかったよ。僕は、今日の勝利にだけ集中していたんだ。テクニカルなコースだったけれど、まさに僕好みで、とてもいい気分で走れた。
——大半のスプリンターがリタイアしたのに、21歳の若さで3週間のステージを好調のまま完走することのすごさを理解している?
今回のブエルタにはとても満足している。不満があるとすれば、ファンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク・サンガード)が勝った、アーロがゴールの第16ステージの最後のところ。ロータリーで千切れざるを得なかったことだ。うまくいっていれば、(ステージ優勝で25ポイント加算されて)ポイント賞も獲得できたかもしれないのに。とにかく満足はしているよ。この3週間の経験は、将来にきっと役立つはずだ。
——将来の展望は? スプリンターとして成長を目指す? それ以外? 2週間後の世界選手権での見込みは?
自分の得意分野はわかっている。今まで通り、それを目指したい。僕は登りも付いていけるし、スピードもある。そしてうれしいことに、僕はスプリンターなんだ。僕はスプリンターとして成長していきたい。今度の世界選手権のことは、あまり考えていない。プランを立てにくいし、運も必要だ。チームワークが重要だしね。スロバキアのチームは3人で、僕とヴェリトス兄弟になると思う。将来については心配していない。自分のこれまでに満足している。今シーズンのはじめには、このようなレースで勝てるなんて思っていなかった。
——次のグランツールはジロ? それともツール?
ツールで走りたい。有名なレースだから挑戦してみたい。いままでテレビで観戦していたけれど、ブエルタとはまた違って、もっとピリピリしている。でも来年はツール・ド・フランスで走ってみたい。オリンピックの準備として最適だしね。
逆転でポイント賞を手にしたバウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
この2〜3日はポイント賞のことばかりを考えていた。ブエルタの開幕当初はポイント賞は目的じゃなかった。クライマーなら、普通はポイント賞なんて考えない。スプリンターにとっての特別なものだからね。でも、最終週になって、ポイント賞が現実味を帯びてくると、走る目的が自然と変わってきた。最終ステージはものすごく緊張した。集団スプリントで15位以内に入る必要があったからね。簡単なことじゃないんだ。(ホアキン・ロドリゲスがスプリント勝負をしなかったので)ゴールして周りを見渡すと、彼の姿はなかった。これで大丈夫だとわかった。最高だよ!
モレマのポイント賞を喜ぶポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
個人的には、このブエルタは自分の思い通りにはいかなかった。でも、僕たちはチームとしてしっかり仕事をして、バウク(モレマ)がポイント賞ジャージを獲得した! それを手伝いができて満足している。
ポイント賞を逃したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
ベストは尽くした。でも、残念なことに、最後のストレートではモレマのほうが僕より速かったんだ。今日、この緑のジャージを失うとは思わなかった。でも、僕は最後のステージでこれを失なってがっかりするだけで済む。でも、僕にとってではなく、チーム全体にとっては、このレースを通してずっと途方もない仕事をしてきた後で手に入れる具体的な結果となるものだったんだ。
自分の総合成績を振り返れば、ブエルタ序盤で勝利したゴールが思い浮かぶけど、満足のいく出来じゃなかった。でも、どのレースにも個性があるものだ。自分は19位より上に行けると確信している。ともかく、来年もう一度挑戦したい。
総合2位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
ブエルタは、ペーニャ・カバルガ(第17ステージ)の山頂で終わったんだ。コーボと僕の差は、そのときから変わらない。ともかく満足しているよ。3週間前は、この結果を予想できなかったし、これからいいことが起きる前兆だと信じている。今回初めて、僕はグランツールに最良のコンディションで参加することができて、そのチャンスを掴めた。次は、来年のチームを選ぶことだ。できればスカイに留まりたい。それから世界選手権にも出たいし、ツアー・オブ・北京もある。
(チーム公式リリースより)
とてもうれしい。今までで初めての経験だ。この1週間、僕の初期の好調さやタイムトライアルの調子が偶然の結果ではないことがわかりはじめた。そうして、僕はうれしさとともに、自分が世界有数の総合上位の選手たちとレースできていることを理解しはじめた。
本当にとても楽しめた。とくに良かったのは、家族をここに呼び寄せて、自分がマイヨロホを着ている姿を見せたことと、ステージ優勝したことだった。あれは、まちがいなく僕の決定的な瞬間だ。17ステージのペーニャ・カバルガの登りの山頂での勝利は、特別な日だったし、これからもずっと覚えておくだろう。
僕はチームに貢献してきたつもりだ。でも、僕がこの位置にいるということは、チームの全員に尽くしたわけじゃないということだ。この3週間、他の選手たちはとてもよく働いて僕とブラドレーを守ってきた。
サポートスタッフや影で支えてくれた人々にも感謝している。彼らは自分たちの行為に見返りを求めていない。僕たちがここにいるのは、彼らのおかげだ。僕とブラドレーは表彰台で終えることができて満足している。
総合3位のブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
ブエルタを終わりにして浮かんでくるのは失望ばかりだ。ブエルタはツールじゃないから、ブエルタで優勝しなきゃいけないんだ! 僕はこの3週間、ずっと自分自身にこんなプレッシャーを与えていた。僕は自分を勝者だと見ていた。本当に勝つことになっていると信じていた。だから満足はしていない。
暗いことを話しているけど、良いことだってあった。9週間前、僕は鎖骨を骨折した。もしその直後に誰かが僕がブエルタで3位になるって言ったら、僕は冗談だと笑ったと思う。それから、僕はグランツールでのさらなる走り方を学んだ。2010年の終わりには、2009年のツール・ド・フランスでの総合4位は偶然だと思う人も多かった。今なら、そういった人たちも偶然じゃないと理解するはずだ。これから数日のうちに、世界選手権の準備を終えるつもりだ。
とくにタイムトライアルに重点を置いていて、ロードレースではマーク・カヴェンディッシュ対策を想定している。その後は、パリ〜ツールに出るつもりだ。僕はあのレースの雰囲気が好きなんだ。それからジロ・デ・ロンバルディア……あとグルノーブル6日間レースに出るよ。あ、最後のは冗談だよ。
(チーム公式リリースより)
2〜3ヵ月前に自分がいた場所のことを思うと、表彰台で締めくくることができてとても満足している。チームにとっては、フルーミーと僕が表彰台に立てたのは、とても大きな結果となった。本当のことをいうと、このレースでは、ずっと自分の基礎力をちょっとテストしていた。この方法で自転車に乗ることができて、とても満足している。
このレースで、2年前のツール・ド・フランスでの成績が偶然じゃないことを証明できた。そして、来年のツールで強い選手たちに対抗するのに必要なものが頭では理解できた。フルーミーの今回のレースでの走りは本当に賞賛に値する。彼は最初の2週間は僕のために自分を犠牲にしていたし、今日までずっと好調を維持できていた。彼は自転車に乗るたびに成長し、ついにはステージ優勝までしたんだ——彼のことが喜ばしいよ。
レオパード・トレックのスポーツディレクター、ラース・ミカエルセン
今日のスプリントは、望ましい展開にはならなかった。ゴール直前で、ベンナーティは自由に動く必要があった。ペタッキは道の左側でスプリントを開始し、右側でゴールした。この動きのせいで、ペタッキはベンナーティをあやうく柵に押しやるところだった。これでベンナーティが少し失速してしまった。サガンは間違ったことはしていない。まっすぐにラインをとってスプリントしただけだ。彼はベンナーティがペタッキを相手にして体力を消耗した隙をうまくついたんだ。
最終的に、われわれはレーススタート時の目標を達成した。チームタイムトライアルでの勝利は、その最初として重要だった。われわれが結束力のあるチームで、お互いを犠牲にできることを示せた。そして、ブエルタ全体を通じて、その精神を保ち続けてきた。彼らはチームメイトの弱点がわかるといつでも、フォローのために駆け寄った。チームメイトにアタックや生き残りや成功のチャンスを与えるために、彼らはとくに力を尽くした。この様子を目にしたことが、自分にとっての最高の経験となった。
リクイガスのマリオ・シレア監督
(スタート前)ニーバリの総合7位は当然の結果だ。第10ステージ以降、ずっと下り調子だったんだ。これから今回の敗因をつきとめなければならない。ニーバリは厳しすぎたジロの疲れから回復していないのかもしれない。
2012年には、(ジロかブエルタかの)どちらかを選んだほうがいいだろう。ブエルタでの収穫はピーター・サガンだ。彼は若いし、われわれもまだ彼の限界がわからない。2つのステージで勝利して、さらにマドリードで3つ目の勝利をつかむ好機を得たんだ。
チームスカイのデイヴ・ブレイルスフォード代表
2人の英国人がなした初の偉業だ。とても喜ばしい。このような歴史的な結果の達成は、われわれチームスカイが前進していることの証であり、同時に今期のチームがうまく機能していることの証だ。われわれは表彰台に立ち、選手たちの評価も高まった。彼らは、このふたつを素晴らしいレースで成し遂げた。
クリス・フルームは大きく成長した。われわれはクリスがつねにトレーニングで素晴らしいパワーと数値を出すことを知っていた。彼は、ここでの3週間、安定した方法で好成績を出し続けたブラドレーは鎖骨骨折で手術を受けた。わずか8週間前のことだ。驚くべき回復力だ。彼にとって、ワールドクラスの優秀な選手たちと競う能力を発揮するまでが、ケガからの復帰の中に含まれているのだろう。
われわれの出発点は英国人選手をグランツールの表彰台の最上段に乗せる最初のチームとなることだった。そして長い長い道のりを得て、あとわずかというところまで来た。このことは来年の三大グランツールに向けて、われわれに大きな自信を与えてくれるだろう。
translation & text : Taiko.YAMASAKI + Seiya.YAMASAKI
総合優勝・複合賞のファンホセ・コーボ(スペイン、ジェオックス・TMC)
ブエルタを通して調子が悪かった日は?
——シエラネバダの登りではずいぶん苦しんだ。脚が残っていなかった。リズムもつかめなかったけど、幸運なことに、向かい風のおかげで登りのレースにはならなかった。あの日は自分がブエルタ最終日に総合優勝するなんて、想像もしなかった。その後はまったく問題なかった。でも(出身地の)カンタブリア州での2つのステージ(第17、18ステージ)と、バスク国での2つのステージ(第19、20ステージ)は、見た目よりも難しかった。
——この優勝はサプライズ?
8月はじめのツアー・オブ・ブルゴス以来、調子がいいのはわかっていた。それから2週間たって、さらに調子が上がったんだ。だけど、ブエルタに来たのは、カルロス・サストレとデニス・メンショフをアシストするためだった。3週間たって、こうしてブエルタ・ア・エスパーニャでの総合優勝のことを話してるなんて、信じられない!
——アングリルで総合1位になった。プレッシャーに耐えられないだろうという意見も多かったが、どうやって克服した?
18ヵ月ものあいだ、うつ状態で苦しんでいた。一番の治療はブエルタになんのプレッシャーもない状態で参戦して、ベストを尽くすことだった。アングリルの頂上でマイヨロホを手に入れ、総合1位であることを味わった。もちろんストレスは感じたよ。
——この勝利の価値は? 単なるワンチャンスなのか? それともビッグレースでの勝者としてキャリアがスタートするのか?
これが将来に続く最初のステップになればいいと思う。僕はこれまでもレースでの優勝経験はあった。そして、好調ならグランツールでも優勝できるとわかった。今回のブエルタは、僕にとって外国でのビッグレースで戦っていく刺激になる。
ステージ優勝したピーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)
——今日を含めてブエルタ3勝の気分は?
すばらしい一日だった。前の方で走っていて、ベンナーティの後ろに付いていた。でも、少し身動きできなくなったので、踏むのをやめないといけなくなった。だから後ろの方からスプリントをしなくちゃいけなくて、大変だった。でも、僕はずっとフレッシュな状態だったんだ。チームのみんながレース中ずっと、風から僕を守ってくれたんだ。そよ風すら感じなかったよ。僕は、今日の勝利にだけ集中していたんだ。テクニカルなコースだったけれど、まさに僕好みで、とてもいい気分で走れた。
——大半のスプリンターがリタイアしたのに、21歳の若さで3週間のステージを好調のまま完走することのすごさを理解している?
今回のブエルタにはとても満足している。不満があるとすれば、ファンホセ・アエド(アルゼンチン、サクソバンク・サンガード)が勝った、アーロがゴールの第16ステージの最後のところ。ロータリーで千切れざるを得なかったことだ。うまくいっていれば、(ステージ優勝で25ポイント加算されて)ポイント賞も獲得できたかもしれないのに。とにかく満足はしているよ。この3週間の経験は、将来にきっと役立つはずだ。
——将来の展望は? スプリンターとして成長を目指す? それ以外? 2週間後の世界選手権での見込みは?
自分の得意分野はわかっている。今まで通り、それを目指したい。僕は登りも付いていけるし、スピードもある。そしてうれしいことに、僕はスプリンターなんだ。僕はスプリンターとして成長していきたい。今度の世界選手権のことは、あまり考えていない。プランを立てにくいし、運も必要だ。チームワークが重要だしね。スロバキアのチームは3人で、僕とヴェリトス兄弟になると思う。将来については心配していない。自分のこれまでに満足している。今シーズンのはじめには、このようなレースで勝てるなんて思っていなかった。
——次のグランツールはジロ? それともツール?
ツールで走りたい。有名なレースだから挑戦してみたい。いままでテレビで観戦していたけれど、ブエルタとはまた違って、もっとピリピリしている。でも来年はツール・ド・フランスで走ってみたい。オリンピックの準備として最適だしね。
逆転でポイント賞を手にしたバウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
この2〜3日はポイント賞のことばかりを考えていた。ブエルタの開幕当初はポイント賞は目的じゃなかった。クライマーなら、普通はポイント賞なんて考えない。スプリンターにとっての特別なものだからね。でも、最終週になって、ポイント賞が現実味を帯びてくると、走る目的が自然と変わってきた。最終ステージはものすごく緊張した。集団スプリントで15位以内に入る必要があったからね。簡単なことじゃないんだ。(ホアキン・ロドリゲスがスプリント勝負をしなかったので)ゴールして周りを見渡すと、彼の姿はなかった。これで大丈夫だとわかった。最高だよ!
モレマのポイント賞を喜ぶポール・マルテンス(ドイツ、ラボバンク)
個人的には、このブエルタは自分の思い通りにはいかなかった。でも、僕たちはチームとしてしっかり仕事をして、バウク(モレマ)がポイント賞ジャージを獲得した! それを手伝いができて満足している。
ポイント賞を逃したホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
ベストは尽くした。でも、残念なことに、最後のストレートではモレマのほうが僕より速かったんだ。今日、この緑のジャージを失うとは思わなかった。でも、僕は最後のステージでこれを失なってがっかりするだけで済む。でも、僕にとってではなく、チーム全体にとっては、このレースを通してずっと途方もない仕事をしてきた後で手に入れる具体的な結果となるものだったんだ。
自分の総合成績を振り返れば、ブエルタ序盤で勝利したゴールが思い浮かぶけど、満足のいく出来じゃなかった。でも、どのレースにも個性があるものだ。自分は19位より上に行けると確信している。ともかく、来年もう一度挑戦したい。
総合2位のクリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
ブエルタは、ペーニャ・カバルガ(第17ステージ)の山頂で終わったんだ。コーボと僕の差は、そのときから変わらない。ともかく満足しているよ。3週間前は、この結果を予想できなかったし、これからいいことが起きる前兆だと信じている。今回初めて、僕はグランツールに最良のコンディションで参加することができて、そのチャンスを掴めた。次は、来年のチームを選ぶことだ。できればスカイに留まりたい。それから世界選手権にも出たいし、ツアー・オブ・北京もある。
(チーム公式リリースより)
とてもうれしい。今までで初めての経験だ。この1週間、僕の初期の好調さやタイムトライアルの調子が偶然の結果ではないことがわかりはじめた。そうして、僕はうれしさとともに、自分が世界有数の総合上位の選手たちとレースできていることを理解しはじめた。
本当にとても楽しめた。とくに良かったのは、家族をここに呼び寄せて、自分がマイヨロホを着ている姿を見せたことと、ステージ優勝したことだった。あれは、まちがいなく僕の決定的な瞬間だ。17ステージのペーニャ・カバルガの登りの山頂での勝利は、特別な日だったし、これからもずっと覚えておくだろう。
僕はチームに貢献してきたつもりだ。でも、僕がこの位置にいるということは、チームの全員に尽くしたわけじゃないということだ。この3週間、他の選手たちはとてもよく働いて僕とブラドレーを守ってきた。
サポートスタッフや影で支えてくれた人々にも感謝している。彼らは自分たちの行為に見返りを求めていない。僕たちがここにいるのは、彼らのおかげだ。僕とブラドレーは表彰台で終えることができて満足している。
総合3位のブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)
ブエルタを終わりにして浮かんでくるのは失望ばかりだ。ブエルタはツールじゃないから、ブエルタで優勝しなきゃいけないんだ! 僕はこの3週間、ずっと自分自身にこんなプレッシャーを与えていた。僕は自分を勝者だと見ていた。本当に勝つことになっていると信じていた。だから満足はしていない。
暗いことを話しているけど、良いことだってあった。9週間前、僕は鎖骨を骨折した。もしその直後に誰かが僕がブエルタで3位になるって言ったら、僕は冗談だと笑ったと思う。それから、僕はグランツールでのさらなる走り方を学んだ。2010年の終わりには、2009年のツール・ド・フランスでの総合4位は偶然だと思う人も多かった。今なら、そういった人たちも偶然じゃないと理解するはずだ。これから数日のうちに、世界選手権の準備を終えるつもりだ。
とくにタイムトライアルに重点を置いていて、ロードレースではマーク・カヴェンディッシュ対策を想定している。その後は、パリ〜ツールに出るつもりだ。僕はあのレースの雰囲気が好きなんだ。それからジロ・デ・ロンバルディア……あとグルノーブル6日間レースに出るよ。あ、最後のは冗談だよ。
(チーム公式リリースより)
2〜3ヵ月前に自分がいた場所のことを思うと、表彰台で締めくくることができてとても満足している。チームにとっては、フルーミーと僕が表彰台に立てたのは、とても大きな結果となった。本当のことをいうと、このレースでは、ずっと自分の基礎力をちょっとテストしていた。この方法で自転車に乗ることができて、とても満足している。
このレースで、2年前のツール・ド・フランスでの成績が偶然じゃないことを証明できた。そして、来年のツールで強い選手たちに対抗するのに必要なものが頭では理解できた。フルーミーの今回のレースでの走りは本当に賞賛に値する。彼は最初の2週間は僕のために自分を犠牲にしていたし、今日までずっと好調を維持できていた。彼は自転車に乗るたびに成長し、ついにはステージ優勝までしたんだ——彼のことが喜ばしいよ。
レオパード・トレックのスポーツディレクター、ラース・ミカエルセン
今日のスプリントは、望ましい展開にはならなかった。ゴール直前で、ベンナーティは自由に動く必要があった。ペタッキは道の左側でスプリントを開始し、右側でゴールした。この動きのせいで、ペタッキはベンナーティをあやうく柵に押しやるところだった。これでベンナーティが少し失速してしまった。サガンは間違ったことはしていない。まっすぐにラインをとってスプリントしただけだ。彼はベンナーティがペタッキを相手にして体力を消耗した隙をうまくついたんだ。
最終的に、われわれはレーススタート時の目標を達成した。チームタイムトライアルでの勝利は、その最初として重要だった。われわれが結束力のあるチームで、お互いを犠牲にできることを示せた。そして、ブエルタ全体を通じて、その精神を保ち続けてきた。彼らはチームメイトの弱点がわかるといつでも、フォローのために駆け寄った。チームメイトにアタックや生き残りや成功のチャンスを与えるために、彼らはとくに力を尽くした。この様子を目にしたことが、自分にとっての最高の経験となった。
リクイガスのマリオ・シレア監督
(スタート前)ニーバリの総合7位は当然の結果だ。第10ステージ以降、ずっと下り調子だったんだ。これから今回の敗因をつきとめなければならない。ニーバリは厳しすぎたジロの疲れから回復していないのかもしれない。
2012年には、(ジロかブエルタかの)どちらかを選んだほうがいいだろう。ブエルタでの収穫はピーター・サガンだ。彼は若いし、われわれもまだ彼の限界がわからない。2つのステージで勝利して、さらにマドリードで3つ目の勝利をつかむ好機を得たんだ。
チームスカイのデイヴ・ブレイルスフォード代表
2人の英国人がなした初の偉業だ。とても喜ばしい。このような歴史的な結果の達成は、われわれチームスカイが前進していることの証であり、同時に今期のチームがうまく機能していることの証だ。われわれは表彰台に立ち、選手たちの評価も高まった。彼らは、このふたつを素晴らしいレースで成し遂げた。
クリス・フルームは大きく成長した。われわれはクリスがつねにトレーニングで素晴らしいパワーと数値を出すことを知っていた。彼は、ここでの3週間、安定した方法で好成績を出し続けたブラドレーは鎖骨骨折で手術を受けた。わずか8週間前のことだ。驚くべき回復力だ。彼にとって、ワールドクラスの優秀な選手たちと競う能力を発揮するまでが、ケガからの復帰の中に含まれているのだろう。
われわれの出発点は英国人選手をグランツールの表彰台の最上段に乗せる最初のチームとなることだった。そして長い長い道のりを得て、あとわずかというところまで来た。このことは来年の三大グランツールに向けて、われわれに大きな自信を与えてくれるだろう。
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