2011/09/11(日) - 02:32
ツアー・オブ・チャイナ2011、初日の西安でのクリテリウムを制したのはニュージーランド人のリコ・ロジャース。昨年同大会2勝を誇るスプリンターが冷たい雨のレースを制した。日本人最高位はタイム差なし、11位の盛一大(愛三工業レーシングチーム)。
大会開幕を告げる西安市内でのクリテリウム
西安市内で開催されたツアー・オブ・チャイナ2011、第1ステージは、1周回12.1kmの周回コースを10周回する121kmのクリテリウムだ。朝から降り始めた冷たい雨は、ときおり激しく強く吹き付けるコンディション……。選手たちはレインウェアにベスト、アームカバーと重装備でスタートラインに並んだ。
レースが動いたのは、折り返しに当たる5周回目。スタート/フィニッシュ地点に設けられた今大会最初のスプリントポイントに向けて、集団が加速すると後方では20-30選手が巻き込まれる大落車が発生、そして集団は大きく分かれてしまう。
スプリントポイントを越えると、ロシアの双子ライダー、ウラディミール・エフィムキン(ロシア、タイプ1)、マテイ・ムジェルリ(スロベニア、プルティニナ)、ムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)、3人の逃げが決まる。
先頭は8周回目に集団とのタイム差を約1分50秒まで広げたが、徐々に集団もペースアップ。最終周回、フィニッシュまで残り2kmの地点で集団に吸収された。4車線の道路を封鎖して開催されたクリテリウム。集団は横に大きく広がってフィニッシュへ向かった。その中で中央のラインを取ったのロジャース・リコ(ニュージーランド、ジャイアント・ケンダ)がスプリントを制し、両手を挙げた。
好成績を多くもつアジアのスプリンター、リコ・ロジャース
リコ・ロジャースは昨年のツアー・オブ・チャイナで2勝を挙げたスプリンター。今季もツアー・オブ・台湾、ツアー・オブ・チンハイレイクで2勝している。MTBダウンヒルレーサーからロードレーサーへと転向し、30歳をすぎてからプロデビューしたという変わった経歴をもつ選手。台湾のジャイアント・ケンダに所属していることから、アジアツアーを主戦場としている。
リコは「コンディション良く走れている。今大会で何勝したいか? という話の前に、今日勝てたことをとても嬉しく思っているよ。それに初めてリーダージャージを獲得できたことも素晴らしいね。今までポイント賞ジャージはあっても、イエローは着たことがなかったんだ!」と、勝利の喜びを話してくれた。
初日をトラブルなく終えた愛三工業レーシングチーム
日本勢の最高位は11位の盛一大(愛三工業レーシングチーム)。そして15位に西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が続いた。雨で顔が真っ黒になるような悪コンディション。UCIポイント圏内に入ることはできなかったが、まずは大落車も発生した今日のレースを無事に終えたことに一安心だろう。
チームのエーススプリンター、西谷泰治にスプリントを振り返ってもらった。
「残り2周回くらいからトレインを組む、盛さん、綾部さんと近い位置をキープしながら走っていた。残り2kmをすぎるとカーブでラインを塞がれてしまったり、最後も横に大きく広がったなかに、途中で踏むのをやめる選手も多かったため、今日は前に出られなかった。
レース間隔が空いてしまっているので、チームはスプリントの“勘”を掴むのに少し時間がかかるかもしれないけど、アジアのチームで走るリコが勝てたことは、自分たちも勝てるという自信になった。明日もスプリントになることが考えられるので、1勝2勝、勝ちをめざして走っていきたいです」。
翌第2ステージは西安から宝鶏までの180.7kmで開催される。西安市内を抜けて高速道路を西へとひた走るコースレイアウト。わずかに上り基調ではあるが、高速道路を使うことからもほぼフラットなコースだろう。まずは雨が止むことを期待したいが、今晩もザァザァと窓の外では雨の音が響いている……。
ツアー・オブ・チャイナ2011 第1ステージ結果
1位 リコ・ロジャース(ニュージーランド、ジャイアント・ケンダ)2:27:45
2位 ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)
3位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、Vオーストラリア)
4位 ステファン・ラドフラ(ドイツ、ニュートリション)
5位 グリシア・ヤノルシュケ(ドイツ、ニュートリション)
6位 チン・クワホー(香港、香港ナショナル)
7位 イワン・コヴァレフ(ロシア、ロシアナショナル)
8位 ジェ・ジャンスン(韓国、韓国ナショナル)
9位 セバスシャン・フォルケ(ドイツ、ニュートリション)
10位 ミッシェルパスカル・ジュール(フランス、ラポム・マルセイユ)
11位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
15位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
25位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
27位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)
81位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)
111位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績(イエロージャージ)
1位 リコ・ロジャース(ニュージーランド、ジャイアント・ケンダ)2h27'35"
2位 ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)+1"
3位 ウラディミール・エフィムキン(ロシア、タイプ1)+5 "
4位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、Vオーストラリア)+6"
5位 マテイ・ムジェルリ(スロベニア、プルティニナ)
6位 ムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)+7"
7位 ステファン・ラドフラ(ドイツ、ニュートリション)+8"
8位 スングウー・チョイ(韓国、韓国ナショナル)+9"
9位 グリシア・ヤノルシュケ(ドイツ、ニュートリション)+10"
10位 チン・クワホー(香港、香港ナショナル)
15位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
19位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
28位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
30位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)
82位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)
112位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
ポイント賞(ブルージャージ)
ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)
山岳賞(ポルカドットジャージ)
ベルナールド・スルズベガー(オーストラリア、Vオーストラリア)
チーム総合成績
ニュートリション
photo&text:Sonoko.Tanaka
大会開幕を告げる西安市内でのクリテリウム
西安市内で開催されたツアー・オブ・チャイナ2011、第1ステージは、1周回12.1kmの周回コースを10周回する121kmのクリテリウムだ。朝から降り始めた冷たい雨は、ときおり激しく強く吹き付けるコンディション……。選手たちはレインウェアにベスト、アームカバーと重装備でスタートラインに並んだ。
レースが動いたのは、折り返しに当たる5周回目。スタート/フィニッシュ地点に設けられた今大会最初のスプリントポイントに向けて、集団が加速すると後方では20-30選手が巻き込まれる大落車が発生、そして集団は大きく分かれてしまう。
スプリントポイントを越えると、ロシアの双子ライダー、ウラディミール・エフィムキン(ロシア、タイプ1)、マテイ・ムジェルリ(スロベニア、プルティニナ)、ムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)、3人の逃げが決まる。
先頭は8周回目に集団とのタイム差を約1分50秒まで広げたが、徐々に集団もペースアップ。最終周回、フィニッシュまで残り2kmの地点で集団に吸収された。4車線の道路を封鎖して開催されたクリテリウム。集団は横に大きく広がってフィニッシュへ向かった。その中で中央のラインを取ったのロジャース・リコ(ニュージーランド、ジャイアント・ケンダ)がスプリントを制し、両手を挙げた。
好成績を多くもつアジアのスプリンター、リコ・ロジャース
リコ・ロジャースは昨年のツアー・オブ・チャイナで2勝を挙げたスプリンター。今季もツアー・オブ・台湾、ツアー・オブ・チンハイレイクで2勝している。MTBダウンヒルレーサーからロードレーサーへと転向し、30歳をすぎてからプロデビューしたという変わった経歴をもつ選手。台湾のジャイアント・ケンダに所属していることから、アジアツアーを主戦場としている。
リコは「コンディション良く走れている。今大会で何勝したいか? という話の前に、今日勝てたことをとても嬉しく思っているよ。それに初めてリーダージャージを獲得できたことも素晴らしいね。今までポイント賞ジャージはあっても、イエローは着たことがなかったんだ!」と、勝利の喜びを話してくれた。
初日をトラブルなく終えた愛三工業レーシングチーム
日本勢の最高位は11位の盛一大(愛三工業レーシングチーム)。そして15位に西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)が続いた。雨で顔が真っ黒になるような悪コンディション。UCIポイント圏内に入ることはできなかったが、まずは大落車も発生した今日のレースを無事に終えたことに一安心だろう。
チームのエーススプリンター、西谷泰治にスプリントを振り返ってもらった。
「残り2周回くらいからトレインを組む、盛さん、綾部さんと近い位置をキープしながら走っていた。残り2kmをすぎるとカーブでラインを塞がれてしまったり、最後も横に大きく広がったなかに、途中で踏むのをやめる選手も多かったため、今日は前に出られなかった。
レース間隔が空いてしまっているので、チームはスプリントの“勘”を掴むのに少し時間がかかるかもしれないけど、アジアのチームで走るリコが勝てたことは、自分たちも勝てるという自信になった。明日もスプリントになることが考えられるので、1勝2勝、勝ちをめざして走っていきたいです」。
翌第2ステージは西安から宝鶏までの180.7kmで開催される。西安市内を抜けて高速道路を西へとひた走るコースレイアウト。わずかに上り基調ではあるが、高速道路を使うことからもほぼフラットなコースだろう。まずは雨が止むことを期待したいが、今晩もザァザァと窓の外では雨の音が響いている……。
ツアー・オブ・チャイナ2011 第1ステージ結果
1位 リコ・ロジャース(ニュージーランド、ジャイアント・ケンダ)2:27:45
2位 ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)
3位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、Vオーストラリア)
4位 ステファン・ラドフラ(ドイツ、ニュートリション)
5位 グリシア・ヤノルシュケ(ドイツ、ニュートリション)
6位 チン・クワホー(香港、香港ナショナル)
7位 イワン・コヴァレフ(ロシア、ロシアナショナル)
8位 ジェ・ジャンスン(韓国、韓国ナショナル)
9位 セバスシャン・フォルケ(ドイツ、ニュートリション)
10位 ミッシェルパスカル・ジュール(フランス、ラポム・マルセイユ)
11位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
15位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
25位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
27位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)
81位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)
111位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
個人総合成績(イエロージャージ)
1位 リコ・ロジャース(ニュージーランド、ジャイアント・ケンダ)2h27'35"
2位 ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)+1"
3位 ウラディミール・エフィムキン(ロシア、タイプ1)+5 "
4位 ジョナサン・キャントウェル(オーストラリア、Vオーストラリア)+6"
5位 マテイ・ムジェルリ(スロベニア、プルティニナ)
6位 ムラディヤン・ハルムラトフ(ウズベキスタン、ジャイアント・ケンダ)+7"
7位 ステファン・ラドフラ(ドイツ、ニュートリション)+8"
8位 スングウー・チョイ(韓国、韓国ナショナル)+9"
9位 グリシア・ヤノルシュケ(ドイツ、ニュートリション)+10"
10位 チン・クワホー(香港、香港ナショナル)
15位 盛一大(愛三工業レーシングチーム)
19位 西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
28位 綾部勇成(愛三工業レーシングチーム)
30位 中島康晴(愛三工業レーシングチーム)
82位 伊藤雅和(愛三工業レーシングチーム)
112位 鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
ポイント賞(ブルージャージ)
ボリス・シュピレフスキ(ロシア、タブリーズ・ペトロケミカル)
山岳賞(ポルカドットジャージ)
ベルナールド・スルズベガー(オーストラリア、Vオーストラリア)
チーム総合成績
ニュートリション
photo&text:Sonoko.Tanaka
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