8月28日、三重県・鈴鹿サーキットでシマノ鈴鹿国際ロードレースが開催された。ツール・ド・フランスで敢闘賞を獲得したFDJのジェレミー・ロアとともにレース終盤のアタックに乗った畑中勇介(シマノレーシング)がロア、盛(愛三工業)らを抑え勝利した。

国際ロードがスタート ジェレミー・ロワ(FDJ)らがスズカを走る!国際ロードがスタート ジェレミー・ロワ(FDJ)らがスズカを走る! (c)Makoto.AYANO

今年で開催28回目を迎えるシマノスズカロード。その最高峰のレースがシマノ鈴鹿国際ロードレースだ。海外招待選手と国内招待選手を多数迎え、鈴鹿サーキットを舞台にハイレベルな闘いが繰り広げられた。

今年は ツール・ド・フランスで大活躍したUCIプロチームのFDJが来日。話題はなんといってもツール・ド・フランスで敢闘賞を獲得したフランス人選手ジェレミー・ロアが出場することだろう。

ツール・ド・フランスで敢闘賞を獲得したジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)らが来日・参戦したツール・ド・フランスで敢闘賞を獲得したジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)らが来日・参戦した (c)Makoto.AYANOスウェーデンから来日したチームサイケルシティスウェーデンから来日したチームサイケルシティ (c)Makoto.AYANO

逃げグループが協調しながら差を開く逃げグループが協調しながら差を開く (c)Makoto.AYANO海外招待チームであるFDJはシマノのサポートチーム。他にデライク(ベルギー)、サイケルシティ(スウェーデン)といったサポートチームが来日した。
国内招待チームは、愛三工業レーシング、ブリヂストンアンカー、、マリックスパワータグ、宇都宮ブリッツェンなど。これに国内最高レベルのホビーレーサーが加わり、F-1サーキットを舞台にハイスピードの闘いを繰り広げる。

スタート前には数日前に今シーズン限りの引退を発表した山本雅道(ブリヂストンアンカー)に鈴木真理(シマノレーシング)から花束が手渡された。


逃げグループを追うメイン集団逃げグループを追うメイン集団 (c)Makoto.AYANOレースはスタートと同時に無数のアタックが続く。しかし1周目は集団のスピードが上がる一方で、重要な動きには繋がらない。

3周目、ロワやJツアー総合チャンピオンの証ルビーレッドジャージを着て走る増田成幸(宇都宮ブリッツェン)を含む約10名ほどの選手が飛び出す。この先頭集団は15秒ほど集団に差を開くが、4周目にはマトリックスを中心としたチームによる追走で集団はひとつに。

6周目、16人ほどが先行し、逃げグループを形勢する。ふたたび逃げに入ったジェレミー・ロワ、増田、小坂光(宇都宮果敢にアタックするジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)果敢にアタックするジェレミー・ロワ(フランス、FDJ) (c)Makoto.AYANOブリッツェン)、盛一大、福田真平(愛三工業)、畑中勇介・鈴木譲・西園良太(シマノレーシング)、マリウス・ウィズィアック・永良大誠(マトリックスパワータグ)、狩野智也、普久原将(ブリヂストンアンカー)、FDJ、デライクの2人(確認中)。そして数名が脱落し、13名に落ち着く。

7週目にはメイン集団から約30名ほどの追走グループが形成されたが、タイム差は30秒以上開いたまま。

10周目に入るとき、西薗(シマノレーシング)がひとりアタックをかけ、先頭集団に3人が残ったシマノレーシングの他のメンバーのアシストとしての動きを見せる。

ラスト1周に入るときアタックをかけた西薗良太(シマノレーシング)ラスト1周に入るときアタックをかけた西薗良太(シマノレーシング) (c)Makoto.AYANOこの西薗の動きに5人の選手が追い付き、6人に。畑中、鈴木譲、そして西薗のシマノ3人が揃い、有利な展開。そこからラスト1kmでロワが強烈なアタックでスパートをかける。しかし鈴木のアシストで畑中が、そしてスピードのある盛(愛三)がロワに追いつき、勝負は3人に絞られた。

最終コーナーを抜けてゴールまでは緩い登り坂のスプリント。ロワ、そして盛を交わした畑中が伸びを見せ、堂々のガッツポーズで勝利した。




盛 一大 (愛三工業レーシング)を下した畑中 勇介(シマノレーシング)盛 一大 (愛三工業レーシング)を下した畑中 勇介(シマノレーシング) (c)Makoto.AYANO

3位に落胆する ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)3位に落胆する ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ) (c)Makoto.AYANO先週のJツアーみやだロードで勝利したばかりの畑中。昨年のジャパンカップでは日本人最高位の3位となり、国内でもっとも活躍できる実力を誇る畑中がまたも国内最高峰の国際レースを制し、栄光をつかんだ。日本人の優勝は、盛一大(愛三工業レーシング)の2008年の勝利に以来3年ぶり。

優勝の畑中勇介のコメント
「西薗選手、鈴木譲選手が最後までアシストしてくれたのでチームとしての働きは完璧だった。勝てて本当に嬉しい。海外のトップ選手たちと走ることは僕達にとって名前をアピールする最高のチャンスだった。そこで結果を残せたことスズカ国際ロード表彰式スズカ国際ロード表彰式 (c)Masanao.Tomitaは嬉しい。FDJのロワたちも真剣勝負でぶつかってきたので、最後まで彼らと協力し合うこともありませんでした」




結果 トップ10
1位 畑中 勇介(シマノレーシング)
2位 盛 一大 (愛三工業レーシング)
3位 ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ)
4位 西薗 良太 (シマノレーシング)
5位 マリウス ヴィズィアック(ポーランド、マトリックスパワータグ)
6位 普久原 奨(ブリヂストンアンカー)
7位 鈴木 譲 (シマノレーシング)
8位 福田 真平 (愛三工業レーシング)
9位 増田 成幸 (宇都宮ブリッツェン)
10位 ジェフリー・ソープ(デライク)



text:Makoto.AYANO
photo:Masanao.Tomita,Makoto.AYANO

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