2011/08/10(水) - 12:50
横風が吹くナーバスな192kmで行われたエネコ・ツアー第1ステージ。ラスト1km手前で発生したハイスピードな落車を免れたスプリンターによる勝負で、アンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)が勝利した。全日本チャンピオンの別府史之(レディオシャック)はチーム内最高の13位に。
オランダ西部、海に近い平野部を舞台に行われた第1ステージ。オーステルハウトからシント・ウィッレブロルトまでの192.1kmには登りが一つも登場しない。しかしオランダ特有の細くて曲がりくねったコースが選手たちを悩ます。海側から吹き付ける風が選手たちの体力を奪った。
この日は春先から果敢な走りを見せているトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)ら6名の逃げが決まる。デヘントらは最大10分のリードを得てエスケープ。
メイン集団はリーダージャージを擁するBMCレーシングチームがコントロールし、集団スプリントに興味を示すガーミン・サーヴェロやチームスカイがこれに合流。ラスト20kmでリーダージャージのテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)がパンクしたことで一旦ペースは緩んだが、逃げグループとのタイム差は縮小の一途をたどった。
シント・ウィッレブロルトの周回コースに入ると、逃げグループから一人飛び出したジュリアン・フシャール(フランス、コフィディス)が独走に持ち込むも、結局はラスト10kmで終了。細いコースと横風を警戒してメイン集団のペースは上がる。
横風区間で地元オランダのラボバンクがペースアップを図るとメイン集団は縦に長く伸び、集団から脱落する選手も出てくる。しかしラボバンクが集団牽引を止めると、メイン集団は途端に不安定な状態に。スキル・シマノ、チームスカイ、レオパード・トレック、クイックステップが率いるメイン集団は、歩道まで目一杯使ったポジション争いを繰り広げながらゴール地点へ。
そしてラスト1kmアーチの手前で落車が発生。集団の前から30番手前後で発生したこの落車によって20名ほどの選手が先頭に生き残り、スピードを保ったままゴールに向かう。全日本チャンピオンジャージの別府史之は先頭グループに残った。
ラスト200mで先陣を切ってスプリントを開始したのは、リーダージャージを着るフィニー。しかし向かい風によってフィニーは失速し、タイミングを待ったグライペルやデニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)がスプリントを繰り広げる。最後はグライペルが先着。太い上腕を突き上げた。別府史之は13位でゴールしている。
今シーズン7勝目を飾ったグライペルは「ラボバンクのペースアップには驚いた。でもジルベールらのサポートによって集団前方をキープした。ラスト100mの時点で12番手につけていたけど、スペースを見つけて飛び込んだんだ」とコメント。翌日もスプリント勝利を狙って行く。「今日は風が強くてまるで秋のようだった。明日も風に苦しめられることになると思う」。
リーダージャージじゃフィニーがキープ。ゴール前の落車の影響で集団はバラけてゴールしたが、ラスト3km以内の救済措置によってタイム差はつかず。7秒差でエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)、8秒差でデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)が続く状況に変わりはない。
レース内容は公式サイトならびにストリーミング、選手コメントはベルギーのSporzaより。
エネコ・ツアー2011第1ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット) 4h21'20"
2位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
4位 テオ・ボス(オランダ、ラボバンク)
5位 トム・フィーラース(オランダ、スキル・シマノ)
6位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
7位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
8位 ミルコ・セルヴァッジ(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)
9位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、クイックステップ)
10位 グレガ・ボーレ(スロベニア、ランプレ・ISD)
13位 別府史之(日本、レディオシャック)
個人総合成績
1位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) 4h28'17"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +07"
3位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +08"
4位 アレックス・ラスムッセン(デンマーク、HTC・ハイロード) +09"
5位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +10"
6位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ラボバンク) +11"
7位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック) +12"
8位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +15"
9位 ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +18"
10位 ロバート・ワグナー(ドイツ、レオパード・トレック)
66位 別府史之(日本、レディオシャック) +36"
ポイント賞
テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
新人賞
テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
チーム総合成績
ラボバンク
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
オランダ西部、海に近い平野部を舞台に行われた第1ステージ。オーステルハウトからシント・ウィッレブロルトまでの192.1kmには登りが一つも登場しない。しかしオランダ特有の細くて曲がりくねったコースが選手たちを悩ます。海側から吹き付ける風が選手たちの体力を奪った。
この日は春先から果敢な走りを見せているトーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)ら6名の逃げが決まる。デヘントらは最大10分のリードを得てエスケープ。
メイン集団はリーダージャージを擁するBMCレーシングチームがコントロールし、集団スプリントに興味を示すガーミン・サーヴェロやチームスカイがこれに合流。ラスト20kmでリーダージャージのテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)がパンクしたことで一旦ペースは緩んだが、逃げグループとのタイム差は縮小の一途をたどった。
シント・ウィッレブロルトの周回コースに入ると、逃げグループから一人飛び出したジュリアン・フシャール(フランス、コフィディス)が独走に持ち込むも、結局はラスト10kmで終了。細いコースと横風を警戒してメイン集団のペースは上がる。
横風区間で地元オランダのラボバンクがペースアップを図るとメイン集団は縦に長く伸び、集団から脱落する選手も出てくる。しかしラボバンクが集団牽引を止めると、メイン集団は途端に不安定な状態に。スキル・シマノ、チームスカイ、レオパード・トレック、クイックステップが率いるメイン集団は、歩道まで目一杯使ったポジション争いを繰り広げながらゴール地点へ。
そしてラスト1kmアーチの手前で落車が発生。集団の前から30番手前後で発生したこの落車によって20名ほどの選手が先頭に生き残り、スピードを保ったままゴールに向かう。全日本チャンピオンジャージの別府史之は先頭グループに残った。
ラスト200mで先陣を切ってスプリントを開始したのは、リーダージャージを着るフィニー。しかし向かい風によってフィニーは失速し、タイミングを待ったグライペルやデニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)がスプリントを繰り広げる。最後はグライペルが先着。太い上腕を突き上げた。別府史之は13位でゴールしている。
今シーズン7勝目を飾ったグライペルは「ラボバンクのペースアップには驚いた。でもジルベールらのサポートによって集団前方をキープした。ラスト100mの時点で12番手につけていたけど、スペースを見つけて飛び込んだんだ」とコメント。翌日もスプリント勝利を狙って行く。「今日は風が強くてまるで秋のようだった。明日も風に苦しめられることになると思う」。
リーダージャージじゃフィニーがキープ。ゴール前の落車の影響で集団はバラけてゴールしたが、ラスト3km以内の救済措置によってタイム差はつかず。7秒差でエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)、8秒差でデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)が続く状況に変わりはない。
レース内容は公式サイトならびにストリーミング、選手コメントはベルギーのSporzaより。
エネコ・ツアー2011第1ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット) 4h21'20"
2位 デニス・ガリムジャノフ(ロシア、カチューシャ)
3位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
4位 テオ・ボス(オランダ、ラボバンク)
5位 トム・フィーラース(オランダ、スキル・シマノ)
6位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
7位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
8位 ミルコ・セルヴァッジ(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)
9位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、クイックステップ)
10位 グレガ・ボーレ(スロベニア、ランプレ・ISD)
13位 別府史之(日本、レディオシャック)
個人総合成績
1位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) 4h28'17"
2位 エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ) +07"
3位 デーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ) +08"
4位 アレックス・ラスムッセン(デンマーク、HTC・ハイロード) +09"
5位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) +10"
6位 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ラボバンク) +11"
7位 ジェシー・サージェント(ニュージーランド、レディオシャック) +12"
8位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、オメガファーマ・ロット) +15"
9位 ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ) +18"
10位 ロバート・ワグナー(ドイツ、レオパード・トレック)
66位 別府史之(日本、レディオシャック) +36"
ポイント賞
テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
新人賞
テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
チーム総合成績
ラボバンク
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
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