2004年から7年間、ジロ・デ・イタリアのレースディレクターを務めていたRCSスポルトのアンジェロ・ゾメニャン氏が退任する。未舗装路の峠など、斬新なコース作りを進めていたゾンメニャン氏は2013年にイタリア・フィレンツェで開催されるロード世界選手権のオーガナイズに携わる予定だ。

7年間ジロのレース総合ディレクターを務めたアンジェロ・ゾメニャン氏7年間ジロのレース総合ディレクターを務めたアンジェロ・ゾメニャン氏 photo:Kei Tsuji1979年からガゼッタ・デッロ・スポルト紙のジャーナリストとしてプロスポーツに携わり、2004年にジロのレースディレクターに就任したゾメニャン氏。就任早々、未舗装のフィネストレ峠をジロに登場させ、その後もトスカーナ州のストラーデ・ビアンケ(白い道)をコースに取り入れ、未舗装のプラン・デ・コロネスで個人タイムトライアルを行うなど、奇抜なコース作りで注目を集めた。

2009年のローマ・コロッセウムや2010年のヴェローナ・アリーナ、そして今年のミラノ・ドゥオーモ広場での華々しい閉幕イベントも同氏の熱意によるところが大きい。就任後、ジロの注目度がアップしたのは間違いない。

しかし今年のジロはその奇抜なコースが裏目に出た。第3ステージで起こったワウテル・ウェイラント(ベルギー)の落車事故死への対処は国内外から高い評価を得たが、注目された第14ステージの未舗装クロスティス峠がチーム側からの反発によってキャンセルとなり、さらに最終日のミラノ個人タイムトライアルのコースも交通事情により直前になって変更を強いられた。

今回の辞任はゾメニャン氏本人の意思によるもの。同氏は今後もRCSスポルトに携わり、2013年のロード世界選手権フィレンツェ大会の開催委員を務めるという。

プレスリリースによると、ゾメニャン氏のポストには、2008年からRCSスポルトの総合ディレクターを務める39歳のミケーレ・アックアローネ氏が就く。そして、過去にRCSスポルトが主催する全てのレースイベントと2つのロード世界選手権でディレクターを務め、現在ジロでテクニカルディレクターを務めていたマウロ・ヴェーニ氏がレースマネジメントに携わる。

2012年のコースは今年10月のプレゼンテーションで明らかにされる予定。新体制のジロの変化に注目したい。

text&photo:Kei Tsuji