2011/06/06(月) - 09:15
7月のツール・ド・フランスに向けて、名立たるオールラウンダーたちが動き始めた。ツール前哨戦として知られるクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)が6月5日、フランスのサン・ジャン・ド・モーリエンヌで開幕。5.4kmの個人タイムトライアルでラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)が優勝した。
チームカーから飛ぶ激しい檄に後押しされるように、ボームが6分18秒というトップタイムを叩き出した。平均スピードは51.41km/h。
ボームはジュニア時代からシクロクロスに打ち込み、2007年にU23世界チャンピオンのタイトルを獲得。2008年にはシクロクロスのエリートクラスで世界の頂点に。ジュニア時代から数えて合計11回ナショナルチャンピオンに輝いている。
高出力を一定時間出し続けるというシクロクロスの特性は個人タイムトライアルにも活かされ、2007年にはU23の個人TTで世界チャンピオンに。特に距離の短い個人TTを得意としており、昨年パリ〜ニースの8kmプロローグで優勝している。今年のツアー・オブ・カタールでも2.5kmプロローグで優勝。いずれもビッグネームを打ち破る勝利であり、プロローグハンターとして着実なステップアップを見せる。
「昨年(優勝した)パリ〜ニースのプロローグと同様に、短距離のタイムトライアルは僕の得意分野。距離が5.4kmで、短い登りが設定されたコースは、完璧に脚質にマッチしているんだ」。パリ〜ニースとカタールに続いてマイヨジョーヌに袖を通したボームは語る。
「ツアー・オブ・カリフォルニア以降、膝を痛めていたんだ。先週は良いトレーニングを積めていたけど、今日の勝利は予想していなかった。これが初めてのドーフィネ出場。もちろんこの勝利には満足している。」
レースの舞台となったサン・ジャン・ド・モーリエンヌは、フランス南東部、ローヌ=アルプ地域圏サヴォワ県にある山間の街。スタート後すぐに平均勾配5%の短い4級山岳が登場するが、その後はフラットなコースが続く。
前夜から降っていた雨は止み、第1走者のサント・アンザ(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)がスタートする頃には路面はドライに。しかし中盤にかけて再び雨が降り続き、ウェットコンディションで走ったエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)らはタイムを伸ばせなかった。
レース時間が7分未満と短いため、TTスペシャリストやオールラウンダーの他にも、スプリンターが上位に絡む結果に。ボームに僅か2秒届かなかったのは、ツールに向けて順調な仕上がりを見せるアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)。5秒遅れで好調なブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)が続く。
ツール総合優勝候補の一角カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)はステージ7位。連覇が懸かった最終走者のヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック)は時折ラインが定まらない不安定さを見せながらステージ17位。
5月のトレーニング中に落車し、顔面に怪我を負ったイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)はこのドーフィネでレースに復帰したが、輝きを見せずステージ102位に。また、新城幸也(ユーロップカー)は35秒遅れのステージ112位で初日を終えている。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2011プロローグ結果
1位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) 6'18"
2位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +02"
3位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +05"
4位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード) +06"
5位 ビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル) +08"
6位 ヨースト・ポストゥーマ(オランダ、レオパード・トレック) +09"
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +09"
8位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル) +09"
9位 シリル・ルモワンヌ(フランス、ソール・ソジャサン) +10"
10位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン) +11"
15位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)+14"
17位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック) +14"
24位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +15"
29位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) +16"
34位 トニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード) +17"
74位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +26"
102位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +34"
112位 新城幸也(日本、ユーロップカー) +35"
個人総合成績
1位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) 6'18"
2位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +02"
3位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +05"
4位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード) +06"
5位 ビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル) +08"
6位 ヨースト・ポストゥーマ(オランダ、レオパード・トレック) +09"
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +09"
8位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル) +09"
9位 シリル・ルモワンヌ(フランス、ソール・ソジャサン) +10"
10位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン) +11"
ポイント賞
ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)
山岳賞
セバスティアン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル)
新人賞
ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)
チーム総合成績
ソール・ソジャサン
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
チームカーから飛ぶ激しい檄に後押しされるように、ボームが6分18秒というトップタイムを叩き出した。平均スピードは51.41km/h。
ボームはジュニア時代からシクロクロスに打ち込み、2007年にU23世界チャンピオンのタイトルを獲得。2008年にはシクロクロスのエリートクラスで世界の頂点に。ジュニア時代から数えて合計11回ナショナルチャンピオンに輝いている。
高出力を一定時間出し続けるというシクロクロスの特性は個人タイムトライアルにも活かされ、2007年にはU23の個人TTで世界チャンピオンに。特に距離の短い個人TTを得意としており、昨年パリ〜ニースの8kmプロローグで優勝している。今年のツアー・オブ・カタールでも2.5kmプロローグで優勝。いずれもビッグネームを打ち破る勝利であり、プロローグハンターとして着実なステップアップを見せる。
「昨年(優勝した)パリ〜ニースのプロローグと同様に、短距離のタイムトライアルは僕の得意分野。距離が5.4kmで、短い登りが設定されたコースは、完璧に脚質にマッチしているんだ」。パリ〜ニースとカタールに続いてマイヨジョーヌに袖を通したボームは語る。
「ツアー・オブ・カリフォルニア以降、膝を痛めていたんだ。先週は良いトレーニングを積めていたけど、今日の勝利は予想していなかった。これが初めてのドーフィネ出場。もちろんこの勝利には満足している。」
レースの舞台となったサン・ジャン・ド・モーリエンヌは、フランス南東部、ローヌ=アルプ地域圏サヴォワ県にある山間の街。スタート後すぐに平均勾配5%の短い4級山岳が登場するが、その後はフラットなコースが続く。
前夜から降っていた雨は止み、第1走者のサント・アンザ(イタリア、ヴァカンソレイユ・DCM)がスタートする頃には路面はドライに。しかし中盤にかけて再び雨が降り続き、ウェットコンディションで走ったエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)らはタイムを伸ばせなかった。
レース時間が7分未満と短いため、TTスペシャリストやオールラウンダーの他にも、スプリンターが上位に絡む結果に。ボームに僅か2秒届かなかったのは、ツールに向けて順調な仕上がりを見せるアレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ)。5秒遅れで好調なブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ)が続く。
ツール総合優勝候補の一角カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)はステージ7位。連覇が懸かった最終走者のヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック)は時折ラインが定まらない不安定さを見せながらステージ17位。
5月のトレーニング中に落車し、顔面に怪我を負ったイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)はこのドーフィネでレースに復帰したが、輝きを見せずステージ102位に。また、新城幸也(ユーロップカー)は35秒遅れのステージ112位で初日を終えている。
選手コメントはレース公式サイトより。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2011プロローグ結果
1位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) 6'18"
2位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +02"
3位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +05"
4位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード) +06"
5位 ビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル) +08"
6位 ヨースト・ポストゥーマ(オランダ、レオパード・トレック) +09"
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +09"
8位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル) +09"
9位 シリル・ルモワンヌ(フランス、ソール・ソジャサン) +10"
10位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン) +11"
15位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、オメガファーマ・ロット)+14"
17位 ヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア、レディオシャック) +14"
24位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +15"
29位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) +16"
34位 トニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード) +17"
74位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +26"
102位 イヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +34"
112位 新城幸也(日本、ユーロップカー) +35"
個人総合成績
1位 ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク) 6'18"
2位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +02"
3位 ブラドレー・ウィギンズ(イギリス、チームスカイ) +05"
4位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード) +06"
5位 ビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル) +08"
6位 ヨースト・ポストゥーマ(オランダ、レオパード・トレック) +09"
7位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +09"
8位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル) +09"
9位 シリル・ルモワンヌ(フランス、ソール・ソジャサン) +10"
10位 ジェローム・コッペル(フランス、ソール・ソジャサン) +11"
ポイント賞
ラース・ボーム(オランダ、ラボバンク)
山岳賞
セバスティアン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル)
新人賞
ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)
チーム総合成績
ソール・ソジャサン
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
フォトギャラリー
Amazon.co.jp
OGK KABUTO(オージーケーカブト) MS-2[エムエス2] ソードレッド L
OGK KABUTO(オージーケーカブト)