2011/05/26(木) - 01:26
待ちに待ったUCIレース。国内選手が今シーズン初めてほぼ一同に揃う、ツール・ド・熊野(UCI2.2)が5月26日(木)から29日(日)までの4日間行われる。
シマノ、愛三、アンカー、ブリッツェンがほぼフルメンバーで臨む今年の熊野。ほぼ昨年11月のツール・ド・おきなわ以来となる顔合わせ。大学を卒業してコンチネンタルチーム入りした選手、移籍した選手など、ようやく今年のジャージで一同に見ることのできるレースが開幕する。
今年のスケジュールは昨年と同じ、プロローグのコースが変更になったが距離と性格はほぼ同じ、ほかステージも同じだ。
参加チームは海外からNIPPOを含めて5チーム、国内からは12チームで、合計17チーム93人がエントリー。
コースと選手から見どころを紹介しよう。
4日間324.1kmの戦い
スケジュールはほぼ例年通りで、初日にプロローグ、そしてマスドスタートレースが3ステージ。
プロローグ 5月26日(木)0.7km 15時30分第1走者スタート
場所を熊野川河口部の市田側沿いに移して、今年のツール・ド・熊野はスタートする。距離は0.7kmと短いがコーナーの突っ込みと加速が勝敗を分けるのは例年通り。昨年よりはやや難易度が下がった。全日程を通じて唯一少数秒までが記録されるので、秒差の争いになるこの大会では重要な位置を占める。盛一大・西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)、鈴木真理(シマノレーシング)、辻善光(宇都宮ブリッツェン)らが有力候補だ。
第1ステージ 5月27日(金)114.1km 赤木川清流コース 10時50分新宮駅前スタート
新宮駅前をパレードスタートして熊野川沿いを走り周回コースへ。およそ平坦だが、折り返し地点前後の狭く起伏のある箇所と、S/Fライン手前のKOM付近の狭い急坂がポイント。例年10人前後の逃げができて熾烈な戦いになる。雨天の予報もあいまって、サバイバルレースになる可能性が高い。総合上位を狙うチームは、先頭集団へ必ず選手を送り込んでおかねばならない。昨年は辻善光が劇的勝利を挙げた。もちろんスプリンターに有利なコースだ。観戦はS/FラインおよびKOM周辺がいいだろう。
第2ステージ 5月28日(土)109.3km 熊野山岳コース 10時15分熊野倶楽部スタート
国内有数の山岳コースがこの熊野の第2ステージだ。細く長い上り、それに加えコケむした滑りやすい下り。例年主催者側でコケを焼いているが、雨模様のこの期間、コケがあると思ったほうがいい。国内で最も難易度の高い下りを誇り、峠を通過した情勢だけで判断できないのがこのステージ。山岳ステージなのでもちろん山岳を得意とする選手が有利。昨年は佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)がミズロフと平塚吉光を下して優勝。今年は佐野に加え、昨年4位の福島晋一(テレンガヌ・プロ・アジア・サイクリングチーム)、清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)、畑中勇介(シマノレーシング)らが有力だ。観戦は千枚田周辺がいい。ゴールを見ないのならば選手を3回見られる。
第3ステージ 5月29日(日)100km 太地半島周回コース 11時10分スタート
太地半島を周回するジェットコースターのような名コース。過去にこのステージで総合成績が逆転したことが多いが、この2年間は安泰の結果になっている。常に逃げが発生し、どの逃げがゴールに届くかが見どころ。例年、途中までに雨のステージが続いても、この太地だけは晴れている。今年の天候は?観戦するならばS/Fラインから漁港、KOMまであたりだ。
今年は日本人が総合優勝なるか
UCIレースになってから2008年は清水都貴、2009年ヴァレンティン・イグリンスキー、2010年アンドレイ・ミズロフが総合優勝している。この大会で総合優勝するには、高い登坂能力があることが前提。展開によっては上れるスピードマンタイプも有利に。有力なのは福島、畑中、清水都貴、西谷、佐野あたりだろう。
チームでは香港チームが元・現スクラッチ世界チャンピオンのワン・カンポーとコー・ホーティンを揃え注目だ。海外からは合計5チーム参加だが、伝え聞くところでは、日本の放射能の状況を理解した上で参加したい旨を伝えてきたチームたちだという。日本の現状に理解を示し来日する海外チームへぜひ応援をお願いしたい。
国内ではほかに鹿屋体育大学、ユーラシア、シエルヴォ奈良、実業団選抜、西日本学連選抜らも参加、熱戦が期待される。
以下にエントリーリストを示そう。
なお、ライセンスコントロールを経て出場選手は確定される。26日(木)昼過ぎには判明するはずだ。そのため特に海外選手名は変更になる可能性が高い。
Terengganu Pro-Asia Cycling Team
福島晋一、奈良基、CHAN Jae JANG、PHUCHONG Sai-Udomsin、KIM Do Hyeong
香港チーム
WONG Kam Po、KWOK Ho Ting、YEUNG Ying Hon、WONG Chung Yan、CHEUNG King Lok、CHEUNG King Wai
チームブリヂストン・アンカー
伊丹健治、山本雅道、清水都貴、清水良行、井上和郎、金子友也
愛三レーシングチーム
西谷泰治、品川真寛、盛一大、福田真平、伊藤雅和、木守望
GIANT KENDA CYCLING TEAM
HUANG Chin Lung、YANG Chia Hong、HUANG Wen Chung、CHU Fan Hsin、PENG Kuei Hsiang、CRAWFORD Jai
シマノレーシング
鈴木真理、畑中勇介、鈴木譲、村上純平、青柳憲輝、西薗良太
ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO
BARIANI Fortunato、菊池誠亮、MULAGLIA Giuseppe、RICHEZE Ariel Maximiliano、佐野淳哉
CHINESE TAIPEI NATIONAL TEAM
HSIEH Wen Chan、HUANG Kun Hung、CHEN Cheng Yen、HUANG Shih Chang、WU Po Hung、HUANG Hsin Hua
宇都宮ブリッツェン
廣瀬佳正、中村誠、増田成幸、辻善光、初山翔、若杉厚仁
パールイズミ・スミタ・ラバネロ
栂尾大知、藤岡克磨、鈴木良則、上村領佑
湘南ベルマーレ
山根理史、小室雅成、平林昌樹、斉藤祥太、武田耕大、原川浩介
なるしまフレンドレーシングチーム
岩島啓太、小畑郁、櫻井一輝、山本健一、若生正剛
鹿屋体育大学
野中竜馬、高宮正嗣、野口正則、黒枝士揮、山本元喜、徳田鍛造
チームユーラシア・フォンドリエストバイクス
大塚航、藤岡徹也、外勢健一朗、中山卓士、大場政利
シエルヴォ奈良プロサイクリングチーム
辻貴光、松村光浩、高塚亮輔、澤田賢匠
TEAM JBCF
高橋義博、五百旗頭晃、中野清太郎、向山浩司
西日本学生選抜
野末秀志、河賀雄大、木村圭祐、吉岡直哉、奥村将徳、福田高志
photo&text:高木秀彰
協力:ツール・ド・熊野実行委員会
シマノ、愛三、アンカー、ブリッツェンがほぼフルメンバーで臨む今年の熊野。ほぼ昨年11月のツール・ド・おきなわ以来となる顔合わせ。大学を卒業してコンチネンタルチーム入りした選手、移籍した選手など、ようやく今年のジャージで一同に見ることのできるレースが開幕する。
今年のスケジュールは昨年と同じ、プロローグのコースが変更になったが距離と性格はほぼ同じ、ほかステージも同じだ。
参加チームは海外からNIPPOを含めて5チーム、国内からは12チームで、合計17チーム93人がエントリー。
コースと選手から見どころを紹介しよう。
4日間324.1kmの戦い
スケジュールはほぼ例年通りで、初日にプロローグ、そしてマスドスタートレースが3ステージ。
プロローグ 5月26日(木)0.7km 15時30分第1走者スタート
場所を熊野川河口部の市田側沿いに移して、今年のツール・ド・熊野はスタートする。距離は0.7kmと短いがコーナーの突っ込みと加速が勝敗を分けるのは例年通り。昨年よりはやや難易度が下がった。全日程を通じて唯一少数秒までが記録されるので、秒差の争いになるこの大会では重要な位置を占める。盛一大・西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)、鈴木真理(シマノレーシング)、辻善光(宇都宮ブリッツェン)らが有力候補だ。
第1ステージ 5月27日(金)114.1km 赤木川清流コース 10時50分新宮駅前スタート
新宮駅前をパレードスタートして熊野川沿いを走り周回コースへ。およそ平坦だが、折り返し地点前後の狭く起伏のある箇所と、S/Fライン手前のKOM付近の狭い急坂がポイント。例年10人前後の逃げができて熾烈な戦いになる。雨天の予報もあいまって、サバイバルレースになる可能性が高い。総合上位を狙うチームは、先頭集団へ必ず選手を送り込んでおかねばならない。昨年は辻善光が劇的勝利を挙げた。もちろんスプリンターに有利なコースだ。観戦はS/FラインおよびKOM周辺がいいだろう。
第2ステージ 5月28日(土)109.3km 熊野山岳コース 10時15分熊野倶楽部スタート
国内有数の山岳コースがこの熊野の第2ステージだ。細く長い上り、それに加えコケむした滑りやすい下り。例年主催者側でコケを焼いているが、雨模様のこの期間、コケがあると思ったほうがいい。国内で最も難易度の高い下りを誇り、峠を通過した情勢だけで判断できないのがこのステージ。山岳ステージなのでもちろん山岳を得意とする選手が有利。昨年は佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)がミズロフと平塚吉光を下して優勝。今年は佐野に加え、昨年4位の福島晋一(テレンガヌ・プロ・アジア・サイクリングチーム)、清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)、畑中勇介(シマノレーシング)らが有力だ。観戦は千枚田周辺がいい。ゴールを見ないのならば選手を3回見られる。
第3ステージ 5月29日(日)100km 太地半島周回コース 11時10分スタート
太地半島を周回するジェットコースターのような名コース。過去にこのステージで総合成績が逆転したことが多いが、この2年間は安泰の結果になっている。常に逃げが発生し、どの逃げがゴールに届くかが見どころ。例年、途中までに雨のステージが続いても、この太地だけは晴れている。今年の天候は?観戦するならばS/Fラインから漁港、KOMまであたりだ。
今年は日本人が総合優勝なるか
UCIレースになってから2008年は清水都貴、2009年ヴァレンティン・イグリンスキー、2010年アンドレイ・ミズロフが総合優勝している。この大会で総合優勝するには、高い登坂能力があることが前提。展開によっては上れるスピードマンタイプも有利に。有力なのは福島、畑中、清水都貴、西谷、佐野あたりだろう。
チームでは香港チームが元・現スクラッチ世界チャンピオンのワン・カンポーとコー・ホーティンを揃え注目だ。海外からは合計5チーム参加だが、伝え聞くところでは、日本の放射能の状況を理解した上で参加したい旨を伝えてきたチームたちだという。日本の現状に理解を示し来日する海外チームへぜひ応援をお願いしたい。
国内ではほかに鹿屋体育大学、ユーラシア、シエルヴォ奈良、実業団選抜、西日本学連選抜らも参加、熱戦が期待される。
以下にエントリーリストを示そう。
なお、ライセンスコントロールを経て出場選手は確定される。26日(木)昼過ぎには判明するはずだ。そのため特に海外選手名は変更になる可能性が高い。
Terengganu Pro-Asia Cycling Team
福島晋一、奈良基、CHAN Jae JANG、PHUCHONG Sai-Udomsin、KIM Do Hyeong
香港チーム
WONG Kam Po、KWOK Ho Ting、YEUNG Ying Hon、WONG Chung Yan、CHEUNG King Lok、CHEUNG King Wai
チームブリヂストン・アンカー
伊丹健治、山本雅道、清水都貴、清水良行、井上和郎、金子友也
愛三レーシングチーム
西谷泰治、品川真寛、盛一大、福田真平、伊藤雅和、木守望
GIANT KENDA CYCLING TEAM
HUANG Chin Lung、YANG Chia Hong、HUANG Wen Chung、CHU Fan Hsin、PENG Kuei Hsiang、CRAWFORD Jai
シマノレーシング
鈴木真理、畑中勇介、鈴木譲、村上純平、青柳憲輝、西薗良太
ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO
BARIANI Fortunato、菊池誠亮、MULAGLIA Giuseppe、RICHEZE Ariel Maximiliano、佐野淳哉
CHINESE TAIPEI NATIONAL TEAM
HSIEH Wen Chan、HUANG Kun Hung、CHEN Cheng Yen、HUANG Shih Chang、WU Po Hung、HUANG Hsin Hua
宇都宮ブリッツェン
廣瀬佳正、中村誠、増田成幸、辻善光、初山翔、若杉厚仁
パールイズミ・スミタ・ラバネロ
栂尾大知、藤岡克磨、鈴木良則、上村領佑
湘南ベルマーレ
山根理史、小室雅成、平林昌樹、斉藤祥太、武田耕大、原川浩介
なるしまフレンドレーシングチーム
岩島啓太、小畑郁、櫻井一輝、山本健一、若生正剛
鹿屋体育大学
野中竜馬、高宮正嗣、野口正則、黒枝士揮、山本元喜、徳田鍛造
チームユーラシア・フォンドリエストバイクス
大塚航、藤岡徹也、外勢健一朗、中山卓士、大場政利
シエルヴォ奈良プロサイクリングチーム
辻貴光、松村光浩、高塚亮輔、澤田賢匠
TEAM JBCF
高橋義博、五百旗頭晃、中野清太郎、向山浩司
西日本学生選抜
野末秀志、河賀雄大、木村圭祐、吉岡直哉、奥村将徳、福田高志
photo&text:高木秀彰
協力:ツール・ド・熊野実行委員会
Amazon.co.jp