ツアー・オブ・カリフォルニア第7ステージは、今大会のクイーンステージ。総合リーダーのクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)とリーヴァイ・ライプハイマー(同)が2人が逃げて同時フィニッシュ。ライプハイマーがステージ優勝し、ホーナーがリーダーを守った。

9人の逃げグループは約2分の差を保って走り続けた9人の逃げグループは約2分の差を保って走り続けた (c)CorVosマウント・バルディー頂上にゴールする今大会の最難関ステージ。レースはスタート直後から激しく動いた。10km地点を過ぎて9人の逃げグループが形成される。

逃げた9人
クリス・フルーム(イギリス、チームスカイ)
ベン・スウィフト(イギリス、チームスカイ)
グリシャ・ニアマン(ドイツ、ラボバンク)
アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
フランチェスコ・べロッティ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
ジョージ・ヒンカピー(アメリカ、BMCレーシング)
アレクサンドル・エフィムキン(ロシア、チームタイプ1)、
ジョナサンパトリック・マッカーティー(アメリカ、スパイダーテック)
ロブ・ブリットン(カナダ、ビッセル)

美しい景観が広がるコースを走る美しい景観が広がるコースを走る (c)CorVos逃げ集団を形成した9人からスウィフトが遅れ、レイダー・ヘジダル(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)が加わる。これでガーミン・サーヴェロは2人体制となり、とくに上りに強いエース級のヘジダルでステージ優勝を狙う動きで、レディオシャックにプレッシャーを掛ける。

9人は最初の山岳ポイントで後続に2分の差をつける。マッカーティーが山岳賞ジャージを確実にするための先頭通過を果たす。フルームガ脱落し、逃げは8人に。

このステージでもプロトンのペースをコントロールしたのはレディオシャック。メイン集団の先頭を固め、ペースをコントロールしながらタイム差を2分程度に保ち続ける。山頂ゴールへむけて強い意欲を見せる。

ヒンカピーらを含む逃げた9人の逃げグループヒンカピーらを含む逃げた9人の逃げグループ (c)CorVosゴールまで残り40kmを切ってタイム差は1分50秒程度。メイン集団の動きが活発になる。レディオシャックばかりが担当した先頭牽引に加わったのが、アンディ・シュレクでステージを狙うであろうレオパード・トレック。
この2強チームのペースアップと、夏のような暑さについていけず、、集団から選手が次々と脱落する。ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)もこのなかに含まれた。

逃げグループの先頭ではマッカーティーが第2山岳ポイントも先頭で通過し、山岳ジャージをほぼ確実にする。逃げ集団ではレイダー・ヘジダルが積極的に前を引く。

残り20km。山頂ゴールの待つマウント・バルディーの登りが迫ると、集団の数は約20人ほどに絞られる。前にを逃げレディオシャックがペースを作ってステージ優勝への意欲を見せるレディオシャックがペースを作ってステージ優勝への意欲を見せる (c)CorVosるグループは6人を残す。

残り8kmを切ってステージ制覇を狙うレディオシャックの3人、ホーナー、ライプハイマー、マシュー・ブシェがペースを上げると、ゴールまで残り5kmで追走メイン集団は次の8人に絞られた。

レディオシャック:ブッシェ・ホーナー・ライプハイマー
アンディ・シュレク(ルクセンブルグ、レオパード・トレック)
タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)
スティーブ・モラビート(スイス、BMC)
トーマス・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
クリスチャン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)

前を行く逃げグループはタランスキー、ベロッティ、エフィムキンの3人に絞られるが、エフィムキンがアタックして粘る。しかしそれもレディオシャックのペースアップに飲み込まれてしまった。

ラスト4kmで先頭集団はホーナー、ライプハイマー、テンダム、そしてアンディ・シュレクの4人になるが、アンディは時折遅れて苦しんでいた。

そしてホーナーとライプハイマーがペースを上げると、すぐさま差は開き、2人は協調して逃げる体制を固めた。テンダムが粘るが、残り2kmはふたりのランデブーに。

リーヴァイ・ライプハイマーとクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)がワン・ツーフィニッシュリーヴァイ・ライプハイマーとクリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)がワン・ツーフィニッシュ (c)CorVos

ステージ優勝のリーヴァイ・ライプハイマーを讃えるクリス・ホーナーステージ優勝のリーヴァイ・ライプハイマーを讃えるクリス・ホーナー (c)CorVosゴールはリーダージャージのホーナーがチームリーダーのライプハイマーにステージ優勝を譲り、のワン・ツーフィニッシュ。ホーナーは総合のリードをさらに広げ、ライプハイマーに対して38秒、ダニエルソン(ガーミン・サーヴェロ)に対して2分45秒に広げた。この後のステージの難易度的には、余程のことがなければ安全圏とも言っていい。


ライプハイマーのコメント
なんて素晴らしい日なんだ。天気、設定、景色、観客、そしてとくにコース。ラスト6kmは世界でも有数のタフさだった。高度があって、道が荒れていた。こんなハードなコースでは、高いフィットネスレベルが要求される。チームは完璧だった。ライプハイマーは北米日産から5000ドルの賞金を贈られたライプハイマーは北米日産から5000ドルの賞金を贈られた (c)CorVos

こんなにすべてが揃うことはそうそうない。今日の体験はすべてがパーフェクトだった。
僕らは多くを話さなかったけれど、完全に意思疎通が出来ていた。レディオシャックは素晴らしい。クリスと一緒に、ステージ優勝のためにレースができた。チームに感謝するよ。


最終となる第8ステージはサンタ・クラリタ~サウザンド・オークス129.1km。アップダウンに富んだアタッカー向きのステージだ。総合順位はまだシャッフルする可能性が残されている。


ツアー・オブ・カリフォルニア2011 第7ステージ 結果
1位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック) 3h33'01"
2位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック)
3位 ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)          +43"
4位 トーマス・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +01'01"
5位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)     +01'21"
6位 アレクサンドル・エフィムキン(ロシア、チームタイプ1)
7位 ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTCハイロード) +01'29"
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +01'39"
9位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)
10位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)


個人総合成績
1位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック) 20h50'02"
2位 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、レディオシャック)  +38"
3位 トーマス・ダニエルソン(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +02'45"
4位 クリスティアン・ヴァンデヴェルデ(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)+03'18"
5位 ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTCハイロード) +03'23"
6位 ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク)      +03'26"
7位 ローリー・サザーランド(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア) +04'12"
8位 アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック) +04'33"
9位 スティーブ・モラビート(スイス、BMCレーシング)     +04'50"
10位 レイダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)  +06'16"


スプリント賞
ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)


山岳賞
ジョナサンパトリック・マッカーティー(アメリカ、チームスパイダーテック)


新人賞(1988年1月1日以降生まれが対象)
タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、チームHTC・コロンビア)



text:Makoto.AYANO
photo:CorVos