2011/05/12(木) - 12:04
再び動き始めたジロ・デ・イタリア。全長191kmの第5ステージでの最大の難所は、3区間合計19kmにわたるダート区間。白い土煙が舞い、ロードレースとは思えない光景だった。落車も多発し、一瞬ひやりとさせるシーンもあった。
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
ステージ優勝とマリアローザを手中に収めたピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)
今回の勝利は、最上級のハイライトだ。2005年のツール・ド・フランス第8ステージでの勝利もハイライトといえるけど、今回の勝利はすばらしい。すばらしいなんてもんじゃないね。でも、ツールでのステージ優勝の体験のほうが少しだけ上まわっている。マリアローザはかなり特別なことなんだけど。今日の勝利は素直に喜びたい。こういう大きなレースでのいい成績は望ましい。ステージ優勝は憧れだ。ほかの200人近くの選手にとっても同じことだろう。
最後の未舗装区間に入ったとき、ぼくは前にいたかった。でも、うまくいかなかった。だから下りで先頭に出た。そこで、いい感触だったから、そのまま走り続けたんだ。ぼくが有利だったのは、このルートを去年から覚えたことと、シクロクロス選手としての経験が少しあったことだ。今日はぼくにとってすばらしい一日だったし、ジロに出場したことは間違っていなかった。もうこれでプレッシャーが減ったから、もっといい結果が出せるかも知れない。(ラボバンクのプレスリリース)
「攻撃は最大の防御」を意識した。ダート区間で集団に残っていたら、なにも得られなかっただろう。だからアタックした。ゴール地点でのアタックには慣れていたけれど、それで結局涙を呑むことになるのが心配だった。後半の最後の登りがいくぶん楽だとわかって、そこでふんばることにしたんだ。マリアローザは守るつもりだし、できる限り着続けたいと思っているよ。
もちろん、これはウェイラントに捧げる勝利だ。レースの最初のほうは感情面でかなりつらかった。でもレースは続いた。ウェイラントの身に起こったことは、自転車競技史上有数の劇的なできごとだ。でも、あれは事故だったんだ。
(自転車を始めたきっかけは?)
父が自転車の大ファンだったし、地元ではクリテリウムがよく開催されていた。12歳で小さなクラブに加入して、自転車競技が気に入ったんだ。
(未舗装路は危険だった?)
未舗装路は難しいけれど、これがレースなんだ。だから前にいて、最終的には勝つことができた。
ぼくのような選手が勝つのは難しい。山がないステージではゴールスプリントになることが多いから。なんとか有利な立場や幸運な状態に持ちこんで、やっと勝利をつかめるんだ。
2005年のツールで勝利が、ぼくのキャリアでは初の大きな勝利だった。だから忘れられない。でもこのジロでの勝利のおかげで、ぼくはマリア・ローザを着ることができた。オルヴィエートは絶対に忘れないよ。(記者会見)
落車の影響で大きく遅れたデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)
過酷な一日だった。ばかげた落車をしてしまった。それにイタリアのこの地域ではいつもアレルギーが出るんだ。だから今日の調子はよくなかった。
(第3ステージのあった)月曜の夜は、タイラー(ファラー)につき添っていた。彼は打ちひしがれていて、夕食に降りてくる気力もなかった。ウェイラントは彼にとって兄弟のようだったからね。タイラーは強い男だけれど、今回は子どものようだった。早く立ち直ってくれたらと思う。
途中までの単独走で山岳賞を獲得したマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)
こんな大きなレースでキャリア初の山岳ジャージを獲得できたなんて信じられないよ。長い1日だった。ひとりきりで走るのは楽しくなかった。未舗装路の登りは斜度がほんとうにきつくて、持ちこたえられなかった。後輪がずっとスリップしていたんだよ。あれで、かなりタイムを失ってしまったね。
総合2位に2秒差で肉薄するマルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード)
脅威に感じていたのは別のステージのほう。今日のステージは、ほぼ完璧に走れた。未舗装区間はそんなに厳選されたコースじゃなかったね。
未舗装区間のほとんどが下りだったので、去年よりずっと危険だった。個人的な意見だけど、ちょっとやり過ぎだね。
未舗装区間の下りで集団に先行したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
昨年経験したリスクを抑えようとした。考えたのは、ずっと集団前方に位置取りすることだったんだ。
下りにさしかかったとき、ひとりで行くことにした。というのも、少なくともこういう道でミスしたとしても、それは自分のせいで、誰かのせいにはならない。自分次第ということにしたかったんだ。
(未舗装区間には)最高のチームメイト、カペッキとアニョーリと一緒に挑んだ。難しいステージだったけれど、うまく乗り越えられたと思う。危険はすべて回避しようとしたんだ。だから今、チームに満足している。
77位で無事完走した別府史之(日本、レディオシャック)
結構な激坂でコースは砂埃、パンク、渋滞と落車で大変なことになっていた。自分もパンクで出遅れてしまって前の集団に乗ることは出来なかった。イタリアは本当にエキサイティングところだよ。
translation &text : Seiya Yamasaki
photo : Kei Tsuji, Riccardo Scanferla, Graham Watson, Cor Vos
ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、主催新聞ガゼッタ・デッロ・スポルト紙、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
ステージ優勝とマリアローザを手中に収めたピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)
今回の勝利は、最上級のハイライトだ。2005年のツール・ド・フランス第8ステージでの勝利もハイライトといえるけど、今回の勝利はすばらしい。すばらしいなんてもんじゃないね。でも、ツールでのステージ優勝の体験のほうが少しだけ上まわっている。マリアローザはかなり特別なことなんだけど。今日の勝利は素直に喜びたい。こういう大きなレースでのいい成績は望ましい。ステージ優勝は憧れだ。ほかの200人近くの選手にとっても同じことだろう。
最後の未舗装区間に入ったとき、ぼくは前にいたかった。でも、うまくいかなかった。だから下りで先頭に出た。そこで、いい感触だったから、そのまま走り続けたんだ。ぼくが有利だったのは、このルートを去年から覚えたことと、シクロクロス選手としての経験が少しあったことだ。今日はぼくにとってすばらしい一日だったし、ジロに出場したことは間違っていなかった。もうこれでプレッシャーが減ったから、もっといい結果が出せるかも知れない。(ラボバンクのプレスリリース)
「攻撃は最大の防御」を意識した。ダート区間で集団に残っていたら、なにも得られなかっただろう。だからアタックした。ゴール地点でのアタックには慣れていたけれど、それで結局涙を呑むことになるのが心配だった。後半の最後の登りがいくぶん楽だとわかって、そこでふんばることにしたんだ。マリアローザは守るつもりだし、できる限り着続けたいと思っているよ。
もちろん、これはウェイラントに捧げる勝利だ。レースの最初のほうは感情面でかなりつらかった。でもレースは続いた。ウェイラントの身に起こったことは、自転車競技史上有数の劇的なできごとだ。でも、あれは事故だったんだ。
(自転車を始めたきっかけは?)
父が自転車の大ファンだったし、地元ではクリテリウムがよく開催されていた。12歳で小さなクラブに加入して、自転車競技が気に入ったんだ。
(未舗装路は危険だった?)
未舗装路は難しいけれど、これがレースなんだ。だから前にいて、最終的には勝つことができた。
ぼくのような選手が勝つのは難しい。山がないステージではゴールスプリントになることが多いから。なんとか有利な立場や幸運な状態に持ちこんで、やっと勝利をつかめるんだ。
2005年のツールで勝利が、ぼくのキャリアでは初の大きな勝利だった。だから忘れられない。でもこのジロでの勝利のおかげで、ぼくはマリア・ローザを着ることができた。オルヴィエートは絶対に忘れないよ。(記者会見)
落車の影響で大きく遅れたデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)
過酷な一日だった。ばかげた落車をしてしまった。それにイタリアのこの地域ではいつもアレルギーが出るんだ。だから今日の調子はよくなかった。
(第3ステージのあった)月曜の夜は、タイラー(ファラー)につき添っていた。彼は打ちひしがれていて、夕食に降りてくる気力もなかった。ウェイラントは彼にとって兄弟のようだったからね。タイラーは強い男だけれど、今回は子どものようだった。早く立ち直ってくれたらと思う。
途中までの単独走で山岳賞を獲得したマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム)
こんな大きなレースでキャリア初の山岳ジャージを獲得できたなんて信じられないよ。長い1日だった。ひとりきりで走るのは楽しくなかった。未舗装路の登りは斜度がほんとうにきつくて、持ちこたえられなかった。後輪がずっとスリップしていたんだよ。あれで、かなりタイムを失ってしまったね。
総合2位に2秒差で肉薄するマルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード)
脅威に感じていたのは別のステージのほう。今日のステージは、ほぼ完璧に走れた。未舗装区間はそんなに厳選されたコースじゃなかったね。
未舗装区間のほとんどが下りだったので、去年よりずっと危険だった。個人的な意見だけど、ちょっとやり過ぎだね。
未舗装区間の下りで集団に先行したヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)
昨年経験したリスクを抑えようとした。考えたのは、ずっと集団前方に位置取りすることだったんだ。
下りにさしかかったとき、ひとりで行くことにした。というのも、少なくともこういう道でミスしたとしても、それは自分のせいで、誰かのせいにはならない。自分次第ということにしたかったんだ。
(未舗装区間には)最高のチームメイト、カペッキとアニョーリと一緒に挑んだ。難しいステージだったけれど、うまく乗り越えられたと思う。危険はすべて回避しようとしたんだ。だから今、チームに満足している。
77位で無事完走した別府史之(日本、レディオシャック)
結構な激坂でコースは砂埃、パンク、渋滞と落車で大変なことになっていた。自分もパンクで出遅れてしまって前の集団に乗ることは出来なかった。イタリアは本当にエキサイティングところだよ。
translation &text : Seiya Yamasaki
photo : Kei Tsuji, Riccardo Scanferla, Graham Watson, Cor Vos
フォトギャラリー
Amazon.co.jp