2011/05/12(木) - 09:41
ジロ・デ・イタリア第5ステージは通常通りのレースが行われ、終盤に飛び出したピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)が未舗装路が連続する厳しいステージで逃げ切り勝利を挙げてマリアローザも手中に収めた。
ワウテル・ウェイラント(ベルギー、レオパード・トレック)を悼んでニュートラリゼーションがとられた第4ステージから一夜明け、ジロは再び男たちの闘いの舞台と化した。この日はピオンビーノ〜オルヴィエートの191km。レース終盤の3級山岳に3つの剥き出しの未舗装路が設定され、有力選手の脱落を含む厳しいレースが予想された。
この日、ウェイラントを失ったレオパード・トレックチームと親友タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)の姿はジロになかった。共に深い傷を抱えた彼らは、ジロに最大限の敬意を払いつつ、サーキットから離れる苦渋の選択をした。
地中海の眩しい太陽の下、197名の選手がスタートを切った。すると12km地点で早速アタックが成功。単独で集団と競うことを選んだのはマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシング)。集団は未舗装路を警戒してか、その差が12分を超えるまで追うそぶりを見せない。
117km地点の1つめの3級山岳(舗装路)までに集団はコーラーとの差を8分前後でコントロール。しかし集団ではこの日、落車が多発。マリアローザを着るデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)が先行する選手に後ろから激突するなど、どこか集団内が落ち着かなさを見せる。
ハビエル・アラメンディア(スペイン、エウスカルテル)がアタックを仕掛ける場面も見られたが、集団を突き放すには至らず。コーラー対大集団の構図は152km地点の未舗装路区間、3級のクローチェ・ディ・フィギーネが始まるまで続くことになる。
最大勾配15%の未舗装路という常識外れの坂に、勢いを止められたコーラー。一方5分遅れで未舗装路に入った集団ではヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、レディオシャック)が早速のアタック。これは決まらないが、有力選手が軒並み前でテンポを刻みコーラーとの差を詰める結果に。
クローチェ・ディ・フィギーネを単独先頭で通過したコーラーは山岳賞マリアヴェルデの獲得を決定。未舗装路の下りへ入っていく。集団では下りのスペシャリスト、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)が危険回避で前に出る場面もあったが、残り28km地点で意志あるアタックから前へ出たのはブラム・タンキンク(オランダ、ラボバンク)とダリオ・カタルド(イタリア、クイックステップ)の2名。
さらに残り25km地点ではジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル)が集団からアタックすると、ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)がすかさずチェック。前を行くタンキンクのサポートにまわる。
しかし追走のカタルドが単独で未舗装路の路肩にはまり落車すると、続くようにタンキンクも独りで落車。2人からなる第1追走グループは2回の落車で潰えてしまう。替わりに第1追走グループに躍り出たのはガドレとウェーニング。シクロクロスの名手でオフロードを苦としないガドレになんとか食らいつくウェーニング。ラボバンクの勝負カードとしての役割が巡ってきた。
残り10kmでコーラーに追いついたウェーニングとガドレ。ゴール前の登りでクライマーのガドレを連れて行きたくないルーラーのウェーニング、残り9kmでアタック。疲弊したコーラー除くと、ウェーニング対ガドレの一騎打ちの構図だが、軽量級ガドレは平地でウェーニングに追いすがることができない。
残り6kmでメイン集団はミケーレ・スカルポーニ(イタリア)擁するランプレ・ISDが牽引を開始。しかし人数を揃えるメイン集団に対し、ウェーニングは逆に残り3kmで40秒の差を稼ぎ出した。ガドレはこの時点で集団に戻っている。
残り2kmから始まる勾配のきつい登り坂を着実に登るウェーニング。一方のメイン集団ではステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)やアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)、トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)、スカルポーニやニーバリら総合の有力選手が前に顔を揃える。
残り1.5kmでスカルポーニがアタックを仕掛けるも、間にはさまる下りでロヴクヴィストに抑え込まれ、集団はひとつのまま。ミケルニエベ・イトゥラルデ(スペイン、エウスカルテル)のアタックもあったが成功せず、そしてそのまま集団はお見合い状態でゴールへ。
その頃独走でウェーニングがゴールラインに飛び込んだ。2005年のツール・ド・フランスで区間優勝の栄光を知る30歳がグランツールで再びの栄光を喜んだ。メイン集団の先頭はファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、ジェオックス)。主要な有力選手は軒並みこの集団でゴールしている。
ミラーが遅れたため、マリアローザはウェーニングの手に渡った。ラボバンクはタンキンクの他に、トムイェルテ・スラグテル(オランダ)がひどく落車し病院へ搬送される事態となっており、チームに明るい光を差し込む勝利となった。
ジロ・デ・イタリア2011第5ステージ結果
1位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク) 4h54'49"
2位 ファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、ジェオックス) +8"
3位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)
4位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、ガーミン・サーヴェロ)
5位 オスカル・ガット(ファルネーゼ・ヴィーニ)
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)
8位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレISD)
9位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
10位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)
77位 別府史之(日本、レディオシャック) +6'44"
個人総合成績
1位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク) 14h59'33"
2位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード) +2"
3位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、HTC・ハイロード)
4位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、ガーミン・サーヴェロ) +5"
5位 パブロ・ラストラス(スペイン、モビスター) +22"
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) +24"
7位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレISD) +26"
8位 ステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク) +28"
9位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク) +30"
10位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) +33"
74位 別府史之(日本、レディオシャック) +8'07"
ポイント賞 マリアロッサ・パッシオーネ
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
山岳賞 マリアヴェルデ
マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシング)
新人賞 マリアビアンカ
ステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク)
チーム総合成績
アスタナ
text :Yufta Omata
photo : CorVos
ワウテル・ウェイラント(ベルギー、レオパード・トレック)を悼んでニュートラリゼーションがとられた第4ステージから一夜明け、ジロは再び男たちの闘いの舞台と化した。この日はピオンビーノ〜オルヴィエートの191km。レース終盤の3級山岳に3つの剥き出しの未舗装路が設定され、有力選手の脱落を含む厳しいレースが予想された。
この日、ウェイラントを失ったレオパード・トレックチームと親友タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)の姿はジロになかった。共に深い傷を抱えた彼らは、ジロに最大限の敬意を払いつつ、サーキットから離れる苦渋の選択をした。
地中海の眩しい太陽の下、197名の選手がスタートを切った。すると12km地点で早速アタックが成功。単独で集団と競うことを選んだのはマルティン・コーラー(スイス、BMCレーシング)。集団は未舗装路を警戒してか、その差が12分を超えるまで追うそぶりを見せない。
117km地点の1つめの3級山岳(舗装路)までに集団はコーラーとの差を8分前後でコントロール。しかし集団ではこの日、落車が多発。マリアローザを着るデーヴィット・ミラー(イギリス、ガーミン・サーヴェロ)が先行する選手に後ろから激突するなど、どこか集団内が落ち着かなさを見せる。
ハビエル・アラメンディア(スペイン、エウスカルテル)がアタックを仕掛ける場面も見られたが、集団を突き放すには至らず。コーラー対大集団の構図は152km地点の未舗装路区間、3級のクローチェ・ディ・フィギーネが始まるまで続くことになる。
最大勾配15%の未舗装路という常識外れの坂に、勢いを止められたコーラー。一方5分遅れで未舗装路に入った集団ではヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、レディオシャック)が早速のアタック。これは決まらないが、有力選手が軒並み前でテンポを刻みコーラーとの差を詰める結果に。
クローチェ・ディ・フィギーネを単独先頭で通過したコーラーは山岳賞マリアヴェルデの獲得を決定。未舗装路の下りへ入っていく。集団では下りのスペシャリスト、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)が危険回避で前に出る場面もあったが、残り28km地点で意志あるアタックから前へ出たのはブラム・タンキンク(オランダ、ラボバンク)とダリオ・カタルド(イタリア、クイックステップ)の2名。
さらに残り25km地点ではジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル)が集団からアタックすると、ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク)がすかさずチェック。前を行くタンキンクのサポートにまわる。
しかし追走のカタルドが単独で未舗装路の路肩にはまり落車すると、続くようにタンキンクも独りで落車。2人からなる第1追走グループは2回の落車で潰えてしまう。替わりに第1追走グループに躍り出たのはガドレとウェーニング。シクロクロスの名手でオフロードを苦としないガドレになんとか食らいつくウェーニング。ラボバンクの勝負カードとしての役割が巡ってきた。
残り10kmでコーラーに追いついたウェーニングとガドレ。ゴール前の登りでクライマーのガドレを連れて行きたくないルーラーのウェーニング、残り9kmでアタック。疲弊したコーラー除くと、ウェーニング対ガドレの一騎打ちの構図だが、軽量級ガドレは平地でウェーニングに追いすがることができない。
残り6kmでメイン集団はミケーレ・スカルポーニ(イタリア)擁するランプレ・ISDが牽引を開始。しかし人数を揃えるメイン集団に対し、ウェーニングは逆に残り3kmで40秒の差を稼ぎ出した。ガドレはこの時点で集団に戻っている。
残り2kmから始まる勾配のきつい登り坂を着実に登るウェーニング。一方のメイン集団ではステファノ・ガルゼッリ(イタリア、アックア・エ・サポーネ)やアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)、トーマス・ロヴクヴィスト(スウェーデン、チームスカイ)、スカルポーニやニーバリら総合の有力選手が前に顔を揃える。
残り1.5kmでスカルポーニがアタックを仕掛けるも、間にはさまる下りでロヴクヴィストに抑え込まれ、集団はひとつのまま。ミケルニエベ・イトゥラルデ(スペイン、エウスカルテル)のアタックもあったが成功せず、そしてそのまま集団はお見合い状態でゴールへ。
その頃独走でウェーニングがゴールラインに飛び込んだ。2005年のツール・ド・フランスで区間優勝の栄光を知る30歳がグランツールで再びの栄光を喜んだ。メイン集団の先頭はファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、ジェオックス)。主要な有力選手は軒並みこの集団でゴールしている。
ミラーが遅れたため、マリアローザはウェーニングの手に渡った。ラボバンクはタンキンクの他に、トムイェルテ・スラグテル(オランダ)がひどく落車し病院へ搬送される事態となっており、チームに明るい光を差し込む勝利となった。
ジロ・デ・イタリア2011第5ステージ結果
1位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク) 4h54'49"
2位 ファビオアンドレス・ドゥアルテ(コロンビア、ジェオックス) +8"
3位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)
4位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、ガーミン・サーヴェロ)
5位 オスカル・ガット(ファルネーゼ・ヴィーニ)
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク)
8位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレISD)
9位 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)
10位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、アスタナ)
77位 別府史之(日本、レディオシャック) +6'44"
個人総合成績
1位 ピーター・ウェーニング(オランダ、ラボバンク) 14h59'33"
2位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード) +2"
3位 カンスタンティン・シウトソウ(ベラルーシ、HTC・ハイロード)
4位 クリストフ・ルメヴェル(フランス、ガーミン・サーヴェロ) +5"
5位 パブロ・ラストラス(スペイン、モビスター) +22"
6位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス) +24"
7位 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレISD) +26"
8位 ステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク) +28"
9位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク) +30"
10位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ) +33"
74位 別府史之(日本、レディオシャック) +8'07"
ポイント賞 マリアロッサ・パッシオーネ
アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD)
山岳賞 マリアヴェルデ
マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシング)
新人賞 マリアビアンカ
ステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク)
チーム総合成績
アスタナ
text :Yufta Omata
photo : CorVos
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