2011/04/11(月) - 21:27
パリ~ルーベのサプライズ勝者ヨハン・ファンスーメレン(ガーミン・サーヴェロ)は石畳のトロフィーを彼女にプレゼントしてプロポーズ。ファビアン・カンチェラーラ(レオパード・トレック)は追走に協力しなかったフースホフトとバッランに対して厳しいが、全力を尽くしての2位に満足しているようだ。
優勝したヨハン・ファンスーメレン(ガーミン・サーヴェロ) レース後の共同記者会見にて
先頭グループにいたときから、僕に勝つチャンスがあると思っていた。今日の僕の脚は凄い仕上がりだった。カンチェラーラのような偉大な選手の前で勝つことは素晴らしいことだ。
カルフール・ド・ラルブルでは全開だった。その後、脚が痛くなって堪らなかった。そしてラスト5kmでタイヤがスローパンクしていたんだ。もちろんホイールを交換している隙がないことは分かっていたからそのまま走り続けたんだ。ルーベ競技場のトラックの難しいコーナーで滑らないように走るのは難しかった。
ゴールしたときは、思わず「あぁ、やれやれ」って声が出た。練習の時ときどきスペアチューブを持たずに走って同じ経験をしていたから、今回はそれが役立ったよ(笑)。
僕は世界で最高に幸せな男だ。パリ~ルーベは一番僕に向いているレースなんだ。このレースは僕のためにあるようなもの。僕はスプリンターではないので爆発力は無いし、クライマーと呼べるほどの登坂力も持ち合わせていない。ペダルにただ力を込め続けるパリ~ルーベは僕にぴったりなんだ。
-- 今日の作戦は事前にはどんなものだった?
今日僕はトール(フースホフト)のために走った。作戦では前を逃げてトールを助けることだった。カルフール・ド・ラルブルでまだトールが追いついてこなかったから、僕自身のカードを切る決心をしたんだ。
あの逃げ集団に追いついてからは、すぐに僕がいちばん強いと気づいていた。作戦ではトールを待つことだった。そして同時に僕自身が強いことに気づいていた。
このレースのことは今後の人生で忘れないだろう。でもそれで僕が変わるわけじゃない。僕は自分ができること、できないことを知っている。これは僕にとって、そしてチームにとって大きな勝利だ。
-- (ガールフレンドのジャスミン・ファングリーケンさんにゴール後プロポーズしたこと)
「Marry Me!」 と結婚を申し込んだ。すると彼女も「Yes!」 結婚しようと言ってくれた。人はプロポーズのために指輪を贈るけど、僕は石(のトロフィー)を彼女にプレゼントしたんだ!
ファビアン・カンチェラーラ(レオパード・トレック)レース後のTVの共同記者会見
-- 今の気持ちは?
とても嬉しい。サンレモでの2位、ロンドでの3位、E3プライスでの優勝、そしてこのルーベでの2位。勝利と同じぐらい価値のある2位だと思う。
-- 他の選手達はあなたに対してのレースをしていた?
その質問は他の選手達に訊かなければいけないね。僕の意見では「イエス」だ。
彼らには前を引くよう要求したんだ。先頭グループに追いつけば、彼らにもチャンスはあったというのに。でも彼らは協力しなかった。仮にあのまま前を引き続けていれば、僕に勝利のチャンスは回って来なかった。フースホフトとバッランは、勝つことを考えていなかったんだろう。彼らは「僕はカンチェラーラと一緒だ」と言ったんだ。
もし僕がコーヒーを飲むためにストップしたら、彼らも同じように停まっただろうね。優勝候補たちのレースとはそんなものだった。
そして僕は前を引かないようにした。それはポーカーゲームだった。ゴールまでフースホフトとバッランに僕の後輪につくことをやすやすと許すわけにいかない。
こんな状況でのレースなら、2位は勝利のようなものだ。自分自身の走りには満足している。これ以上の走りは無理だ。これ以上速くは走れない。最後までレースをするには3本目の脚が必要だったよ。
フランドル(ロンド・ファン・フラーンデレン)の後の一週間、話題は僕に関することばかりだった。そんななかで闘うのは容易じゃない。僕はプレッシャーのなか生き残ったよ。他の選手達はレースを失った。2位は、僕が生き残った証だ。
-- ラスト80kmでチームメイトがいなくなって苦しんだ? チーム力がなかったと?
いや、チームはするべきことをしてくれた。トロワヴィーユ(最初の第27セクターのパヴェ)までは完全に護ってくれた。小便にストップする際も助けてくれた。チームメイトたちは最大限助けてくれた。
僕は「ガーミンが最高のチーム力がある」と言ってきた。BMCレーシングもメンバーの濃さと質が揃っていた。ガーミンの選手たちは賢くカードを切ったし、僕らは彼らの出方に対抗して闘わなければならなかった。
-- ファンスーメレンはこのパリ~ルーベでもっとも強い選手だったと思う?
僕が一番強かったかどうかは分からないけれど、僕はいい脚をしていた。ガーミンはいいレースをした。彼らはもっとも強いチームだった。
いつでも勝つことなどできない。僕が力を出し切ったことだけは確かだ。
しかしあの僕の位置から闘うのは難しかった。ヨハンが彼のレースを始めるまで、僕はライバルたちにブロックに次ぐブロックを受けていた。ふるい落としにかかってから、タイム差は1分20秒、50秒、30秒、そして1分になったとき、ヨハンは自分のカードを切った。
パリ~ルーベに勝つには脚が必要だ。彼にはそれがあった。僕も最大限に力を使って闘った。それがもっとも大事なことだ。ヨハンがチャンピオンになったことに僕はハッピーだよ。それはサイクリングにっていいことだ。彼は朝起きて「チームの為に働こう」と思った。そして彼はパリ~ルーベに勝った。彼にとっては最高のことだと思う。
-- 来年もパリ~ルーベを走る?それとも別のレースを目標にする? そして翌週のアムステルゴールドは走る?
レースが終わって4,5分後には来年のことを考えていた。僕には新しい目標が必要だ。でも今はとにかく休息が必要だ。来週は今まで抱えてきたプレッシャーを蒸発させる。次のレースについては、他の選手達とも相談して決めたい。
ルーベを愛している。リエージュ(~バストーニュ~リエージュ)のためにルーベを欠場することはファンが許さないだろう。今は休んで体力を回復させ、次のレースカレンダーのことを考えたい。今はこの先のクラシックのことを話す時じゃない。しかしルーベを走らないなんてことは想像できない。
マーティン・チャリンギ(ラボバンク)ゴール後のTVインタビューにて
今までの人生で最高のレースをした。4位に終わらず、ポディウムに上ることができた。この結果にはとても満足している。もちろん勝利することが最も大切な事。しかしどんなレースを走ったかが重要だ。今日は自分ができる最高の走りができた。将来このレースに勝てる可能性が示せたと思っている。
カルフール・ド・ラルブルまでは4人で走っていて、サミー(ファンスーメレン)が先頭でアタックしたとき、僕は3番目にいて反応が遅れてしまった。付いていくことができずに勝利を逃してしまったのがとても悔しい。もしあのとき着いていければ、僕には十分可能性があった。彼に着いて行ってさえいれば...。
ラスト3kmでカンチェラーラが追いついてきたとき、少し休めることを期待した。そして彼らについていっている間じゅう、ポディウムに上ることだけを考えていた。「めったにないこんな機会を逃してはならない」と自分に言い聞かせていたんだ。
text:Makoto.AYANO
優勝したヨハン・ファンスーメレン(ガーミン・サーヴェロ) レース後の共同記者会見にて
先頭グループにいたときから、僕に勝つチャンスがあると思っていた。今日の僕の脚は凄い仕上がりだった。カンチェラーラのような偉大な選手の前で勝つことは素晴らしいことだ。
カルフール・ド・ラルブルでは全開だった。その後、脚が痛くなって堪らなかった。そしてラスト5kmでタイヤがスローパンクしていたんだ。もちろんホイールを交換している隙がないことは分かっていたからそのまま走り続けたんだ。ルーベ競技場のトラックの難しいコーナーで滑らないように走るのは難しかった。
ゴールしたときは、思わず「あぁ、やれやれ」って声が出た。練習の時ときどきスペアチューブを持たずに走って同じ経験をしていたから、今回はそれが役立ったよ(笑)。
僕は世界で最高に幸せな男だ。パリ~ルーベは一番僕に向いているレースなんだ。このレースは僕のためにあるようなもの。僕はスプリンターではないので爆発力は無いし、クライマーと呼べるほどの登坂力も持ち合わせていない。ペダルにただ力を込め続けるパリ~ルーベは僕にぴったりなんだ。
-- 今日の作戦は事前にはどんなものだった?
今日僕はトール(フースホフト)のために走った。作戦では前を逃げてトールを助けることだった。カルフール・ド・ラルブルでまだトールが追いついてこなかったから、僕自身のカードを切る決心をしたんだ。
あの逃げ集団に追いついてからは、すぐに僕がいちばん強いと気づいていた。作戦ではトールを待つことだった。そして同時に僕自身が強いことに気づいていた。
このレースのことは今後の人生で忘れないだろう。でもそれで僕が変わるわけじゃない。僕は自分ができること、できないことを知っている。これは僕にとって、そしてチームにとって大きな勝利だ。
-- (ガールフレンドのジャスミン・ファングリーケンさんにゴール後プロポーズしたこと)
「Marry Me!」 と結婚を申し込んだ。すると彼女も「Yes!」 結婚しようと言ってくれた。人はプロポーズのために指輪を贈るけど、僕は石(のトロフィー)を彼女にプレゼントしたんだ!
ファビアン・カンチェラーラ(レオパード・トレック)レース後のTVの共同記者会見
-- 今の気持ちは?
とても嬉しい。サンレモでの2位、ロンドでの3位、E3プライスでの優勝、そしてこのルーベでの2位。勝利と同じぐらい価値のある2位だと思う。
-- 他の選手達はあなたに対してのレースをしていた?
その質問は他の選手達に訊かなければいけないね。僕の意見では「イエス」だ。
彼らには前を引くよう要求したんだ。先頭グループに追いつけば、彼らにもチャンスはあったというのに。でも彼らは協力しなかった。仮にあのまま前を引き続けていれば、僕に勝利のチャンスは回って来なかった。フースホフトとバッランは、勝つことを考えていなかったんだろう。彼らは「僕はカンチェラーラと一緒だ」と言ったんだ。
もし僕がコーヒーを飲むためにストップしたら、彼らも同じように停まっただろうね。優勝候補たちのレースとはそんなものだった。
そして僕は前を引かないようにした。それはポーカーゲームだった。ゴールまでフースホフトとバッランに僕の後輪につくことをやすやすと許すわけにいかない。
こんな状況でのレースなら、2位は勝利のようなものだ。自分自身の走りには満足している。これ以上の走りは無理だ。これ以上速くは走れない。最後までレースをするには3本目の脚が必要だったよ。
フランドル(ロンド・ファン・フラーンデレン)の後の一週間、話題は僕に関することばかりだった。そんななかで闘うのは容易じゃない。僕はプレッシャーのなか生き残ったよ。他の選手達はレースを失った。2位は、僕が生き残った証だ。
-- ラスト80kmでチームメイトがいなくなって苦しんだ? チーム力がなかったと?
いや、チームはするべきことをしてくれた。トロワヴィーユ(最初の第27セクターのパヴェ)までは完全に護ってくれた。小便にストップする際も助けてくれた。チームメイトたちは最大限助けてくれた。
僕は「ガーミンが最高のチーム力がある」と言ってきた。BMCレーシングもメンバーの濃さと質が揃っていた。ガーミンの選手たちは賢くカードを切ったし、僕らは彼らの出方に対抗して闘わなければならなかった。
-- ファンスーメレンはこのパリ~ルーベでもっとも強い選手だったと思う?
僕が一番強かったかどうかは分からないけれど、僕はいい脚をしていた。ガーミンはいいレースをした。彼らはもっとも強いチームだった。
いつでも勝つことなどできない。僕が力を出し切ったことだけは確かだ。
しかしあの僕の位置から闘うのは難しかった。ヨハンが彼のレースを始めるまで、僕はライバルたちにブロックに次ぐブロックを受けていた。ふるい落としにかかってから、タイム差は1分20秒、50秒、30秒、そして1分になったとき、ヨハンは自分のカードを切った。
パリ~ルーベに勝つには脚が必要だ。彼にはそれがあった。僕も最大限に力を使って闘った。それがもっとも大事なことだ。ヨハンがチャンピオンになったことに僕はハッピーだよ。それはサイクリングにっていいことだ。彼は朝起きて「チームの為に働こう」と思った。そして彼はパリ~ルーベに勝った。彼にとっては最高のことだと思う。
-- 来年もパリ~ルーベを走る?それとも別のレースを目標にする? そして翌週のアムステルゴールドは走る?
レースが終わって4,5分後には来年のことを考えていた。僕には新しい目標が必要だ。でも今はとにかく休息が必要だ。来週は今まで抱えてきたプレッシャーを蒸発させる。次のレースについては、他の選手達とも相談して決めたい。
ルーベを愛している。リエージュ(~バストーニュ~リエージュ)のためにルーベを欠場することはファンが許さないだろう。今は休んで体力を回復させ、次のレースカレンダーのことを考えたい。今はこの先のクラシックのことを話す時じゃない。しかしルーベを走らないなんてことは想像できない。
マーティン・チャリンギ(ラボバンク)ゴール後のTVインタビューにて
今までの人生で最高のレースをした。4位に終わらず、ポディウムに上ることができた。この結果にはとても満足している。もちろん勝利することが最も大切な事。しかしどんなレースを走ったかが重要だ。今日は自分ができる最高の走りができた。将来このレースに勝てる可能性が示せたと思っている。
カルフール・ド・ラルブルまでは4人で走っていて、サミー(ファンスーメレン)が先頭でアタックしたとき、僕は3番目にいて反応が遅れてしまった。付いていくことができずに勝利を逃してしまったのがとても悔しい。もしあのとき着いていければ、僕には十分可能性があった。彼に着いて行ってさえいれば...。
ラスト3kmでカンチェラーラが追いついてきたとき、少し休めることを期待した。そして彼らについていっている間じゅう、ポディウムに上ることだけを考えていた。「めったにないこんな機会を逃してはならない」と自分に言い聞かせていたんだ。
text:Makoto.AYANO
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