2011/04/10(日) - 09:39
総合争いを決する最終個人タイムトライアルで、トニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード)が最速タイムを叩き出した。僅差の総合争いの結末は、ステージ2位のアンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)に軍配。バスク地方を舞台にした6日間の闘いに幕が降ろされた。
2011年4月9日に行なわれたブエルタ・アル・パイスバスコ最終第6ステージ。コースはサジャを発着する24kmで、ちょうどコース中間の12km地点で標高310mの登りをクリアする。獲得標高差は435m。
このアップダウンコースでトップタイムを叩き出したのは、現ドイツTTチャンピオンのマルティンだった。総合115位(134名中)まで順位を下げていたマルティンは、早めのスタートで好タイムをマーク。他の選手たちの追随を許さず、ステージ優勝に輝いた。タイムは32分16秒。平均スピードは44.6km/h。
「今日の勝利の秘訣は、前半から全開で走らず、後半に100%の力をぶつけることだった。下りコーナーで減速し過ぎたけど、それ以外は上手く行ったんだ」。今シーズン5勝目を飾ったマルティンはレース後のインタビューでそう語る。。マルティンは今年ヴォルタ・アン・アルガルヴェとパリ〜ニースの個人TTで優勝し、それぞれ総合優勝に輝いている。
「この1週間の目標は、今日の個人TTで勝利することだった。それを達成することができて嬉しく思う。パリ〜ニース終了後に休息期間を設けたので、自分が今100%のコンディションではないことを分かっていた。でもレースを進めるうちにコンディションは上昇。その証明としてこの勝利を掴むことができたんだ」。
HTC・ハイロードは、マルコ・ピノッティ(イタリア)をステージ3位に送り込むことに成功。総合争いに加わることはできなかったが、最終日にスピードチームとしての存在感を見せた。
総合トップ3が0秒差、総合トップ11が18秒差でひしめいていた注目の闘いは、ステージ2位に食い込む走りを見せたレディオシャックのクレーデンが制した。リーダージャージを着て走ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は2分08秒遅れの33位で、総合トップ10圏外に脱落。地元バスクチームの期待を背負って走ったサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)は1分17秒遅れの13位に終わり、総合6位に順位を下げた。
「今日はチームカーに乗るヨハン・ブリュイネールとホセ・アセベドの的確な指示を受けながら走った。前半の登りをハイペースでクリアし、ペースを保ったままゴールまで駆け抜けた。パーフェクトだ」。
2004年と2006年のツール・ド・フランスで総合2位に入っているクレーデンは現在35歳。今シーズンはパリ〜ニースの第5ステージを制して総合2位。クリテリウム・アンテルナシオナルでは個人TTで優勝している。このブエルタ・アル・パイスバスコでは2000年に総合優勝を飾っており、11年ぶり2度目の優勝を果たした。
「1週間に渡る厳しい闘いだった。山岳が多く設定され、アタックが繰り返される展開。11年ぶりの総合優勝だなんて、本当にアンビリーバブルだ。でも気持ちを強く保ち、良いチームに巡り会うことができれば、全てが可能へと転じる。このチームなしには有り得なかった勝利だと思う」。
レディオシャックは大会連覇を達成。昨年の総合優勝者でチームメイトのクリストファー・ホーナー(アメリカ)は総合2位でレースを終え、総合ワンツーを果たした。
総合上位陣の中で好タイムをマークしたロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)が総合3位に浮上し、表彰台を獲得。注目のシュレク兄弟(ルクセンブルク、レオパード・トレック)は、弟アンディが1分53秒遅れの25位、兄フランクが1分58秒遅れの28位という成績を残した。
レース展開と選手コメントはチーム公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2011第6ステージ結果
1位 トニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード) 32'16"
2位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +09"
3位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード) +24"
4位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、レオパード・トレック) +29"
5位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +42"
6位 マキシム・モンフォール(ベルギー、レオパード・トレック) +48"
7位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) +50"
8位 リッチー・ポルト(オーストラリア、サクソバンク・サンガード) +53"
9位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック) +55"
10位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、モビスター) +1'00"
個人総合成績
1位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) 22h12'11"
2位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック) +47"
3位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
4位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +1'03"
5位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)
6位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +1'08"
7位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、モビスター) +1'28"
8位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +1'31"
9位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ) +1'49"
10位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、モビスター) +1'54"
ポイント賞
アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
スプリント賞
ブラム・タンキンク(オランダ、ラボバンク)
山岳賞
ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)
チーム総合成績
モビスター
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, vueltapaisvasco.diariovasco.com
2011年4月9日に行なわれたブエルタ・アル・パイスバスコ最終第6ステージ。コースはサジャを発着する24kmで、ちょうどコース中間の12km地点で標高310mの登りをクリアする。獲得標高差は435m。
このアップダウンコースでトップタイムを叩き出したのは、現ドイツTTチャンピオンのマルティンだった。総合115位(134名中)まで順位を下げていたマルティンは、早めのスタートで好タイムをマーク。他の選手たちの追随を許さず、ステージ優勝に輝いた。タイムは32分16秒。平均スピードは44.6km/h。
「今日の勝利の秘訣は、前半から全開で走らず、後半に100%の力をぶつけることだった。下りコーナーで減速し過ぎたけど、それ以外は上手く行ったんだ」。今シーズン5勝目を飾ったマルティンはレース後のインタビューでそう語る。。マルティンは今年ヴォルタ・アン・アルガルヴェとパリ〜ニースの個人TTで優勝し、それぞれ総合優勝に輝いている。
「この1週間の目標は、今日の個人TTで勝利することだった。それを達成することができて嬉しく思う。パリ〜ニース終了後に休息期間を設けたので、自分が今100%のコンディションではないことを分かっていた。でもレースを進めるうちにコンディションは上昇。その証明としてこの勝利を掴むことができたんだ」。
HTC・ハイロードは、マルコ・ピノッティ(イタリア)をステージ3位に送り込むことに成功。総合争いに加わることはできなかったが、最終日にスピードチームとしての存在感を見せた。
総合トップ3が0秒差、総合トップ11が18秒差でひしめいていた注目の闘いは、ステージ2位に食い込む走りを見せたレディオシャックのクレーデンが制した。リーダージャージを着て走ったホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)は2分08秒遅れの33位で、総合トップ10圏外に脱落。地元バスクチームの期待を背負って走ったサムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)は1分17秒遅れの13位に終わり、総合6位に順位を下げた。
「今日はチームカーに乗るヨハン・ブリュイネールとホセ・アセベドの的確な指示を受けながら走った。前半の登りをハイペースでクリアし、ペースを保ったままゴールまで駆け抜けた。パーフェクトだ」。
2004年と2006年のツール・ド・フランスで総合2位に入っているクレーデンは現在35歳。今シーズンはパリ〜ニースの第5ステージを制して総合2位。クリテリウム・アンテルナシオナルでは個人TTで優勝している。このブエルタ・アル・パイスバスコでは2000年に総合優勝を飾っており、11年ぶり2度目の優勝を果たした。
「1週間に渡る厳しい闘いだった。山岳が多く設定され、アタックが繰り返される展開。11年ぶりの総合優勝だなんて、本当にアンビリーバブルだ。でも気持ちを強く保ち、良いチームに巡り会うことができれば、全てが可能へと転じる。このチームなしには有り得なかった勝利だと思う」。
レディオシャックは大会連覇を達成。昨年の総合優勝者でチームメイトのクリストファー・ホーナー(アメリカ)は総合2位でレースを終え、総合ワンツーを果たした。
総合上位陣の中で好タイムをマークしたロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)が総合3位に浮上し、表彰台を獲得。注目のシュレク兄弟(ルクセンブルク、レオパード・トレック)は、弟アンディが1分53秒遅れの25位、兄フランクが1分58秒遅れの28位という成績を残した。
レース展開と選手コメントはチーム公式サイト、ならびにストリーミング映像より。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2011第6ステージ結果
1位 トニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード) 32'16"
2位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +09"
3位 マルコ・ピノッティ(イタリア、HTC・ハイロード) +24"
4位 ヤコブ・フグルサング(デンマーク、レオパード・トレック) +29"
5位 アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ) +42"
6位 マキシム・モンフォール(ベルギー、レオパード・トレック) +48"
7位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク) +50"
8位 リッチー・ポルト(オーストラリア、サクソバンク・サンガード) +53"
9位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック) +55"
10位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、モビスター) +1'00"
個人総合成績
1位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) 22h12'11"
2位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック) +47"
3位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
4位 ベナト・インチャウスティ(スペイン、モビスター) +1'03"
5位 シャビエル・トンド(スペイン、モビスター)
6位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル) +1'08"
7位 ダビ・ロペスガルシア(スペイン、モビスター) +1'28"
8位 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ) +1'31"
9位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ) +1'49"
10位 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、モビスター) +1'54"
ポイント賞
アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック)
スプリント賞
ブラム・タンキンク(オランダ、ラボバンク)
山岳賞
ミハエル・アルバジーニ(スイス、HTC・ハイロード)
チーム総合成績
モビスター
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos, vueltapaisvasco.diariovasco.com
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