2011/03/23(水) - 02:39
冷たい雨と強い風のなか開催された第3ステージ。27キロ地点で6人の逃げが決まり、最後の山岳でアタックをしかけたマルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)が90キロのエスケープの末、勝利した。日本勢は6位の村上純平(シマノレーシング)が最高位だ。
プロローグ~第2ステージ これまでのレース展開
プロローグ
個人タイムトライアルで開幕したプロローグを制したのはフェラン・アダム(オーストラリア、ドラパック)。2位に0.13秒、日本人最高位の佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)に5.66秒の差をつけた。
第1ステージ
第1ステージは48キロのクリテリウム。集団スプリントとなり、それを制したのはパク・スンベク(韓国、韓国ナショナルチーム)。全選手タイム差なしでのゴールで、ボーナスタイムもなかったため、ほぼ初日のタイムトライアルどおりの総合順位で第2ステージを迎えた。
第2ステージ
第2ステージでは、標高差300メートルほどの2級山岳が2つ登場する。標高差はさほどないように感じるが、傾斜がついているのが特徴で厳しいステージとなった。そして、そこで勝ったのは、ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)。3秒のリードに加え、ボーナスタイムを10秒獲得。2位に7秒の差をつけ、総合トップに躍り出る。1分15秒差の総合4位に鈴木真理(シマノレーシング)、1分17秒差の5位に佐野淳哉が入る。
第3ステージ
アイベッガーがラスト3kmでロングスパートを成功させる
取材のため現地入りして迎えた第3ステージ。グレーの雲に覆われたスタート地点は寒かった。「台湾って暖かいんじゃなかったっけ?」なんて会話が飛び交う。気温は10℃~15℃程度だろうか。ときおり霧雨が降る中でのスタートとなった。
0キロメートル地点を通過すると天候はさらに悪化した。雨足が増し、強風が吹き抜ける。「寒いからとにかく動きたかった」という清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)。序盤からハイペースで進み、アタックが頻繁にかかる。
アタックが決まったのは27km地点。集団は差を1分程度にコントロールしながら進む。しかし中盤になって集団のスピードが緩むと、この差は3分前後に拡大。このまま1級山岳に突入したが、逃げグループのスピードは落ちず。一方の集団もハイスピードで追い上げたが、雨の下りではさほど加速せず、結果的に逃げを吸収することはできなかった。
ゴールまで残り25キロ。1級山岳の登りでアタックをかけたのは、マルクス・アイベッガー。この動きで6人だった逃げが、ポロック・リース(オーストラリア、ドラパック)、オハビ・マート(エストニア、チャンピオンシステム)の3人に絞られる。
さらにゴールまで残り3キロ地点で、マルクス・アイベッガーが再びアタック。このまま単独でゴールラインへと飛び込んだ。
マルクス・アイベッガーのコメント
「ハードなレースだった。悪天候のなか90キロ近く逃げて疲れたよ。でもチームにとってはすごくいいレースになった。イエロー(総合リーダー)とブルー(アジアンリーダー)、2枚のジャージを獲得できた。総合は自分かソウラビ、どちらかが狙えればいいと思う。明日はソウラビが勝つよ、きっとね。」
日本勢はメイン集団のスプリントで2番手に入った村上純平(シマノレーシング)が6位でフィニッシュした。勝者の平均時速47.6キロという驚異のハイスピードで展開された悪天候レースだった。
シマノレーシングの野寺監督は「失敗もあったみたいだけど、次につながるものだと思う。平地で外国人選手のスピードについてくのは大変だけど、登りでは日本人選手も強い。いい部分を生かしていきたい。チームには複数勝てる選手がいるので、明日からも勝ちを狙います」と話す。ナショナルチームの高橋監督も「最初はシーズン初めてのレースとなる選手も多く、レース勘がつかめていなかったけど、日々コンディションは良くなっています。明日からも頑張ります」とコメントした。
ステージ順位
1 マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)2:40:06
2 ポロック・リース(オーストラリア、ドラパック) +00:21
3 オハビ・マート(エストニア、チャンピオンシステム) +00:44
6 村上純平(シマノレーシング) +01:21
11 綾部 勇成(日本ナショナル) +01:21
13 鈴木讓(シマノレーシング)+01:21
17 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +01:21
19 青柳憲輝(シマノレーシング) +01:21
34 清水都貴(日本ナショナル) +01:21
41 鈴木真理(シマノレーシング) +01:21
42 西谷泰治(日本ナショナル) +01:21
54 畑中勇介(シマノレーシング) +01:21
56 吉田隼人(日本ナショナル) +01:21
59 伊丹健治(日本ナショナル)+01:21
65 西薗良太(シマノレーシング)+01:21
69 菊池誠晃(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +01:56
87 福島晋一(日本ナショナル)+06:51
総合順位
1 マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)6:55:48
2 ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)+0:12
3 マッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)+0:19
7 鈴木真理(シマノレーシング)+1:27
8 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +1:29
10 村上純平(シマノレーシング) +1:31
14 鈴木讓(シマノレーシング) +1:37
21 吉田隼人(日本ナショナル) 1:38
28 西谷泰治(日本ナショナル) +2:14
37 青柳憲輝(シマノレーシング)+2:17
42 綾部 勇成(日本ナショナル)+2:20
44 西薗良太(シマノレーシング) +2:20
46 畑中勇介(シマノレーシング)+2:21
49 伊丹健治(日本ナショナル) +2:23
51 清水都貴(日本ナショナル)+2:25
88 菊池誠晃(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +16:03
94 福島晋一(日本ナショナル) +20:50
ポイントリーダー
オジャヴェ・マート(エストニア、チャンピオンシステム)
山岳ポイントリーダー
マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)
photo&text Sonoko.TANAKA
プロローグ~第2ステージ これまでのレース展開
プロローグ
個人タイムトライアルで開幕したプロローグを制したのはフェラン・アダム(オーストラリア、ドラパック)。2位に0.13秒、日本人最高位の佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)に5.66秒の差をつけた。
第1ステージ
第1ステージは48キロのクリテリウム。集団スプリントとなり、それを制したのはパク・スンベク(韓国、韓国ナショナルチーム)。全選手タイム差なしでのゴールで、ボーナスタイムもなかったため、ほぼ初日のタイムトライアルどおりの総合順位で第2ステージを迎えた。
第2ステージ
第2ステージでは、標高差300メートルほどの2級山岳が2つ登場する。標高差はさほどないように感じるが、傾斜がついているのが特徴で厳しいステージとなった。そして、そこで勝ったのは、ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)。3秒のリードに加え、ボーナスタイムを10秒獲得。2位に7秒の差をつけ、総合トップに躍り出る。1分15秒差の総合4位に鈴木真理(シマノレーシング)、1分17秒差の5位に佐野淳哉が入る。
第3ステージ
アイベッガーがラスト3kmでロングスパートを成功させる
取材のため現地入りして迎えた第3ステージ。グレーの雲に覆われたスタート地点は寒かった。「台湾って暖かいんじゃなかったっけ?」なんて会話が飛び交う。気温は10℃~15℃程度だろうか。ときおり霧雨が降る中でのスタートとなった。
0キロメートル地点を通過すると天候はさらに悪化した。雨足が増し、強風が吹き抜ける。「寒いからとにかく動きたかった」という清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)。序盤からハイペースで進み、アタックが頻繁にかかる。
アタックが決まったのは27km地点。集団は差を1分程度にコントロールしながら進む。しかし中盤になって集団のスピードが緩むと、この差は3分前後に拡大。このまま1級山岳に突入したが、逃げグループのスピードは落ちず。一方の集団もハイスピードで追い上げたが、雨の下りではさほど加速せず、結果的に逃げを吸収することはできなかった。
ゴールまで残り25キロ。1級山岳の登りでアタックをかけたのは、マルクス・アイベッガー。この動きで6人だった逃げが、ポロック・リース(オーストラリア、ドラパック)、オハビ・マート(エストニア、チャンピオンシステム)の3人に絞られる。
さらにゴールまで残り3キロ地点で、マルクス・アイベッガーが再びアタック。このまま単独でゴールラインへと飛び込んだ。
マルクス・アイベッガーのコメント
「ハードなレースだった。悪天候のなか90キロ近く逃げて疲れたよ。でもチームにとってはすごくいいレースになった。イエロー(総合リーダー)とブルー(アジアンリーダー)、2枚のジャージを獲得できた。総合は自分かソウラビ、どちらかが狙えればいいと思う。明日はソウラビが勝つよ、きっとね。」
日本勢はメイン集団のスプリントで2番手に入った村上純平(シマノレーシング)が6位でフィニッシュした。勝者の平均時速47.6キロという驚異のハイスピードで展開された悪天候レースだった。
シマノレーシングの野寺監督は「失敗もあったみたいだけど、次につながるものだと思う。平地で外国人選手のスピードについてくのは大変だけど、登りでは日本人選手も強い。いい部分を生かしていきたい。チームには複数勝てる選手がいるので、明日からも勝ちを狙います」と話す。ナショナルチームの高橋監督も「最初はシーズン初めてのレースとなる選手も多く、レース勘がつかめていなかったけど、日々コンディションは良くなっています。明日からも頑張ります」とコメントした。
ステージ順位
1 マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)2:40:06
2 ポロック・リース(オーストラリア、ドラパック) +00:21
3 オハビ・マート(エストニア、チャンピオンシステム) +00:44
6 村上純平(シマノレーシング) +01:21
11 綾部 勇成(日本ナショナル) +01:21
13 鈴木讓(シマノレーシング)+01:21
17 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +01:21
19 青柳憲輝(シマノレーシング) +01:21
34 清水都貴(日本ナショナル) +01:21
41 鈴木真理(シマノレーシング) +01:21
42 西谷泰治(日本ナショナル) +01:21
54 畑中勇介(シマノレーシング) +01:21
56 吉田隼人(日本ナショナル) +01:21
59 伊丹健治(日本ナショナル)+01:21
65 西薗良太(シマノレーシング)+01:21
69 菊池誠晃(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +01:56
87 福島晋一(日本ナショナル)+06:51
総合順位
1 マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)6:55:48
2 ソウラビ・メディ(イラン、タブリーズ・ペトロケミカル)+0:12
3 マッキャン・デヴィッド(アイルランド、ジャイアント・ケンダ)+0:19
7 鈴木真理(シマノレーシング)+1:27
8 佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +1:29
10 村上純平(シマノレーシング) +1:31
14 鈴木讓(シマノレーシング) +1:37
21 吉田隼人(日本ナショナル) 1:38
28 西谷泰治(日本ナショナル) +2:14
37 青柳憲輝(シマノレーシング)+2:17
42 綾部 勇成(日本ナショナル)+2:20
44 西薗良太(シマノレーシング) +2:20
46 畑中勇介(シマノレーシング)+2:21
49 伊丹健治(日本ナショナル) +2:23
51 清水都貴(日本ナショナル)+2:25
88 菊池誠晃(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO) +16:03
94 福島晋一(日本ナショナル) +20:50
ポイントリーダー
オジャヴェ・マート(エストニア、チャンピオンシステム)
山岳ポイントリーダー
マルクス・アイベッガー(オーストリア、タブリーズ・ペトロケミカル)
photo&text Sonoko.TANAKA
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