2011/03/22(火) - 10:59
今年で開催91回目を迎えるボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)が3月21日、リョレット・デ・マールで開幕した。強豪オールラウンダーたちが集まる中、2つの1級山岳が設定された山岳コースでガティス・スムクリス(ラトビア、HTC・ハイロード)が28秒差での逃げ切り勝利を飾った。
1911年に第1回大会が開催され、今年で100年目を迎えるボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(カタルーニャ一周)。スペインのステージレースとしては、1935年初開催のブエルタ・ア・エスパーニャよりも歴史が古い。
カタルーニャ地方の山岳地帯を走るだけに、連日起伏に富んだコースが用意されている。個人タイムトライアルは設定されず、クライマー向きの山岳ステージが連続。昨年開催時期が5月から3月に移されたことにより、グランツール狙いのオールラウンダーが集結する注目レースへと進化した。
今年も出場選手は豪華。アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)やイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)を始め、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)、ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)と言ったグランツール狙いのオールラウンダーが集結。
更にジェオックス・TMCからはカルロス・サストレ(スペイン)とデニス・メンショフ(ロシア)が出場。怪我によって欠場する地元カタルーニャ出身の昨年総合優勝者ホアキン・ロドリゲス(スペイン)に代わって、ダニーロ・ディルーカ(イタリア)がカチューシャのエースナンバーをつける。
第1ステージは地中海に面したリョレット・デ・マールを発着する167km。2つの1級山岳が設定されており、ゴール前にもアップダウンが連続する。
この山岳コースで逃げを試みたのはガティス・スムクリス(ラトビア、HTC・ハイロード)、ベン・ガスタウアー(ルクセンブルク、アージェードゥーゼル)、フリアン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)、ハビエル・ラミレス(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)の4名。タイム差は最大15分まで広がる。
ゴールまで40kmを残した最後の1級山岳サントグラウ峠でタイム差は2分20秒。やがて先頭から2人のスペイン人が脱落し、スムクリスとガスタウアーが50秒のリードでラスト5km。ガスタウアーが脱落するとスムクリスの独走が始まった。
短い登りでメイン集団からコンタドールがアタックを仕掛けたが、集団スプリントに持ち込みたいランプレ・ISDやサクソバンク・サンガード、モビスター、カチューシャがこれを封じ込める。しかし先頭のスムクリスを捕らえることは出来ず。スムクリスが28秒のリードで独走勝利を飾り、リーダージャージを獲得した。
スムクリスは今年アージェードゥーゼルからHTC・ハイロードに移籍した23歳。プロ入り前の2008年にはロンド・ファン・フラーンデレンのエスポワール(U23)レースで優勝している。
ワールドツアーレースの大舞台でプロ初勝利を飾ったスムクリスは「今日勝てたことに驚いている。クラシックシーズンに向けてコンディションは良好だったけど、まさか今日のようなロングエスケープで勝てるとは思っていなかった」と、驚きを隠せない様子。
HTC・ハイロードのアラン・ペイパー監督は「レース初日なので集団コントロールを一手に引き受けるチームはおらず、しかもアップダウンコースなのでスプリンターチームも消極的。逃げに有利な展開だった。最終的に僅差での逃げ切りだったが、ガティスの踏ん張りが勝利に繋がった。勝利に値する走りだったよ」と、スムクリスの勝利を讃える。HTC・ハイロードにとって、パリ〜ニース(マルティン)とミラノ〜サンレモ(ゴス)に続くワールドツアーレースでの勝利。総合力の高さを見せつけた。
この日、コンタドールやエヴァンスを始めとする有力選手たちは18秒遅れのメイン集団内でゴール。しかしジェオックス・TMCのサストレとメンショフは13分17秒遅れのグルペットでゴールし、早くも総合戦線から離脱した。
レース展開や選手コメントはスペイン・マルカ紙、HTC・ハイロード公式リリースより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2011第1ステージ
1位 ガティス・スムクリス(ラトビア、HTC・ハイロード) 4h08'48"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD) +28"
3位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
4位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)
5位 ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 マキシム・ブエ(フランス、アージェードゥーゼル)
7位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)
8位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
9位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
10位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
個人総合成績
1位 ガティス・スムクリス(ラトビア、HTC・ハイロード) 4h08'48"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD) +28"
3位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
4位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)
5位 ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 マキシム・ブエ(フランス、アージェードゥーゼル)
7位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)
8位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
9位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
10位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
山岳賞
ガティス・スムクリス(ラトビア、HTC・ハイロード)
チーム総合成績
HTC・ハイロード
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
1911年に第1回大会が開催され、今年で100年目を迎えるボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ(カタルーニャ一周)。スペインのステージレースとしては、1935年初開催のブエルタ・ア・エスパーニャよりも歴史が古い。
カタルーニャ地方の山岳地帯を走るだけに、連日起伏に富んだコースが用意されている。個人タイムトライアルは設定されず、クライマー向きの山岳ステージが連続。昨年開催時期が5月から3月に移されたことにより、グランツール狙いのオールラウンダーが集結する注目レースへと進化した。
今年も出場選手は豪華。アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)やイヴァン・バッソ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)を始め、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)、ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD)と言ったグランツール狙いのオールラウンダーが集結。
更にジェオックス・TMCからはカルロス・サストレ(スペイン)とデニス・メンショフ(ロシア)が出場。怪我によって欠場する地元カタルーニャ出身の昨年総合優勝者ホアキン・ロドリゲス(スペイン)に代わって、ダニーロ・ディルーカ(イタリア)がカチューシャのエースナンバーをつける。
第1ステージは地中海に面したリョレット・デ・マールを発着する167km。2つの1級山岳が設定されており、ゴール前にもアップダウンが連続する。
この山岳コースで逃げを試みたのはガティス・スムクリス(ラトビア、HTC・ハイロード)、ベン・ガスタウアー(ルクセンブルク、アージェードゥーゼル)、フリアン・サンチェス(スペイン、カハルーラル)、ハビエル・ラミレス(スペイン、アンダルシア・カハグラナダ)の4名。タイム差は最大15分まで広がる。
ゴールまで40kmを残した最後の1級山岳サントグラウ峠でタイム差は2分20秒。やがて先頭から2人のスペイン人が脱落し、スムクリスとガスタウアーが50秒のリードでラスト5km。ガスタウアーが脱落するとスムクリスの独走が始まった。
短い登りでメイン集団からコンタドールがアタックを仕掛けたが、集団スプリントに持ち込みたいランプレ・ISDやサクソバンク・サンガード、モビスター、カチューシャがこれを封じ込める。しかし先頭のスムクリスを捕らえることは出来ず。スムクリスが28秒のリードで独走勝利を飾り、リーダージャージを獲得した。
スムクリスは今年アージェードゥーゼルからHTC・ハイロードに移籍した23歳。プロ入り前の2008年にはロンド・ファン・フラーンデレンのエスポワール(U23)レースで優勝している。
ワールドツアーレースの大舞台でプロ初勝利を飾ったスムクリスは「今日勝てたことに驚いている。クラシックシーズンに向けてコンディションは良好だったけど、まさか今日のようなロングエスケープで勝てるとは思っていなかった」と、驚きを隠せない様子。
HTC・ハイロードのアラン・ペイパー監督は「レース初日なので集団コントロールを一手に引き受けるチームはおらず、しかもアップダウンコースなのでスプリンターチームも消極的。逃げに有利な展開だった。最終的に僅差での逃げ切りだったが、ガティスの踏ん張りが勝利に繋がった。勝利に値する走りだったよ」と、スムクリスの勝利を讃える。HTC・ハイロードにとって、パリ〜ニース(マルティン)とミラノ〜サンレモ(ゴス)に続くワールドツアーレースでの勝利。総合力の高さを見せつけた。
この日、コンタドールやエヴァンスを始めとする有力選手たちは18秒遅れのメイン集団内でゴール。しかしジェオックス・TMCのサストレとメンショフは13分17秒遅れのグルペットでゴールし、早くも総合戦線から離脱した。
レース展開や選手コメントはスペイン・マルカ紙、HTC・ハイロード公式リリースより。
ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2011第1ステージ
1位 ガティス・スムクリス(ラトビア、HTC・ハイロード) 4h08'48"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD) +28"
3位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
4位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)
5位 ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 マキシム・ブエ(フランス、アージェードゥーゼル)
7位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)
8位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
9位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
10位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
個人総合成績
1位 ガティス・スムクリス(ラトビア、HTC・ハイロード) 4h08'48"
2位 アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・ISD) +28"
3位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター)
4位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、チームスカイ)
5位 ヤン・バケランツ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)
6位 マキシム・ブエ(フランス、アージェードゥーゼル)
7位 パオロ・ティラロンゴ(イタリア、アスタナ)
8位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
9位 バウク・モレマ(オランダ、ラボバンク)
10位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)
山岳賞
ガティス・スムクリス(ラトビア、HTC・ハイロード)
チーム総合成績
HTC・ハイロード
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
フォトギャラリー