2011/02/20(日) - 11:08
2011年2月19日、ヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.1)第4ステージが行なわれ、上り基調のスプリントでアンドレ・グライペル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)が勝利。スティーブ・クミングス(イギリス、チームスカイ)はラスト10kmで落車しながらも総合首位を守った。
第4ステージはアルブフェイラからタヴィラまでの167.3km。前日の山岳ステージと翌日の重要な個人タイムトライアルを繋ぐ平坦ステージだ。
レース中盤に3級山岳が設定されているが、あとは比較的平坦なコースが続く。スプリンターにとってはステージ優勝のラストチャンスである。
27km地点でグレゴリー・ラスト(スイス、レディオシャック)やセルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ・DCM)、ケヴィン・イスタ(ベルギー、コフィディス)を含む6名が飛び出し、4分20秒のリードを得てエスケープ。メイン集団はリーダージャージ擁するチームスカイがフルメンバーでコントロールした。
3級山岳はヨハン・コーネン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)が先頭通過したが、リカルド・メストレ(ポルトガル、タヴィラ)の山岳賞首位の座は揺るがない。ローカルチームのメストレはこの時点で山岳賞獲得を決定づけた。
レース後半に入り、ゴールまで30kmを残してタイム差が2分まで縮まると逃げグループが分裂。アタックして逃げ続けたのはラスト、ラグティン、コーネンの3名。メイン集団のコントロールにはサクソバンク・サンガードが合流した。
結局ラスト、ラグティン、コーネンの3人は、ゴールまで14kmを残した地点で吸収され、メイン集団は一段とスピードを上げてタヴィラのゴール地点へと向かう。ラスト10km地点でリーダージャージのクミングスが落車するトラブルが発生したが、何とかゴールまでに集団に復帰している。
最後はスプリンターチームが入り乱れる混戦のスプリントに持ち込まれ、緩い登り勾配のゴール前でユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)に発射されたグライペルが先頭に。マイケル・マシューズ(オーストリア、ラボバンク)を僅差でかわしたグライペルが先着した。
シーズン初戦のツアー・ダウンアンダーで2度ステージ2位に入りながらも、勝利を掴めずにいたグライペルにとってこれがシーズン初勝利。レース後の勝利者インタビューでグライペルは「ハイスピードなステージだったけど、最後はチームメイトの完璧なリードアウトに発射された。このシーズン初勝利は自信に繋がるよ」と興奮気味に語った。
総合上位陣は動かず、ラスト10kmで落車しながらも集団でゴールしたクミングスがリーダージャージをキープ。チームスカイのショーン・イェーツ監督はチーム公式サイトの中で「チームの力でスティーブを集団に復帰させた。グレッグ(ヘンダーソン)もスティーブを待ったので、スプリントに参加できなかったんだ。スティーブは右半身に傷を負ったけど、チームとしてジャージをキープできてホッとしたよ」と胸を撫で下ろす。
しかしクミングスの総合リードは決して大きくない。最終第5ステージの個人タイムトライアルでの総合逆転は充分にあり得る。6秒差の総合2位につける昨年の総合優勝者アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)や、10秒差の総合3位につける生粋のTTスペシャリスト、トニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード)らがステージ上位に絡むのは間違いない。
レース展開と選手コメントはレース公式情報配信サイトjornalciclismo.comより。
ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2011第4ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、HTC・ハイロード) 3h56'55"
2位 マイケル・マシューズ(オーストリア、ラボバンク)
3位 アントニー・ラヴァール(フランス、アージェードゥーゼル)
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
5位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)
6位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)
7位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、クイックステップ)
8位 ボイ・ファンポッペル(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)
9位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、ヴァカンソレイユ・DCM)
10位 バーデン・クック(オーストラリア、サクソバンク・サンガード)
個人総合成績
1位 スティーブ・クミングス(イギリス、チームスカイ) 18h27'42"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) +06"
3位 トニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード) +10"
4位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード) +12"
5位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス) +18"
6位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +26"
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)
8位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、チームスカイ)
9位 ワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM) +30"
10位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック) +31"
ポイント賞
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
スプリント賞
トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
山岳賞
リカルド・メストレ(ポルトガル、タヴィラ)
チーム総合成績
HTC・ハイロード
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
第4ステージはアルブフェイラからタヴィラまでの167.3km。前日の山岳ステージと翌日の重要な個人タイムトライアルを繋ぐ平坦ステージだ。
レース中盤に3級山岳が設定されているが、あとは比較的平坦なコースが続く。スプリンターにとってはステージ優勝のラストチャンスである。
27km地点でグレゴリー・ラスト(スイス、レディオシャック)やセルゲイ・ラグティン(ウズベキスタン、ヴァカンソレイユ・DCM)、ケヴィン・イスタ(ベルギー、コフィディス)を含む6名が飛び出し、4分20秒のリードを得てエスケープ。メイン集団はリーダージャージ擁するチームスカイがフルメンバーでコントロールした。
3級山岳はヨハン・コーネン(ベルギー、トップスポート・フラーンデレン)が先頭通過したが、リカルド・メストレ(ポルトガル、タヴィラ)の山岳賞首位の座は揺るがない。ローカルチームのメストレはこの時点で山岳賞獲得を決定づけた。
レース後半に入り、ゴールまで30kmを残してタイム差が2分まで縮まると逃げグループが分裂。アタックして逃げ続けたのはラスト、ラグティン、コーネンの3名。メイン集団のコントロールにはサクソバンク・サンガードが合流した。
結局ラスト、ラグティン、コーネンの3人は、ゴールまで14kmを残した地点で吸収され、メイン集団は一段とスピードを上げてタヴィラのゴール地点へと向かう。ラスト10km地点でリーダージャージのクミングスが落車するトラブルが発生したが、何とかゴールまでに集団に復帰している。
最後はスプリンターチームが入り乱れる混戦のスプリントに持ち込まれ、緩い登り勾配のゴール前でユルゲン・ルーランズ(ベルギー、オメガファーマ・ロット)に発射されたグライペルが先頭に。マイケル・マシューズ(オーストリア、ラボバンク)を僅差でかわしたグライペルが先着した。
シーズン初戦のツアー・ダウンアンダーで2度ステージ2位に入りながらも、勝利を掴めずにいたグライペルにとってこれがシーズン初勝利。レース後の勝利者インタビューでグライペルは「ハイスピードなステージだったけど、最後はチームメイトの完璧なリードアウトに発射された。このシーズン初勝利は自信に繋がるよ」と興奮気味に語った。
総合上位陣は動かず、ラスト10kmで落車しながらも集団でゴールしたクミングスがリーダージャージをキープ。チームスカイのショーン・イェーツ監督はチーム公式サイトの中で「チームの力でスティーブを集団に復帰させた。グレッグ(ヘンダーソン)もスティーブを待ったので、スプリントに参加できなかったんだ。スティーブは右半身に傷を負ったけど、チームとしてジャージをキープできてホッとしたよ」と胸を撫で下ろす。
しかしクミングスの総合リードは決して大きくない。最終第5ステージの個人タイムトライアルでの総合逆転は充分にあり得る。6秒差の総合2位につける昨年の総合優勝者アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード)や、10秒差の総合3位につける生粋のTTスペシャリスト、トニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード)らがステージ上位に絡むのは間違いない。
レース展開と選手コメントはレース公式情報配信サイトjornalciclismo.comより。
ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2011第4ステージ結果
1位 アンドレ・グライペル(ドイツ、HTC・ハイロード) 3h56'55"
2位 マイケル・マシューズ(オーストリア、ラボバンク)
3位 アントニー・ラヴァール(フランス、アージェードゥーゼル)
4位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
5位 アラン・デーヴィス(オーストラリア、アスタナ)
6位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、HTC・ハイロード)
7位 ゲラルド・チオレック(ドイツ、クイックステップ)
8位 ボイ・ファンポッペル(オランダ、ユナイテッドヘルスケア)
9位 ボルト・ボジッチ(スロベニア、ヴァカンソレイユ・DCM)
10位 バーデン・クック(オーストラリア、サクソバンク・サンガード)
個人総合成績
1位 スティーブ・クミングス(イギリス、チームスカイ) 18h27'42"
2位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソバンク・サンガード) +06"
3位 トニ・マルティン(ドイツ、HTC・ハイロード) +10"
4位 タジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、HTC・ハイロード) +12"
5位 レイン・ターラマエ(エストニア、コフィディス) +18"
6位 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レディオシャック) +26"
7位 ライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・サーヴェロ)
8位 サイモン・ジェランス(オーストラリア、チームスカイ)
9位 ワウテル・ポエルス(オランダ、 ヴァカンソレイユ・DCM) +30"
10位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック) +31"
ポイント賞
タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・サーヴェロ)
スプリント賞
トーマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)
山岳賞
リカルド・メストレ(ポルトガル、タヴィラ)
チーム総合成績
HTC・ハイロード
text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos
フォトギャラリー
Amazon.co.jp