2009/04/09(木) - 11:13
カスティーリャ・イ・レオンに続いて、プロツアーレースのブエルタ・アル・パイスバスコ第3ステージで再び新城幸也(Bboxブイグテレコム)が逃げに乗った。優勝は最後の山岳でアタックを決めたアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)。連覇のかかったコンタドールが、最難関ステージで総合首位に立った。
今大会最長の第3ステージは、終盤にかけてカテゴリー1級と2級の山岳が連続する。2度目の1級山岳イシュア峠通過はゴールの僅か3km手前で、限りなく頂上ゴールに近いコースレイアウト。今年の最難関山岳ステージだ。
序盤からアタックと吸収が繰り返され、ようやく逃げが決まったのは最初の3級山岳アサセタ峠通過後の67km地点。新城幸也(Bboxブイグテレコム)の姿が、チームメイトのヨハン・チョップ(スイス)とともに逃げグループ内にあった。
逃げグループに入ったのはイニーゴ・クエスタ(スペイン、サクソバンク)、リーナス・ゲルデマン(ドイツ、ミルラム)、アレクサンドル・ボチャロフ(ロシア、カチューシャ)、リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)、ハビエル・メヒアス(スペイン、フジ・セルヴェット)という錚々たるメンバー。最も知名度の低いメヒアスは、2006年のジャパンカップに出場し、終盤にアタックして独走で最終周回に入った選手だ。
逃げグループの7名はリード拡大を図ったが、有力選手が揃っているためメイン集団の警戒は解けない。アスタナ、ランプレ、エウスカルテルが集団牽引を始めると、最大3分23秒まで開いたタイム差は縮小を始めた。
終盤の山岳に入ると集団のスピードはさらに上がり、ゴールまで35kmを残して逃げグループからチョップとノチェンティーニがアタック。新城幸也やメヒアス、クエスタは脱落し、しばらく追走したゲルデマンとボチャロフも集団に引き戻された。
逃げ続けていたチョップとノチェンティーニも、カチューシャやアスタナの集団ペースアップによってラスト13kmで吸収。メイン集団はスピードを上げて最後の1級山岳イシュア峠に突入し、クリストファー・ホーナー(アメリカ)を発射台として、ラスト5.2km(頂上まで2.2km)でコンタドールが強烈なアタックを決めた。
コンタドールが軽快なダンシングで独走を開始する一方で、リーダージャージを着るルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)は早々に脱落。コンタドールは1級山岳イシュア峠に詰めかけた観客をかき分けて進み、後続を引き離したままゴールに飛び込んだ。
コンタドールを追走していたのはカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)、アントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ)、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)、サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)の4名。
カウンターアタックを仕掛けたエヴァンスにサンチェスとコロムのみが追いつき、コンタドールから9秒遅れで3名がゴール。頂上手前で遅れたクネゴは28秒、LLサンチェスは36秒遅れでゴールした。
この難関山岳ステージの結果を受けて総合成績は多く変動。大会連覇のかかったコンタドールが総合トップに立ち、リーダージャージに袖を通した。総合2位以下はサンチェス、エヴァンス、コロムが9秒遅れで続いている。
連覇に向けて大きな一歩を踏み出したコンタドールは「この(ゴール地点)アラーテでの勝利は名誉なこと。アラーテは『強い者しか勝てない』と言われていて、ロードレースでは有名な上りなんだ。今日は苦しい仕事をこなしてくれたチームメイトを落胆させたくはなかった。土曜日のタイムトライアルを見据えて、今日は出来る限りライバルからタイム差を奪いたかった。リードは決して大きくないけど、1秒1秒が大切。まだレースが決まったわけじゃない」とコメントしている。
カスティーリャ・イ・レオンではリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)に総合優勝を譲ったコンタドールだが、「このパイスバスコは総合優勝を狙う。このレースを最後に、シーズン中盤の休養に入るんだ。まだまだ今週は目立つ走りをしたいと思う」と語る。さらなる攻撃的な走りに期待したい。
カスティーリャ・イ・レオンの最難関山岳ステージに続いて、プロツアーレースであるパイスバスコの最難関山岳ステージで逃げに乗った新城幸也は、16分以上遅れてゴール。チームのディディエ・ルー監督は「チームの走りには非常に満足している。選手たちはプライドのある走りを見せてくれた」とのコメントを残している。
レース展開はレース公式サイトとライブストリーミング、選手コメントはチーム公式サイトより。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2009第3ステージ結果
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)4h16'29"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)+09"
3位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
4位 アントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ)
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)+28"
6位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)+33"
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+36"
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+55"
9位 フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、フジ・セルヴェット)
10位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
85位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+16'16"
個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)11h59'08"
2位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)+09"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)
4位 アントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ)
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)+28"
6位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)+33"
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+36"
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+55"
9位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
10位 サンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー)
91位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+21'31"
ポイント賞
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)
山岳賞
アイトール・エルナンデス(スペイン、エウスカルテル)
中間スプリント賞
マヌエル・バスケス(スペイン、コンテントポリス)
チーム総合成績
ケースデパーニュ
今大会最長の第3ステージは、終盤にかけてカテゴリー1級と2級の山岳が連続する。2度目の1級山岳イシュア峠通過はゴールの僅か3km手前で、限りなく頂上ゴールに近いコースレイアウト。今年の最難関山岳ステージだ。
序盤からアタックと吸収が繰り返され、ようやく逃げが決まったのは最初の3級山岳アサセタ峠通過後の67km地点。新城幸也(Bboxブイグテレコム)の姿が、チームメイトのヨハン・チョップ(スイス)とともに逃げグループ内にあった。
逃げグループに入ったのはイニーゴ・クエスタ(スペイン、サクソバンク)、リーナス・ゲルデマン(ドイツ、ミルラム)、アレクサンドル・ボチャロフ(ロシア、カチューシャ)、リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル)、ハビエル・メヒアス(スペイン、フジ・セルヴェット)という錚々たるメンバー。最も知名度の低いメヒアスは、2006年のジャパンカップに出場し、終盤にアタックして独走で最終周回に入った選手だ。
逃げグループの7名はリード拡大を図ったが、有力選手が揃っているためメイン集団の警戒は解けない。アスタナ、ランプレ、エウスカルテルが集団牽引を始めると、最大3分23秒まで開いたタイム差は縮小を始めた。
終盤の山岳に入ると集団のスピードはさらに上がり、ゴールまで35kmを残して逃げグループからチョップとノチェンティーニがアタック。新城幸也やメヒアス、クエスタは脱落し、しばらく追走したゲルデマンとボチャロフも集団に引き戻された。
逃げ続けていたチョップとノチェンティーニも、カチューシャやアスタナの集団ペースアップによってラスト13kmで吸収。メイン集団はスピードを上げて最後の1級山岳イシュア峠に突入し、クリストファー・ホーナー(アメリカ)を発射台として、ラスト5.2km(頂上まで2.2km)でコンタドールが強烈なアタックを決めた。
コンタドールが軽快なダンシングで独走を開始する一方で、リーダージャージを着るルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)は早々に脱落。コンタドールは1級山岳イシュア峠に詰めかけた観客をかき分けて進み、後続を引き離したままゴールに飛び込んだ。
コンタドールを追走していたのはカデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)、アントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ)、ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)、サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)の4名。
カウンターアタックを仕掛けたエヴァンスにサンチェスとコロムのみが追いつき、コンタドールから9秒遅れで3名がゴール。頂上手前で遅れたクネゴは28秒、LLサンチェスは36秒遅れでゴールした。
この難関山岳ステージの結果を受けて総合成績は多く変動。大会連覇のかかったコンタドールが総合トップに立ち、リーダージャージに袖を通した。総合2位以下はサンチェス、エヴァンス、コロムが9秒遅れで続いている。
連覇に向けて大きな一歩を踏み出したコンタドールは「この(ゴール地点)アラーテでの勝利は名誉なこと。アラーテは『強い者しか勝てない』と言われていて、ロードレースでは有名な上りなんだ。今日は苦しい仕事をこなしてくれたチームメイトを落胆させたくはなかった。土曜日のタイムトライアルを見据えて、今日は出来る限りライバルからタイム差を奪いたかった。リードは決して大きくないけど、1秒1秒が大切。まだレースが決まったわけじゃない」とコメントしている。
カスティーリャ・イ・レオンではリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ)に総合優勝を譲ったコンタドールだが、「このパイスバスコは総合優勝を狙う。このレースを最後に、シーズン中盤の休養に入るんだ。まだまだ今週は目立つ走りをしたいと思う」と語る。さらなる攻撃的な走りに期待したい。
カスティーリャ・イ・レオンの最難関山岳ステージに続いて、プロツアーレースであるパイスバスコの最難関山岳ステージで逃げに乗った新城幸也は、16分以上遅れてゴール。チームのディディエ・ルー監督は「チームの走りには非常に満足している。選手たちはプライドのある走りを見せてくれた」とのコメントを残している。
レース展開はレース公式サイトとライブストリーミング、選手コメントはチーム公式サイトより。
ブエルタ・アル・パイスバスコ2009第3ステージ結果
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)4h16'29"
2位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)+09"
3位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)
4位 アントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ)
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)+28"
6位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)+33"
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+36"
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+55"
9位 フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、フジ・セルヴェット)
10位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
85位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+16'16"
個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)11h59'08"
2位 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル)+09"
3位 カデル・エヴァンス(オーストラリア、サイレンス・ロット)
4位 アントニオ・コロム(スペイン、カチューシャ)
5位 ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ)+28"
6位 ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)+33"
7位 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)+36"
8位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、リクイガス)+55"
9位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、リクイガス)
10位 サンディ・カザール(フランス、フランセーズデジュー)
91位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム)+21'31"
ポイント賞
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ケースデパーニュ)
山岳賞
アイトール・エルナンデス(スペイン、エウスカルテル)
中間スプリント賞
マヌエル・バスケス(スペイン、コンテントポリス)
チーム総合成績
ケースデパーニュ
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