2010/09/29(水) - 21:50
2010年9月29日、オーストラリア・ジーロングでロード世界選手権が開幕。初日のU23個人タイムトライアルは、ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)を1.9秒差で敗ったタイラー・フィニー(アメリカ)が優勝。下馬評通り、U23最速のタイトルを手に入れた。
ついに開幕を迎えたロード世界選手権メルボルン大会。初日は午前中にU23、午後にエリート女子の個人タイムトライアルが開催された。
U23はロードレースの周回コースに似た15.9kmを2周。コースは起伏に富んでおり、中盤にかけて平均勾配が10%近い上りが2つ登場する。ロードレースに登場する急勾配の上りはコースから外されているものの、個人TTのコースとしては上りの勾配が厳しい。
天候は晴れ時々曇り、時々雨。前半スタートの選手の多くが雨の洗礼を受けた。風は一日中強く、特にコース中盤のアップダウン区間は強風地帯。雨、風、上りの3つの要素が厳しい闘いを強いた。
U23は41名がスタート。小雨が降る1グループ目(周回コースを2周するため10〜11名ずつのグループに分割)のルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)が、42分52秒という圧倒的なトップタイムをマーク。後続選手の走りを待った。
トラック競技出身で、2008年団体追い抜き、2009年マディソンの世界チャンピオンに輝いているダーブリッジ。しかしダーブリッジのゴール後、天候は回復傾向に。昨年のジャック・ボブリッジに続くオーストラリアの2連覇に期待が集まったが、好条件の中を走ったアメリカのサラブレッドがその希望を打ち砕いた。
最有力候補に挙げられていたタイラー・フィニー(アメリカ)は、1周目を終えた時点でダーブリッジから17秒遅れ。しかしそこから追い込み、2周目中盤の計測ポイント通過時点でダーブリッジとの差を4秒に。ゴールに向かってペースを上げたフィニーはダーブリッジを1.9秒上回ってゴール。下馬評通りの走りを見せたフィニーがU23の世界チャンピオンに輝いた。
「チャンスは有ると思っていた。でもこのコースは僕のような長身の選手向きではない。それにU23には才能ある選手が沢山いる。そんな中で全力を尽くし、タイトルを手にしたことに大きな喜びを感じている」。
2001年のダニー・ペイト(現ガーミン・トランジションズ)に続く2人目のアメリカ人U23TT世界チャンピオンに輝いたフィニーは、安堵の表情を浮かべながらインタビューに応える。
「ダーブリッジは1周目から飛ばしていた。僕は抑え気味に走って1周目を終え、2周目に全てをぶつけたんだ。上りはかなり苦しんだよ。ダーブリッジは雨の中でのスタートで、確かに路面コンディションは異なる。でもとにかく勝てて嬉しいよ」。
来シーズンBMCレーシングチームへの移籍が決まっているフィニーは20歳。今年の全米選手権個人TTではリーヴァイ・ライプハイマーを敗って優勝している。個人追い抜きで2度世界チャンピオンに輝いているフィニーが、ロードでも世界タイトルを手にした。
惜しくも1.9秒差で敗れたダーブリッジは1991年生まれの19歳。優勝は逃したが、U23カテゴリー初出場で表彰台に上った。U23個人TTで表彰台に上った選手としては最年少記録である。
「負けが決まったときは落胆したけど、母国の世界選で優勝間近の走りが出来たので満足している。序盤のスタートだったので、他の選手のラップタイムが分からなかった。2位は信じられない結果だよ。それに僕にはまた来年チャンスがある」。
ダーブリッジは早くも来年のリベンジに向けて闘志を燃やしている。なお、2008年のトラック世界選手権で、ダーブリッジと一緒に団体追い抜きを制したローハン・デニス(オーストラリア)は、46秒遅れの5位でレースを終えた。
ロード世界選手権2010U23個人タイムトライアル結果
1位 タイラー・フィニー(アメリカ) 42'50"
2位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア) +01"
3位 マルセル・キッテル(ドイツ) +24"
4位 ネルソン・オリビエラ(ポルトガル) +27"
5位 ローハン・デニス(オーストラリア) +46"
6位 マッテーオ・マンミーニ(イタリア) +49"
7位 トム・ドゥムラン(オランダ) +1'06"
8位 ヘスス・エッラーダ(スペイン) +1'18"
9位 アンドレイ・クラシルニカウ(ベラルーシ)+1'35"
10位 ジェフリー・スープ(フランス) +1'38"
text&photo:Kei Tsuji
ついに開幕を迎えたロード世界選手権メルボルン大会。初日は午前中にU23、午後にエリート女子の個人タイムトライアルが開催された。
U23はロードレースの周回コースに似た15.9kmを2周。コースは起伏に富んでおり、中盤にかけて平均勾配が10%近い上りが2つ登場する。ロードレースに登場する急勾配の上りはコースから外されているものの、個人TTのコースとしては上りの勾配が厳しい。
天候は晴れ時々曇り、時々雨。前半スタートの選手の多くが雨の洗礼を受けた。風は一日中強く、特にコース中盤のアップダウン区間は強風地帯。雨、風、上りの3つの要素が厳しい闘いを強いた。
U23は41名がスタート。小雨が降る1グループ目(周回コースを2周するため10〜11名ずつのグループに分割)のルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)が、42分52秒という圧倒的なトップタイムをマーク。後続選手の走りを待った。
トラック競技出身で、2008年団体追い抜き、2009年マディソンの世界チャンピオンに輝いているダーブリッジ。しかしダーブリッジのゴール後、天候は回復傾向に。昨年のジャック・ボブリッジに続くオーストラリアの2連覇に期待が集まったが、好条件の中を走ったアメリカのサラブレッドがその希望を打ち砕いた。
最有力候補に挙げられていたタイラー・フィニー(アメリカ)は、1周目を終えた時点でダーブリッジから17秒遅れ。しかしそこから追い込み、2周目中盤の計測ポイント通過時点でダーブリッジとの差を4秒に。ゴールに向かってペースを上げたフィニーはダーブリッジを1.9秒上回ってゴール。下馬評通りの走りを見せたフィニーがU23の世界チャンピオンに輝いた。
「チャンスは有ると思っていた。でもこのコースは僕のような長身の選手向きではない。それにU23には才能ある選手が沢山いる。そんな中で全力を尽くし、タイトルを手にしたことに大きな喜びを感じている」。
2001年のダニー・ペイト(現ガーミン・トランジションズ)に続く2人目のアメリカ人U23TT世界チャンピオンに輝いたフィニーは、安堵の表情を浮かべながらインタビューに応える。
「ダーブリッジは1周目から飛ばしていた。僕は抑え気味に走って1周目を終え、2周目に全てをぶつけたんだ。上りはかなり苦しんだよ。ダーブリッジは雨の中でのスタートで、確かに路面コンディションは異なる。でもとにかく勝てて嬉しいよ」。
来シーズンBMCレーシングチームへの移籍が決まっているフィニーは20歳。今年の全米選手権個人TTではリーヴァイ・ライプハイマーを敗って優勝している。個人追い抜きで2度世界チャンピオンに輝いているフィニーが、ロードでも世界タイトルを手にした。
惜しくも1.9秒差で敗れたダーブリッジは1991年生まれの19歳。優勝は逃したが、U23カテゴリー初出場で表彰台に上った。U23個人TTで表彰台に上った選手としては最年少記録である。
「負けが決まったときは落胆したけど、母国の世界選で優勝間近の走りが出来たので満足している。序盤のスタートだったので、他の選手のラップタイムが分からなかった。2位は信じられない結果だよ。それに僕にはまた来年チャンスがある」。
ダーブリッジは早くも来年のリベンジに向けて闘志を燃やしている。なお、2008年のトラック世界選手権で、ダーブリッジと一緒に団体追い抜きを制したローハン・デニス(オーストラリア)は、46秒遅れの5位でレースを終えた。
ロード世界選手権2010U23個人タイムトライアル結果
1位 タイラー・フィニー(アメリカ) 42'50"
2位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア) +01"
3位 マルセル・キッテル(ドイツ) +24"
4位 ネルソン・オリビエラ(ポルトガル) +27"
5位 ローハン・デニス(オーストラリア) +46"
6位 マッテーオ・マンミーニ(イタリア) +49"
7位 トム・ドゥムラン(オランダ) +1'06"
8位 ヘスス・エッラーダ(スペイン) +1'18"
9位 アンドレイ・クラシルニカウ(ベラルーシ)+1'35"
10位 ジェフリー・スープ(フランス) +1'38"
text&photo:Kei Tsuji
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