2010/08/23(月) - 06:41
2010年8月21日、フランスで第74回GPウエストフランス・プルエー(UCIプロツアー)が開催され、8名の先頭グループに入った土井雪広(スキル・シマノ)が200kmに渡って逃げた。勝負は逃げ吸収後の集団スプリントに持ち込まれ、TOJステージ優勝経験者マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)が勝利を収めた。
GPウエストフランス・プルエーは一般サイクリストが参加するシクロスポルティフや女子ロードレース(UCIワールドカップ)を含む「プルエー3日間レース(3 jours de Plouay)」の最後を締めくくるビッグイベント。1931年に第1回大会が開催された歴史ある大会だ。
コースはプルエーを発着する19.1kmの周回で、プロツアーレースはここを13周する。距離は248.3kmで一日の獲得標高差は4150mに達する。
レソ(平均勾配7%・距離1300m)とティマレク(平均勾配7%・距離1000m)の上りが選手たちを苦しめる。中でも毎年アタックポイントとして注目を集めるのが、ゴールから2.5kmしか離れていないティマレクだ。
レースにはプロツアーチームに加えてスキル・シマノやヴァカンソレイユ、Bboxブイグテレコムと言った強豪プロコンチネンタルチームが出場。日本からは土井雪広の他、新城幸也(Bboxブイグテレコム)も出場した。
レースは開始早々に6名の逃げが決まり、土井雪広やミカエル・ドラージュ(フランス、オメガファーマ・ロット)、ブノワ・ヴォグルナール(フランス、フランセーズデジュー)らがこの中に。遅れてマチュー・ドリュジョン(フランス、ケースデパーニュ)とパブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル)の2名が合流し、8名の逃げグループが出来上がった。
土井ら8名は最大13分45秒のアドバンテージを得て周回をこなしていく。9周目に入るとツール・ド・フランス山岳賞のアントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム)らがカウンターアタックを仕掛けたが、先頭グループに追いつくことが出来ずに吸収。メイン集団はチームHTC・コロンビアを中心に追撃体制が敷かれ、逃げとのタイム差を詰めた。
結局、逃げグループは最終周回突入後にローラン・マンジェル(フランス、ソール・ソジャサン)を残して吸収。カウンターアタックでシルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)やフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)らが飛び出したが決まらず、マンジェルもラスト5kmで吸収された。
直前のレースで勝っている好調のダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・トランジションズ)とダヴィデ・アポローニオ(イタリア、サーヴェロ・テストチーム)が終盤にアタックしたが、スプリンターチーム率いる集団を振り切ることは出来ず。最後は64名に絞られた集団によるスプリント勝負に突入した。
多くのスプリンターが加わった混戦のスプリント勝負を制したのは、オーストラリアの次世代スプリンター、マシュー・ゴス。タスマニア出身23歳の若手スプリンターが、好調タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)らを沈めた。
今年チームCSCからチームHTC・コロンビアに移籍したゴスは今シーズン4勝目。5月のジロ・デ・イタリアでステージ初優勝をマークしている。
「プルエーは長いレースだった。勝てて良かったよ。大きな勝利で、自分の自信に繋がる。コースは本当に厳しくて、周回数と1周毎のアップダウンの多さが今年のロード世界選手権のコースに似ていた。タフだったけど、集団スプリントに持ち込めれば勝機があると信じていたんだ。最終周回は数名が先行していたしナーバスだったけど、スプリントに向けての位置取りがバッチリ決まったんだ(チーム公式サイト)」
ジュニア時代からトラックレーサーとして活躍し、2005年のTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)でステージ優勝、2006年にトラック世界選手権団体追い抜きで金メダル、2009年にパリ〜ブリュッセルを制したゴス。ワンデークラシックを走れるスプリンターとして着実に力を伸ばしている。ビッグスプリンターの仲間入りを果たす日はそう遠くないはずだ。そして地元開催のロード世界選手権オーストラリア代表メンバー入りにも期待がかかる。
日本勢は新城幸也が57秒遅れの69位で完走。休息期間を終え、シーズン後半に向けて動き出したユキヤは順調に調子を上げている。次戦は8月29日のシャトールー・クラシック(UCI1.1)が予定されている。
逃げグループで200kmに渡って逃げ続けた土井雪広は完走ならず。しかし本人はしっかりとした手応えを掴んだようだ。
土井は自身のブログとTwitterの中で「スタートから200キロの逃げでチームに少しは貢献できたかと思います。今日はスタートから1発のアタックで逃げグループに合流。もし逃げて無くてもただの完走で終わってたと思うし、先頭で走り、すこしは見せるレースが出来て嬉しかったと思います」とコメント。「10年前を思い出しながらレースの最前線を200キロも走れたことが幸せでした。そして楽しかった!また次アグレッシブな走りを披露出来るようにトレーニングに励みたいと思います」と、次なるレースへの抱負を語った。
レース展開はレース公式サイトより。
GPウエストフランス・プルエー2010結果
1位 マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)6h37'53"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
3位 ヨアン・オフルド(フランス、フランセーズデジュー)
4位 レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コフィディス)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
6位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、BMCレーシングチーム)
7位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)
8位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)
9位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ)
10位 ロメン・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)
69位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) +57"
DNF 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
text:Kei Tsuji
photo:www.grandprix-plouay.com
GPウエストフランス・プルエーは一般サイクリストが参加するシクロスポルティフや女子ロードレース(UCIワールドカップ)を含む「プルエー3日間レース(3 jours de Plouay)」の最後を締めくくるビッグイベント。1931年に第1回大会が開催された歴史ある大会だ。
コースはプルエーを発着する19.1kmの周回で、プロツアーレースはここを13周する。距離は248.3kmで一日の獲得標高差は4150mに達する。
レソ(平均勾配7%・距離1300m)とティマレク(平均勾配7%・距離1000m)の上りが選手たちを苦しめる。中でも毎年アタックポイントとして注目を集めるのが、ゴールから2.5kmしか離れていないティマレクだ。
レースにはプロツアーチームに加えてスキル・シマノやヴァカンソレイユ、Bboxブイグテレコムと言った強豪プロコンチネンタルチームが出場。日本からは土井雪広の他、新城幸也(Bboxブイグテレコム)も出場した。
レースは開始早々に6名の逃げが決まり、土井雪広やミカエル・ドラージュ(フランス、オメガファーマ・ロット)、ブノワ・ヴォグルナール(フランス、フランセーズデジュー)らがこの中に。遅れてマチュー・ドリュジョン(フランス、ケースデパーニュ)とパブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル)の2名が合流し、8名の逃げグループが出来上がった。
土井ら8名は最大13分45秒のアドバンテージを得て周回をこなしていく。9周目に入るとツール・ド・フランス山岳賞のアントニー・シャルトー(フランス、Bboxブイグテレコム)らがカウンターアタックを仕掛けたが、先頭グループに追いつくことが出来ずに吸収。メイン集団はチームHTC・コロンビアを中心に追撃体制が敷かれ、逃げとのタイム差を詰めた。
結局、逃げグループは最終周回突入後にローラン・マンジェル(フランス、ソール・ソジャサン)を残して吸収。カウンターアタックでシルヴァン・シャヴァネル(フランス、クイックステップ)やフレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、オメガファーマ・ロット)らが飛び出したが決まらず、マンジェルもラスト5kmで吸収された。
直前のレースで勝っている好調のダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・トランジションズ)とダヴィデ・アポローニオ(イタリア、サーヴェロ・テストチーム)が終盤にアタックしたが、スプリンターチーム率いる集団を振り切ることは出来ず。最後は64名に絞られた集団によるスプリント勝負に突入した。
多くのスプリンターが加わった混戦のスプリント勝負を制したのは、オーストラリアの次世代スプリンター、マシュー・ゴス。タスマニア出身23歳の若手スプリンターが、好調タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)らを沈めた。
今年チームCSCからチームHTC・コロンビアに移籍したゴスは今シーズン4勝目。5月のジロ・デ・イタリアでステージ初優勝をマークしている。
「プルエーは長いレースだった。勝てて良かったよ。大きな勝利で、自分の自信に繋がる。コースは本当に厳しくて、周回数と1周毎のアップダウンの多さが今年のロード世界選手権のコースに似ていた。タフだったけど、集団スプリントに持ち込めれば勝機があると信じていたんだ。最終周回は数名が先行していたしナーバスだったけど、スプリントに向けての位置取りがバッチリ決まったんだ(チーム公式サイト)」
ジュニア時代からトラックレーサーとして活躍し、2005年のTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)でステージ優勝、2006年にトラック世界選手権団体追い抜きで金メダル、2009年にパリ〜ブリュッセルを制したゴス。ワンデークラシックを走れるスプリンターとして着実に力を伸ばしている。ビッグスプリンターの仲間入りを果たす日はそう遠くないはずだ。そして地元開催のロード世界選手権オーストラリア代表メンバー入りにも期待がかかる。
日本勢は新城幸也が57秒遅れの69位で完走。休息期間を終え、シーズン後半に向けて動き出したユキヤは順調に調子を上げている。次戦は8月29日のシャトールー・クラシック(UCI1.1)が予定されている。
逃げグループで200kmに渡って逃げ続けた土井雪広は完走ならず。しかし本人はしっかりとした手応えを掴んだようだ。
土井は自身のブログとTwitterの中で「スタートから200キロの逃げでチームに少しは貢献できたかと思います。今日はスタートから1発のアタックで逃げグループに合流。もし逃げて無くてもただの完走で終わってたと思うし、先頭で走り、すこしは見せるレースが出来て嬉しかったと思います」とコメント。「10年前を思い出しながらレースの最前線を200キロも走れたことが幸せでした。そして楽しかった!また次アグレッシブな走りを披露出来るようにトレーニングに励みたいと思います」と、次なるレースへの抱負を語った。
レース展開はレース公式サイトより。
GPウエストフランス・プルエー2010結果
1位 マシュー・ゴス(オーストラリア、チームHTC・コロンビア)6h37'53"
2位 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・トランジションズ)
3位 ヨアン・オフルド(フランス、フランセーズデジュー)
4位 レオナルド・ドゥケ(コロンビア、コフィディス)
5位 ホセホアキン・ロハス(スペイン、ケースデパーニュ)
6位 マウロ・サンタンブロジオ(イタリア、BMCレーシングチーム)
7位 ペーター・サガン(スロバキア、リクイガス)
8位 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、ランプレ)
9位 マルコ・マルカート(イタリア、ヴァカンソレイユ)
10位 ロメン・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ)
69位 新城幸也(日本、Bboxブイグテレコム) +57"
DNF 土井雪広(日本、スキル・シマノ)
text:Kei Tsuji
photo:www.grandprix-plouay.com
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