未舗装路坂でマスが驚異的な追い上げを見せたブエルタ・ア・エスパーニャ第6ステージ。タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)がマスを一騎打ちのスプリントで下し、今大会区間3勝目を挙げた。
第6ステージ 8月27日(木)
アルコセブレ〜カステジョン 177.4km(中級山岳)

前日のレースを支配し、区間2勝目をマークしたヴィスマ・リースアバイク photo:CorVos

第6ステージ アルコセブレ〜カステジョン image:A.S.O. 第81回ブエルタ・ア・エスパーニャの6日目は、今大会唯一の未舗装路区間が登場するステージ。地中海沿岸の街アルコセブレをスタートし、カステジョンを目指す177.4kmの途中には、2級、3級、2級山岳が設定され、勝負所となるのは終盤に1.9kmの未舗装路が含まれた1級山岳エル・バルトロ(距離9.4km/平均7.1%)。そして事前の予想通り、この最大勾配20%の登りでレースは動いた。
逃げ向きでもあるステージで集団を飛び出したのはアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム)。この日のスタート前に今季限りでの引退を発表した33歳は、最後のグランツールでの勝利を目指し、そこにプロ2年目の21歳レオ・ビジオー(フランス、デカトロンCMA CGM)が合流。さらにワルテル・カルツォーニ(イタリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)が加わったものの、直後にメイン集団が引き戻した。
その後、この日1つ目の2級山岳に入っても逃げは決まらず、一度下ってから再び登り返す3級山岳でようやくジョージ・ベネット(ニュージーランド、NSNサイクリングチーム)ら3名が集団を抜け出す。そこにはワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)も遅れてジョインし、16名による大所帯の逃げ集団が形成された。それを容認したメイン集団では、リーダーチームであるUAEチームエミレーツXRGが牽引し、その責務を果たした。

現役引退を明らかにしたアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム)が逃げを狙う photo:A.S.O.

ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)を含む16名の逃げグループが形成された photo:A.S.O.
連日マイヨプントス(ポイント賞)獲得への意欲を見せるファンアールトが、残り57.3km地点の中間スプリントを先頭通過する。その結果ファンアールトは前日勝者でチームメイトであるマシュー・ブレナン(イギリス)を抜き、マイヨプントス争いの2位に上がる。その後ファンアールトはプロトンへと戻り、続く2級山岳は小山智也のチームメイトであるホセ・ディアス(スペイン、ブルゴス・ブルペレットBH)が先頭通過した。
そして逃げ集団は1分42秒のリードで、最終1級山岳エル・バルトロ(距離9.4km/平均7.1%)に入っていく。背後では引き続きUAEチームエミレーツXRGがハイペースを刻み、徐々にその差を縮めていく。そして逃げ集団が未舗装路区間を目前にした頃、アシストを使い切って単独となったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が自らペースアップを図り、総合のライバルたちを引き連れて登りを駆け上がった。

最終1級山岳エル・バルトロ(距離9.4km/平均7.1%)でハイペースを刻むUAEチームエミレーツXRG photo:A.S.O.

未舗装路に単独先頭で入ったラムセス・デブライネ(ベルギー、アルペシン・プレミアテック) photo:CorVos
逃げ集団から粘り、単独先頭に立ったのは23歳のラムセス・デブライネ(ベルギー、アルペシン・プレミアテック)だった。初出場した今年のツール・ド・フランスでは区間5位に入ったものの、体調不良によって無念の途中棄権となったデブライネだったが、ポガチャルが未舗装路区間に入ると、頂上まで残り3km地点でデブライネを捉える。その背後では、唯一ポガチャルの加速に反応していたオスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス)も遅れ、ここからデブライネをかわしたポガチャルの独走が始まると思われた。

デブライネを抜き去ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.

驚異的なスピードでポガチャルに追いついたエンリク・マス(スペイン、モビスター) photo:CorVos
しかしそこで待ったを掛けたのは、母国スペイン最大のレースを走るエンリク・マス(モビスター)だった。ポガチャルに1度引き離されながらもマイペースでの走りに切り替えたマスは、徐々にその差を縮め、路面が未舗装路からコンクリートに変わった頂上手前でポガチャルに追いつく。マスはそのまま先頭で頂上を通過し、レース主催者も「高速ダウンヒル」と表現する、急勾配の下りに入った。
マイヨロホのポガチャルは一時マスを引き離すも、コーナーを曲がり切れずコースアウトする。その間にマスはポガチャルを追い抜いたものの、決定的な差にはならず、2名はフィニッシュラインの引かれたカステジョンの街に到着。ポガチャルを先頭に最終ストレートに入り、先にマスが踏み込むも、すかさず反応したポガチャルが先頭を譲ることなく、そのまま先着した。

マスをスプリントで下したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

今大会区間3勝目を喜ぶタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
登りでマスに追いつかれ、下りではコースアウトし、独走に持ち込むことのできなかったポガチャル。しかしスプリントで地元のスター選手を退け、第6ステージにして早くも区間3勝目をマークしたレースを、「頂上ではエンリク(マス)がロケットみたいな勢いで僕を追い抜いていき、本当に驚いたよ。無線では追走集団に40秒差をつけていると聞き、彼の名前は出ておらず、全く予想していなかったからね。だから横を通り過ぎられて少しショックを受けたよ」と振り返る。
また「向かい風のラスト10kmを彼と一緒に走ることができてありがたかった。僕はもう水を持っていなかった。スプリントなら彼に勝てると思っていた。彼が最後まで全力で走ってくれたことに感謝しているし、僕もフィニッシュまで全力だった。彼には脱帽だし、良いレースだった」とも。
区間3位には逃げから粘ったデブライネが46秒遅れで入り、4位は同タイムでリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)。総合上位勢ではプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)がデブライネたちと共にフィニッシュ。一方、ポガチャルのアタックに反応したオンリーはその反動からか、1分38秒遅れの区間12位でフィニッシュし、総合順位を5位から7位に落としている。
その結果、マスがログリッチを抜き、総合2位に上がっている。また、8月のヴォルタ・ア・ポルトガル・エン・ビシクレタで19歳の弟フィンレー・ターリング(NSNディベロップメントチーム)を亡くしたジョシュア・ターリング(イギリス、ネットカンパニー・イネオス)は、この日レース途中で棄権を選んでいる。
第6ステージ 8月27日(木)
アルコセブレ〜カステジョン 177.4km(中級山岳)


逃げ向きでもあるステージで集団を飛び出したのはアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、NSNサイクリングチーム)。この日のスタート前に今季限りでの引退を発表した33歳は、最後のグランツールでの勝利を目指し、そこにプロ2年目の21歳レオ・ビジオー(フランス、デカトロンCMA CGM)が合流。さらにワルテル・カルツォーニ(イタリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)が加わったものの、直後にメイン集団が引き戻した。
その後、この日1つ目の2級山岳に入っても逃げは決まらず、一度下ってから再び登り返す3級山岳でようやくジョージ・ベネット(ニュージーランド、NSNサイクリングチーム)ら3名が集団を抜け出す。そこにはワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)も遅れてジョインし、16名による大所帯の逃げ集団が形成された。それを容認したメイン集団では、リーダーチームであるUAEチームエミレーツXRGが牽引し、その責務を果たした。


連日マイヨプントス(ポイント賞)獲得への意欲を見せるファンアールトが、残り57.3km地点の中間スプリントを先頭通過する。その結果ファンアールトは前日勝者でチームメイトであるマシュー・ブレナン(イギリス)を抜き、マイヨプントス争いの2位に上がる。その後ファンアールトはプロトンへと戻り、続く2級山岳は小山智也のチームメイトであるホセ・ディアス(スペイン、ブルゴス・ブルペレットBH)が先頭通過した。
そして逃げ集団は1分42秒のリードで、最終1級山岳エル・バルトロ(距離9.4km/平均7.1%)に入っていく。背後では引き続きUAEチームエミレーツXRGがハイペースを刻み、徐々にその差を縮めていく。そして逃げ集団が未舗装路区間を目前にした頃、アシストを使い切って単独となったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が自らペースアップを図り、総合のライバルたちを引き連れて登りを駆け上がった。


逃げ集団から粘り、単独先頭に立ったのは23歳のラムセス・デブライネ(ベルギー、アルペシン・プレミアテック)だった。初出場した今年のツール・ド・フランスでは区間5位に入ったものの、体調不良によって無念の途中棄権となったデブライネだったが、ポガチャルが未舗装路区間に入ると、頂上まで残り3km地点でデブライネを捉える。その背後では、唯一ポガチャルの加速に反応していたオスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス)も遅れ、ここからデブライネをかわしたポガチャルの独走が始まると思われた。


しかしそこで待ったを掛けたのは、母国スペイン最大のレースを走るエンリク・マス(モビスター)だった。ポガチャルに1度引き離されながらもマイペースでの走りに切り替えたマスは、徐々にその差を縮め、路面が未舗装路からコンクリートに変わった頂上手前でポガチャルに追いつく。マスはそのまま先頭で頂上を通過し、レース主催者も「高速ダウンヒル」と表現する、急勾配の下りに入った。
マイヨロホのポガチャルは一時マスを引き離すも、コーナーを曲がり切れずコースアウトする。その間にマスはポガチャルを追い抜いたものの、決定的な差にはならず、2名はフィニッシュラインの引かれたカステジョンの街に到着。ポガチャルを先頭に最終ストレートに入り、先にマスが踏み込むも、すかさず反応したポガチャルが先頭を譲ることなく、そのまま先着した。


登りでマスに追いつかれ、下りではコースアウトし、独走に持ち込むことのできなかったポガチャル。しかしスプリントで地元のスター選手を退け、第6ステージにして早くも区間3勝目をマークしたレースを、「頂上ではエンリク(マス)がロケットみたいな勢いで僕を追い抜いていき、本当に驚いたよ。無線では追走集団に40秒差をつけていると聞き、彼の名前は出ておらず、全く予想していなかったからね。だから横を通り過ぎられて少しショックを受けたよ」と振り返る。
また「向かい風のラスト10kmを彼と一緒に走ることができてありがたかった。僕はもう水を持っていなかった。スプリントなら彼に勝てると思っていた。彼が最後まで全力で走ってくれたことに感謝しているし、僕もフィニッシュまで全力だった。彼には脱帽だし、良いレースだった」とも。
区間3位には逃げから粘ったデブライネが46秒遅れで入り、4位は同タイムでリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)。総合上位勢ではプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とフェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM)がデブライネたちと共にフィニッシュ。一方、ポガチャルのアタックに反応したオンリーはその反動からか、1分38秒遅れの区間12位でフィニッシュし、総合順位を5位から7位に落としている。
その結果、マスがログリッチを抜き、総合2位に上がっている。また、8月のヴォルタ・ア・ポルトガル・エン・ビシクレタで19歳の弟フィンレー・ターリング(NSNディベロップメントチーム)を亡くしたジョシュア・ターリング(イギリス、ネットカンパニー・イネオス)は、この日レース途中で棄権を選んでいる。
ブエルタ・ア・エスパーニャ2026第6ステージ結果
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 4:12:40 |
| 2位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | |
| 3位 | ラムセス・デブライネ(ベルギー、アルペシン・プレミアテック) | +0:46 |
| 4位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
| 5位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | |
| 6位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | |
| 7位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
| 8位 | クリスティアン・ロドリゲス(スペイン、XDSアスタナ) | +1:38 |
| 9位 | クレマン・ベルテ(フランス、グルパマFDJユナイテッド) | |
| 10位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) |
マイヨロホ(個人総合成績)
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 15:38:27 |
| 2位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +3:34 |
| 3位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +4:21 |
| 4位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +4:50 |
| 5位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +4:55 |
| 6位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +5:36 |
| 7位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | +5:37 |
| 8位 | ラムセス・デブライネ(ベルギー、アルペシン・プレミアテック) | +5:40 |
| 9位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +5:58 |
| 10位 | アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) | +6:30 |
マイヨプントス(ポイント賞)
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 102pts |
| 2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | 69pts |
| 3位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 60pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 29pts |
| 2位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | 14pts |
| 3位 | ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ) | 13pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
| 1位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | 15:44:04 |
| 2位 | ラムセス・デブライネ(ベルギー、アルペシン・プレミアテック) | +0:03 |
| 3位 | ヤルノ・ウィダー(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | +2:31 |
チーム総合成績
| 1位 | デカトロンCMA CGM | 47:20:30 |
| 2位 | UAEチームエミレーツXRG | +4:22 |
| 3位 | ネットカンパニー・イネオス | +16:01 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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