終盤の3級山岳でスプリンターが遅れたブエルタ・ア・エスパーニャ第5ステージ。ヴィスマ・リースアバイクがチーム力を存分に活かし、マシュー・ブレナン(イギリス)が集団スプリントから区間2勝目を手に入れた。
第5ステージ 8月26日(水)
ファルセット〜ロケテス 173.3km(丘陵)

ジェンガに興じるランダ photo:CorVos 
カラパスのターン photo:CorVos

前日区間7位に入ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

第5ステージ ファルセット〜ロケテス image:A.S.O. アンドラでタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG)が50km独走勝利を飾り、総合勢の脚色が明らかとなった翌日、第81回ブエルタ・ア・エスパーニャには一転して、スプリンターにもチャンスのある丘陵ステージが用意された。ようやくスペインに入国した選手たちが臨むのは173.4kmの丘陵ステージ。カテゴリー山岳は終盤の3級山岳だけだが、終盤にかけて細かなアップダウンが続く、スプリンターにはいささか厳しいと目されるレイアウトだった。
序盤は今年のジロ・デ・イタリアで逃げから区間優勝を飾ったフレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が単独で飛び出し、そこにシュテファン・キュング(スイス、チューダープロサイクリング)らが合流。5名の逃げ集団が形成される。タイム差は最大2分20秒まで広がったが、メイン集団はこの一帯が横風で知られる地域だったこともあり、ヴィスマ・リースアバイクとネットカンパニー・イネオスがハイペースで集団分断を狙う動きを見せた。

フレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)ら5名による逃げ集団 photo:A.S.O.

ヴィスマ・リースアバイクの先導で一時エシュロンが発生したプロトン photo:CorVos

プロトンを飛び出し、中間スプリントを1位通過したイーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.
そのため逃げとの差は一気に縮まり、またリドル・トレックも牽引にマッズ・ピーダスン(デンマーク)を投入したこともあり、残り99km地点で逃げは吸収される。その直後、一時プロトンにはエシュロン(横風分断)が発生したものの、ほどなくして1つの集団に戻る。再び平穏が訪れたプロトンからはポガチャルの繰り下げでマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着るイーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)が飛び出し、しばらくの単独走の末、無事に中間スプリントをトップで通過。2位通過はワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が取り、マイヨプントスへの意欲を明らかにした。
ヘイターを吸収したプロトンはそのままフィニッシュ地点であるロケテスの街を目指すなか、残り44km地点でアンドレアス・クロン(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)が飛び出した。2023年大会で区間優勝の経験があり、逃げを得意とするパンチャーだが、3級山岳プエルト・デ・パウルス(距離3.5km/平均7.1%)の手前でプロトンに引き戻される。そして道幅僅か3mほどの登りが始まると、パヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツXRG)がポガチャルのためにペースを作り、マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)が集団に食らいつく一方、マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)やカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・プレミアテック)ら有力スプリンターたちが遅れていった。
約60名に絞られた集団が頂上を越え、ロケテスに向かうなかツール・ド・フランスからの連戦組であるシャビエル・アスパレン(スペイン、ピナレロQ36.5プロサイクリング)がアタックを仕掛ける。しかしファンアールトが反応して潰す。その後もヴィスマ・リースアバイクが集団先頭で目を光らせ、集団スプリント以外の決着を許さず、大きな動きのないままロケテスの街に到着した。

ラポルトのリードアウトからスプリントを開始したマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

区間2勝目を喜ぶマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos
ファンアールトが最終コーナーの手前で役割を終えると、クリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)の先導で最終ストレートへ。その背後からブレナンが踏み始め、さらに後ろにつくヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)も腰を上げる。しかしメーウスは横に並ぶことすらできず、ブレナンが両手を上げる余裕を見せてフィニッシュした。
「初めてのグランツールでもう2勝を挙げることができた。1日を通してチームメイトは全力で戦ってくれたからこそ、勝利で締めくくることができた。終盤は完璧だった。最後はワウト(ファンアールト)とクリストフ(ラポルト)という、こういう役割に関しては世界最高の2人が最後まで僕を支えてくれた」と喜びを語ったブレナン。その言葉通り、ブレナンはフィニッシュ後、チームメイト一人ひとりに感謝を伝えた。
一方、アタックを潰し、リードアウトを務めたファンアールトは「あのような(主要スプリンターが不在の)集団では、マシュー(ブレナン)が最も適した手札となる。リプレイを確認しなくてもよい(ほど完璧な)勝利だったよ」と笑顔でブレナンの勝利を祝福した。

ブレナンの勝利を喜ぶ ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

自身初のグランツールで早くも2勝目を得たマシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) photo:CorVos

危なげなくマイヨロホを守ったタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) photo:A.S.O.
第5ステージ 8月26日(水)
ファルセット〜ロケテス 173.3km(丘陵)




序盤は今年のジロ・デ・イタリアで逃げから区間優勝を飾ったフレドリク・ドゥヴァーシュネス(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)が単独で飛び出し、そこにシュテファン・キュング(スイス、チューダープロサイクリング)らが合流。5名の逃げ集団が形成される。タイム差は最大2分20秒まで広がったが、メイン集団はこの一帯が横風で知られる地域だったこともあり、ヴィスマ・リースアバイクとネットカンパニー・イネオスがハイペースで集団分断を狙う動きを見せた。



そのため逃げとの差は一気に縮まり、またリドル・トレックも牽引にマッズ・ピーダスン(デンマーク)を投入したこともあり、残り99km地点で逃げは吸収される。その直後、一時プロトンにはエシュロン(横風分断)が発生したものの、ほどなくして1つの集団に戻る。再び平穏が訪れたプロトンからはポガチャルの繰り下げでマイヨプントス(ポイント賞ジャージ)を着るイーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ)が飛び出し、しばらくの単独走の末、無事に中間スプリントをトップで通過。2位通過はワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が取り、マイヨプントスへの意欲を明らかにした。
ヘイターを吸収したプロトンはそのままフィニッシュ地点であるロケテスの街を目指すなか、残り44km地点でアンドレアス・クロン(デンマーク、ウノエックス・モビリティ)が飛び出した。2023年大会で区間優勝の経験があり、逃げを得意とするパンチャーだが、3級山岳プエルト・デ・パウルス(距離3.5km/平均7.1%)の手前でプロトンに引き戻される。そして道幅僅か3mほどの登りが始まると、パヴェル・シヴァコフ(フランス、UAEチームエミレーツXRG)がポガチャルのためにペースを作り、マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク)が集団に食らいつく一方、マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)やカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・プレミアテック)ら有力スプリンターたちが遅れていった。
約60名に絞られた集団が頂上を越え、ロケテスに向かうなかツール・ド・フランスからの連戦組であるシャビエル・アスパレン(スペイン、ピナレロQ36.5プロサイクリング)がアタックを仕掛ける。しかしファンアールトが反応して潰す。その後もヴィスマ・リースアバイクが集団先頭で目を光らせ、集団スプリント以外の決着を許さず、大きな動きのないままロケテスの街に到着した。


ファンアールトが最終コーナーの手前で役割を終えると、クリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク)の先導で最終ストレートへ。その背後からブレナンが踏み始め、さらに後ろにつくヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)も腰を上げる。しかしメーウスは横に並ぶことすらできず、ブレナンが両手を上げる余裕を見せてフィニッシュした。
「初めてのグランツールでもう2勝を挙げることができた。1日を通してチームメイトは全力で戦ってくれたからこそ、勝利で締めくくることができた。終盤は完璧だった。最後はワウト(ファンアールト)とクリストフ(ラポルト)という、こういう役割に関しては世界最高の2人が最後まで僕を支えてくれた」と喜びを語ったブレナン。その言葉通り、ブレナンはフィニッシュ後、チームメイト一人ひとりに感謝を伝えた。
一方、アタックを潰し、リードアウトを務めたファンアールトは「あのような(主要スプリンターが不在の)集団では、マシュー(ブレナン)が最も適した手札となる。リプレイを確認しなくてもよい(ほど完璧な)勝利だったよ」と笑顔でブレナンの勝利を祝福した。



ブエルタ・ア・エスパーニャ2026第5ステージ結果
| 1位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 3:47:02 |
| 2位 | ヨルディ・メーウス(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
| 3位 | ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
| 4位 | アレッサンドロ・ロメレ(イタリア、XDSアスタナ) | |
| 5位 | アクセル・ローランス(フランス、ネットカンパニー・イネオス) | |
| 6位 | クリストフ・ラポルト(フランス、ヴィスマ・リースアバイク) | |
| 7位 | アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、スーダル・クイックステップ) | |
| 8位 | フィト・ブラーツ(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | |
| 9位 | ダビド・ゴンサレス(スペイン、ピナレロQ36.5プロサイクリング) | |
| 10位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) |
マイヨロホ(個人総合成績)
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 11:26:01 |
| 2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | +3:21 |
| 3位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +3:32 |
| 4位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +3:44 |
| 5位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | +3:45 |
| 6位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +3:50 |
| 7位 | フェリックス・ガル(オーストリア、デカトロンCMA CGM) | +3:57 |
| 8位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +4:06 |
| 9位 | ヤルノ・ウィダー(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | |
| 10位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツXRG) | +4:11 |
マイヨプントス(ポイント賞)
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 82pts |
| 2位 | マシュー・ブレナン(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) | 60pts |
| 3位 | イーサン・ヘイター(イギリス、スーダル・クイックステップ) | 57pts |
マイヨモンターニャ(山岳賞)
| 1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツXRG) | 23pts |
| 2位 | ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ) | 10pts |
| 3位 | クーン・ボウマン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | 6pts |
マイヨブランコ(ヤングライダー賞)
| 1位 | オスカー・オンリー(イギリス、ネットカンパニー・イネオス) | 11:29:46 |
| 2位 | ヤルノ・ウィダー(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | +0:21 |
| 3位 | ラムセス・デブライネ(ベルギー、アルペシン・プレミアテック) | +0:59 |
チーム総合成績
| 1位 | UAEチームエミレーツXRG | 34:27:48 |
| 2位 | デカトロンCMA CGM | +6:20 |
| 3位 | ヴィスマ・リースアバイク | +10:26 |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, A.S.O.
photo:CorVos, A.S.O.
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