5月17日(日)、4日間にわたる戦いの最終日を迎えたジャパントラックカップ。この日の種目は男女ケイリンに加え、男子の中距離種目を中心に展開。女子の中距離レースはマディソンが行われた。前日に続き競輪ワールドシリーズ出場のハリー・ラブレイセンやマチルド・グロらも会場を訪れ、笑顔でファンサービスに応じていた。


Tシャツバズーカを発射して絶妙な表情を見せるマチルド・グロとマシュー・リチャードソン photo: Yuichiro Hosoda
チャリ氷を漕ぐハリー・ラブレイセン photo: Yuichiro Hosoda


観客席から推し選手への声援が飛ぶ photo:Satoru Kato



■ジュニアレース

男子ジュニア ポイントレース photo:Satoru Kato
男子ジュニア ポイントレース 沢野司(京都産業大学)が優勝 photo:Satoru Kato


男子ジュニア最初のレースはポイントレース。ポイント周回の残り60周目を終えて複数の選手が絡む落車が発生。うち2車が復帰するも、人数を減らしたレースは、2車を残した京都産業大学が優位に展開。その2人のうち沢野司が着実にポイントを重ね、残り10周を終えてトップの16ポイントを獲得。

ポイントが倍となるフィニッシュラインの争いも、残り1周のジャンが鳴る中、沢野が先行。先頭フィニッシュで10ポイントを加算し、レースを制した。2着は戸倉誠大(とくら せいた、宇陀高校)、3着に倉谷侠俐(くらたに かいり、京都産業大学)。

男子ジュニア ポイントレース表彰式 photo:Satoru Kato

男子ジュニア エリミネイション photo:Satoru Kato
男子ジュニア エリミネイション 残り3名で倉谷侠俐(京都産業大学)がアタック photo:Satoru Kato


ポイントレースの後、お昼休みを挟んで行われたのは、エリミネイション男子ジュニア。ポイントレースに続き、このレースも京都産業大学が攻撃的な動きを見せていく。優勝したのは同大の倉谷侠俐。沢野司とのコンビは強力で、他チームの選手を次々にレースから脱落させていくと、最後に残った三宅巧⼠(みやけ こうし、日本大学)も沢野が競り落とす。この前の周回からスパートしてこの両名を突き離していた倉谷がそのまま先頭フィニッシュし、沢野が2着となった。

エリミネイション男子ジュニア表彰式 photo: Yuichiro Hosoda

男子ジュニア ケイリン決勝 photo:Satoru Kato
男子ジュニア ケイリン決勝 リン・イークアンが優勝 photo:Satoru Kato


ジュニアレースの締めは、ケイリン決勝。この日の予選と準決勝を勝ち上がった選手は、リン・イークアン(ダイジャシニアハイスクール)、山崎帝輝(松山学院高校)、丸山力(まるやま りき、日本競輪選手養成所)、村瀬琶音(むらせ はおと、水島工業高校)、毛利元晴(誠英高学)、日高虎太郎(松山学院高校)の6名。レースは残り2周の3コーナーからリンが仕掛け早め先頭に立ち、そのまま後続を突き放して優勝した。2着にこれを追った村瀬、日高が3着となった。

ケイリン男子ジュニア表彰式 photo: Yuichiro Hosoda


■スクラッチ男子エリート

男子エリート スクラッチ ペースを上げる橋本英也(日本ナショナルチーム) photo:Satoru Kato

ケイリン予選の後、最初に行われたこの日の中距離種目、男子エリートのスクラッチ。40周、計10kmの距離を国内外22名の選手達が競い合った。

レースは終始、日本ナショナルチームの選手達が先頭集団を固める形。その中から残り10周を切ったタイミングで橋本英也が単独で逃げを打つ。

これを追ったのは兒島直樹や寺田吉騎らが入る集団。しかし思うようにペースが上がらず差が縮まらぬまま、最後の直線を残して橋本が勝利を確信。客席に手を振りながらフィニッシュラインを笑顔で駆け抜けた。2着に後続集団から兒島直樹、3着に香港チャイナのチェン・ツンワイが入った。

男子エリート スクラッチ 橋本英也(日本ナショナルチーム)が優勝 photo:Satoru Kato

スクラッチ男子エリート表彰式 photo: Yuichiro Hosoda




■エリミネイション男子エリート

男子エリート エリミネイション 日本ナショナルチーム主導で進む photo:Satoru Kato

男子エリート エリミネイション 日本ナショナルチーム4名と中国ナショナルチーム1名の勝負 photo:Satoru Kato
男子エリート エリミネイション 最後は窪木一茂と兒島直樹(共に日本ナショナルチーム)の勝負へ photo:Satoru Kato


2周に一度のペースで最後尾の選手が足切りされるエリミネイション。レースは序盤から日本ナショナルチームの5名が前々で支配していく。海外勢は、中国ナショナルチームのウー・ジュンジエがただ一人、この中に割って入り、3番手あるいは4番手と言った所で周回。しかし、残り4名となった段階で振るい落とされ、最後は日本ナショナルチーム3名での争いに。

男子エリート エリミネイション 兒島直樹(日本ナショナルチーム)がガッツポーズでフィニッシュ photo:Satoru Kato

窪木一茂が積極的に仕掛けてここから梅澤幹太が先に脱落すると、最後のジャンで今度は兒島直樹がロングスプリント。最終コーナーに入って窪木が追うのを諦める程のダッシュで、兒島がこのレースに決着を付けた。

エリミネイション男子エリート表彰式 photo: Yuichiro Hosoda



■マディソン女子エリート

女子エリート マディソン優勝 日本ナショナルチーム photo:Satoru Kato

中距離女子、大会最後の種目はマディソン。日本ナショナルチームの梶原悠未・内野艶和が見事な戦術で優勝を遂げた。

梶原・内野はポイント周回手前に差し掛かると、梶原がスプリント力に勝る内野を発射。その1周を内野が踏み切らせる形を多く取った。結果、3回のトップポイントに加え、全ての回でポイントを取りこぼす事なく、28ポイントを積み重ねた。

女子エリート マディソン2位 HPC-BSAチーム(HPCJCブリヂストン-アンカー) photo:Satoru Kato
女子エリート マディソン3位 中国ナショナルチーム photo:Satoru Kato


これに対抗したのが、HPCJCブリヂストン-アンカーの垣田真穂・池田瑞紀ペア。周回ポイントでは内野や中国ナショナルチームに先頭を奪われ14ポイントの3位で最終周回を迎えるも、ここで仕掛けた垣田が全開で後続を振り切ってフィニッシュ。10ポイントを加算して21ポイントの中国を逆転し、2位でレースを終えた。

マディソン女子エリート表彰式 photo: Yuichiro Hosoda




■ケイリン女子エリート

女子エリート ケイリン決勝 photo:Satoru Kato

1/2決勝でエリセ・アンドルーズ(ニュージーランド)と佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)が対決。結果は1着佐藤、2着にアンドルーズと入った。仲澤春香(チーム楽天Kドリームス)ももう一方の1/2決勝を3着。辛くも決勝進出を決めた。

決勝に並んだ6名は、内からワン・リジュアン(中国ナショナルチーム)、仲澤春香、エレセ・アンドルーズ、ユアン・リーイン(中国ナショナルチーム)、佐藤水菜、ジャン・ユールー(TEAM ZHEJIANG)。

発走後、このままの並びで一列となり、ペーサーが退避する頃には佐藤が上昇開始、残り3周のバックストレッチで2番手に。アンドルーズ、ユアンがこの後ろを追う。

女子エリート ケイリン決勝 ユエン・リーイン(中国ナショナルチーム)が先着 photo:Satoru Kato

佐藤は次のバックストレッチで先頭に立ち、ここから並びかけたアンドルーズと併走状態でのもがき合いが始まる。しかし外から捲ってきたユアンが直線これを捉え、先頭でフィニッシュ。内で粘った佐藤は3着、外から追い上げて来た仲澤が2着となった。

ケイリン女子エリート表彰式 photo: Yuichiro Hosoda



■ケイリン男子エリート

まず、予選と敗者復活戦を経て行われた1/2決勝、中野慎詞(チーム楽天Kドリームス)が先行、チームメイトの太田海也を抑えて1着で決めた。同チームに所属する尾野翔一や市田龍生都も勝ち上がって決勝へ。日本ナショナルチームで活躍する選手達が顔を揃えた。

男子エリート ケイリン決勝 尾野翔一(日本ナショナルチーム)を先頭に最終周回へ photo:Satoru Kato
男子エリート ケイリン決勝 僅差で中野慎詞(チーム楽天Kドリームス)が先着 photo:Satoru Kato


決勝メンバーは、内側から太田海也、アジズルハスニ・アワン(チームアジズル)、尾野翔一、中野慎詞、市田龍生都、ラヤン・エラル(サロンシクロスポルト)と並んでスタート。このままの順番で先頭から並び、先頭誘導員が離れた残り3周のバックストレッチでレースは動き出す。

最初に行ったのは尾野。これに合わせて後ろを追ったのが中野。後ろでも鍔迫り合いが続く中、最終周回を前に中野が先頭に出て尾野、太田の順で最後のコントロールラインを通過。尾野をかわして前に出た太田、外からアワンも中野に迫るも、中野が最後まで粘り切って逃げ切り勝ち。この勝負を制した。

男子エリート ケイリン 優勝して観客の声援に応える中野慎詞(チーム楽天Kドリームス) photo:Satoru Kato


なお、太田は尾野を抜く際の動きが違反行為と見做され、2着から降格を喫し、アワンが2着、尾野が3着に繰り上がり、表彰台に中野と共に上った。

ケイリン男子エリート表彰式 photo: Yuichiro Hosoda



■ポイントレース男子エリート

男子エリート ポイントレース 序盤から単独先行でラップを成功させた梅澤幹太(日本ナショナルチーム) photo:Satoru Kato
男子エリート ポイントレース 梅澤幹太を兒島直樹(共に日本ナショナルチーム)がピタリとマーク photo:Satoru Kato


ジャパントラックカップ締めのレースとなった男子エリートのポイントレース。昼過ぎの予選は、2組に分けられ、各60周15kmで第1ヒートに20名、第2ヒートに19名の39名が出場。そこから勝ち上がった23名の選手が決勝でポイントを争った。

男子エリート ポイントレース フィニッシュのポイントを取りに行く並江優作(鹿屋体育大学) photo:Satoru Kato

120周30kmとなったここも日本ナショナルチームとHPCJCブリヂストン-アンカーの選手達がレースを牽引。その争いに入り込んだのは、鹿屋体育大学の並江優作。常に先頭集団の前方でレースを展開し、73ポイントを獲得して3位入賞を果たした。

上位2名の争いは、兒島直樹(日本ナショナルチーム)とHPCJCの梅澤となったが、レース中盤にラップの判定を巡って不可解なポイント加算があり、梅澤がトップとなる。レース終了直後に表示されたポイントは梅澤が120、兒島が104となったが、レース終了後の協議によりラップの判定に誤りがある事が判明。梅澤と兒島の順位が入れ替わり、勝者は106ポイントの兒島となった。修正後の梅澤のポイントは100。

ポイントレース男子エリート表彰式 photo: Yuichiro Hosoda


text: Yuichiro Hosoda
photo: Satoru Kato, Yuichiro Hosoda