最終山岳で飛び出したヴィンゲゴーたちがフィニッシュ手前で引き戻されたジロ・デ・イタリア2日目。スカローニのリードアウトからギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、XDSアスタナ)がスプリントを制し、グランツール初勝利と共にマリアローザを着用した。
5月9日(土)第2ステージ
ブルガス〜ヴェリコ・タルノヴォ 221km(丘陵)

ブルガリアでの2日目を迎えたジロ・デ・イタリア photo:RCS Sport 
2日連続で逃げに選手を送ったポルティ・ヴィジットマルタ photo:RCS Sport

ブルガスを出発した選手たち photo:RCS Sport

ジロ・デ・イタリア第2ステージ image:RCS Sport 引き続きブルガリアが舞台となる第109回ジロ・デ・イタリア。第2ステージは前日のフィニッシュ地点であるブルガスを出発し、バルカン山脈の谷間を越えながら西へと進み、目指すのはヴェリコ・タルノヴォ。かつてブルガリア帝国の首都として栄えた古都だ。
今大会2番目に長い221kmコースの最初の100kmは平坦路で、そこから2つの3級山岳を連続で登坂。この日の勝負所となったのは、レッドブルKMを過ぎた直後に現れる3級山岳だった。登坂距離3.9kmに平均勾配6.8%で、最大14%とピュアスプリンターを退けるには十分な難易度。頂上からフィニッシュまでの10.4kmは下り基調で、その後の登り返しには短い石畳(斑岩)の区間と最大9%の急勾配が含まれる。
この日は前日終盤の落車で脳震盪を起こし、棄権したマッテオ・モスケッティ(イタリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)を除く、183名がスタートを切る。直後に飛び出したのはアルベルト・コンタドールが共同オーナーを務めるイタリアのプロチーム、ポルティ・ヴィジットマルタの2名。前日も逃げてマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るディエゴ・セビーリャ(スペイン)と共に、34歳のベテラン、ミルコ・マエストリ(イタリア)が飛び出した。

ポルティ・ヴィジットマルタの2名が逃げを打った photo:RCS Sport

プロトンで笑顔を見せるマリアローザのポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:RCS Sport
2名によるエスケープは容認され、メイン集団の牽引は現アイルランドTT王者のライアン・マレン(NSNサイクリングチーム)が担当する。中間スプリントはセビーリャが先頭通過し、プロトンでの3位争いは前日勝者のポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が先着。フランスの期待を背負う22歳が、栄光のマリアローザを着て見せ場を作った。
灰色だった空からついに雨粒が落ち始める頃、2つの3級山岳をセビーリャが先頭通過し、山岳ポイントを加算。2つ目の山岳の下りからプロトンとの差は一気に縮まり、登りで遅れ、大会前からの体調不良を引きずるアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)も集団に復帰した。雨脚が強くなってもマレンの牽引は変わらず、残り27km地点でプロトンは逃げの2名を引き戻した。
残り23km地点では濡れた路面にタイヤを滑らせ、約20名を巻き込む落車が発生した。総合争いの有力候補であるアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)やデレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック)などが巻き込まれ、レースは一時ニュートラルに。これによりサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)がリタイア。さらにUAEチームエミレーツXRGからは山岳アシストであるジェイ・ヴァイン(オーストラリア)とマルク・ソレル(スペイン)がレースを去った。
またこの落車によりイェーツは13分56秒遅れでフィニッシュしたため、総合争いから脱落。出場を予定していた総合エースのジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が体調不良で急遽不出場となったUAEのマリアローザ争いは、2日目にして早くも厳しい状況に追い込まれた。

山岳賞のリードを拡大させたディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ) photo:RCS Sport 
選手たちを応援するブルガリアのファンたち photo:RCS Sport

雨のなか、プロトンを牽引するライアン・マレン(アイルランド、NSNサイクリングチーム) photo:CorVos
残り18km地点でレースは再開され、直後のレッドブルKMはイネオス・グレナディアーズからチーム名を改めたネットカンパニー・イネオスのエガン・ベルナル(コロンビア)が先頭通過。貴重なボーナスタイム6秒を獲得し、続く3級山岳(距離3.9km/平均6.8%)では23歳の若手クライマーであるダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク)が牽引する。マリアローザのマニエが遅れるなか、頂上まで残り500m、フィニッシュまで11.4km地点でヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が仕掛けた。
大会2日目にして早くも攻撃に出たヴィンゲゴーには、背後につけていたヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)が遅れ、ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とレナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)という若手2名が食らいつく。頂上を先頭で越えたヴィンゲゴーは下りで肘を突き出し、ペリツァーリとファンイートヴェルトに先頭交代を促し、ローテーションが回りだした。

最終山岳で飛び出したヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)ら3名 photo:CorVos
下りを終え、フィニッシュまでの平坦路に入った先頭3名は20秒のリードを保つ。しかし残り3kmを切ってから後続との差が徐々に縮まり、追走集団を飛び出したクリステンが残り1km地点でブリッジし、先頭は4名に。さらに牽制に入ったところでファンイートヴェルトのアタックは決まらず、後続集団が合流した。
勝負はクライマーとパンチャーによる集団スプリントに持ち込まれ、クリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ)のリードアウトからスプリントしたギリェルモ・シルバ(ウルグアイ)が、迫るフロリアン・ストーク(ドイツ、チューダープロサイクリング)とジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)を退け勝利した。

スカローニの背後から飛び出したギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、XDSアスタナ) photo:CorVos

グランツール初勝利を飾ったギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、XDSアスタナ) photo:CorVos
今年カハルラル・セグロスRGAから加入したシルバによる、ワールドツアー初勝利。「信じられない勝利を得た、素晴らしい1日だ。このステージが自分に適しており、なにか仕掛けたいと強く思っていた。クリスティアンが僕を集団前方に送り届けてくれたおかげで、全力のスプリントができた」とシルバはコメント。「まさかマリアローザを着用できるとは想像していなかった。感情が追いつかず、これ以上言えることはあまりないよ」と語る通り総合でも首位に立ち、ウルグアイ人として初の区間優勝とピンク色のマリアローザに袖を通した。
プロトンでは珍しいウルグアイ出身のシルバは24歳で、2024年にカハルラルでプロデビュー。1年目からシングルリザルトを連発し、ワールドツアーで走る今年は4月のツアー・オブ・ハイナン(UCI2.Pro)で区間2勝を挙げて総合優勝。今後の活躍が期待される、スプリント力を備えたパンチャーだ。
なお、シルバをリードアウトしたスカローニは、フィニッシュ直前にハンドルから両手を離して勝利を祝ったとして、イエローカードを提示されている。

ウルグアイ人として初めてマリアローザを着用したギリェルモ・シルバ(XDSアスタナ) photo:CorVos
5月9日(土)第2ステージ
ブルガス〜ヴェリコ・タルノヴォ 221km(丘陵)




今大会2番目に長い221kmコースの最初の100kmは平坦路で、そこから2つの3級山岳を連続で登坂。この日の勝負所となったのは、レッドブルKMを過ぎた直後に現れる3級山岳だった。登坂距離3.9kmに平均勾配6.8%で、最大14%とピュアスプリンターを退けるには十分な難易度。頂上からフィニッシュまでの10.4kmは下り基調で、その後の登り返しには短い石畳(斑岩)の区間と最大9%の急勾配が含まれる。
この日は前日終盤の落車で脳震盪を起こし、棄権したマッテオ・モスケッティ(イタリア、ピナレロQ36.5プロサイクリング)を除く、183名がスタートを切る。直後に飛び出したのはアルベルト・コンタドールが共同オーナーを務めるイタリアのプロチーム、ポルティ・ヴィジットマルタの2名。前日も逃げてマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)を着るディエゴ・セビーリャ(スペイン)と共に、34歳のベテラン、ミルコ・マエストリ(イタリア)が飛び出した。


2名によるエスケープは容認され、メイン集団の牽引は現アイルランドTT王者のライアン・マレン(NSNサイクリングチーム)が担当する。中間スプリントはセビーリャが先頭通過し、プロトンでの3位争いは前日勝者のポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ)が先着。フランスの期待を背負う22歳が、栄光のマリアローザを着て見せ場を作った。
灰色だった空からついに雨粒が落ち始める頃、2つの3級山岳をセビーリャが先頭通過し、山岳ポイントを加算。2つ目の山岳の下りからプロトンとの差は一気に縮まり、登りで遅れ、大会前からの体調不良を引きずるアルノー・ドゥリー(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)も集団に復帰した。雨脚が強くなってもマレンの牽引は変わらず、残り27km地点でプロトンは逃げの2名を引き戻した。
残り23km地点では濡れた路面にタイヤを滑らせ、約20名を巻き込む落車が発生した。総合争いの有力候補であるアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツXRG)やデレク・ジーウェスト(カナダ、リドル・トレック)などが巻き込まれ、レースは一時ニュートラルに。これによりサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)がリタイア。さらにUAEチームエミレーツXRGからは山岳アシストであるジェイ・ヴァイン(オーストラリア)とマルク・ソレル(スペイン)がレースを去った。
またこの落車によりイェーツは13分56秒遅れでフィニッシュしたため、総合争いから脱落。出場を予定していた総合エースのジョアン・アルメイダ(ポルトガル)が体調不良で急遽不出場となったUAEのマリアローザ争いは、2日目にして早くも厳しい状況に追い込まれた。



残り18km地点でレースは再開され、直後のレッドブルKMはイネオス・グレナディアーズからチーム名を改めたネットカンパニー・イネオスのエガン・ベルナル(コロンビア)が先頭通過。貴重なボーナスタイム6秒を獲得し、続く3級山岳(距離3.9km/平均6.8%)では23歳の若手クライマーであるダヴィデ・ピガンゾーリ(イタリア、ヴィスマ・リースアバイク)が牽引する。マリアローザのマニエが遅れるなか、頂上まで残り500m、フィニッシュまで11.4km地点でヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク)が仕掛けた。
大会2日目にして早くも攻撃に出たヴィンゲゴーには、背後につけていたヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)が遅れ、ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とレナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ)という若手2名が食らいつく。頂上を先頭で越えたヴィンゲゴーは下りで肘を突き出し、ペリツァーリとファンイートヴェルトに先頭交代を促し、ローテーションが回りだした。

下りを終え、フィニッシュまでの平坦路に入った先頭3名は20秒のリードを保つ。しかし残り3kmを切ってから後続との差が徐々に縮まり、追走集団を飛び出したクリステンが残り1km地点でブリッジし、先頭は4名に。さらに牽制に入ったところでファンイートヴェルトのアタックは決まらず、後続集団が合流した。
勝負はクライマーとパンチャーによる集団スプリントに持ち込まれ、クリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ)のリードアウトからスプリントしたギリェルモ・シルバ(ウルグアイ)が、迫るフロリアン・ストーク(ドイツ、チューダープロサイクリング)とジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック)を退け勝利した。


今年カハルラル・セグロスRGAから加入したシルバによる、ワールドツアー初勝利。「信じられない勝利を得た、素晴らしい1日だ。このステージが自分に適しており、なにか仕掛けたいと強く思っていた。クリスティアンが僕を集団前方に送り届けてくれたおかげで、全力のスプリントができた」とシルバはコメント。「まさかマリアローザを着用できるとは想像していなかった。感情が追いつかず、これ以上言えることはあまりないよ」と語る通り総合でも首位に立ち、ウルグアイ人として初の区間優勝とピンク色のマリアローザに袖を通した。
プロトンでは珍しいウルグアイ出身のシルバは24歳で、2024年にカハルラルでプロデビュー。1年目からシングルリザルトを連発し、ワールドツアーで走る今年は4月のツアー・オブ・ハイナン(UCI2.Pro)で区間2勝を挙げて総合優勝。今後の活躍が期待される、スプリント力を備えたパンチャーだ。
なお、シルバをリードアウトしたスカローニは、フィニッシュ直前にハンドルから両手を離して勝利を祝ったとして、イエローカードを提示されている。

ジロ・デ・イタリア2026第2ステージ結果
| 1位 | ギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、XDSアスタナ) | 5:39:25 |
| 2位 | フロリアン・ストーク(ドイツ、チューダープロサイクリング) | |
| 3位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | |
| 4位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア、XDSアスタナ) | |
| 5位 | ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) | |
| 6位 | マッテオ・ソブレロ(イタリア、リドル・トレック) | |
| 7位 | アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
| 8位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) | |
| 9位 | マルティン・チョッタ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
| 10位 | マティス・ロンデル(フランス、チューダープロサイクリング) |
マリアローザ(個人総合成績)
| 1位 | ギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、XDSアスタナ) | 9:00:23 |
| 2位 | フロリアン・ストーク(ドイツ、チューダープロサイクリング) | +0:04 |
| 3位 | エガン・ベルナル(コロンビア、ネットカンパニー・イネオス) | |
| 4位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、ネットカンパニー・イネオス) | +0:06 |
| 5位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) | |
| 6位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) | +0:10 |
| 7位 | ヨハネス・クルセット(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
| 8位 | マルティン・チョッタ(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) | |
| 9位 | レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・アンテルマルシェ) | |
| 10位 | ダレン・ラファーティー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) |
マリアチクラミーノ(ポイント賞)
| 1位 | ポール・マニエ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 50pts |
| 2位 | トビアスルンド・アンドレースン(デンマーク、デカトロンCMA CGM) | 35pts |
| 3位 | ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック) | 25pts |
マリアアッズーラ(山岳賞)
| 1位 | ディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ) | 24pts |
| 2位 | ヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(デンマーク、ヴィスマ・リースアバイク) | 9pts |
| 3位 | ミルコ・マエストリ(イタリア、ポルティ・ヴィジットマルタ) | 8pts |
マリアビアンカ(ヤングライダー賞)
| 1位 | ギリェルモ・シルバ(ウルグアイ、XDSアスタナ) | 9:00:23 |
| 2位 | ヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG) | +0:10 |
| 3位 | ヨハネス・クルセット(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) |
チーム総合成績
| 1位 | XDSアスタナ | 27:01:39 |
| 2位 | チューダープロサイクリング | |
| 3位 | ウノエックス・モビリティ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos, RCS Sport
photo:CorVos, RCS Sport
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