本日5月8日より始まる第109回ジロ・デ・イタリア。ブルガリアでの開幕3日間を経てイタリア本土に上陸し、山頂フィニッシュで締めくくられる1週目のコース詳細を紹介する。



ジロ・デ・イタリア2026 全体コースマップ image:RCS Sport

2025年にイタリアの対岸アルバニアで開幕したジロ・デ・イタリアは今年、同じバルカン半島の東部で、黒海に面するブルガリアから始まる。まず3日間をかけてブルガリアを巡り、1日の移動日を挟んでイタリア本土の南部、カタンツァーロから半島を北上。その後は2週間をかけてイタリア北部を時計回りに巡っていく。

イタリアの首都ローマで締めくくられる21日間の総距離3,468kmで、総獲得標高は48,700m。マリアローザが争われるであろう山岳ステージおよび山頂フィニッシュは7つ用意され、クイーン(最難関)ステージとなるのはドロミテ山脈の難関山岳が6つも詰め込まれた第19ステージ。また第10ステージの42kmに及ぶ個人タイムトライアルも大会のハイライトになるだろう。

ステージカテゴリー内訳
平坦ステージ:9
丘陵ステージ:6(山頂フィニッシュ2)
山岳ステージ:5(山頂フィニッシュ5)
個人タイムトライアル:1

ブルガリアでの3日間は集団スプリントが濃厚な平坦ステージから始まり、2日目は丘陵、そして3日目は再び平坦ステージ。イタリア本土に上陸してからも、パンチャーやスプリンターの活躍が期待されるステージが続き、7日目に今大会初の本格山岳、そして山頂フィニッシュが登場する。また1週目を締めくくる9日目も山頂フィニッシュのため、早くもマリアローザ争いの輪郭が見えてくるはずだ。



5月8日(金)第1ステージ
ネセバル〜ブルガス 147km(平坦)


ジロ・デ・イタリア第1ステージ image:RCS Sport

21日間に及ぶ戦いは、ブルガリア東部で世界遺産の古都ネセバルから始まる。そこから南西にあるブルガスまで黒海沿いを進み、一度フィニッシュ地点を通過した後、南東のコースを2周する。147kmのコースは平坦基調で、後半には2箇所の4級山岳とスプリントポイント、そして今年も最大6秒のボーナスタイムが与えられるレッドブルKMが設定されている。

ブルガスに戻り、争われるであろうは世界屈指のスピードマンたちによる集団スプリント。フィニッシュラインまで続くコースは幅の広い直線路で、残り1km地点からわずかに登り基調となる。最終コーナーは残り300m地点に訪れ、その後は幅8mの直線路がフィニッシュまで続く。勝利した選手に与えられるのは、もちろんピンク色のマリアローザだ。



5月9日(土)第2ステージ
ブルガス〜ヴェリコ・タルノヴォ 221km(丘陵)


ジロ・デ・イタリア第2ステージ image:RCS Sport

前日のフィニッシュ地点であるブルガスを出発し、バルカン山脈の谷間を越えながら西へと進み、目指すのはヴェリコ・タルノヴォ。かつてブルガリア帝国の首都として栄えた古都だ。

最初の100kmは平坦路で、そこから2つの3級山岳を連続で登坂。この日の勝負所となるのは、レッドブルKMを過ぎた直後に現れる3級山岳だろう。登坂距離3.9kmに平均勾配6.8%で、最大14%とピュアスプリンターを退けるには十分な難易度。頂上からフィニッシュまでの10.4kmは下り基調で、その後の登り返しには短い石畳(斑岩)の区間と最大9%の急勾配が含まれる。



5月10日(日)第3ステージ
プロヴディフ〜ソフィア 175km(平坦)


ジロ・デ・イタリア第3ステージ image:RCS Sport

ブルガリア最終日となる第3ステージは、集団スプリントが予想される平坦ステージだ。しかしスパイスとなるのは残り62.6km地点から始まる、登坂距離9.2kmの2級山岳ボロヴェツ峠。平均勾配は5%台ながら最大勾配は11%に達し、スプリンターたちはここでの遅れを、フィニッシュまで続く下りと平坦路で取り戻せるかが勝負の鍵となる。

ブルガリアの首都で最大都市であるソフィアに至るラスト8kmはほぼ直線路。ラスト1kmまでは下り基調が続き、フィニッシュまでは8m幅の平坦路が敷かれている。白熱の集団スプリントを制するのは誰か。



5月11日(月)移動日



5月12日(火)第4ステージ
カタンツァーロ〜コゼンツァ 138km(平坦)


ジロ・デ・イタリア第4ステージ image:RCS Sport

移動日を挟み、ジロ・デ・イタリアはイタリア本土に上陸。これからイタリア半島を徐々に北上していく初日は、イタリア南部カラブリア州のカタンツァーロからコゼンツァに向かう138kmだ。ショートステージの分類は平坦だが、コース後半に2級山岳コッツォ・トゥンノ(距離14.3km/平均5.9%)が設定され、フィニッシュ地点は長い下りと平坦路を進んだ先にある。

ラスト3kmから入るコゼンツァの市街地は、いくつかのコーナーがあるものの道幅は広く、各チームがトレインを維持しやすい地形。残り450mから最終ストレートが始まり、緩やかな上り基調ではあるものの、スプリンターも十分にスピードを発揮できるだろう。



5月13日(水)第5ステージ
プライア・ア・マーレ〜ポテンツァ 203km(丘陵)


ジロ・デ・イタリア第5ステージ image:RCS Sport

今大会初めて、クライマーに出番が回ってくるか。分類は丘陵だが、選手たちにはコース後半に急勾配の2級山岳が待ち受ける。

前日のショートステージから一転、この日は203kmの長丁場。序盤に3級山岳を越え、しばしの平坦路を進んだ後、残り42.4kmから登るのは2級山岳モンターニャ・グランデ・ディ・ヴィッジャーノ(距離6.6km/平均9.1%)。しかも頂上手前約2kmの地点には最大勾配15%の急勾配が待ち受ける。

フィニッシュ地点はそこから細かなアップダウンと下りを経た先。2級山岳で飛び出した選手による独走、あるいは絞られた集団によるスプリントが大方の予想。少なくともマリアローザの持ち主は変わりそうだ。



5月14日(木)第6ステージ
パエストゥム〜ナポリ 142km(平坦)


ジロ・デ・イタリア第6ステージ image:RCS Sport

前日に総合勢の脚色が垣間見えたかもしれないジロ第6ステージは、再び142kmという距離の短い平坦ステージが用意された。前半は出発地点であるパエストゥムからティレニア海沿いを北上し、内陸を進みながら南イタリアを代表する港町ナポリに至る。

コース前半の4級山岳を除き、コースはほぼ真っ平ら。しかしラスト70kmは市街地を通り抜けるため、コーナーやスピードバンプといった障害物が連続する。港沿いを進み、フィニッシュ手前650mの左コーナーから石畳区間の緩斜面を越え、2つの右コーナーを抜けて現れる最終ストレートにも石畳が敷かれている。



5月15日(金)第7ステージ
フォルミア〜ブロックハウス 244km(山岳/山頂フィニッシュ)


ジロ・デ・イタリア第7ステージ image:RCS Sport

今大会最初の山岳ステージ、かつ山頂フィニッシュはお馴染みブロックハウスを駆け上がる。イタリア半島の背骨であるアペニン山脈が舞台となるのは、今大会最長距離である244km。スタートから約133kmはほぼ平坦路だが、カテゴリーなき山岳を越え、まずは2級山岳を登坂。そして最後に1級山岳ブロックハウス(距離13.6km/平均8.4%)が待ち受ける。

数多くのヘアピンコーナーを含む狭いコースをひたすら登り、残り3.5kmからは平均勾配9.4%の急勾配区間がフィニッシュまで続く。最大勾配14%は山岳の中腹に登場し、ラスト500mで一度平坦路となり、最後200mの勾配は8%だ。これまでの総合順位が一気にシャッフルされると同時に、新しいマリアローザ着用者が誕生することだろう。



5月16日(土)第8ステージ
キエーティ〜フェルモ 156km(丘陵)


ジロ・デ・イタリア第8ステージ image:RCS Sport

イタリア本土を北上するジロは、アドリア海側のキエーティからマルケ州の丘上都市フェルモを目指す。前半はアドリア海沿いを走る平坦路。しかし中間スプリントポイントを越えてから、3級山岳と3つの4級山岳を越える丘陵地帯が始まる。

特にフィニッシュへ向かう最後の4級山岳ムーロ・ディ・カポダルコ(カポダルコの壁)は、登坂距離2.5km、平均勾配6.3%で最大勾配22%という難所。残り750mで短い下りを挟み、最後は約10%の急坂を駆け上がる。逃げにもチャンスがあると共に、パンチャ
ー向きのステージ。そして総合順位が大きく動くステージではないものの、総合勢にとって決して気を抜けないレイアウトだ。



5月17日(日)第9ステージ
チェルヴィア〜コルノ・アッレ・スカーレ 184km(丘陵/山頂フィニッシュ)


ジロ・デ・イタリア第9ステージ image:RCS Sport

第109回ジロ・デ・イタリアの1週目を締めくくるのは、ラストに1級山岳コルノ・アッレ・スカーレ(距離10.8km/平均6.1%)を駆け上がるシンプルな山頂フィニッシュステージだ。アドリア海に面した町チェルヴィアを出発し、西へ向かう前半は平坦基調。登坂バトルはまず3級山岳クエルチョーラ(距離11.3km/平均4.3%)から始まる。

その後は短い下りを挟み、1級山岳コルノ・アッレ・スカーレへ。ヘアピンカーブを含む幾多のコーナーでひたすら登り、ラスト3kmからは平均勾配が10%に跳ね上がる。最後の直線はラスト150mで、勾配約7%の幅広いアスファルト路面だ。

今大会の山頂フィニッシュはこれが2つ目で、残すところはあと5つ。3週間に及ぶマリアローザ争いは、まだ始まったばかりと言っていい。

text:Sotaro.Arakawa
image:RCS Sport

最新ニュース(全ジャンル)