総合優勝候補の1人だったデルトロが落車リタイアしたイツリア・バスクカントリー3日目。逃げ集団から飛び出したアクセル・ローランス(フランス、イネオス・グレナディアーズ)がスプリントでアリエタを下し、ステージ優勝を掴んだ。



チーム総合成績で首位に立つXDSアスタナ photo:Itzulia Basque Country

スペイン・バスクで開催中のイツリア・バスクカントリー(UCIワールドツアー)第3ステージは、今大会最も難易度の低いレイアウト。とはいえコース後半に2級山岳が2つ、そして3級山岳を越え、フィニッシュ手前にも2つの丘が設定されている。そのため逃げ切り向きのコースと考えられ、その通りレース序盤からアタックが繰り返された。

152.8kmコースで逃げが決まったのは残り約90km地点だった。16名の逃げグループの中でも注目されたのは、前日に遅れ、総合争いから脱落したイラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)やギヨーム・マルタンギヨネ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)。またジョアン・ボウ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)が2日連続で逃げ、最初の2級山岳を先頭通過したため、山岳賞争いで首位に立った。

この日形成されたのは16名による逃げ集団 photo:Itzulia Basque Country

レース後半に入る前、メイン集団ではイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)が落車する。レースに復帰したものの、その後リタイアを選択。チームの発表によると骨折はなかったものの、右大腿部の筋損傷と擦過傷を負った。総合優勝候補の1人が去ったプロトンを、その後はデカトロンCMA CGMやコフィディスなどが中心となって先導した。

山岳を越えるたびに人数が絞られていく逃げ集団では、最終3級山岳サラソラ(距離2km/平均5.6%)で前日に落車したアクセル・ローランス(フランス、イネオス・グレナディアーズ)とイゴール・アリエタ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG)が抜け出す。ローランスが24歳、アリエタが23歳と若い2名だったが、それぞれ経験豊富な走りで逃げ集団はもちろん、追走の手を緩めたプロトンとの差も拡げていく。

最終山岳で飛び出し、先頭に立ったアクセル・ローランス(フランス、イネオス・グレナディアーズ)とイゴール・アリエタ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

逃げた選手たちによる追走の協力体制は整わず、チームに明確な総合エースのいないローランスと、デルトロを失いチームとしてステージ優勝に切り替えたアリエタの2名に勝負は絞られる。登りでローランスが何度も仕掛けるも、アリエタを振り切ることはできず、牽制に入ったことで後続が迫る。しかしそれを確認したアリエタが先んじてスプリントを開始した。

それに呼応するようにローランスも反応し、冷静に背後をとり、フィニッシュ手前で抜き去った。

マッチスプリントを制したアクセル・ローランス(フランス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

「アリエタが優れたクライマーだということは分かっていたし、本当に強かった。彼がスプリントを仕掛けた瞬間、脚が攣ってしまったんだ。そんな中でも完璧な走りができたと思うし、ほんの数秒苦しめば、大きな喜びが待っていると分かっていた」と、レースを振り返ったローランス。アルペシン・プレミアテックからイネオスに加入した初年の2025年は未勝利だったものの、2年目の今季は初戦のツール・ド・ラ・プロヴァンス(UCI2.1)でステージ優勝、3月のセッティマーナ・インテルナツィオナーレ・コッピ・エ・バルタリ(UCI2.1)では区間2勝を挙げるなど、好調の流れをワールドツアーであるバスクに繋げた。

1分4秒遅れでやってきたプロトンは総合首位ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)が先着して12位でフィニッシュ。7つのカテゴリー山岳を越える翌日の丘陵ステージに向け、好調ぶりを見せつけた。

総合首位を守ったポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) photo:Itzulia Basque Country
イツリア・バスクカントリー2026第3ステージ結果
1位 アクセル・ローランス(フランス、イネオス・グレナディアーズ) 3:38:33
2位 イゴール・アリエタ(スペイン、UAEチームエミレーツXRG) +0:02
3位 ナトナエル・テスファツィオン(エリトリア、モビスター) +0:14
4位 イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
5位 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ) +0:18
6位 ジェームズ・ショー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) +0:21
7位 クレマン・ブラズアフォンソ(フランス、グルパマFDJユナイテッド) +0:24
8位 ロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ)
9位 ギヨーム・マルタンギヨネ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)
10位 ルーベン・トンプソン(ニュージーランド、ロット・アンテルマルシェ) +0:34
個人総合成績
1位 ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM) 8:08:24
2位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +1:59
3位 フロリアン・リポヴィッツ(ドイツ、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +2:08
4位 マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) +2:14
5位 ベン・トゥレット(イギリス、ヴィスマ・リースアバイク) +2:27
6位 アレックス・ボーダン(フランス、EFエデュケーション・イージーポスト) +2:31
7位 ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) +2:36
8位 アロルド・テハダ(コロンビア、XDSアスタナ) +2:48
9位 キアン・アイデブルックス(ベルギー、モビスター) +3:01
10位 クレマン・シャンプッサン(フランス、XDSアスタナ) +3:02
その他の特別賞
ポイント賞 ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)
山岳賞 ジョアン・ボウ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)
ヤングライダー賞 ポール・セクサス(フランス、デカトロンCMA CGM)
チーム総合成績 XDSアスタナ
text:Sotaro.Arakawa
photo:Itzulia Basque Country, CorVos

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