登りで形成された精鋭集団によるスプリントで決着したティレーノ~アドリアティコ第4ステージ。マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)がロングスプリントを決め、2位のジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が総合首位に浮上した。



総合5位につけるプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

ティレーノ〜アドリアティコ第4ステージ photo:CorVos
レース主催者が「今大会で最も展開予想の難しいステージの1つ」と語るのが、3月12日に行われたティレーノ~アドリアティコ4日目。前日に登ったアペニン山脈から走り出した選手たちは、まず2つの山岳を登坂し、長いダウンヒルを進む。その先のフィニッシュまでには3つの丘が待ち受け、ここをスプリンターが集団から遅れずに耐えられるかが勝負の肝となった。

ついにアドリア海にたどり着くこの日は、山岳賞ジャージを着るディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ)が3日連続の逃げを打つ。ベテランのローレンス・ワーバス(アメリカ、チューダープロサイクリング)らも入った逃げグループは11名となり、この動きを容認したメイン集団はリーダーチームであるUAEチームエミレーツXRGが先導した。いったん落ち着いたかに見えたプロトンからは164cmと小柄なレミ・ロシャ(フランス、グルパマFDJユナイテッド)が飛び出し、ブリッジを成功させて逃げ集団を12名にした。

12名による逃げグループ photo:CorVos

セビーリャは最初の2つの山岳の山頂を先頭通過し、下りに入る。そこで逃げ集団は分裂し、ワーバスら7名に絞られる。この日山岳ポイント獲得の目的を果たしたセビーリャはプロトンに戻り、残り30km地点で再び逃げは11名に戻る。しかしワウト・ファンアールト(ベルギー)のためにプロトンを牽引するヴィスマ・リースアバイクのペースアップによって、最後の丘を前に逃げは吸収された。

その後もマッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク)はハイペースを刻み、頂上手前で12名に絞られた集団から総合首位イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)が加速した。しかしマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)がぴったりとマークし、下りで再びジョーゲンソンが牽引を再開。散発的に繰り返されたアタックにはジョーゲンソンも加わりながら、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。

最終山岳で仕掛けたイサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) photo:CorVos

アドリア海を臨む海岸線に出た先頭集団からは、残り1km地点でヤン・クリステン(スイス、UAEチームエミレーツXRG)がアタック。だがこれは決まらず、その後ろにファンアールトとファンデルプールがつき、別ラインからフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)がスプリントを開始した。

しかしアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)が背後についたことでガンナは踏みを緩め、残り300m過ぎからファンデルプールが腰を上げる。絶好のタイミングからロングスプリントを仕掛けたファンデルプールのスピードは圧倒的で、誰も横に並ぶどころか、後ろを振り向き踏み止める余裕を見せながらフィニッシュ。2日目に続く今大会2勝目を勝ち取った。

スプリント勝利したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) photo:CorVos

総合首位に立ったジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos

「向かい風も吹いていたので、スプリントするタイミングが早すぎると思った。だが幸運にもそのリードを最後まで保つことができた。先頭集団は皆が限界に達していたことも僕に味方した。終盤の動きが全てハマった結果だ」とファンデルプールは振り返った。

2位にクライマーのジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が入ったため、ボーナスタイム6秒を獲得。その結果、同じ22歳のデルトロを2秒上回り、総合首位に立った。
ティレーノ〜アドリアティコ2026第4ステージ結果
1位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック) 4:51:40
2位 ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
3位 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・モビリティ)
4位 クレマン・シャンプッサン(フランス、XDSアスタナ)
5位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)
6位 ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)
7位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
8位 アレッサンドロ・ピナレロ(イタリア、NSNサイクリングチーム)
9位 フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)
10位 イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG)
個人総合成績
1位 ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) 15:27:00
2位 イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツXRG) +0:02
3位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) +0:21
4位 マッテオ・ジョーゲンソン(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) +0:34
5位 ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) +0:39
6位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、ジェイコ・アルウラー) +0:42
7位 マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)
8位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、リドル・トレック) +0:44
9位 アラン・ハザリー(南アフリカ、ジェイコ・アルウラー) +0:46
10位 アントニオ・ティベーリ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:49
その他の特別賞
ポイント賞 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・プレミアテック)
山岳賞 ディエゴ・セビーリャ(スペイン、ポルティ・ヴィジットマルタ)
ヤングライダー賞 ジュリオ・ペリツァーリ(イタリア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)
チーム総合成績 レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ
text:Sotaro.Arakawa
photo:RCS Sports