屈指の難関コース「コクサイデ」で開催されたUCIシクロクロスワールドカップ第6戦で、再びマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が圧勝。女子レースではルシンダ・ブラント(オランダ、リドル・トレック)がW杯5連勝をマークした。
砂、砂、そして砂。前日のUCIシクロクロスワールドカップ第5戦アントワープに続く週末2連戦の2戦目の舞台は、欧州シクロクロスカレンダーを象徴するベルギーの「砂地獄」コクサイデ。1969年に初開催を迎えた伝統のコースは砂丘(デューン)をたっぷり含み、単純な砂捌きのテクニックのみならず、パワーとランニング、降車・乗車の判断がコース攻略の鍵を握る。
女子エリート:強いブラントが独走、チームメイトのファンアンローイが2位に

先頭グループを組むルシンダ・ブラント(オランダ、リドル・トレック)とアニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング) photo:UCI
女子エリートレースで目覚ましい走りを披露したのは、10月のシーズンインから実に13戦11勝、ワールドカップでも4連勝中のルシンダ・ブラント(オランダ、リドル・トレック)。長年課題としていた序盤のダッシュ力不足も影を潜める36歳のベテラン選手は1周目から先頭に立つ。必死に食い下がろうと試みたアニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング)も、「ディーゼルエンジン」に例えられるブラントのパワーに遅れを取った。

レース前半から独走を開始したルシンダ・ブラント(オランダ、リドル・トレック) photo:UCI

圧倒的な走りでW杯5連勝をマークしたルシンダ・ブラント(オランダ、リドル・トレック) photo:UCI
今季序盤戦で好調だったサラ・カサソラ(イタリア、クレラン・コレンドン)が呼吸系の不調でレースを降り、先頭グループがブラントのチームメイト、シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)とファンアルフェンの3人になった2周目、砂区間で加速したブラントが遂に単独先行に。差を詰めたかったファンアルフェンはミスによって後続勢に飲み込まれ、一回り以上年下のファンアンローイが30秒ビハインドで追走。このレース状況は合計48分レースの最後まで変わることがなかった。

UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第5戦 女子エリート表彰台 photo:UCI
まさに圧勝。W杯ランキングリーダージャージをアピールしながらブラントがワールドカップ5連勝をマークするとともに、今季勝率を14戦12勝に引き延ばす。2位はファンアンローイ、スプリントまでもつれ込んだ熾烈な3位争いを制したのは元世界女王のセイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)だった。
男子エリート:「大好きなコース」でファンデルプールが独走勝利

序盤、ティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がレースを引っ張る photo:UCI
オランダベース/ウォータスレイの梶鉄輝と岡山優太が参戦した男子エリートレースには、レース前に「大好きなコースの一つだから毎年参戦を楽しみにしているんだ。今年はコース変更によってより美しい往年の姿を取り戻したと思う。レースを走るのが楽しみだよ」と語っていたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が連続参戦。砂レースを得意とするW杯リーダーのローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン)もここコクサイデでは注目の存在だ。
この日は1周目で既に大勢が決まった。ホールショットを奪った欧州王者トーン・アールツ(ベルギー、デスハフト・ヘンスCXチーム)とファンデルプール、チームメイトでオランダ王者のティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)、スウェークの4名が圧倒的なペースで逃げ、2周目に入ると間髪入れずにファンデルプールがアタック。しかし砂の名手スウェークが鮮やかなテクニックで差を詰めたことで勝負は一度振り出しに戻った。

一気に後続を突き放すマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:UCI
ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)も加わった先頭集団では、続く3周目で大きな動き。乗車でこなすべき砂登りでスウェークがミスを出し、アールツも砂区間で転倒してしまう。3人だけになった先頭グループからは続いてファンデルプールがアタック。距離を空けていたスウェークは追いかけることができず、こうしてフィニッシュまで続く世界王者の独走が始まった。
「こういうテクニカルなコースでは前に出て自分のラインを走る方が遥かに楽。後ろを確認したら差ができていたのでここからプッシュしようと決めたんだ」と、勝負の瞬間を振り返るファンデルプールが、ブランクを一切感じさせない走りで差を広げていく。

復帰後3戦3勝。圧倒的な強さをマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が披露した photo:UCI

UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第5戦 男子エリート表彰台 photo:UCI
2位争いではデルフロッソが常時リードしていたものの、最終盤に入るとスウェークとファンデプッテに追い抜かれ、さらに砂区間でフェンスに引っかかって落車。飛ぶように走ったファンデルプールが余裕の2日2連勝、シーズンデビューから3戦3勝をマークし、その7秒後にスウェークが2位フィニッシュ。得意の砂コースでW杯ランキングのリードを上積みすることに成功している。
年末年始の超過密スケジュールに挑むトップ選手たちは、本日12月22日にX20トロフェー、翌日23日にスーパープレスティージュのゾルダーで再集結。ゾルダーにはアントワープで無念のメカトラに終わった織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)も参戦予定だ。
砂、砂、そして砂。前日のUCIシクロクロスワールドカップ第5戦アントワープに続く週末2連戦の2戦目の舞台は、欧州シクロクロスカレンダーを象徴するベルギーの「砂地獄」コクサイデ。1969年に初開催を迎えた伝統のコースは砂丘(デューン)をたっぷり含み、単純な砂捌きのテクニックのみならず、パワーとランニング、降車・乗車の判断がコース攻略の鍵を握る。
女子エリート:強いブラントが独走、チームメイトのファンアンローイが2位に

女子エリートレースで目覚ましい走りを披露したのは、10月のシーズンインから実に13戦11勝、ワールドカップでも4連勝中のルシンダ・ブラント(オランダ、リドル・トレック)。長年課題としていた序盤のダッシュ力不足も影を潜める36歳のベテラン選手は1周目から先頭に立つ。必死に食い下がろうと試みたアニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング)も、「ディーゼルエンジン」に例えられるブラントのパワーに遅れを取った。


今季序盤戦で好調だったサラ・カサソラ(イタリア、クレラン・コレンドン)が呼吸系の不調でレースを降り、先頭グループがブラントのチームメイト、シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ)とファンアルフェンの3人になった2周目、砂区間で加速したブラントが遂に単独先行に。差を詰めたかったファンアルフェンはミスによって後続勢に飲み込まれ、一回り以上年下のファンアンローイが30秒ビハインドで追走。このレース状況は合計48分レースの最後まで変わることがなかった。

まさに圧勝。W杯ランキングリーダージャージをアピールしながらブラントがワールドカップ5連勝をマークするとともに、今季勝率を14戦12勝に引き延ばす。2位はファンアンローイ、スプリントまでもつれ込んだ熾烈な3位争いを制したのは元世界女王のセイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)だった。
男子エリート:「大好きなコース」でファンデルプールが独走勝利

オランダベース/ウォータスレイの梶鉄輝と岡山優太が参戦した男子エリートレースには、レース前に「大好きなコースの一つだから毎年参戦を楽しみにしているんだ。今年はコース変更によってより美しい往年の姿を取り戻したと思う。レースを走るのが楽しみだよ」と語っていたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が連続参戦。砂レースを得意とするW杯リーダーのローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン)もここコクサイデでは注目の存在だ。
この日は1周目で既に大勢が決まった。ホールショットを奪った欧州王者トーン・アールツ(ベルギー、デスハフト・ヘンスCXチーム)とファンデルプール、チームメイトでオランダ王者のティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)、スウェークの4名が圧倒的なペースで逃げ、2周目に入ると間髪入れずにファンデルプールがアタック。しかし砂の名手スウェークが鮮やかなテクニックで差を詰めたことで勝負は一度振り出しに戻った。

ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)も加わった先頭集団では、続く3周目で大きな動き。乗車でこなすべき砂登りでスウェークがミスを出し、アールツも砂区間で転倒してしまう。3人だけになった先頭グループからは続いてファンデルプールがアタック。距離を空けていたスウェークは追いかけることができず、こうしてフィニッシュまで続く世界王者の独走が始まった。
「こういうテクニカルなコースでは前に出て自分のラインを走る方が遥かに楽。後ろを確認したら差ができていたのでここからプッシュしようと決めたんだ」と、勝負の瞬間を振り返るファンデルプールが、ブランクを一切感じさせない走りで差を広げていく。


2位争いではデルフロッソが常時リードしていたものの、最終盤に入るとスウェークとファンデプッテに追い抜かれ、さらに砂区間でフェンスに引っかかって落車。飛ぶように走ったファンデルプールが余裕の2日2連勝、シーズンデビューから3戦3勝をマークし、その7秒後にスウェークが2位フィニッシュ。得意の砂コースでW杯ランキングのリードを上積みすることに成功している。
年末年始の超過密スケジュールに挑むトップ選手たちは、本日12月22日にX20トロフェー、翌日23日にスーパープレスティージュのゾルダーで再集結。ゾルダーにはアントワープで無念のメカトラに終わった織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)も参戦予定だ。
UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第5戦 女子エリート結果
| 1位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | 48:08 |
| 2位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・グローウィ・ライオンズ) | +0:36 |
| 3位 | セイリン・アルバラード(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:03 |
| 4位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、セブンレーシング) | +1:07 |
| 5位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | +1:11 |
| 6位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン) | +2:13 |
| 7位 | デニセ・ベッツェマ(デクースター・バウプント) | +2:16 |
| 8位 | レオニー・ベントフェルド(オランダ、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ) | +2:25 |
| 9位 | クリスティナ・ゼマノヴァ(チェコ) | +2:26 |
| 10位 | アマンディーヌ・フークネ(フランス、アルケアB&Bホテルズ) | +2:37 |
UCIシクロクロスワールドカップ2025-2026 第5戦 男子エリート結果
| 1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 56:36 |
| 2位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +0:07 |
| 3位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:13 |
| 4位 | ティボール・デルフロッソ(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:23 |
| 5位 | トーン・アールツ(ベルギー、デスハフト・ヘンスCXチーム) | +1:04 |
| 6位 | トーン・ファンデボッシュ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:17 |
| 7位 | ヨラン・ウィズーレ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:20 |
| 8位 | キャメロン・メイソン(イギリス、セブンレーシング) | +1:26 |
| 9位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・アルテスインダストリーバウ) | +1:37 |
| 10位 | メース・ヘンドリクス(オランダ、ヘイゾマット・キューブ) | +1:38 |
| 81位 | 梶鉄輝(オランダベース/ウォータスレイ) | LAP |
| 82位 | 岡山優太(オランダベース/ウォータスレイ) | LAP |
photo:UCI
text:So Isobe
text:So Isobe
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