シクロクロス全日本選手権2日目、男子U23では野嵜然新(drawer THE RACING/桐光学園高等学校)が圧勝でタイトル獲得。男女ジュニア&U17&U15の各カテゴリーレースをレポートする。

弱虫ペダル渡辺航先生は朝からサイン会開催でファンサービス満点 photo:Makoto AYANO
次世代を担う若者たちの男子U23クラスは11時10分スタート。朝方の7時半頃まで降った雨の影響は良い方向に残り、砂は締まって走りやすくなった。ジュニアレースが走った轍もできたが、風が徐々に強く吹き始めていた。

U23の28人がスタート ホールショットは綾野尋(cycleclub3UP.) photo:Makoto AYANO
28人のレースのホールショットを取ったのは綾野尋(cycleclub3UP.)。その後の林間コースを経て野嵜然新(drawer THE RACING/桐光学園高等学校)と前年までU23で2連覇中の柚木伸元(日本大学)の2人が抜け出し、展望デッキ下からビーチへと出る。

序盤から飛ばし独走に入る野嵜然新(drawer THE RACING/桐光学園高等学校) photo:Makoto AYANO
昨年はジュニアだったU23初年の野崎がサンドセクションで先行、柚木を引き離し始める。野崎は最初の浜際へのアプローチでスピードに乗ったまま轍にホイールを取られて杭に引っかかり転倒するも、柚木が追いつく前に再マウントして復帰すると、再び差を開きだす。

風に煽られて杭に突っ込んで落車した野嵜然新(drawer THE RACING/桐光学園高等学校) photo:Makoto AYANO
追う柚木は脚の血管の手術を経て2週間前に競技復帰したばかりで、先週の宇都宮シクロクロスはエリートで走ったが、まだ不十分な仕上がりで、昨年のようなキレが無い。しかし階段をホッピングでクリアするなど観客を沸かせる走りで魅了する。

前年までU23で2連覇中の柚木伸元(日本大学)の華麗な砂さばき photo:Makoto AYANO 
拮抗した追走パック。最終的に3位になる大室佑(中央大学) photo:Makoto AYANO
続くのは田島綾人と田島綾人(ともにW.V.OTA)、大室佑(中央大学)、永野昇海(イナーメ信濃山形)の4人パック。

男子U23優勝の野嵜然新(drawer THE RACING/桐光学園高等学校) photo:Makoto AYANO
独走する野崎の勢いは衰えず、勢いを増すばかり。2位の柚木に1分6秒差をつけてフィニッシュへ。ライン上では今年からサポートを受けるTOYO FRAMEのバイクを高々と掲げるパフォーマンス。実はこの日、野崎のピットには石垣鉄也氏自らサポートに入っていたという。

男子U23表彰 優勝は野嵜然新(drawer THE RACING/桐光学園高等学校) photo:Makoto AYANO
昨年はジュニアカテゴリーで2位に終わっていた野崎にとって、2021年のU17優勝以来、4年ぶりとなる全日本選手権CXのタイトル獲得だ。
野崎「プランを決めてはなく、最初から攻めて行こうと思っていました。U17とジュニアは全日本選手権だけが穫れないという、自分のなかで苦しい時期が続きました。そこを含めて感無量です。大阪でのレースは今自分をサポートしてくれているTOYO FRAMEの地元ということもあって、ここで勝てたのはすごく嬉しい。ゆくゆくはエリートで勝てる選手になるべく、次からも勝ちを重ねたい」。

男子U23で勝利した野嵜然新(drawer THE RACING/桐光学園高等学校) photo:Makoto AYANO
男子ジュニア

男子ジュニアのスタート。ホールショットは伊与久真澄(TEAMボンシャンス) photo:Makoto AYANO
2日目の第1レースとなったジュニアのレースは雨のあがった直後のレースとなった。スタートから(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19/横浜立野高校)と松村拓弥(群馬工業高等専門学校)が抜け出して2人パックを形成した。

三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19/横浜立野高校)と松村拓弥(群馬工業高等専門学校)の先頭パック photo:Makoto AYANO
ときにホイールをぶつけ合うほど激しく競り合った2人だが、サンドセクションのこなしで三上が独走をはじめ、差を開いていく。昨年は男子U17で優勝している三上だが、今年はついにジュニアでの勝利に結びつけた。

リードする松村拓弥(群馬工業高等専門学校) photo:Makoto AYANO 
独走する三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19/横浜立野高校) photo:Makoto AYANO

男子ジュニア優勝の三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19/横浜立野高校 ) photo:Makoto AYANO
三上は言う。「風が強くて真っ直ぐ走ることも難しい状態でした。序盤は松村選手と競り合って、松村選手のほうが自分よりも速いパートが多くて難しかったんですが、ミスの無いよう集中して走り、中盤から独りになってからは自分でも気を抜かないように踏んでいきました。じつは少し前に体調を崩して復調したばかりでした。将来シクロクロスでは世界選手権で優勝したいんです」。

男子ジュニア表彰 優勝は三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19/横浜立野高校) photo:Makoto AYANO
女子ジュニア

女子ジュニアのスタート。ホールショットは小林碧(AX cyclocross team/並木中等教育学校) photo:Makoto AYANO
女子ジュニアは小林碧(AX cyclocross team/並木中等教育学校)がスタートでホールショットを決めてからの終始独走で圧勝。初のジュニアタイトルを手にした。

浜辺を独走する小林碧(AX cyclocross team/並木中等教育学校) photo:Makoto AYANO

女子ジュニア優勝の小林碧 photo:Makoto AYANO
小林「今日の優勝は本当に嬉しいです。砂は好きなんですが、今日の砂の走りには苦労しました。ミスしない走りを心がけて最後まで走れたので良かったですが、スピードが落ちてから降車してロスしてしまったりと、まだまだ改善点はあります。全日本のタイトルは初めてで、とにかく獲りたかったタイトルなので心から嬉しいです。一安心で、ホッとしています」。

女子ジュニア優勝の小林碧(AX cyclocross team/並木中等教育学校)を両親が祝福 photo:Makoto AYANO 
女子ジュニア表彰 優勝は小林碧(AX cyclocross team/並木中等教育学校) photo:Makoto AYANO

ジュニアチャンピオンの三上将醐と小林碧 photo:Makoto AYANO
男子U17

男子U17+U15のスタート。ホールショットは伊藤隆聖(Sonic-Racing) photo:Makoto AYANO
男子U17は過去にU15で優勝経験のある伊藤隆聖(Sonic-Racing)が他を寄せつけない力強さで圧勝した。

郷津輝(Dream Seeker Jr. Racing Team)と伊藤隆聖(Sonic-Racing)が先頭パックを形成 photo:Makoto AYANO 
力強く独走する伊藤隆聖(Sonic-Racing) photo:Makoto AYANO

男子U17優勝の伊藤隆聖(Sonic-Racing) photo:Makoto AYANO
伊藤「今日は序盤から上げて上げて、後ろを引きちぎって独走しようとイメージしていた通りの走りができました。MTBもやっていて、地元たつの市でのマウンテンバイク全日本選手権では熱中症になって4位に終わっていたので、いいリベンジになりました」。

男子U17表彰 優勝は伊藤隆聖(Sonic-Racing) photo:Makoto AYANO
女子U17は野口依央、男子U15は大石理人(LOKO RACING)、女子U15はU17を上回る走りで数元陽華が優勝した。

女子U17+U15のスタート photo:Makoto AYANO

女子U17トップを行く野口依央 photo:Makoto AYANO

男子U15 トップを行く大石理人(LOKO RACING) photo:Makoto AYANO

男女アンダーカテゴリーの優勝者たち photo:Makoto AYANO

次世代を担う若者たちの男子U23クラスは11時10分スタート。朝方の7時半頃まで降った雨の影響は良い方向に残り、砂は締まって走りやすくなった。ジュニアレースが走った轍もできたが、風が徐々に強く吹き始めていた。

28人のレースのホールショットを取ったのは綾野尋(cycleclub3UP.)。その後の林間コースを経て野嵜然新(drawer THE RACING/桐光学園高等学校)と前年までU23で2連覇中の柚木伸元(日本大学)の2人が抜け出し、展望デッキ下からビーチへと出る。

昨年はジュニアだったU23初年の野崎がサンドセクションで先行、柚木を引き離し始める。野崎は最初の浜際へのアプローチでスピードに乗ったまま轍にホイールを取られて杭に引っかかり転倒するも、柚木が追いつく前に再マウントして復帰すると、再び差を開きだす。

追う柚木は脚の血管の手術を経て2週間前に競技復帰したばかりで、先週の宇都宮シクロクロスはエリートで走ったが、まだ不十分な仕上がりで、昨年のようなキレが無い。しかし階段をホッピングでクリアするなど観客を沸かせる走りで魅了する。


続くのは田島綾人と田島綾人(ともにW.V.OTA)、大室佑(中央大学)、永野昇海(イナーメ信濃山形)の4人パック。

独走する野崎の勢いは衰えず、勢いを増すばかり。2位の柚木に1分6秒差をつけてフィニッシュへ。ライン上では今年からサポートを受けるTOYO FRAMEのバイクを高々と掲げるパフォーマンス。実はこの日、野崎のピットには石垣鉄也氏自らサポートに入っていたという。

昨年はジュニアカテゴリーで2位に終わっていた野崎にとって、2021年のU17優勝以来、4年ぶりとなる全日本選手権CXのタイトル獲得だ。
野崎「プランを決めてはなく、最初から攻めて行こうと思っていました。U17とジュニアは全日本選手権だけが穫れないという、自分のなかで苦しい時期が続きました。そこを含めて感無量です。大阪でのレースは今自分をサポートしてくれているTOYO FRAMEの地元ということもあって、ここで勝てたのはすごく嬉しい。ゆくゆくはエリートで勝てる選手になるべく、次からも勝ちを重ねたい」。

男子ジュニア

2日目の第1レースとなったジュニアのレースは雨のあがった直後のレースとなった。スタートから(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19/横浜立野高校)と松村拓弥(群馬工業高等専門学校)が抜け出して2人パックを形成した。

ときにホイールをぶつけ合うほど激しく競り合った2人だが、サンドセクションのこなしで三上が独走をはじめ、差を開いていく。昨年は男子U17で優勝している三上だが、今年はついにジュニアでの勝利に結びつけた。



三上は言う。「風が強くて真っ直ぐ走ることも難しい状態でした。序盤は松村選手と競り合って、松村選手のほうが自分よりも速いパートが多くて難しかったんですが、ミスの無いよう集中して走り、中盤から独りになってからは自分でも気を抜かないように踏んでいきました。じつは少し前に体調を崩して復調したばかりでした。将来シクロクロスでは世界選手権で優勝したいんです」。

女子ジュニア

女子ジュニアは小林碧(AX cyclocross team/並木中等教育学校)がスタートでホールショットを決めてからの終始独走で圧勝。初のジュニアタイトルを手にした。


小林「今日の優勝は本当に嬉しいです。砂は好きなんですが、今日の砂の走りには苦労しました。ミスしない走りを心がけて最後まで走れたので良かったですが、スピードが落ちてから降車してロスしてしまったりと、まだまだ改善点はあります。全日本のタイトルは初めてで、とにかく獲りたかったタイトルなので心から嬉しいです。一安心で、ホッとしています」。



男子U17

男子U17は過去にU15で優勝経験のある伊藤隆聖(Sonic-Racing)が他を寄せつけない力強さで圧勝した。



伊藤「今日は序盤から上げて上げて、後ろを引きちぎって独走しようとイメージしていた通りの走りができました。MTBもやっていて、地元たつの市でのマウンテンバイク全日本選手権では熱中症になって4位に終わっていたので、いいリベンジになりました」。

女子U17は野口依央、男子U15は大石理人(LOKO RACING)、女子U15はU17を上回る走りで数元陽華が優勝した。




シクロクロス全日本選手権2024-25 U23、ジュニア、U17、U15 結果
| 男子U23 | ||
| 1位 | 野嵜然新(drawer THE RACING/桐光学園高等学校) | 48分34秒 |
| 2位 | 柚木伸元(日本大学) | +1:06 |
| 3位 | 大室佑(中央大学) | +2:30 |
| 4位 | 田島綾人(W.V.OTA) | +2:51 |
| 5位 | 佐々木啄人(W.V.OTA) | +2:58 |
| 6位 | 永野昇海(イナーメ信濃山形) | +3:27 |
| 7位 | 綾野尋(cycleclub3UP.) | +4:03 |
| 8位 | 新藤想真(W.V.OTA) | +4:04 |
| 9位 | 平山雷斗(日本大学) | +4:14 |
| 10位 | 竹田天飛(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +4:25 |
| 男子ジュニア | ||
| 1位 | 三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI) | 39分54秒 |
| 2位 | 松村拓弥(群馬工業高等専門学校) | +1:41 |
| 3位 | 山田駿太郎(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +2:32 |
| 女子ジュニア | ||
| 1位 | 小林碧(AX cyclocross team/並木中等教育学校) | 39分55秒 |
| 2位 | 綱嶋凛々音(北桑田高等学校) | +3:05 |
| 3位 | 塩貝穂佳(北桑田高校) | +9:41 |
| 男子U17 | ||
| 1位 | 伊藤隆聖(Sonic-Racing) | 26分05秒 |
| 2位 | 郷津輝(Dream Seeker Jr. Racing Team) | +0:36 |
| 3位 | 横田壮一郎(Fine Nova LAB) | +1:06 |
| 女子U17 | ||
| 1位 | 野口依央 | 34分50秒 |
| 2位 | 皆木海音(AVENTURA CYCLING) | +1:17 |
| 3位 | 綱嶋勇音(ボンシャンス) | +1:47 |
| 男子U15 | ||
| 1位 | 大石理人(LOKO RACING) | 28分28秒 |
| 2位 | 奥谷将全(AXIS) | +0:49 |
| 3位 | 村上鳳冴(村上兄弟) | +1:19 |
| 女子U15 | ||
| 1位 | 数元陽華 | 34分38秒 |
| 2位 | 奧山真彩(横浜本牧レーシング) | +2:10 |
| 3位 | 今泉日葵(Q-SHU UNION) | +3:23 |
photo&text: Makoto AYANO
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