新城幸也インタビュー　日本人初の2度目のツール完走を成し遂げて

2010/07/26(月) - 20:25

ツール・ド・フランス2010を完走し、自身2度目のツール完走、そして３つめとなるグランツール完走を成し遂げた新城幸也（Bboxブイグテレコム）。第20ステージ終了直後に代表質問形式で行った共同インタビューより。

2度目の完走を果たし、指2本のピースサインをする新城幸也（日本、Bboxブイグテレコム） photo:Makoto Ayano

大成功のツールとなったBboxブイグテレコム photo:Makoto Ayano―大会を振り返っていかがでしたか？

グランツール3回目、ツール2回目と言うこともあって、今年は余裕を持ってレースに挑むことが出来ました。レースにしても生活にしても。去年ツールの経験を活かすことができました。

去年より応援に来ている（日本の）方々が多かったんじゃないかなと思います。その応援を聞きながら走っていました。

― チームはステージ2勝と山岳賞を獲得しましたが、それについてはどう感じていますか？

やっぱり嬉しいですね。パリの表彰台にはわずかなチームしか立つことができないもの。その中でBboxがそこに上がれたんです。しかも去年と同様にステージ2勝して、みんな「いいツールだった」と締めくくっています。

― 第11ステージのスプリントでの6位についてはどう感じていますか？

今回のツールではそのステージがいちばん力を出せたというか、カタチ的にはうまくいったステージです。脚の調子も良かったステージです。それが毎日続けば僕もスプリンターとしてやっていこうと思うんですが、それがたまにしかいい調子で掛かってこない。毎日10着以内に入れるようならタイプ変更でスプリンターになることも考えますが、今のところは「アタッカー」の今のスタイルを通したいと思います。

シャンゼリゼで待っていたサポーターと一緒に完走を喜ぶ新城幸也（日本、Bboxブイグテレコム） photo:Makoto Ayano― 自身の勝ちパターンでは走れなかったことが多かったようですが、それについては？

それはチームの意向もありますし、今年のツールはゼロキロスタート（アタック）が決まることが多かったので。レースは何が起こるかわからないとはいえ、逃げに乗れなかったのは残念です。

でも、逃げれないなりにも（シャルトーの）山岳賞を守るための動きだとか、スプリントに去年よりも重点を置いたりとか、しっかり各ステージごとに目標があったので、やりやすかった。別に逃げなくてもその日にやるべきことがあっったので、逃げに乗らないからといって単なるステージ完走で終わり、というわけではなかった。常に次の仕事や役割があったので毎日が充実していました。

― 来年のツール・ド・フランスでは今チームが拠点にしている街がスタート地点になっていますが、今からどんなことをやろうと考えていますか？

僕の住んでいるシャトーの目の前がスタートなので、その日はチームTTなんですが、頑張るでしょうね（笑）。僕がフランスでは3番目に長くいる第2の地元といっていい所なんです。ノルマンディー、トゥールーズ、そしてヴァンデ地方に今いるので、その３つめの土地で地元の人にも応援してもらえると思います。

その前にチームのセレクションでツール出場メンバーに残れるように頑張ります。

― 今年の今後のプランはどうなりますか？

今度はブエルタですかね、ハイ（笑）。もちろんこれは監督との話し合いになりますが、僕の今の感覚ではそれほど疲れていないですし、ツールも気持よく終われたので、走れる気はします。でもそれは「まだまだ（レース日数が）多過ぎる」と言われるかもしれないですが、そのへんは監督と相談して決めます。

世界選手権（メルボルン大会）の（日本代表）メンバーに選んでもらえたらいいですね。コースに登りが多くなくて自分向きのコースのようなので、そこで活躍してスプリントで絡んで10着以内に入りたいと思います。

― 次に日本に帰るのはいつになりますか？

日本帰国はジャパンカップでしょうか？　サクソバンクに声がかかったらしいですが、ブイグも呼んでもらえることを願っています。ジャパンカップ出場がなければ世界選を終え時点でシーズンオフに入ると思います。
ジャパンカップに出れるんだったらもちろんまた優勝を狙っていきます。

― 最後に沿道やテレビで応援してくれた日本の方に一言お願いします。

たくさんの応援をいただきました。それが力になって今回の2度目のツール完走につながりました。この走りを今後も続けていって、ヨーロッパでの1勝を早めに実現したいです。できれば今年じゅうに。皆さんそれまでしっかり見守っていてください。

応援ありがとうございました。